複雑・ファジー小説

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ふたり 《コメントください!》
日時: 2012/08/11 13:10
名前: きなこうどん (ID: FLOPlHzm)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=11247

こんばんは。
そして、お久しぶりです、という人もいますか?
初めまして、というべき人もいるでしょう。

「この世界で」のきなこうどんです。(上のURLで行けます。)


新たな作品を書き始めたいと思います。
きなこうどんに初めて会う、という方がいれば、前作から読んでいただけるとありがたいです。
できれば感想もお願いします。(図々しいですが。)


前作から引き続きの方、どうもありがとうございます。
個々でいろいろ感じたことはあると思います。
その思いも引きずったままでこの作品を見てください。

もしかしたら、きなこうどんも成長しているかもしれませんね。




身勝手ながら、この頃は忙しいので、更新は遅くなってしまうかと思いますが、温かい目で見ていただけるとありがたいです。

コメントをする方は遠慮せずに、「本音」で!!!
敬語でなくても大丈夫です。いきなり友達感覚でも。

今回もよろしくお願いします。

Re: ふたり ( No.5 )
日時: 2011/10/08 10:34
名前: きなこうどん (ID: QGQgEihT)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi


この病院で入院している遥と愁はいつも看護師が起こしに来る前に必ず目が覚める。起き上がった後、うんと伸びをして、晴れの日は深呼吸をすると、肺の中に溜まった空気が清々しい空気に換わる。

すっとする感じが気持ちいい。

窓ガラスから空を見上げると、しんとした青の中にきらりと光る飛行機が見えることがある。その光が確認できると、今日はいよいよ良いことがある、と遥は決めつけていた。

——たとえ見えなくても、いつもの一日は始まる。

今日は何も見えなかった。でも、それは今日が悪い日であることを示しているものでもない、と遥は決めつけている。

「おはよう」

「おはよう」

愁と遥は声をかけあい、今日も無事に生きていることを確かめた。愁の言葉は晴れていなかったが、それが普通だ。こもった声の中に欠伸が混じっている。

Re: ふたり ( No.6 )
日時: 2011/10/08 10:39
名前: ☆MOMO★ (ID: vp2qGUNh)


こんにちわ!

続きが楽しみです^^

Re: ふたり ( No.7 )
日時: 2011/10/08 21:06
名前: ファルシナ ◆OjcrLFo6Is (ID: SR0aabee)

お久しぶりです。
これなくてすみません!
だいぶお話更新しました!
新作も面白いですね。
更新待っています!
ついでに、更新したので読んでね!

Re: ふたり ( No.8 )
日時: 2011/10/11 23:26
名前: きなこうどん (ID: QGQgEihT)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi

遥はベッドから起き、カーテンをバサバサと乱暴に開け、思った通りのことを言った。

「今日もいい天気だ」

なんせ、雲は一つも見当たらなかった。それを見ると、遥は胸が躍った。四角い区切られた空からは既に溢れんばかりの光が降り注いでいて、こうしている間にも世界のどこかは闇に包まれた夜なのだ、とは思いにくい。

「おはよう!」

まだベッドでうじうじしている愁を振り向き、遥はそう言い放った。四月とはいえ、朝は寒さが身に沁みる。愁が掛け布団にくるまっているのも当然だろう。しかし、遥は同情などしなかった。腰に手をあてて、ため息のついでに空気をたくさん吸い込んだ。

「起きろ!」

きんきん声で、愁のベッドに近づく。それでも、愁はなかなか起き上がらない。

寝起きの良い遥には信じがたいことだった。

Re: ふたり ( No.9 )
日時: 2011/10/23 13:10
名前: きなこうどん (ID: QGQgEihT)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi


しかし、それはいつものことである。

毎日がこれで始まる。渋々起きる愁も、これには慣れてしまった。

遥は自分が起きるまで怒鳴るのを止めない。そして、自分が起きたのを確かめると、にっこりと笑うのだ、と。

ため息交じりの遥も、怒った口調で起こしながら、実は起きたあとの愁の笑顔を心待ちにしているところがあった。

幼いながらにふたりはお互いに恋していたのだ。しかし、なぜ自分たちはここにいるのか——。それを彼らは知っていた。だから、お互いに自分の心の内を明かせないままでいる。

毎朝、毎朝、起こし、起こされ、相手がおはよう、と言ってくれるだけでいい。

一緒にいるだけでいい。

でも、欲を言えば、今すぐにでも伝えたい。本当のことを言えたなら、どんなに幸せだろう。

けれど、自分の気持ちをよくよく考えてみると、実はとても恥ずかしいことなのでは、と思ってしまう。

そして、最後には病気のせいにしてしまうのだ。

病気でさえなかったらきっと自分の気持ちをさらけ出すのに——。


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