複雑・ファジー小説
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- 黒ウサギ×銀色蝶々 参照1000! 感謝感激です!
- 日時: 2013/02/12 22:10
- 名前: 白月 (ID: P6IPfdWt)
どうもこんばんは!
新参者の白月と申している者です。
一応別のところで書いてはいるのですが、乱文なため初心者同様な小説になってしまうかと思います。
そんな小説でも読んでくださればありがたいです。
もしよろしければ、アドバイスなども下さるととても嬉しいです。
予定では、ファンタジー恋愛もの+αでミステリ(?)が付く予定です。
ちなみにキャラは結構増えます。
では、次のスレからプロローグを書いていこうかと思います。
それとですが、キャラが出てくるたび紹介欄が増えますので、宜しくお願いします。
キャラ投稿欄
名前: 年齢: 性別: 職業:
味方: 人種:
容姿:
性格:
武器:
能力:
備考:
サンボイなど:
これらをコピペして投稿してくださるとうれしいです。
ちなみに、味方という欄は、計画委員会側か、ギルド側と書いてください。
どちら側でもない場合は、クロト達の通う学校やハッカーとして登場させようかと。
それと、人種というのは人間か、蝶のどちらかを書いてください。
そして、蝶の場合は能力の欄を出来れば書いてください。
そして人種ですが、人間と蝶だけでなくとも大丈夫です。(魔人とか竜族でも人でなくてもオーケー)
それでは、お手数おかけしますがよろしくお願いします!
キャラ募集についてご質問があればご自由にどうぞ。
〜今まで来てくださった方々〜
春野花様
長月様
更沙蓮華様
フレイア様
エテル様
陽様
死神様
kuja様(元JUDGE様)
水月様
翠蓮草様
御鳥様
(以上来てくださった順に)
〜オリキャラを投稿してくださった方々〜
更沙蓮華様……ユーリ・フェルーカ>>014
フレイア様……ティアリア・ルービット>>018
ジーク・ディアレイ>>077
死神様……クウゴ・シュナイバー>>036
メラ・ガッセナール>>036
JUDGE様……ヴィータ・フォルティス>>044
水月様……キル・フロート>>064
ルエ・ハーミア>>069
翠蓮草様……ジュピー>>074
陽様……セト(セトゥカー・デイブラッド)>>084
春野花様……リラ・ワトスン>>087
御鳥様……フレイ・フォルレスト>>091
〜挿絵・扉絵〜
扉絵みたいなもの>>042 (作:白月 注・ド下手です)
キャライラスト(JUDGE様が描いてくださった絵です)
クロト&エトワール(表紙)……>>050 (バリクソうまいです。こっちだけみた方がいいかも)
ヴィータ……>>051 (カッコ可愛いです。ご覧あれ!)
クロト……>>083 (かっくいいクロトがいます。クロトかっこいいと再確認しました)
キャライラスト(他の方々が書いてるくださった絵。こちらも上手いです)
セト……>>084 (陽様のオリキャラ絵。滅茶苦茶かっこいいです!)
リラ・ワトスン……084 (春野花様のオリキャラ絵。かわいい……確かにこの子が笑ったら私もやられそう)
クロト……>>093 (長月様が書いてくださいました! でら上手い。上手すぎてなんもいえない)
〜小説添削〜(JUDGE様がしてくださいました!)
>>001と>>002の添削……>>046
>>004と>>005の添削……>>057
〜目次〜
プロローグ『1人歩く最中で』>>001
第一章『黒ウサギは記憶なし』
一話『黒ウサギは幸福たる死を運ぶ』>>002 >>003 >>004 >>005
二話『美少女情報屋』>>010
三話『あの人』>>023
第二章『銀色の覚醒——オワリの始まり』
四話『誘拐事件』>>024 >>025 >>028 >>032
主要キャラ紹介>>110
世界観>>007
用語>>022
- Re: 黒ウサギ×銀色蝶々 ( No.3 )
- 日時: 2011/10/18 17:49
- 名前: 白月 (ID: P6IPfdWt)
過去は、過ちを繰り返さないためのものだ————。
俺は、そう思う。
第一話『黒ウサギは幸福たる死を運ぶ』
ザザザザッ————。
夕焼けの深い森の中を、真っ黒なものがものすごいスピードで駆け抜けていた。
いや・・・よく見ると人だ。真っ黒に見えるのは深い森の中を駆けているせいでもあるだろうが……。
その人間は、黒いコートに黒いズボンにブーツ。極めつけは黒い髪の毛であるということだろう。
そのため、こんな暗い森では見えにくいといったらこの上ない。
そして、少しすると森の開けた場所に出た。
その、出てきた人間の姿はまだとても若く、17、8歳くらいだろうか。
————と、その場所に出た瞬間、一気に跳躍。
すると、片手に携えていた刀を両手に持ち替え、刺突の構えを作る。
そしてそのまま、地面へとすごいスピードで落下していく。
そして、地面との距離がどんどん縮まってくると、何か巨大な————うごめく物が見えてきた。
そして、
————ヒュオン、ザシュッ!
風を切り音とともに肉を突き刺す嫌な音が聞こえた。
『ギャォォオォオゥッ!!』
大気を揺るがすような、決して人が発するものではない、恐ろしい悲鳴が聞こえた。
人間が刺したのは、異形の姿をした、魔物だった。
人間を殺し、食らう人々に害なす存在。
そして、その突き刺した刀を引き抜いた。すると、鮮血が咲いた花のように噴き出した。
それから人間は、自分の何倍もあろうかという魔物を容赦なく切り裂いてゆく。
魔物も時に対抗して人間を殴りつけようと腕を何度も勢いよく振り下ろす。
しかし、魔物が攻撃するのはいつもその人間の残像だった。
あまりにも速すぎて目が追いついていかず、ようやく攻撃できたと思ってもそれは残像に攻撃したに過ぎず、次にコンマの速さで魔物に次々と攻撃が入れられていく。その度に、魔物の悲鳴が響き、鮮血が舞う。
そして、人間は魔物の振り下ろす、当たったら一瞬で潰されてしまうような掌底を身をひねるだけで避けると、一息に跳躍。そのまま、魔物の首めがけて刀を横薙ぎにふるった。
————すると、その魔物の首は枯れて落ちてしまったひと房の花のように、いとも簡単に、ぽとり。と落ちてしまった。
そして、その人間はその様子を一瞥、「ふむ」と呟いて頷き、刀を振って血糊を払ってから、刀を鞘に戻した。
「とりあえず……一つめの作戦は成功だな。後は……」
と、言いきる前に気配と物音を聞きとり、聞こえた方向、自分の背後の木々に目線を向けた。
「おお—い。クロト—!無事か—い?」
という、緊張感がどこか抜けた声が聞こえた。
- Re: 黒ウサギ×銀色蝶々 ( No.4 )
- 日時: 2011/10/19 00:30
- 名前: 白月 (ID: P6IPfdWt)
「…………」
あまりの緊張感の無さに、クロトと呼ばれた少年は呆れてものも言えず、こめかみを押さえて思わず大きなため息をつく。
「なんでため息なんかするのさー大体、無事かどうかっていうことぐらいには返事してよね。こういう依頼は危険で」
と、文句の熱弁をふるっていた二十歳くらいの男にクロトと同じくらいの少女はもまた呆れた表情だった。
「リューラさん。クロト君のため息はあなたが仕事中にも関わらず能天気で楽観的だからですっ!」
「えぇ〜?結構真面目にやってるんだけど」
「嘘をつけ……」
少女は亜麻色の髪を振り乱しながら一喝するも、リューラと呼ばれた緋色の髪の毛の男はへらへらした笑顔で不思議そうに答える。
クロトはもはや呆れを通り越して諦めた表情だった。
しかし、依頼はまだ終わっていない。クロトは気を取り直して2人に向き直った。
「……で、首尾よくいったか?クレア、リューラ」
2人はそれにしっかりと頷いた。
「ん、巣で眠ってた魔物たちなら起こして引きつけておいたし、奴らの大好物のビーストキッドの死体もあるし、じき来るでしょ」
と、気楽そうに頭の後ろで腕を組んだ。
「……でも、いくらビーストキングの幼体だからと言って、よくあんなにも簡単に倒せちゃいましたよね」
と、クレアは感心したように言うと、クロトはそうか?と、当たり前のように言い放った。
ちなみに、ビーストキングとは魔物の中でも獣型に分類される魔物達の上位にいる魔物で、ビーストキッドはその子供である。
しかし、もちろん上位の魔物なので、倒すのは容易ではない。
「アレはまだかなり幼い方だ、倒せて当然だろう」
「……時々思うけど、クロたんって神経何本か抜けてて怖いよねぇ」
リューラは苦笑いしながらそう言った。
クレアも同じことを思ったらしく、うんうんと頷いていた。
————だが、クロトはそんなことを気にも留めず、刀を右腰に挿してある鞘からゆっくりと引きぬいた。
「そろそろ、来たようだな」
クロトの目の鋭さが増した。彼の高まる闘気を感じ取ったかのように刀がきらっと光った。
そして、リューラもナックルを装着した腕を構え、クレアは腰についていたポーチからナイフを取り出し、いつでも投げられるように構えた。
一瞬で緊張状態に陥ったその場は、恐ろしいほど静かだった。
『グギャアアアアッ!!』
そして、魔物がその場に踏み込んだ瞬間、悲鳴と鮮血が舞った。
- Re: 黒ウサギ×銀色蝶々 ( No.5 )
- 日時: 2011/10/21 00:12
- 名前: 白月 (ID: P6IPfdWt)
鮮血が飛び散ったのが合図だったかのように、数十もの魔物達が一斉に襲いかかって来た。
ちなみに、鮮血を飛び散らせたのはクロトだ。
今回の魔物は仲間意識の強い、狼系の魔物なため、もちろん一番最初に傷つけたクロトが標的になる。
つまり裏を返せば、彼、もといクロトはかなりの強者。ということになる。
「あれ……?」
不意に、クレアが間の抜けた声を出した。
「どうしたクレア?」
クレアは「ええとですね……」と、どこか不味そうな表情でこう言った。
「あの……なんか、さっき引きつけてきたよりも、魔物の数が多い気が」
魔物の量が増えれば、多勢に無勢。いくら強くとも沢山来られれば勝率も低くなる。
そしてそれにリューラが軽く「ああ〜」と、今気付きました。というような声音で相槌を打つ。
「多分、他の魔物も起きたんじゃない?奴らの移動中にさ。それに他にもアレの肉が大好きな魔物はいっぱいいるし」
「まぁ、いくら増えようとも同じこと。所詮は雑魚の集まりだ」
そう言い捨てると、クレアの心配もよそに自分から大群に突入していく。
そして勢いそのままに、一気に目の前にいた二匹切り捨て、次に飛びかかってくる魔物達も一太刀浴びせるだけで真っ二つになって地面に崩れ落ちる。
と、情け無用と言わんばかりに、次々に魔物達を切り倒していく。
そして、リューラも地面を蹴って走り始める寸前、クレアに
「まークロたんの強さは伊達じゃないから心配しなくてもいいでしょ。勝てる自信がなきゃ自分から牽制なんて引き受けないだろうし」
そう言ってお茶目にウインク。そしてクロトの手助けに行くためにリューラは地面を蹴り、ものすごい勢いで走り去って行く。
クレアは確かにそうですね……と、思いつつ攻撃力を上げるサポート系の魔法の詠唱に入った。
それから数十分————彼らの周りには魔物の死体がたくさん転がっていた。
目立った外傷もなく、彼らが勝ったということはあからさまである。
「……はぁはぁ、クロト君は本当に、強いん、ですね……」
と、肩で呼吸しながらクレアがにっこりして言った。
だが、クロトはそんなことはない。と思って首を横に振った。
「クレアが、サポートしてくれなかったら、これくらいの傷では、済まなかったろう。まさに、多勢に無勢だ。ありがとう」
微笑みながらそう言われてクレアは顔を赤くした。
息が上がっていることもあるが、同年代の男子に言われると、何となく照れてしまうものである。
しかし、そこでリューラが不服そうな声を上げる。
「クロたん。僕への、感謝の言葉は〜?」
「クロトだ。その呼び方やめないと感謝の言葉なんて言ってやらんぞ」
クロトは本当に嫌そうなのだが、リューラは「親愛の呼び方だからヤダ」の一言で、クロトの意見をバッサリ切る。
そして、クロトは息を整えると、二つ折りの端末をズボンのポケットから取り出した。
————携帯電話だ————を、ギルド本部の番号にかけ「魔物討伐の依頼、完了した」など、
短い報告をして通話を切ると、携帯電話をポケットにしまいこみながら、戦いの疲労で地面にへたり込んでいた2人に、立てるか?と、訊くと、2人とも頷き地面からゆっくりと立ち上がった。
「日もすっかり暮れてしまったし、どこかで食べるか」
「あ!だったら私、美味しいとこ知ってますよ?」
「じゃあ、クレアのおごりってことで!」
「何でそうなるんですっ」
勝手に決め付けられ、クレアが声を荒げる。
「だが、その前に風呂だ。こんな血まみれじゃ店に上がらせてももらえないだろう」
まぁまぁ、といった感じで二人が言い争いになる前に話を切り替える。この2人は良い争いになると色々面倒で、クロトはそれを何度か止めたことがあるのだが、そのあとのストレスが半端ないのだ。
で、風呂の件については2人とも「確かに」と頷いた。
先ほどの戦闘で、返り血を浴びて服が血まみれになっていたのだ。
ぺちゃくちゃしゃべりながら帰路についていく3人を見ている、どこか不自然な鳥がいた。
と、3人が森の中に消えていくと、もう、様が済んだようにどこかへと飛び去って行った。
————薄暗い部屋に、少女が1人いた。
彼女はパソコンをの画面を覗き込みながら、
世界の何もかもににも無関心そうな表情で、こう呟いた。
「ふぅん、なるほどねぇ……」
と、
10月21日修正
- Re: 黒ウサギ×銀色蝶々 ( No.6 )
- 日時: 2011/10/21 01:57
- 名前: 白月 (ID: P6IPfdWt)
クロトはギルド本部にある自室でさっき着ていた、服から別の黒いズボンとシャツに着替えているとき、ガチャ、と扉が開く音がした。
恐らく、足音からしてルームメイトのリューラだろう。
ちなみに、クロトのいる『ギルド』は大きな施設で居住スペースが設けられていて、しかも首都のクラウディアシティに立地しているため、住み込みでもいいし、近ければ自宅から通うのでもいいことになっている。
しかし、部屋は何か事情がない限り2人ずつか、3人ずつのシェアルームに住むことが鉄則。
そういうシステムにした理由は『親交を深め、相手の事をよく知ることでチームワークを善くする』なのだが、ここのギルドは個性的でマイノリティな連中が多くいて、慣れ合うことができない連中が殴り合い始めるなんて日常茶飯事だし、かなりの規模なため監督が行きわたっていないところもあって、ちょっとした問題になっている。
「ねークロたん」
急にクロトの部屋に入ってきたリューラが話しかけてきた。どうせくだらない話だろうと思いつつも、「何だ」とクロトは無愛想な声音で返事をした。
「あのさークロたんにいつの間にか『黒ウサギ』って言う異名付いてるみたいだよ〜」
やっぱりくだらなかった。と、思いつつも、声には出さず「そうか」とだけぶっきらぼうに答えておく。
「で、『黒ウサギ』って例の有名な童話から引用されてるんだってさ」
「……むぅ。なんか複雑だな」
クロトは渋い顔になり、そう言った。
例の童話とは、『白ウサギと黒ウサギ』という、子供向けの童話で、内容的には、『白ウサギの事が大好きな黒ウサギは、白ウサギをさらおうとする、悪い魔物をやっつけていくうちに魔物は減り、いつしかは魔物の脅威にさらされていた人々の役にもたち、とても強い、しかしどこか孤独な白ウサギの騎士になり、最後は二匹は結ばれる』
なんていう、主人公がウサギということをのぞけばどこにでもありそうな物語のことで、この世界、『ガーデン・テュリカ』に住むものならば、必ずと言っていいほど知っている。
で、リューラとは結構付き合いは長いので慣れてはいるが、異名の由来なんてものは大抵すぐに埋もれて、その異名だけが残るものだが、それをもう把握しているとは。
なんて情報が早い奴なんだ……。と、呆れ顔になり思わずため息が出た。
「というか、その広い情報網と、優秀な情報収集能力を何故仕事で使わない……?」
もう、先ほどの仕事でただでさえ疲れているのに、それに気がついた瞬間、更に疲れた気分になってしまう。
そして、リューラはニコニコとしながら、その問いにこう答えた。
「だってさーやっぱり自分の好きなことの方がらる気出るじゃん」
……もう、なんだか疲れを通り越して、クロトは何歳か歳をとった気分になった。
と、突然リューラが何か思い出したように「あ」と間抜けな声を発した。
「……今度はどうした?」
「うん、実はさっきボスがクロたんの事を呼んでたよ」
それを聞いた瞬間、サッと血の気が引いたかと思い気や、憤りみるみる顔を真っ赤にしていく。
「それを早く言えぇぇ——————————!!」
あまりのストレスと怒りでクロトは夜中にもかかわらず、大絶叫した。
- Re: 黒ウサギ×銀色蝶々 ( No.7 )
- 日時: 2011/10/22 02:13
- 名前: 白月 (ID: P6IPfdWt)
この世界、『ガーデン・テュリカ』————。
こことは別世界である『ガーデン・シャングリラ』の意思と恩恵の元、
豊かな緑と鉱山資源のおかげで、科学と魔法の文明が発展した世界。
しかし、『ガーデン・テュリカ』は危機に瀕しつつあった。
人の生活と科学と魔法の発展のために人間の都合よく発掘され続けた資源は、枯渇の一途をたどっていた。
更に、人々が暮らしやすくするためにと、続けられた新耕地開拓のための森林伐採、自然破壊。
そしてこれらの資源、緑を生み出し、環境を整えているのが、意思ある世界『ガーデン・シャングリラ』
とあるものは、「我々人類が資源を多く消費しすぎ、自然破壊を急速に進めているから、『シャングリラ』の調整が遅れている」という者もいれば、
とあるものは「『シャングリラ』が『テュリカ』と人類を見離したから恩恵を受けられなくなった」という者もいた。
しかし、危機を何とかしようという計画が国から発表された。
その名も『シャングリラ無限エネルギー計画』
その名の通り、その世界が持つ意思ごと手に入れ、資源の枯渇、自然破壊にも恐れることは無く、文明の発展を目指し永久に幸せな世界を作ろうという計画。
しかし、「我々は『シャングリラ』と共存関係にあったのだから、それを維持し続けようではないか」という団体が出てきたのだ。
団体は、ギルド『深淵の希望』
『深淵の希望』の主張は、みんなで手を取り合って助け合い、資源や森林が戻るのを待ち、今までのように穏やかに暮らそう。というものだった。
裏を返せば『シャングリラ』はただの別世界ではなく意思のある世界なのだ。
そのような強行手段にでれば、恩恵を受けることができなくなるのではないか。
そのころ、不安になっている住民の代表として立ったのが大きな依頼から小さな依頼まで何でも受け、住民の信頼がとても高かった『深淵の希望』だったとも言える。
それ以来、『シャングリラ無限エネルギー計画実行委員会』と『深淵の希望』の衝突が度々起きるようになった。
そして、この世界には、崇拝され『シャングリラ』の力を得ることができるとされた者たちがいた。
それは————『蝶』とだけ呼ばれる者たち。
『蝶』は美しく、力を解けば背中からは美麗な蝶の羽が生えるされ、繁栄の象徴でもあるとされている。
何故、『蝶』は『シャングリラ』の力を得ることができるか。
それは、『蝶』達がそこの生まれで、『シャングリラの魔力』を持っているからとされていて、『蝶』と交わった家、通称『蝶家』は不思議と繁栄し続けている。
一時期、『蝶』から『シャングリラの魔力』を取り出せないかと会議が行われたが結局、繁栄の象徴だからそんなことをしたら縁起が悪いし住民の批判の声も上がる。
結果的にその計画は消えてしまった。
* 〜 * 〜 * 〜 * 〜 * 〜 *
本当は続きを書きたかったのですが、夜遅くなってしまいましたので、
明日続きを書こうと思います。
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