複雑・ファジー小説

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主はそれを運命と呼ぶ 夢喰らいと悪魔憑き
日時: 2012/01/01 17:03
名前: 李友 (ID: LuHX0g2z)

どうも、初めましての方はどうも。
はじめましての方でなくてもhello。
李友といいます。別名泡れもん
面倒くさいけど、どうぞヨロ。
ともかく、書きます。

主はそれを運命と呼ぶ 夢喰らいと悪魔憑き
スタートです。

prologue>>1

第一章 >>2-20
一節   
第一話>>2 第2話>>4 第3話>>7 第4話>>10 第5話>>11

二節
第6話>>12 第7話>>15 第8話>>16 第9話>>17 第10話>>20

第二章 >>23-40
第1節
第11話>>23 第12話>>24 第13話>>26 第14話>>27 第15話 >>33
第2節
第16話>>34 第17話>>35 第18話>>38 第19話>>39 第20話 >>40

第三章 >>41-
第1節
第21話>>41 第22話>>42 第23話>>43 第24話>>44 第25話>>45

Re: 主はそれを運命と呼ぶ 夢喰らいと悪魔憑き ( No.38 )
日時: 2011/12/27 18:13
名前: 李友 (ID: LuHX0g2z)

第18話

ふわふわと煙にまかれ、あの少年が姿を現した。

「ほら、ね?」

また、あの怪しい目でメグを見つめる。
「本当なんだ…。」
「そうだよ?見てのとおりね。」
「…ねぇ、夢喰い。いくつか聞いていい?」
夢喰いの夢を見るようになったこと。
どうしてあたしのことを魔女だというのかってこと。
これから何が起こるのか…。
先生はどうなった!?
聞きたいことだらけ。
言おうとすると、夢くらいはまた静かにほほ笑んだ。
「全ておしえてあげる」
意を決し、ごくりと唾を飲むと、夢喰いは語り始めた。
自分たちの事…。
どうして、メグの前に現れるようになったか。
全てを…。
「まず、僕が君の前に現れるのは、君を束縛するためだ。」
…!!
恐ろしいことを言う子供。
でもだめだめ、そんな言葉に惑わされてはならない。
「この数年溜めてきた恨みを晴らすには君を恐怖のどん底に陥れる以外に方法がない。君を「悪夢に縛り付けて」僕の傀儡にしてやるんだ。」
コトバが出なかった。
リアルすぎて抵抗することもできなくなる。
だってほら、もうこんなにがくがく震えてる。
どうしようもなく恐ろしい…!
だ、誰か助けて。
「まってよ。まだ話が終わってない。」
冷静な言葉で現状に引き戻してくる…。
なに、今度は。

Re: 主はそれを運命と呼ぶ 夢喰らいと悪魔憑き ( No.39 )
日時: 2011/12/28 19:02
名前: 李友 (ID: LuHX0g2z)
参照: 小説鑑定感想屋

第19話

「でもね、メグ。それでも僕は君に復讐なんてできる筈がないんだ。」
…なんか、思わせぶりな言い方。
「どういうこと?」
今まで私の事、魔女だの許せんだの言ってたくせに。
「——全ては君のわがままの上に成り立っていることなんだよ?」
…え?
ま、ますます意味わかんない。
もう一回いうよ?
「どういうこと?」
すると、ふふふっと笑って少しうつむいた。
前髪をかきあげると、伸びをした。
めんどうくせぇって、そんな風に。
「これがまた面倒くさい掟でさ、君らにはわからないだろうけども。」
「…何よ?」

——夢喰いの世界は厄介なんだよ——


「僕たちは人間を利用して生活してるんでね、稀に僕らを見つけられる奴は悪夢を食べてほしいってすがってくるもんで。その夢を食べてあげるわけよ。」
「はぁ、夢くいっぽいね。で?だからなに?それがあたしと関係してるわけ?それとも、あたしたちのこのわけのわかんない生活と?どっちにしろお節介なんだけど!?」
急に腹立たしくなったのか、メグは怒りをあらわに食って掛かった。
「まぁまぁ、怒らないでよお嬢さん。まだ話は終わっちゃいない。」
取り乱したメグを余計怒らせる言い方だったが、夢喰いにしたらなだめたつもりだったのかもしれない。

「でも、悪夢を見なくなったら夢喰いは食っていけない。だ、か、ら」

——お前がいるんだよ——

Re: 主はそれを運命と呼ぶ 夢喰らいと悪魔憑き ( No.40 )
日時: 2011/12/29 17:37
名前: 李友 (ID: LuHX0g2z)
参照: 小説鑑定感想屋

第20話

「まぁ、僕の復讐がなされるためには、君に協力してあげなくちゃいけない。そんなわけよ。」
「どんなわけよ?まさかあんたがこの生活を壊してくれるって?」
「それは君がやらなくちゃいけないことなんだよね。それに、僕が協力してあげるって言ってんの。」
夢喰いも疲れてきたのか、口調が今までの小ばかにしたものとは違い、なんだかキレ気味だ。
話がなかなか進まないのは、メグの頭の悪さゆえか、夢喰いの国語力のなさゆえか。
「ねぇ、マーガレット。」
「っか〜〜〜着易く名前を!」
「フェルヴェリオへ行って?」
……!?
珍しく、優しい顔。
なに、演技?そんなものちょいちょいのちょいだって?
「君の生活を乱すやつを殺すこと。そうしたら僕だって助かるわけさ。」
「それって、私を恐怖のどん底へ陥れるとかいうあれ?」
「…違う。僕が人間になるっていうあれ。」
「…ふぇ?」
本当に突拍子もないことを…。
でも、また面倒くさがっているのか「イラ〜ッ」て顔をされました。
「…それは旅の途中で教えてあげる。君もこんな生活からはやく抜けたいだろう?」
それはそうだ。今の一番の願い。
皆が助かるためなら、元の生活に戻るためなら…!
「いいよ、あんたが助けてくれるっていうならば。」
「…ありがとう。」
今までとは違う、最初に見たとても優しく甘い顔をした。
不思議とその笑顔に心がときめく。
「じゃあね。」
すると、夢喰いは消えてしまった。
するすると、だんだん透明に変わって…。


 恋をしたからかもしれない
 あの夢喰いに
 恋をしたから、助けてあげたいと思うのかもしれない
 でも、いまから行う行動が
 非道へと変わり…。
 すべてを巻き込んでしまうかもしれない
 ほかの大事な人が
 すべてを亡くしてしまうかもしれない
 不安だ。
 でも、やらなきゃ何も始まらない。
 そんな気がする。
 そんな気がする。
 そんな気がする。

Re: 主はそれを運命と呼ぶ 夢喰らいと悪魔憑き ( No.41 )
日時: 2011/12/30 10:06
名前: 李友 (ID: LuHX0g2z)
参照: 小説鑑定感想屋

第21話

「ハッ!」

目が覚めたとき、いつもの寝室にいた。
さ、さっきのは夢?
決意を固め、冒険に出ようとしていたのに…。
夢だったのかな…。
メグはふと、枕の下に何かが入っていることが分かった。
手紙…だろうか。
枕の下。気づきそうで気付かなそうな曖昧な場所。
そんなところに誰が入れたんだろう。
たしか、昨日はなかったはずなのに。

「誰から?」

手紙を開けると、不思議な文字が書かれていた。
メグには読めない。異国の文字だろうか…。
不思議な文字が、つらつらと並んでいた。

でも、最後の行だけはベルテイ語で書かれていた。

「これは、アルナート語です。フェルヴェリオに行く前に、『ルキナ』という人に会ってください。この文字を解読してくれることでしょう。それから、夢で出会った夢喰いのことは「セイ」と言ってください。決して、夢喰いからとは言ってはなりません。」

…夢喰らいからの手紙。
そうか、あれはやっぱりただの手紙ではなかったようだ。
行かなければいけない。
マーガレット=レオヴァーヌが。

し、か、し。
アルナートって何。

なんか、ハナから失敗してる気がするんだけど…。

Re: 主はそれを運命と呼ぶ 夢喰らいと悪魔憑き ( No.42 )
日時: 2011/12/30 12:51
名前: 李友 (ID: LuHX0g2z)
参照: 小説鑑定感想屋

第22話

取りあえず、準備をすることにした。
鞄の中をがさごそやると、シャツと釣りズボンが出てきた。
メグは昔からスカートやワンピース、女の子らしい服があまり好きじゃなかった。
動きやすくて過ごしやすい、ズボンが大好きだった。
皆はメグの事をからかったりしたけれど、メグはズボンが大好きだった。
確かこれはお父さんがくれたものだ。
お母さんはそんなメグとお父さんに辟易としていたようだけど。
ヴァンヒッティに入ってから制服と寝巻しか使ってなかった。
久しぶりのご対面となる。
急いで着替えると、制服を鞄の中にしまった。
私物を置いて行っては、見つかる可能性が高まる。
あとは、メモ帳、懐中電灯、辞典。それから夢喰いからの手紙。
全てを鞄にしまった。

「行かなくちゃ。」

ふいに、ぐっすり眠っているジャスが目に留まった。
黒い豊かな髪を伸ばし、すー…すー…と、寝息を立てる。

もし、フェルヴェリオ兵に捕まったら、ジャスに会えなくなるんだね。
やけに冷静で、憎まれ口をよくたたく、私の幼馴染。

「もう、あたしたち逢えないかもしれないんだね。」

そういうと、ジャスは微笑んだ。
「ンフフ」ってほのかに。

「それじゃあね。ばいばい。」
「メグ…。」

ぱっと、メグの手をつかむジャス。
寝ぼけているのか、声がだるそうだ。

「すぐ戻ってきてね。」

…目を瞑っていて、意識はあったのか。
はた、眠っていて、寝ぼけているのか。
解らなかったけど、そんなジャスを可愛らしく思った。

ジャスの為にも、生きて帰らけりゃな。
大丈夫。大丈夫だよ、安心して。

「絶対絶対、戻ってくるからね。」

声に出してみると、なんだか元気が出た。
そう、本当に、自分は強くある気がした。

「ばいばい。みんな。」



他のみんなにばれないように、足早にかけて行った。


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