複雑・ファジー小説
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- Dream Revival —再生の協奏曲—
- 日時: 2012/03/26 14:02
- 名前: 夏樹 りん ◆IP0D6MCWdg (ID: mP9fdSv/)
どうも! 夏樹 りんです。
今回は複雑ファジーでは二作目になります。
一作目は黒歴史です。本当に。
今回は完璧自己満足で成り立つと思いますが、何卒宜しくお願いします。
今回は今までと違う三人称小説ですが、たまに一人称小説になり、読みにくいかもしれません。なので読みにくいならそう指摘してくださると嬉しいです。
目次
序章>>1 >>2 >>3 >>6 >>7 >>8 >>15 >>19
第一章「夢と流星の島国」
>>24 >>34
- Re: Dream Revival ( No.2 )
- 日時: 2012/02/25 21:37
- 名前: 夏樹 りん ◆IP0D6MCWdg (ID: mP9fdSv/)
「何ソワソワしてんだろうね黒希」
「さぁね、告白されるのにあんなにソワソワしないわよね」
ともかく、必死に笑いをこらえている二人を黒希は哀れむ目で見たいたこともしらず、ついには堪えきれなくなり笑い出した。
*
いつも通りの日常。その日常が崩れて無くなってしまえば人はどうするのだろうか? いつも来衣は考えていた。この頃不思議な夢を見るようになった。幸せに暮らす5人の男女がバラバラになって最後は……何故か最後で夢から覚めてしまう。だからその後色々と考えた。ハッピーエンド、バットエンド、それともまだまだ続くのか……想像は無限だが結末は一つ。結末はきっとバットエンドだろうと思う。しかし、ハッピーエンドが良い。悲しい物語だったなら結末はハッピーが良い。何故、自分には関係の無いことなのにこうも幸せな結末を望んだのか、来衣自身わからなかった。
「なーんか、いつも通りに過ごしていくのもつまんないなーって、言った矢先になにか起こるってよく漫画とかであるよねー。世間で言うフラグというものですかね?」
いつも通り過ぎるのもつまらない、幼い頃からいつも旅をするのが夢だった。ファンタジーなお話が大好きだった来衣にとって少しはワクワクするような出来事が起きて欲しいと願ってばかりだ。
君はそんなに平凡な生活が嫌いなのかい?
何処からとも無く不思議な声がした。少年の声か少女の声か解らなかった。口調からして男だろう。
「……寝よう。そうしたら疲れが吹っ飛ぶ。きっと疲れているから幻聴がするんだ……」
言っておくけど、幻聴じゃないからね
「!!」
コイツ……話しかけてきやがった! 驚きで目を見開いている来衣に対し謎の声の主は堂々と答えた。
3分後には何かが起きるから、せいぜい平凡な3分間を味わってね
「え? ちょ、まっ……」
3分後に何かが起こるって、何故3分後? どうして3分? 平凡な生活の最後はカップラーメンで終わらせればいいのか? あー、カップラーメン食べたくなってきた。来衣の思考はだんだん外れていったのだった。
- Re: Dream Revival —再生の協奏曲— ( No.3 )
- 日時: 2012/02/26 13:39
- 名前: 夏樹 りん ◆IP0D6MCWdg (ID: mP9fdSv/)
「味噌ラーメンは……ってコレ、お湯入れてから4分後じゃんか!」
キッチンの隅にあるカップラーメンが入ったダンボールをあさりながらお湯入れてから何分後にできるか調べている。第三者からみたら物凄く変なんだろう。来衣本人は気にしてはいないが。
中々3分で出来るカップラーメンが見つからずイライラしている反面、ワクワクしていた。”平凡”がなくなるのなら、なにか”面白いこと”があるはず。幼い頃からの夢が叶うかも知れない。
……そんなこと起こる訳無いのに、夢を見すぎているのかも知れない。来衣は手を止め、窓から夜空を見た。星達が光り輝いている。月は夜道を歩く人の道しるべになるような明るさだった。
「明るすぎるのは、嫌いだな」
ポツリとつぶやいた言葉。昔から輝かしいものが好きではなかった。どちらかというと、その光を支える影の方が好きだった。影があるから光があるんでしょう? いつもそう思っていた。
ふと、なにかの異変に気付いた。夜空に裂け目らしきものがあった。最初は目の錯覚かと思って目を擦ってみても裂け目はあった。
これが、”平凡”の終わり。今から”終末”の始まり。
貴女はきっと何かを失う。でもその代わりにとても大事な物を手に入れる。
貴女は、堪えられる? 辛い旅路を……
急に、聞き覚えのある声がした。聞いたことがあるのか曖昧だけど、何故か知っている声が、なにか挑戦をしてくるような言い方をしてきた。
終末の始まりって何? 何を失い、何を手に入れるの?
頭が混乱してきて、一瞬ふらついた。そして、転ばぬよう踏ん張り、外へ出た。
目指すのは白那の家へ。
「はぁ、はぁ、はぁ」
アレからひたすら走った。白那の家にいったら白那が外出中で、白那の双子の兄である、黒希も居なかった。
「肝心な時に限ってなんで居ないのよ!」
走りながら愚痴をこぼす。いつものことだが、本当に大事なときぐらいは居て欲しいと思う。
だって、絶対——
- Re: Dream Revival —再生の協奏曲— ( No.4 )
- 日時: 2012/02/18 14:36
- 名前: ミルクチョコレート (ID: 2WPGd65I)
うわぁ★
りんさん、ミルチョコ、この話好きですっ!
むっちゃ、小説書くの上手じゃないですか!!!!
その文才能力分けて欲しいくらいですよw
来衣はどーなるのでしょーか!!?
白那と黒希は??!
続きが気になってきました(≧Å≦)
更新待ってます☆頑張ってください!!!
- Re: Dream Revival —再生の協奏曲— ( No.5 )
- 日時: 2012/02/18 17:06
- 名前: 夏樹 りん ◆IP0D6MCWdg (ID: mP9fdSv/)
ミルクチョコレートさん
初コメ、有難う御座います!
この話が好きだといってもらえて嬉しいです!
来衣は……主人公補正というやつで死にはしません。
白那と黒希は……
更新頑張りますので、応援宜しくお願いします。
- Re: Dream Revival —再生の協奏曲— ( No.6 )
- 日時: 2012/02/25 21:38
- 名前: 夏樹 りん ◆IP0D6MCWdg (ID: mP9fdSv/)
堂々とたたずむ樹の隣に白那と黒希は居た。二人とも、空にできた裂け目を見ていた。悲しげな顔つきで。
「お別れの時がきたのかしら?」
「え?」
突如、白那が呟いた。その呟きはしっかりと黒希の耳に届いた。
「お別れって、どういうことだよ?」
「そのまんまよ」
意味が解らない黒希に白那はこう告げた。
「黒希にはまだ解らないんだね、私たちのことが。私たちの存在理由が。私たちには、”期限”があるの。その期限が、私にある期限が今日だったの。だから、私は、”私”に還らなくちゃいけないの」
その時、白那と誰かが重なったように見えた。白い髪に、青い目。——覚えがあるはずなのに、解らない。
「今、私は誰かと重なって見えるでしょう?」
白那の声と誰かの声が重なる。——やっぱり、覚えがあるはずなのに解らない。一体なんなんだよ! このモヤモヤは!
「大丈夫、私は消えないから。ただ、”私”に還らない限りずっと——世界を彷徨うの。永遠に」
白那の声が小さくなり、誰かの声が大きくなっていった。それと同時に、白那が透けて見え、誰かがハッキリ見えるようになってきた。
「お願い、シュヴァルツ。来衣に伝えて、貴女の期限は近いって」
「シュヴァルツって誰だよ! 答えてくれよ! ヴァイス! ってえ?」
「だんだん、思い出してきてるでしょ? ”私”を——」
白那は見えなくなり、声も聞こえなくなり代わりに見えたのは、白き少女——ヴァイス。覚えてないのに、解らないのに何故だか、懐かしい。そんな感情が、気持ちが黒希の心が駆け巡った。
「どうしてだ? 何かが掴めそうな気がするのに……」
「きっと、いつか解るから、その時まで、さようならかしら?」
「白那!!」
白き少女ではなく、白那が見えた。
「今までのは、私が見せた黒希に近い誰かの記憶にある、私の姿。私であって”私”でないのよ」
「意味が……よくわからないんだが」
「来衣に聞いてみなさい。——彼女はアウラにそっくりだもの」
また、白那ではなく白き少女になった。
「アウラ?」
「白那じゃない”私”の、友人なの」
「なんか、頭が……」
「フフフ、それじゃあ、私はもう還らないと。”私”が待っている」
今度は白那の姿に。白那は悲しそうな笑顔を作り最後に告げた。
「来衣を、守ってあげてね」
一言残すと光に包まれ消えた白那。残ったのは小さな光。今にも消えてしまいそうな儚い光。
「白那……」
一筋の涙を流し、力なく呟いた。
来衣
「白那?」
走る足を止め、振り返った。白那の声がしたはずなのに、誰も居ない。来衣は再び走り出した。
夜空には小さな光が一つ、消えた。