複雑・ファジー小説

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姫は勇者で魔法使い。
日時: 2012/11/22 21:59
名前: 野宮詩織 ◆oH8gdY1dAY (ID: zist1zA5)

どうも、野宮詩織です。
ちなみに、複雑・ファジーでは二本目です^^

小説大会が始まってしまうと、タイトルが変えられなくなってしまうので、【リメイク】という文字を一旦取りました(´・ω・`)

注意
・荒らし、喧嘩、誹謗中傷、チェンメ、このサイトのルールや法律に抵触するような行為は禁止です。
・宣伝も禁止させていただきます(´・ω・`)
・一見、コメディ成分が強いですが、ちょこちょこグロや過激描写が入りますので、苦手な方はブラウザバックを推奨します。
・作者が嫌いな方もブラウザバックを推奨します。

これらを守れる、もしくは大丈夫という方は大歓迎です!!

†callers†
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†Character’s profile†

†Contents†
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†Illustration†
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†Another†
>>55 >>60

姫は勇者で魔法使い。 ( No.47 )
日時: 2012/06/24 15:39
名前: 野宮詩織 ◆oH8gdY1dAY (ID: L3t15YTe)

「ありがとう! いつもは君の妹が届けてくれてたから、会うのは久しぶりやね。 これからもオルドルと仲良くしてやってね」

ヒジリくんから大量の梅干しがつまった瓶を受け取る。
僕はしょっぱいもの——特に梅干しが大好きなのだが、普通に食べようとすると「身体に悪いから」と言って、オルドルに没収されるから、こうしてミコガミ家から秘密裏にもらっているのだ。
前にヒジリくんの妹であるモモちゃんとキョウコちゃんにこっそり家を見せてもらった時に、彼らのお母さんとおばあちゃんが楽しそうに漬け物をつけている姿を見せてもらったりもしたのだが、その時にモモちゃんが、「需要と供給がずれてるから、もらって帰ってくれると嬉しい」と言われたから、それ以来ちょくちょく色々なものをもらっている。

漬けている本人達も作りすぎているコトを分かっているようで、オルドルにバレないように遊びに行くと、必ずキュウリとかナスとか大根とかバラエティー豊かな漬け物を分けてくれる。
「挑戦してみたから味見してみて」と言って渡された、キムチという辛い漬け物も美味しかった。
アレもまた食べたいなぁ。

「いや、むしろいつもモモ達と遊んでくれてることに感謝してるぜ。 あと、ウチの強制お土産は嫌だったら断ってもいいんだぜ? 甘納豆とか日本人以外にはあんまり美味しくないんじゃないか?」

ヒジリくんは僕が甘納豆を普通に食べてることを不思議そうに思っているらしい。
少し癖があるから、嫌いな人は嫌いかもしれないが、普通に美味しいものだと思う。

そうだ、日本といえば——

「ヒジリくん、姫様と知り合いなんだよね?」

甘納豆や漬け物累々の話は一旦おいておき、さっきのメモの話に戻す。
どう考えたって漬け物より姫様からのメッセージの方が大事だ。
漬け物も美味しいけどね。

「姫とは友達なんだぜ」

ミコガミが胸を張って誇らしげにそう言った。
さっき始めて本物を見た——いや、姿を見たばかりだから的確かどうか分からないけれど、姫様とヒジリくんは動作が少し似ている。
なんというか……子供が背伸びした感じが。

「あの……今から書く手紙を渡すのを頼んでもいい?」

—*—*—*—*—*—

「姫様、なんで兄に接触しようとしたんですか?」
「いや、汝の兄上も連れて行けば、万事解決かなぁ、と思って」

オルドルからサフィールが見つかった、という知らせがあったから戻ってきてみたら、案の定、サフィールが説教をくらっていた。
予想していた通りすぎて、逆にどうしたらいいか分からない。

とりあえず、ちょっと遠くの椅子に座って、サフィールが説教されている姿を見守ることに決めた。
助け舟を出したら、サフィールは反省しないだろうしな。

姫は勇者で魔法使い。 ( No.48 )
日時: 2012/06/28 22:05
名前: 野宮詩織 ◆oH8gdY1dAY (ID: L3t15YTe)
参照: リヤン「あくまで一緒の布団にはいるだけだけどな!!」な回。

「姫ー、リヤンからだぜ」

夜、寝ようと思い、ベッドに入ろうとしたトコロ、天井から吊り下がっているミコガミが一通の手紙をこちらに寄越してきた。
ミコガミは当たり前のように妾の寝室に入ってきた挙げ句、最初からここにいました、と言わんばかりの表情で天井からぶら下がった状態になっている。

ビックリするくらいに常識的なところが窺えない。

「う、うむ。 確かに手紙は受け取ったのじゃ」
「まぁ、すぐに没収しますけどね」

ミコガミから手紙を受け取った次の瞬間、横からオルドルがそれを掠めとった。

「律儀な兄が手紙類を返さない訳がありませんからね。 やはり、見張っていて正解でした。 ミコガミは今晩、私と一緒に寝ましょうか」
「ッ!?」
「はいはい、可愛がってあげますからねー」

必死に抵抗しているミコガミを引きずりながら歩き去っていくオルドルを黙って見送り、しばらく経ってから布団から出る。
妾がそんな簡単に引き下がるわけがないのだ。

「姫様も私と寝たいのですか?」

扉を開けると、満面の笑みをたたえたオルドルが待ちかまえていた。
ダメだ、妾の行動は読まれている……!

—*—*—*—*—*—

「おかえり、オルド……なんでヒジリくんを連れてきちゃったん?」

日にちが変わったばかりの時間になってようやくオルドルが帰ってきた。
いつもよりも1時間以上も早く帰ってきてきてくれたのは嬉しいのだが、何故かヒジリくんと手を繋いで来た。
仲が良いようで嬉しいのだが、こんな遅くまで連れまわした挙げ句、泊めるというのは如何なものだろうか。

「今日はミコガミと一緒に一夜を過ごすんです」

オルドルがこれ以上ないくらいに輝かんばかりの笑みを浮かべて、爆弾発言をかました。
良くない、これは倫理的に良くない……!!

「ダメ! ヒジリくんをお家に帰してきなさい!」

オルドルのことは割と甘やかしてきてしまったつもりだが、ここぞという時には叱らないといけないと思う。
今回のこれは、ヒジリくんにも迷惑がかかってるし、尚更叱ってあげなくちゃいけない。

「リヤンもそう言ってるし、オレは帰……」
「そうはさせませんよ」

踵を返そうとしたヒジリくんの腕をオルドルが掴み、引き戻す。

「危なっ……!」

引き戻された際にバランスを崩したヒジリくんをオルドルが受け止める。
まぁ、オルドルが彼の腕を引かなければ、そもそも転ぶことは無かったわけだし、功績とは言い難いが、とにかくヒジリくんが無傷で良かった。

「兄さんが一緒に寝てくれるなら、ミコガミを帰してあげても……」

腕の中にあからさまに嫌そうな表情で暴れているヒジリくんを抱えているオルドルが何故か顔を赤らめてそう言った。
きっと、ヒジリくんが見ているこっちが想像しているよりも激しく抵抗しているから、押さえつけるために結構強い力を有しているのだろう。

「お風呂出るまで待ってるよ」
「ミコガミ、今日は特別に見逃してあげます」

そう言って、オルドルがヒジリくんを解放する。
あの言葉だけでも、オルドルは僕が言いたいことを分かってくれたようだ。

Re: 【リメイク】姫は勇者で魔法使い。 ( No.49 )
日時: 2012/06/29 14:28
名前: 風猫(元:風  ◆Z1iQc90X/A (ID: 68i0zNNK)

お久しぶりです。
何というか私が変にコメントしすぎるからほかの人がコメントしづらいのかな、とか……

思いながらコメントするんですがね?

オルドル素敵過ぎる(オイ
兄貴でもいけるのか! 私は仲がいい兄弟は大好きです(オイ

Re: 【リメイク】姫は勇者で魔法使い。 ( No.50 )
日時: 2012/06/29 21:14
名前: 野宮詩織 ◆oH8gdY1dAY (ID: L3t15YTe)

>>風猫様

お久しぶり……とういうほどお久しぶりというでもない気がします(´∀`*)
いえいえ、多分、風猫様以外の方からはコメント自体が来ないので大丈夫です((ぇ

リヤン「オルドル、大好きー(弟として)(´∀`*)」
オルドル「私も大好きですよ(一人の男として)(´∀`*)」

↑多分こういう関係なのだと思われますwww
私の小説で兄弟とか姉妹が出てくると、仲良くなっちゃうので、だいたい百合百合しくなりますwww

姫は勇者で魔法使い。 ( No.51 )
日時: 2012/07/03 06:24
名前: 野宮詩織 ◆oH8gdY1dAY (ID: L3t15YTe)
参照: 狙撃手「解せぬ(;゜Д゜)!?」

「汝、今日は嫌に機嫌がいいのぅ」
「そうですか?」
「うむ、なんというか……何故か肌もツヤツヤしておるし」
「やっぱり、分かっちゃいますかー」

珍しくオルドルが嬉しそうに弾んだ口調でそう言う。
楽しそうで何よりではあるが、明日から責任重大な仕事があるというのに、こんな調子で大丈夫なのだろうか。

「それはそうと、早めに旅支度の方をしてくださいね」

ただの業務連絡の話になっても、まだ少しにやけているオルドルに布団を剥がれたため、起き上がる。
まぁ、明日にはこの国を発つ訳だし、早起きに身体を慣らしておくのも悪くない。

—*—*—*—*—*—

「……誰じゃ?」

窓から見える景色が少し赤く色づき始めた頃、念のために、と始めた荷物整理をしていたら、いつもならミコガミが逆さまの状態で出てくる場所から、黒いおかっぱロングの少女が顔を覗かせていた。
まさか、賽国の暗殺兵だとか……!?

「【竜頭荼毘】」

すぐ隣の部屋の扉が開き、そこから飛び出してきたクロヌが右手で剣を構えつつ、左手で魔術を放つ。
彼の左手から、小さな仄蒼い炎が現れた次の瞬間、それは竜の形へと変貌し、おかっぱロングの娘の元へと飛来する。
おかっぱロングの方は意外なことに、あまり魔術に長けてはいないようで、為す術なく恐怖で目を見開き、その場から一歩も動かない。

響子きょうこ!!」

そう叫んだミコガミが仄蒼い竜の前に飛び出し、文言無しで両手で発生させた吸収性の結界を張り、おかっぱロングの娘の前に立ちはだかる。
クロヌはなかなか強力な魔術を使っていたようで、竜は吸収性の結界にあたっても、消滅することもすり減りことさえもなく、前へと突き進もうと何度も結界に身を叩きつける。

竜が身を叩きつける度に、ミコガミの表情が目に見えて苦しくなっていく。
援護してやりたい気持ちは山々だが、妾は魔術をほとんど扱えないため、加勢しに行ったところで、守らなくてはならない対象が増えるだけ。
意味は無いどころか、むしろマイナス方向に傾く。

「オルドル、早く助けなあかんやろ!」
「ダメ。 身体に障るから。 兄さんは大人しくしてて」

さっきまでキッチンにいたはずのオルドルが、何故か兄を引き連れて戻ってきていた。
前に出ようとする兄を後ろに下げ、彼の魔術以外の戦闘に使用しているナイフとピザカッターを構える。
本人曰わく、フォークは刺さりづらい上に見た目よりも威力が無いらしい。
スプーンは言うまでもなく、刺さりづらいという次元を超えて、そもそも刺さらないし、威力もない。

というか、これらは本来、武器ですらなく銀食器シルバーなのだが。

「いきますよ」

オルドルが戦闘地帯にナイフを投擲する。

オルドルが投擲したナイフ累々は竜に向いてなどいなかった。
クロヌもそれが狙った先へと竜を方向転換させる。
否、先行する竜がナイフを誘導するように2つある内の一番右側の開いている窓の外へと飛び出す。

どうやら妾以外の人達は状況を理解したらしい。
……いや、リヤン殿も分かっていないようだが。

「え? 何? どういうことなん?」

妾以上に状況を理解していなさげなリヤン殿がオルドルの服の裾を引っ張り問いかける。

「外に狙撃手がいましたので。 クロヌは私よりも先に気付いていたようでしたが、ミコガミは気付いていませんでしたね?」
「べ、別に気付いてたぜ?」

オルドルがミコガミに向かい、笑顔でそう言った。
対するミコガミはオルドルから顔を逸らし、早口に答えた。
つまり、分かっていなかったらしい。

「よいしょっと……」

不運なタイミングに現れた狙撃手を撃退した時のどさくさに紛れて、天井からおかっぱロングの娘が身軽に宙返りをして、綺麗に着地した。
さっきまでは、目と長い黒髪しか見えなかったのだが、その娘はかなり可愛い。

紺色の夏用の紺色のブレザーのような服に白い丸襟のワイシャツ、ブレザーの色に揃えられた膝上丈のスカート、黒いパンプス。
ぱっちりした紫色の大きな瞳といい、綺麗に手入れされた黒髪といい、天井から現れるという非常識さを引けば、非の打ち所がない。

「えっと、はじめまして。 キョウコ・ミコガミと申します」


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