複雑・ファジー小説

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世界と一緒だから。
日時: 2012/08/19 10:58
名前: 白沢祐 ◆xoPT2KzXZY (ID: 49KdC02.)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode=view&no=17934

「世界、愛してるよ」

こんにちは、こんばんは、おはようございます。
この作品は、シリアス・ダーク板で連載させていただいていた作品のリメイク+続編となっています。
旧作『世界と一緒。』のURLは参照にあります。


☆目次
 >>5

★人物紹介
 久谷竜胆 >>26
 代沢世界 >>29
 時野始  >>36

☆経歴
 08/01 参照300突破
 08/04 旧作『世界と一緒。』 参照1500突破
 08/10 参照400突破

★更新情報
 08/19 四話め。 愛情と狂気は紙一重 5 >>37

☆Thanks!!
 揶揄菟唖様 『コドクビワ、キミイゾン。』などを書いていらっしゃいます。
 クリスタル様 『鏡の国の君を捜して……』を書いていらっしゃいます。
 その他、読んでくださっているみなさま。


では、ごゆるりと

Re: 世界と一緒だから ( No.13 )
日時: 2012/07/20 20:46
名前: 白沢祐 ◆xoPT2KzXZY (ID: khvYzXY.)

>>12

クリスタル様

はじめまして、いらっしゃいませ。作者の白沢です。

題名、地味かなぁと思っていたのですが、惹かれたと言っていただけて嬉しいです。
一回更新分はあまり多くないので、どうぞごゆっくりとお読みください。

コメント、ありがとうございました。がんばります。

Re: 世界と一緒だから ( No.14 )
日時: 2012/07/22 18:21
名前: 白沢祐 ◆xoPT2KzXZY (ID: khvYzXY.)

【壱話め。 君のためと綺麗事を言う僕を許してください 5】


「なら、僕が作ろうか?」
「……いいの?」
「うん。作り置きしてるから、いっぱいあって余るんだよ。それなら、食ってもらった方が嬉しい」

 僕の言葉に、時野は少し考え込むような素振りを見せた。ヤキソバパンを頬張りながら眉を寄せる光景は、なんだかおかしかった。食べるか考えるか、どちらかにすればいいのに。

「ついでに、もうひとつ作ってもらえるかな」
「いいけど……。なんで?」

 珍しい時野からの“お願い”に、思わず首をかしげる。星野の分かと思ったのだけれど、違うらしい。時野は少し考えてから、「あれだよ」と視線を後ろに向けた。そこにあるのは、さっき僕が見ていた女の子グループかっこわらいだ。

「あの中に、愛想笑いしてる黒髪ロングの子がいるでしょ? あの子の分だよ」

 時野が小さく指を指したのは、これまたさっきまで僕が見ていた子だった。箸は止まっており、顔色が悪い。なのに、愛想笑いをしたままそこにいる。

「あの子、一応あたしたちの古い友人なんだよね」

 ふいに声がしてそちらを見ると、弁当をむさぼっていたはずの星野が、箸を止めて目を細めていた。

Re: 世界と一緒だから ( No.15 )
日時: 2012/07/22 18:23
名前: 白沢祐 ◆xoPT2KzXZY (ID: khvYzXY.)

【壱話め。 君のためと綺麗事を言う僕を許してください 6】


 低いトーンの声から、なにかあったんだろうと容易に想像できた。星野は、何か事情がない限りはいつも、明るくてよく通る少し高めのトーンで喋るから。

「なにかあったの?」
「……あの子、兎崎ってさ。1年の時に虐められてたでしょ? あたしさ、助けようと思って情報集めたりしてたんだ。でもさ、原因がわからないんだ。それどころか、犯人すら見つからない。イジメにあってるって話だけが一人歩きして、証拠は何一つ見つからない。その間にあの子、笑わなくなって……」

 星野は、悔しげに顔を歪めながら箸を強く握りしめる。笑うときじゃないってことくらい理解しているが、口角があがる。そうだ、星野終って奴はこういう人間だった。無駄に責任感って言うか、正義感が強い。だからといって勧善懲悪、みたいな思考回路の奴なわけではない。ただ、救えるならば救いたいと願う、実に身勝手な善人。そんなところが気に入ったから、今もこうしてつるんでる。

「星野ですらわからない犯人、か。いいよ、弁当任せて」

 だからとりあえず、心にもないことを言っておく。友人関係って、難しい。

Re: 世界と一緒だから ( No.16 )
日時: 2012/07/23 16:41
名前: 白沢祐 ◆xoPT2KzXZY (ID: khvYzXY.)

【間の話 竜胆君のお弁当】

始「しかし、竜胆くんのお弁当って豪華だよね」
世界「しかもおいしいんだよー! 私のも、竜胆が作ってくれてるの」
終「なんだか、女として負けた気分だ」
始「だってオワリ、男みたいなもんじゃん」
終「あ?」
竜胆「まあまあ、星野。リンゴあげるから、落ち着けよ」
終「ウサギさんになってるし……」


☆ ★

壱話めのすぐあと。
竜胆君は料理が上手です。

Re: 世界と一緒だから ( No.17 )
日時: 2012/07/24 20:35
名前: 白沢祐 ◆xoPT2KzXZY (ID: khvYzXY.)

【弐話め。 ごみ箱行きのラブレター 1】


 空を見上げれば、鮮やかに澄んだスカイブルーが目に滲みた。この色は嫌いだけど、古びた旧校舎の屋上は、なかなかに過ごしやすい。風が心地良いし、邪魔者もいないし。……ああでも、蝉の音は少しうるさいかもしれないな。
 そんなアブラゼミの鳴き声に紛れて、五限目の終わりのチャイムが聞こえた。当然新校舎から聞こえているのだから、少し離れた旧校舎には小さくしか聞こえない。それでも一応聞こえていたので、「あらら、さぼっちゃったね?」なんて意地悪く呟いてみれば、目の前のクラスメイトは顔を青くした。別に、責めてなんかないのになぁ。

「大丈夫だよ、そんなに怖がらないで? 別に、殺そうとしてるわけじゃないんだからさぁ」

 笑いながら言うと、クラスメイトの少女が少しだけ力を抜いたのがわかった。なんだかつまらなかったというか、気に食わなかったから「まぁ、場合によってだけどね」なんて付け足すと、少女はまた顔を青くした。いつもみたいに愛想笑いしてるよりも、こっちの方が人間らしくてずっと可愛いと思う。まぁ、あの人以外に興味はないんだけどさ。それでも、こっちの方が楽しいし、いいかなぁなんて。


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