複雑・ファジー小説
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- 鬼世姫〜KISEHIME〜 アンケート回答募集中!
- 日時: 2016/03/06 18:49
- 名前: 結縁 ◆hj52W3ifAU (ID: PUqaVzEI)
——血が欲しい。
もっともっともっと血が欲しい。
17歳の誕生日に私は、『姫』になりました。
150年に一度選ばれる、鬼族の姫に。
私は……これからどう生きればいいの?
そんなの分からない。
でも、決めたの。
必要とされるなら生きてみよう、って。
◆上記冒頭文を黒雪(華牒Q黒来)さんに作って頂きました
あなたの小説宣伝文作ります! というスレです。
◆挨拶
お立ち寄り有り難うございます。
更新遅めな小説になると思いますが良ければ読んでいって下さい。
〈人物紹介〉
※CVはイメージです
・妃世 憂葉/キセユウハ(CV:能登麻美子)
17歳/女
黒髪ロングで腰まである。蒼い瞳で二重。肌は透き通るように白い
人見知りで臆病。思ったことも口に出せず胸に秘めることも
・名前/読み 酒呑大蛇/サカノミオロチ(CV:近藤隆)
18歳/男
黒髪の長髪で眼は黒、身長はおよそ170、体系は細い
服装は黒を主体し、紅い八岐大蛇の刺繍が 入った着物を着用
酒好きで豪快、約束は必ず守り、仁義は通す
・茨木夾/イバラキキョウ(CV:鳥海浩輔)
18歳/男
黒髪で無雑作ヘアー。眼の色も黒く、鋭い
服装は暗い色か深緑の服を好んで着る。和服の場合も同じ
柄は雷獣が刺繍されている
無口・無表情・無感情。少し天然
とりあえず何を考えているのか思っているのか分かりずらい奴
礼儀 を重んじ、目上の者にはちゃんと敬う
意外に常識人。好きな事は静かに読書
たまに誰かがする喧嘩に混ざりに 行く事
自分からは絶対喧嘩を仕掛けようとはしない
・黒宮竜/クロミヤリュウ(CV:杉田智和)
18歳/男
黒い着物で後ろに竜の絵が描いてある黒い瞳。額に小さく角がある
腰に刀をさしている
暢気で女好きでかなりの酒豪人間を少し毛嫌いしている
悪人を絶対許さず必ず切り捨てる怖いところがある
・久条 蝶羽/クジョウチョウハ(CV: 櫻井孝宏 )
18歳/男
青色の髪で短め 紫色の瞳 メガネ着用 身長180cmぐらい 。いわゆる美形
服装は濃いめの 紫が多い
優しくドSでも男らしい 。いわゆるまとめ役
・久留乃柚葉/クメノユズハ(CV:梶裕貴)
16 歳/男
茶髪の猫目。現代っ子の様な見た目。正直言ってイケメン
着物はあんまり着ないけど着る場合は江 戸っ子の様な着物で色は黄色を好み、勿忘草の刺繍が入っているものをよくきる
明るくみんなのムードメーカー。とっても現代っ子でゲームとか大好き♪ちなみにゲームの腕は神並
とにかく現代的な機器の扱いにたけている。ファッションなんかにも興味があるお年頃
本当は俳優になりたい。けど、人じゃないし無理だと諦めている
・笠間楓梨/カザマフウリ(CV:平川大輔)
20 歳/男
綺麗な鴉の濡れ羽色の髪に黒曜石の様な瞳。
髪の長さはストレートショート。美形
ゆったりとした 茶道の家元が来ている様な着物を着ている
色は薄い色か白で季節に合わせた花が刺しゅうされているものを着る
おっとりとした性格。争い事を好まず、皆を見守る立場にいる
平和主義。めったなことでは怒らない。 だが、怒る時は怒る
怒らせてはいけない人№1。ちなみに怒る時は終始笑顔
■序章■>>1
扉絵>>54
まぁぶーさんと言う絵師様に描いていただきました!
とても世界観に合っていますので是非ご覧下さい。
『用語』>>4
第一章〜鬼族〜
第一話【鬼世姫の覚醒】>>7
第二話【六鬼と鬼世姫】>>16
第三話【憂葉の意思】>>20
第四話【改めての自己紹介】>>24
第五話【不器用な優しさ】>>30
第二章〜変貌する日々〜
第六話【鬼王村の歴史・前編】>>35
第七話【鬼王村の歴史・中編】>>38
第八話【鬼王村の歴史・後編】>>42
第九話【目覚めの傍らに】>>52
間幕>>59
*読者様*
紅揚羽蝶アリス様
竜胆様
希沙良様
通りすがり様
胡蝶様
はな様
crow様
ひいろ様
- Re: 鬼世姫〜KISEHIME〜 ( No.16 )
- 日時: 2014/05/19 13:43
- 名前: 結縁 ◆hj52W3ifAU (ID: wPqA5UAJ)
第二話【六鬼と鬼世姫】
鬼王村に着くと先程片付けた部屋に布団を敷き憂葉を寝かせた。
村まで憂葉を抱えてきたのは九条だった。道中、久留乃にズルいズルいと言われ続けたせいか若干疲れているようだった。
「目、覚まさないね……」
心配そうに言う久留乃に対し答えたのは黒宮だった。
「鬼変してたとは言えやりすぎたんじゃねぇか?」
鬼変……それは鬼世姫のみに見られる症状で血に飢えた暴走状態を示すものだった。
低い声でそう言う黒宮の視線の先は柱に寄りかかり本を読む茨木に向けられていた。
が、例のごとく茨木は反応一つせず本を読み進めていた。
そんな空気の中で一番冷静でいたのは六鬼の中で最年長である笠間だった。
笠間は憂葉の手がわずかに動いたのを見逃さず、この場にいる皆に告げた。
「皆さん静かに。どうやら姫君がお目覚めの様ですよ」
笠間の言葉に皆の視線が憂葉へと向けられる。
憂葉の姿は依然と変わらず、鬼そのもののままだった。
彼等は内心思っていた。自我が戻っていなければ、また気絶させるしかない。
逆に自我が戻っていても己の姿と自身の行った行為を思い出し壊れしまう可能性もあるのだと。
そうなれば、殺すしか道はなくなってしまう。だから、彼等は口に出さずとも願っていた。
ーー殺さずに済めばいいと。
◆ ◆ ◆
ーー夢を見ていた気がした……とても怖い夢をーー
「ん……」
深い意識の奥底で話し声が聞こえた気がした。
最初は気にならなかったその声は少しずつ大きくなっていって……私は真っ暗な場所から目覚めたの。
「姫君? お目覚めですか?」
ゆっくりと重い瞼を開け、自分の状況を確認する。
天井……? と言うことは、やっぱり私眠ってたんだ。そうだよね、あんな恐ろしいこと夢でない訳がない。
そう自分に言い聞かせるように胸に手を当て息を吐く。するとそこでようやく向けられる多数の視線に気がついた。
「姫ちゃん? もしかしてどっか苦しいの?」
姫ちゃん……? そう声を掛けられて、体をゆっくりと起こす。何故か少し腹部が痛かったが気にせずに声の方を見渡してみた。
そうして硬直せざるを得なかった。何故なら夢で最後に見た六人が目の前に居たのだから。
「……な、んで……」
自然と震える声、そして考えてしまう最悪の現実。
その恐怖からか私は両手で口元を覆い黙り込んだ。
「姫ちゃん…?」
「どうやら、正気ではあるようですね。可哀想にこんなに震えて……」
「仕方ないだろう。あんなことがあった後だ」
「……姫、話さなければならないことが沢山あるのですが……落ち着いて聞いて頂けますか?」
目の前に居る人達が誰で此処は何処なのかは分からない。だけど不思議と恐怖を抱くことはなかった。
むしろ、今一番怖いのは……自分だった。
「九条、話すことが多いのは分かるがせめて着替えてもらってはどうだ? ……此処にも血の臭いが充満している」
そう告げたのは黒い着物を着ている男性だった。
血の臭い……? 私を見てそう告げた男性の言葉に改めて自身の服を見てみる。
そうして後悔した。見なければ良かったと。
「あ……ぁぁ……ぅぅ……」
自分の姿を見た瞬間、激しい吐き気と息苦しさに襲われた。だって、そこには、返り血を浴びて赤黒く染まった服があったのだから。
「姫……っ!」
駆け寄って来たのは、九条と呼ばれていた男性で吐き気が治まるまで背中をさすっていてくれた。
「……すみません……少し一人になりたいのでお風呂、貸して下さい……」
ようやく落ち着いた私に彼等は先に話してくれた。
私のしてしまった罪とこの場所と彼等についてと……私がこれからしなければならないことと。
他にも現実離れした話を幾つか聞かされた。だけど、すぐにこんなこと認められるはずもなくて。とにかく一人でゆっくりと考えたかった。
「分かりました。姫が望むのであれば……」
そう言ってお風呂の場所を教えてもらう。私は着替えを借りて、一人歩き出した。
◆ ◆ ◆
憂葉が部屋を出た後、彼等はただ心配そうに話していた。
「姫ちゃん辛そうだったね……」
「だが、俺らには待つことしか出来ない」
「それはそうだが、大丈夫か? あんな状態で一人にして」
「姫の希望だからな……。それに一人で考える時間も必要でしょう」
「……それには俺も同意だ……」
「今は見守りましょう……姫君の選択を」
六鬼はそれ以降一人として話さず憂葉が戻るのを待った。
- cheap red bottom shoes ( No.17 )
- 日時: 2013/07/24 20:29
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鬼世姫〜KISEHIME〜 第二話更新 - 小説カキコ
- Re: 鬼世姫〜KISEHIME〜 第二話更新 ( No.18 )
- 日時: 2013/07/24 21:34
- 名前: 紅揚羽蝶アリス (ID: ???)
九条くんにキュンキュン(◎ψψ◎)
気絶してたとは言え、憂葉ちゃんいいなぁって、指くわえて見てましたww予想以上に九条くんが優しい\\(◎´▽`◎)//
更新頑張ってください!
- Re: 鬼世姫〜KISEHIME〜 第二話更新 ( No.19 )
- 日時: 2013/07/25 00:13
- 名前: 結縁 ◆hj52W3ifAU (ID: Bl6Sxw0v)
紅揚羽蝶アリスさん
憂葉はお姫様抱っこされてましたからねw
優しすぎたりしますかね?
キャラ変わってたら遠慮なく指摘して下さい!
- Re: 鬼世姫〜KISEHIME〜 第二話更新 ( No.20 )
- 日時: 2014/05/19 13:50
- 名前: 結縁 ◆hj52W3ifAU (ID: wPqA5UAJ)
第三話【憂葉の意思】
お風呂を借りた私は血塗れた私服を脱ぎ、シャワーを浴びた。お風呂場は和風な造りだったが、シャワーもついていればお湯もでる。それだけのことなのにホッとした。
髪と体の細部までしっかりと洗い浴びてしまった血を流す。
だけど、どんなに力強く洗おうとも恐ろしい記憶は消えず、自身の姿も化け物のままだと分かっていた。
「……どう、して……」
暫くそうしていて、やがて意識せずとも涙が溢れた。
とても幸せだった誕生日。家族がいて穏やかにだけど平凡に過ぎるはずだった一日。
後悔したって時間は戻せないし元には戻らない。
そんなことは分かってる。分かってる……けど、自分のしたことが、家族の泣き叫ぶ姿が、どうしても脳裏に焼き付いて消えなかった。
「何で、私なの…? なんで…っ…!」
一度緩んでしまった涙腺からは止めどなく涙が溢れて頬を伝った。
私に泣く資格なんてないのに、醜い化け物なのに、どうして……。
「私、自分が怖いよっ……」
シャワーのお湯を浴びながら暫くの間、涙が枯れるまで泣き続けた。
◆ ◆ ◆
どれくらいの時間そうして泣いただろう。
自分でも分からなくなるくらいまで泣き続けてた。
「私は……これからどう生きればいいの…?」
シャワーを止めて自分自身に問いかける。
そうして、先程よりも少しだけ冷静さを取り戻した私は彼等ーー六鬼に教えてもらった知識を思い出すことにした。
◆ ◆ ◆
彼等は一つ一つ教えてくれた。
一に彼等は鬼族という一族の生き残りで人でないもの。鬼なのだと。
この場にいる六人はその鬼族の中でも力に強い六鬼というんだと。
二に此処は鬼王村と言う山奥にある村で生き残った鬼族が隠れ住んでいる場所だと。
三に私は150年に一度選ばれる鬼世姫という鬼族でもっとも生命力に長け、力ある鬼だと教えてくれた。
何故、私が鬼として目覚めたのかは誰も分からないらしい。だけど、鬼世姫に選ばれた私は決めないとならないことがあった。
それはーー六鬼の中から一人婿を選び契りを交わし子を成すという役目だった。
きっと、こんな状況になければ断ったし拒否したと思う。
でも、今の私にそんな権利はないし……何よりもう帰る場所すらない。
だから、決めたの鬼として生きる自信なんて無いし、何をするか分からない自分が怖いけれど、必要とされるなら生きてみようと。
私が犯してまった罪を少しでも償えるなら、体だって捧げようと。
「私……もう少しだけ頑張ってみるから……」
だからお母さん、お父さん、それから……舞葉、安らかに眠ってね。
そんな思いを胸に、私は彼らの待つ部屋へと戻ることにした。
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