複雑・ファジー小説
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- ライオンさんとぼくのお話【オリキャラ募集】
- 日時: 2014/05/22 20:19
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
こんにちは!モンブラン博士です!今回はずっと前に連載していたライオンさんとぼく。のリメイク版を書きたいと思います。
前作の反省を生かし、末永く続けたいです(笑)
第1話>>1 第11話>>15 第21話>>26 オリキャラ応募用紙>>37
第2話>>2 第12話>>16 第22話>>28
第3話>>3 第13話>>17 第23話>>29
第4話>>4 第14話>>18 第24話>>31
第5話>>5 第15話>>19 第25話>>32
第6話>>6 第16話>>20 第26話>>33
第7話>>7 第17話>>21 第27話>>35
第8話>>8 第18話>>22 第28話>>36
第9話>>9 第19話>>23 第29話>>38
第10話>>14 第20話>>24 第30話>>39
来てくださった大切なお客様
みにょさん、 陽乃悠飛さん 、愛欄さん
まどかさん 壽さん
- Re: ライオンさんとぼくのお話 ( No.31 )
- 日時: 2014/05/16 04:51
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
第24話
「和人〜。お昼ごはんできたわよ〜」
そのとき、ママがぼくの部屋にやってきて、声をかけた。
時計を見ると12時になっていた。
「星野くんも一緒にどうかしら?」
「ぼくは・・・」
「きょうはカレーライスなのだん♪」
「カレーライス大好きです!」
そのとき、星野くんの顔がパッと輝いた。
星野くんの今まで見たこともないぐらい輝いた表情。
少女マンガのような大きな目がキラキラ輝いて本当に嬉しそうだ。
「和人、カレーを食べたら、デパートにいこうなのだ。
きょうは戦隊ヒーローショーがあるのだ♪もし、行きたいのなら星野くんも・・・」
「いいんですか!?」
ぱあっと前よりさらに輝く星野くんの笑顔。
この笑顔は今まで見た彼の笑顔の中で一番可愛いかった。
星野くんってひょうひょうとしてて無口で無表情だけど、こんな一面があるんだ・・・・。
☆
ぼくたちはカレーライスを食べたあと、デパートに向かった。
「和人、星野くん、戦隊ヒーローショーが始まるまでまだ時間があるのだ。だから、本屋さん行こうなのだ」
ぼくは行ってもいいけど、星野くんはどうする?
「ぼくもみたい本があったので、行きますよ」
3人並んで歩いているとなんだか本当の家族みたいだ。
星野くんは家族じゃないけど、そんな風に感じられた。
「・・・・ぼくは、和人くんが、うらやましいです」
そのとき、ぽつりと星野くんが寂しげにつぶやいたのを、ぼくは聞いてしまった。
☆
「行くぞ、悪者め、とうっ!」
会場では、ヒーローが縦横無尽に飛び回り次々に悪者をやっつけていく。
「残るはおまえひとりだ!覚悟しろ!」
ところが最後のひとりに苦戦するヒーロー。
と、ここでアナウンスが流れた。
『ヒーローがピンチです。みなさん、声援を送ってください!』
・・・・・。
これは、ぼくも声援を送るべきなのかな?
- Re: ライオンさんとぼくのお話 ( No.32 )
- 日時: 2014/05/16 19:24
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
第25話
星野くんはというと、子どもたちに負けないぐらい大声で声援を送っている。
正直、これは最悪の状態だ。
声援を送らなければ、周囲から明らかに浮いてしまうし、かといって声援を送ったら送ったで恥ずかしくなる。
ぼくは決死の覚悟で居眠りをすることにした。
会場のいすは思ったよりも気持ちよくて、ぼくはすぐに寝てしまった。
「くん・・・・和人くん、起きてください」
星野くんの声がしたので、あわてて目を覚ますと、星野くんが半開きの目でぼくを覗き込んでいる。
「ん・・・ぼくねてたかなぁ」
「はい。まさに爆睡状態でしたよ」
星野くんはいつもより声が少し大きくなっている。表情からは読み取れないけど怒っているのだろうか。
「星野くん・・・ごめんね」
「いいですよ、もう忘れました」
声がいつもの調子に戻ったのでぼくは安心したけど、まさかこのあと、30分以上も星野くんの戦隊ヒーロートークを聞かされるとは思っても見なかった。
そのあと、ぼくと星野くんとパパとママはドーナツ屋さんに入って、ドーナツを食べることにした。
ドーナツを食べながら、ふと、さっきの星野くんのつぶやきが気になった。
「星野くん、ちょっといいかな」
「どうかしましたか?」
「さっき、ぼくがうらやましいって言っていたけど、どうして?」
「すみません。聞こえていたんですね・・・・別に気にしないでください」
星野くんは笑顔でそういったけど、声にはやっぱり寂しさがこめられているような感じがした。
- Re: ライオンさんとぼくのお話 ( No.33 )
- 日時: 2014/05/16 21:33
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
第26話
「フハハハハハ。お前の負けだ。諦めろ」
「そうはいかん!私はこの美しい地球のために負けるわけにはいかない!でやぁ!」
「ぐあああああああっ!」
ぼくとライオンさんは今星野くんおすすめの戦隊ヒーローのDVDを見ている。
なんだか変な鳥人間が戦隊の仲間をして一緒に戦っているのはなぜだろうか。
ちなみに星野くんにライオンさんのことを紹介すると、最初は驚いていたようだったけど、すぐに仲良くなれた。テレビを見ながらライオンさんが口を開いた。
「ねえ、星野くん。きみ、何か悩み事とかないかね」
「はい……」
星野くんは淡々とした調子で自分の悩みを話し始めた。それを聞いたライオンさんは、
「きみには私の友人に守ってもらったほうがいいかもしれないな」
「友人?」
ぼくがたずねると、彼はテレビを指さし、「彼」と言った。
その答えに驚いたのが星野くんだ。
「彼とご友人って本当ですか!?」
すると彼は笑って、
「本当だよ。ここに来てもらおう」
その刹那、鳥人間がなんと、テレビから抜け出してきたのだ。
だがテレビから抜け出てきたとたんに彼の姿が変わった。
テレビでは青い始祖鳥の姿をしていたのに、こっちに来たら鷲の姿になっている。
「これが彼の本当の姿さ。普段は俳優としてあの姿で活躍しているんだよ」
「急に呼ばれて現れたのだが、まさかキミだったとは。驚いたよ」
ふたりは軽く話した後ぼくたちに向き直り、
「申し遅れたね。私はトリニティ=バードン。トリさんと呼んでくれたまえ!」
彼はテレビと同じようにパチンと指を鳴らす。
「本物がみられただなんて、ぼく、感激です!」
星野くんは感動のあまり号泣している。
「きょうから私がきみを助けてあげよう!」
- Re: ライオンさんとぼくのお話 ( No.34 )
- 日時: 2014/05/16 19:16
- 名前: 陽乃悠飛 ◆DNNTFPfZVg (ID: YiQB1cB2)
- 参照: haruno yuuhi
モンブランさん
優しいだなんて...!嬉しいです(〃ω〃)
あ、遊びに来てくれるんですか!嬉しいです(*^_^*)
暇つぶしついでに寄ってってくださると嬉しいです!
嬉しいばっかり言ってますね(笑
- Re: ライオンさんとぼくのお話 ( No.35 )
- 日時: 2014/05/17 11:51
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
第27話
トリさんはじっくりと星野くんを見つめ、彼と同じぐらいの高さまで腰をかがめ、口を開く。
「きみは今、心も体も限界で悲鳴を上げている。これ以上、苦しむ必要はない」
彼の爽やかさの中に温かみを帯びた優しい声で語りかける。
「私は長い人生の中でさまざまな人間を見てきたが、きみほどの優しさに満ち溢れた人間は見たことがない。
きみの瞳には慈愛の光で溢れている。だが、優しいだけではだめだ。
嫌なことをはっきりと断れる勇気を持たねば!」
ここで彼はまた指を鳴らす。
「勇気……ですか……」
「そう!ブレ—」
だが、ここで彼は口をパクパクさせた。どうやら続きの言葉が言えないらしい。
何度も試してみるが、やはり、ブレの続きの言葉が言い出せない。
「なぜだ、なぜここでは私の口癖が言えない!」
彼はショックでがっくりと膝をつき、愕然とした。
「ああ……なんということだ……」
彼は一瞬蒸発していたが、星野くんの顔を見るなり立ち上がると、指を鳴らした。
「そう!勇気だ!!(日本語では言えたな……)」
するとその姿に星野くんはキラキラと目を輝かせた。
「本物だ!ぼく、感動しました!」
「ハハハハハ……それは光栄だ。
私もきみから勇気をもらうことがあるかもしれない、今のように。
それから、私はきみと師弟というよりは、兄弟のように接したい。
だから、敬語は使わなくてもいい。気を楽にしたまえ」
「はい、トリさん」
「ウム、では、星野くん。きみの家に帰ろう!」
「はい!」
彼は星野くんの片手を握り、空いた方の手で指を鳴らすと、ふたりともいなくなってしまった。
その様子を見たライオンさんが牙をむき出しにして笑った。
「トリニティと星野くんはうまくいくか楽しみだ」