複雑・ファジー小説
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- ライオンさんとぼくのお話【オリキャラ募集】
- 日時: 2014/05/22 20:19
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
こんにちは!モンブラン博士です!今回はずっと前に連載していたライオンさんとぼく。のリメイク版を書きたいと思います。
前作の反省を生かし、末永く続けたいです(笑)
第1話>>1 第11話>>15 第21話>>26 オリキャラ応募用紙>>37
第2話>>2 第12話>>16 第22話>>28
第3話>>3 第13話>>17 第23話>>29
第4話>>4 第14話>>18 第24話>>31
第5話>>5 第15話>>19 第25話>>32
第6話>>6 第16話>>20 第26話>>33
第7話>>7 第17話>>21 第27話>>35
第8話>>8 第18話>>22 第28話>>36
第9話>>9 第19話>>23 第29話>>38
第10話>>14 第20話>>24 第30話>>39
来てくださった大切なお客様
みにょさん、 陽乃悠飛さん 、愛欄さん
まどかさん 壽さん
- Re: ライオンさんとぼくのお話 ( No.16 )
- 日時: 2014/05/14 04:57
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
第12話
学校で自分の名前のつけられた由来を聞いてくるようにという宿題が出た。
ぼくは自分の名前の由来を聞いたことがなかったから、これはいいチャンスと思って父さんと母さんに聞いてみると意外な答えが返ってきた。
「最初、あなたの名前はアンリになる予定だったのよ」
アンリ?女の子ならわかるけど、男でアンリなんて名前は恥ずかしい気がした。
「パパはね、アンリファーブルのように昆虫や動物が好きな子になってほしいと思ってこの名前を考えたんだけど、つけようとしたとたん、思いとどまったんですって」
父さんがその名前をつけるのを思いとどまってよかったと心から思う。
「その次に考えた名前がこれよ」
母さんは、ぼくに一枚の紙を見せた。
よく見るとたくさんの名前が書いてある。
「京、真澄・・・・」
どれも強烈なインパクトなる名前・・・。
「京って名前は小説のキャラクターからとったの。
その京くんがパパは大好きで自分の息子が生まれたらぜひつけたいって言っていたんだけど、期待が大きすぎるからって反対したの」
母さんはその京くんのイラストを見せてくれた。
うん、父さんが好きそうな男の子だ。
次の真澄って名前も小説からとったそうだ。
それにしてもきれいな子が多すぎる。
「母さん、もしかして書いてある名前の子ってもしかして全部・・・」
「全部じゃないけど8割り方漫画やアニメの子から取っているわね」
「じゃあ、和人って名前もそうなの?」
「そうよ」
あっさりと答える母さん。
「でも悲しむことないの。パパは全部で4つの願いをこめてあなたこの名前をつけたのよ」
- Re: ライオンさんとぼくのお話 ( No.17 )
- 日時: 2014/05/14 05:01
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
第13話
「まず1つ目の願いは平和を愛する人って願いよ」
母さんはペンで和人と書くと、和という字に平という字を付け加えた。
『平和人』
「これが1つ目の願いよ。そして2つ目の願いはこれなの」
母さんはまたサラサラとペンで字を書いた。
『和の人』
「これは『和』つまり温かい心をもってどんな人にもやさしくするという願いがこめられているの」
次が『一人』
「和人の人という字はこの意味もこめられているのよ。これは、ひとりで足を広げてしっかり立つという意味のほかに、パパの世界一尊敬する心のお師匠さんの名前なの。その人にあやかったのよ」
ぼくは思わずいきおいこんで聞いてみた。
父さんがそこまで尊敬する人ってどんな人だろう。
「パパが言うには世界一素晴らしい人らしいわ。パパはその人に家族みんなで会いたいっていつも言っているわよ。
そして最後の願いだけど・・・・」
最後ににこめた思いはなんだろう?
「アニメのキャラの和人くんみたいな子になれますようにって願いをこめたのよ(笑)」
最後にこの願いなんだ(汗)
- Re: ライオンさんとぼくのお話 ( No.18 )
- 日時: 2014/05/14 15:42
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
第14話
その日の夜、またライオンさんが現れた。
「学校でのきみの様子を見せよう」
ライオンさんが指をぱちんと鳴らすと、巨大なディスプレイが現れた。
画面にはぼくが映っていて、クラスメートと会話をしている。
「ぼくはいいと思うな」
よく自分の言ったせりふを聞いてみると随分いい加減だと思う。
飄々としているように見えるけど、裏を返せば、興味がなく面白くなさそうとも言える態度だった。
「わかったかな?
きみは適当な返事を返し相手をイラつかせているのだよ」
その言葉に思い当たるふしがあったので、ぼくは頷くことしか出来なかった。
- Re: ライオンさんとぼくのお話 ( No.19 )
- 日時: 2014/05/14 15:48
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
第15話
「和人ー。パパと一緒にデパートに行こうなのだ」
日曜日、父さんがデパートに行こうと言い出した。
ぼくは父さんが大好きだけど、ひとつだけ困っていることがある。
それは・・・・。
「父さん、これ着なきゃだめ?」
「これを着ると和人はかわいくなるのだ」
ぼくはデパートとかドライブに行くときは必ず薄茶色のインバネスコートと帽子を着なきゃいけないってこと。
まるでシャーロックホームズになった気分。
そう書けばいくらかいい感じがするけど、てっとり早くいえば、コスプレみたいなもの。
そしてこの格好は暑くて人の目に付く。
だから、できればこの格好はしたくなんだけど、父さんはいいだしたらきかない。
仕方なくコートと帽子に着替えるぼく。
「かっこいいのだん。可愛いのだん♪」
父さんがほめてくれるのは嬉しいけど、この格好で歩くとかなり体力を消耗するんだよ・・・・(汗)
☆
「きみのクラスメートに佐々木 春くんという子はいないかね」
ぼくたちがデパートから帰ってきたらいつのまにかライオンさんがリビングでお茶を飲んでいた。
母さんは別に気にしていない様子でお菓子を持ってきている。
父さんも彼がライオンであることに興味がない様子だ。
「ここに座りたまえ、和人くん」
大きなかぎづめのある指でいすを指差し、ぼくに座るよう促した。
ぼくが座るとライオンさんはいつものように怖い顔だけど穏やかな笑みを浮かべて話し始めた。
「私がなぜ彼のことを話すかというと、彼もきみと同じく友達がいないからなのだよ」
春くんは言われてみれば、そんな感じがする。
誰かと仲良く話しているところを見たことがない。
「彼はきみと同じく性格で損をしている。きみたちふたりは似てもいるし違うともいえる」
お茶を飲みながら話を続けるライオンさん。
「彼はきみと同じく素直になれない。友達が欲しいと思っているのだが、それをうまく感情表現ができずについ、クラスメートにつらくあたってしまう。言い換えれば、彼は不器用だといえる。そしてきみも彼と似ているところがある」
と、ここで、母さんが持ってきたクッキーをつまむ。
「きみはてっとりばやくいうと、甘えるのは悪いことだと思っている。
そして早く大人になるのがいいことだと思っている」
ライオンさんの言葉は正しいと思った。
ぼくは確かに甘えたいという感情がある。
でも、甘えるのはかっこわるいことだと思う。
ライオンさんのキラキラ光る黒い瞳がぼくをみつめた。
「かっこわるくなんかないさ。甘えたいときはうんと甘えてもいい」
その言葉になぜかぼくの目から涙が出た。
「和人くん、きみは今まで我慢してきたのだろう。でももう我慢しなくてもいいんだよ」
うっ・・・うっ・・・・。
「泣きたいときは思いっきり泣きなさい。気分がすっきりするよ」
ありがとう・・・ライオンさん。
- Re: ライオンさんとぼくのお話 ( No.20 )
- 日時: 2014/05/14 15:54
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
第16話
翌日、ぼくは学校で思い切って春くんに話しかけてみることにした。
「ねぇ・・・・」
「何か用?なければ話しかけないで」
あっさりとつっかえされてしまった。
でもここであきらめるわけにはいかない。
「ぼく、きみと友達になりたいんだ」
「友達なんか・・・・別に・・・」
彼は少し上目づかいでぼくを見た。
「ねぇ、図書館行かない?」
「い・・・・わっ、なにするんだよぅ」
気がついたら、ぼくは彼の手をにぎって図書館までかけだしていた。
「面白い本があるんだ!お勧めするから一緒に行かない?」
「うん・・・・わかった」
こうしてぼくと春くんは少しだけ仲良くなれた。
☆
「そうか〜。春くんと友達になれたのか・・・・それはよかった。本当によかった」
学校でのことをライオンさんと母さんと父さんに話すとみんな喜んでくれた。
「これできみも学校に行くのが楽しくなるはずだよ。ところで・・・」
「どうかしました?」
「きみはどうして両親のことをパパとママって言わないのかなと思ってね」
かあっとほっぺたが赤くなる気がした。
「べ、べつにいいじゃないですか!」
「そんなこと言っているけど、本当は言いたいんじゃないのかな。
顔に書いてあるよ」
ぼくは急いで、洗面台にいって鏡を見た。
すると驚いたことに本当にぼくの顔に『ぼくは両親のことをパパとママって言いたいです』と書かれている。
ぼくは驚きのあまり、急いでリビングに向かった。
洗面台から帰ってきたぼくの姿をみるなり、ライオンさんは鋭い歯の並んだ口を開けて笑った。
「ハハハハハハ、驚いたかな」
「悪ふざけはよしてください!」
ライオンさんはこうなることを読んで、あらかじめ鏡に書いていたんだそうだ。
ぼくがほっぺたをふくらませると、ライオンさんはニコニコ笑った。
「ほら、きみも意外と子どもっぽいところがあるじゃないか」
「えっ?」
「きみは自分で随分おとなびていると思っているのかも知れないけど、きみはまだこどものままだよ。成長したい気持もよくわかるけど、あせらないようにね」
そうか。ライオンさんはこのことを伝えるためにこんなことを・・・。
彼はおいしそうにクッキーを食べていたけど今回のことは許してあげることにした。
ありがとう、ライオンさん。