複雑・ファジー小説

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ス ト ー カ ー の 恐 怖 を 。
日時: 2016/06/09 23:38
名前: 美咲 (ID: cdCu00PP)

はじめまして!!

ストーカーを題材に書きたいと思っています!
グロ描写・過激描写にご注意ください笑

コメントくれたら嬉しいです!

よろしくお願いします!



プロローグ >>1
#01【 或る夏のこと 】 3 → 26
#02【 狂気 】 27 →
#03【 服従 】



登場人物↓

*佐倉 和 さくら のどか
建築会社で働くごく普通の女性。
出会い系サイトに登録したことをキッカケに生活が変わっていって・・・。

*久住 真 くずみ まこと
カメラマンのアシスタント。
出会い系サイトで和と出会い・・・。

*深町翔太 ふかまち しょうた
和の同僚。
だんだん変わっていく和を心配するが・・・。

*大和飛鳥 やまと あすか
出版社の雑誌記者。
ある事件を追って和たちに近づく。

Re: ス ト ー カ ー の 恐 怖 を 。 ( No.17 )
日時: 2016/05/11 20:51
名前: 美咲 (ID: cdCu00PP)

目が覚めると午後一時を回っていた。

あたしはベッドから起き上がり、ボサボサの髪の毛をぐしゃぐしゃと掻き毟る。

頭が痛くて「いたた・・・」と呟きながらベッドから降りるとキッチンに行き、コップに水をついでゴクリ。

ため息をついて振り返ると、キッチンにあるテーブルの上にラップがしてあるフレンチトーストが置いてあった。

あたしは水を置き、ラップを外して一かけら食べながら隣に置いてあったメモを見た。


『勝手にキッチン借りて悪い!ちゃんと食えよ! 翔太』


メモには汚い字でそう書いてあった。

あたしはメモを置いて微笑み、「うまっ」と呟いた。

フレンチトーストを食べ終え、リビングに戻り携帯を見ると、驚きのあまり「ひゃっ」と声をあげてしまった。








なぜなら、ラインの通知が百件を越し、さらに相手が同じ相手で、内容が怖かったからだ。











『のどか、何してる?』 『まだ仕事中?』 『ねえ』


『なにしてんだよ』 『おい』 『無視かよ』


『浮気でもしてるのか?』 『のどかー』


『さっきはごめん、疑うつもりじゃなくて・・・』









などなど、全部真君からだった。


一瞬、怖くて凍り付いてしまった。

ラインは十分置きにきている。

束縛、激しい人なのかな。

あたしはゆっくりと携帯に手を伸ばし、『ごめん、昨日はやく寝ちゃって』と返した。


するとすぐに、『おはよう』と返ってきた。

『おはよう』と返すと携帯を置くが、すぐに返信がきた。

『心配するから、ちゃんと連絡してよね』と返ってきた。

『ごめん』とだけ送り、またすぐに返ってくる。




『本当に思ってんの?』



『思ってるよ、心配かけてごめんね』


『思ってるならなんでこんなに遅くなるんだよ』


うわー、なんか怒らせちゃったみたい。


『ごめん、寝てて』


『本当は男といたんだろ』



少しぎょっとした。


間違いではないからである。


『うん、友達とごはん食べてそのまますぐ寝ちゃったの、ごめん』


あたしは正直に話した。


『は?俺がいるのに何で男と飯行くの?意味ある?』


相当怒ってるっぽい。


『親友なの』


『関係ねーから。親友と俺どっち大切なの?』


そういう問題じゃないと思うんだけど。


なんか、ちょっと面倒臭いって思ってしまった。


『どっちも大事だよ。好きとかじゃないから安心して』


『安心できるかよ。どうせ一緒に寝たりしたんだろ』


『なんで決め付けるの?そんなことしてない』


『どうだか』


うわ、かなりうざい。


あたし縛られるのって嫌いなんだよね。

って、こんなんだからうまくいかないんだよね。


『ごめん』


あたしはそれだけ返して、ため息をつくと携帯をベッドに投げた。


『謝ればいいと思ってんだろ』


返信はすぐきた。



けど、なんか返す気になんてならなかった。


付き合うって、こういうのが面倒臭い。


何で友達と遊ぶくらいで怒られなきゃいけないのかなー。


確かに価値観は違うのはわかるけど、言い方ってもんがあるでしょ。
少し優しくいえないもんかね。


とか、付き合って二か月で思ってたらやばいよね。



初めて喧嘩みたいになったけど、真君って意外と嫉妬深いんだな。




するとまた通知音が鳴った。



『返信しろ』





これだけ。




うざかった。かなり。




あたしはため息をつく。


『逃げるな』『和』『おい』と、立て続けに通知音は鳴り止まない。

二日酔いで頭が痛いせいか、いつもよりイライラしてるのにこれは本当にうざい。

その後も同じような内容がずっと送られてくるけど、あたしは無視し続けた。

すると、『ごめん、言い過ぎたよね・・・』ときた。

そういわれると、なんだかあたしが悪いことをした気分になる。

『和のこと好きだから、つい不安になっちゃって』とも送られてくる。

嬉しいけど、なんだか少し重く感じてしまう。

なんでだろう、返信する気がわかない。

そのとき、またラインの通知が鳴った。

はあ、しつこい。





なんなのよ——とあたしが携帯を見ると、通知は真君からじゃなかった。

差出人は中原里琴(なかはら りこ)。

里琴ちゃんはあたしの後輩。

明るくて頑張り屋ないい子だ。

ただ、あたしに連絡してくるなんて珍しい。


『和センパイ、センパイって深町さんのことどう思ってますか?』


内容はこうだった。

翔太のこと?

ってことは、里琴ちゃんも翔太狙いか。

エミちゃんといい里琴ちゃんといい、モテキか。


『別になんとも思ってないよ。どうして?』


あたしはこう返した。


『失礼ですけど、付き合ってたんですよね?未練とかってあるますか?』


『ないよ。今はただの友達みたいなものだね』


『本当ですか?あの、言いづらいんですけど、あたしの応援してくれますか?』


なに、遠回しに手伝えって言ってる?

まあいいけど。


『翔太のこと好きなの?』


あたしは直球で聞いた。


『はい。すみません』


すみませんって。


まるであたしが引きずってるみたいじゃない。


『そう。具体的に何したらいい?』


あたしは優しく返した。


『あたしのことどう思ってるか、聞いてもらえませんか?』


『わかった。言ってみるね』


『ありがとうございます!』


あたしはそんなやりとりをして、携帯をベッドに投げた。







どう思ってますかって、翔太は友達だよ———。



いや元カレっていうべき?




ってそういうことじゃないか。




あたしが翔太に恋愛感情はあるかって聞きたかったんだよね、里琴ちゃんは。













そっか。














翔太は高校の時からもててたしな。

まあそんなに驚きはしないけど、翔太に彼女ができたらあたし、どう思うのかな。

確かに恋愛感情はないけど、親友ってほど大事に思ってる。

取られた気分にでもなっちゃうのかな。

ああ、やだやだ。

翔太だっていつかは恋するのに、応援してあげられないなんて最悪。

Re: ス ト ー カ ー の 恐 怖 を 。 ( No.18 )
日時: 2015/08/04 17:21
名前: 美咲 (ID: cdCu00PP)

深町翔太が会社へ行ったとき、「深町さん」と呼ばれた。

声のした方向を見ると、そこには後輩である谷村がいた。


「どうした」


翔太がそう言うと、谷村は「あの」と言って翔太に近寄ってきた。


「深町さんって、佐倉さんと本当に別れてるんですよね?」


そういわれ、翔太は微笑んで「なんだよ急に」と言った。

谷村は言いづらそうに言う。


「いやー、ちょっと気になって」


「二年も前に別れてるよ」


翔太は笑いながら言った。


「本当ですか?」


「本当だよ」


「じゃあ、佐倉さんって彼氏とかいるんですかね?」


いわれ、「さあな」とだけ言った。


「佐倉さん可愛いもんなー、いるかもですよね・・・」


「なにお前、和のこと好きなの?」


「もちろんです。自分、入社したときから佐倉さん好きでした」


谷村はきっぱりと言った。


それをきき、翔太は少しハッとした。

彼が入社したのは四年前。

つまり、そのときは翔太と和はまだ付き合っていた。


「お前、狙ってたのかよ」


翔太はそういって苦笑した。


「はい。だから深町さんのこと嫌いでした」


「なんだ、お前。変な奴だな」


翔太はそういって笑い飛ばした。


「和のどこか好きなの?」


翔太がいうと、谷村は楽しそうに言った。


「まず可愛いじゃないですかあ。あとは気配りができて優しくて、少しドジなところがあるけど大事なときは頼りになって・・・・ってキリがないですよ」


「すげえな」


「深町さんは逆に、佐倉さんのどこか好きだったんですか?」


言われ、翔太は「えっ」と呟いた。


思えば、別れてからそんなこと考えたこともなかった。

和は友達、そう言い聞かせてきたからだ。


「俺は・・・・そうだな。何事も一生懸命なところかな」


ぼそっと呟いた。


谷村は「そうなんすかー、じゃ逆に、三年以上も付き合っててなんで別れたんすか?」といった。


翔太は「んー」と考え込む。


「明確な理由っていうか、なんかこう、恋だっていう実感がなくなった、みたいな感じかなー」


「どういうことですか?」


「なんか、一緒にいてもすべてが当たり前になっちゃって、ときめいたり、ドキドキしたり、なにもしなくなったんだってさ。まあ、俺もそうだったかも知れないけどさ。慣れすぎちゃったみたいなもんかな」


翔太がそういうと、谷村は少し考え込んでから言った。


「それって、愛してたからじゃないんですか?」


そういわれ、翔太は「え?」と思わず聞き返した。


「恋すると、ドキドキしたり、なんかいつもとは違う変な気持ちになるじゃないですかあ。でもそれが愛に変わると、当たり前になって当然なんじゃないすかね。恋は恋愛感情だけでドキドキキュンキュンするもんですけど、愛はなんていうか、目には見えない何かがあると思うんですよね。まあ、言葉ではちょっと言い表せないですけど。当たり前の幸せが、一番幸せなんじゃないですかね」


谷村がそういうと、翔太は「愛か・・・」と呟く。


「はい。悔しいですけど、深町さんも佐倉さんも、お互いを愛して愛して、好きで好きで仕方なかったんじゃないですか。だからいつか愛に変わったことを、冷めたって勘違いしたんだと思いますけどね、俺は」


いわれ、翔太は少し考えたあとに言った。


「恋愛って深いな、谷村」


といって谷村を見た。


「はい。で、佐倉さん彼氏いるんで————」






***********






辺りはすっかりオレンジ色に変わっていた。

あたしはびっくりしてベッドから起き上がった。

相当疲れてたみたいで、一日中寝て過ごしちゃった。

思い出したように携帯を見ると、ラインの通知はまた百件を越していた。

あたしはラインを見るなりため息をついた。



その時だった。






































ピンポーン———。


























玄関のチャイムが鳴った。

現在は午後七時。

誰だろうと思いながらあたしは立ち上がり、玄関ののぞき穴をのぞいた。

瞬間、体が凍りついた。







そこに立っていたのは、紛れもなく真君だった。












「なんで・・・・」






あたしは小さな声で小さく呟いた。

しかし、あけないわけにもいかない。

あたしはチェーンをはずし、思いきってドアを開けた。

案の定、真君がいた。


「真君、なんで、ここに・・・・・」


あたしはそういって驚いた表情で真君を見た。


真君は「返信こないから心配で」と言ってあたしを見た。


まるで嫌味を言っているかのように。


「ごめん、本当に寝すぎちゃって」


あたしはそういってうつむいた。


「・・・そっか」


真君はそれ以上なにも言わなかった。

やっぱり、会うとなんだか胸が熱くなる。

うざいなって思ったけど、やっぱり好き。

そう思ってしまう自分がいる。


「とにかく、あがって」
あたしはそういって中へと招き入れた。







お茶をだし、あたしはベッドに座った。


「ありがとう。ごめんね、気遣わせて」


真君はそういってお茶を一口飲んだ。


「ううん。わざわざありがとう」


あたしはそういって微笑んだ。


「どうしても会いたくなっちゃって・・・」


真君はそういってあたしを見る。




胸が熱くなる。

わざわざ会いにきてくれるなんて、やっぱりいい人なんだよね。

ちょっと心配性なだけで。
















わざわざ会いに・・・?


















なんで真君、あたしの家————。

Re: ス ト ー カ ー の 恐 怖 を 。 ( No.19 )
日時: 2015/08/05 12:33
名前: 匿名 (ID: m9NLROFC)

これはファジー小説ですか?
ファジー小説でしたらすみません。

自分的にはコメディかシリアスの方があってると思います。

Re: ス ト ー カ ー の 恐 怖 を 。 ( No.20 )
日時: 2015/09/01 19:55
名前: 美咲 (ID: cdCu00PP)

匿名さん

よくわからずとりあず複雑ファジーに書かせていただきました。



* * * * * * * * * * * * * * * * 


「ねえ、なんであたしの家知って————」


あたしがそう言うと、真君はあたしの言葉を遮って優しくキスをした。

あたしはつい、黙って目を閉じてしまう。

訊かなきゃいけないけど、雰囲気に飲まれてしまう。

一度唇を離すと、無言で見つめ合う。

そしてまた、唇を重ねる。

何度も何度も、今度は間がないくらいに。

真君はあたしの顔に手をかざし、何度も何度もキスをする。

あたしは目をつぶって、ただ唇を微かに動かす。

何分経っただろうか、真君は強くキスをするとあたしに覆いかぶさり、あたしと真君はベッドに横たわった。

あたしは仰向けで、真君はあたしの上に乗るようにまた唇を重ねる。

真君の舌が口に入ってきて、あたしは自分の舌を真君の舌に絡めた。

また数分経った頃、真君は右手をあたしの胸に。

あたしは一度目を開けて、真君の右手を掴むけど、真君はまた胸に置き、あたしの胸を掴む。

あたしは「ねえっ」と声をあげ、真君は無言でキスをし続け、あたしは無抵抗になってしまう。

真君はあたしのTシャツをめくりあげ、あたしは真君がするままTシャツを脱ぐ。

真君は一度起き上がり、自分もTシャツを脱ぎ、ベルトを外すとまた覆いかぶさってきた。

真君は左手をあたしの胸におき、右手を背中に回してホックを外した。

上半身を晒したあたしの上でまた、真君は胸を触りながらキスをする。


「のどか・・・・好きだよ」


真君は一度唇を離し、あたしの目を見つめて小さく呟いた。


あたしも真君を見つめ「・・・あたしも」と呟いた。


あたしたちはまた唇を重ねた。何度も何度も。

暗くなった部屋で、二人の耳にはお互いの息の音しか聞こえない。

あたしの視界は真っ暗で、彼の視界もきっと真っ暗。

顔が見えない中で、どうしてこんなにも熱くなるのだかわからない。

ただ好きで、好きで、仕方がない。

さっきまであんなにイライラしていた人のことが、好きでたまらない。

キスをして、体を重ねただけでこんなにも気持ちが変わるなんて知らなかった。

彼の唇が、指が、体があたしに触れる度に胸の鼓動が止まらない。

彼の心臓の音を聞くだけでドキドキしてしまう。

一枚も服を着ていないのにとても暖かくて、安心する。

一生このまま時間が止まればいいのに、と思うほどに。

真君はあたしの首筋に何度も唇をつけ、離してはあたしの胸を吸い上げるように舐める。

そのたびあたしはリズムの合わない呼吸をして、言葉にならない文字を口にして。

お互いの腕をお互いの体に絡めて、強く引き寄せるほどに胸は高鳴る。

正直ぶっちゃけた話をすると、こんなの二年ぶりだから緊張しすぎて体が震える。

こんなにドキドキしたのも久しぶり。

こんなに愛おしくなったのも、久しぶり。







——いや。












初めてだった。

Re: ス ト ー カ ー の 恐 怖 を 。 ( No.21 )
日時: 2015/10/01 20:17
名前: 美咲 (ID: cdCu00PP)

「陽人(ひろと)は、とても気さくで優しい子でした」


強い雨が降った日のことだった。

涙を浮かべながら、彼女は言った。

彼女に手に持っているハンカチは水に浸したかのように濡れていた。

そんな彼女を見つめながら、飛鳥は言った。


「陽人さんが誰かに恨まれていたりなど、していませんでしたか?」


飛鳥がそう言うと彼女、平井由紀子は重い口を開いた。


「・・・・なかったと思います。陽人は、誰からも好かれていて・・・彼女にだって・・・」


由紀子は語尾を濁した。

飛鳥は、由紀子の言いたいことがすぐにわかった。


「亡くなった陽人さんの恋人、桧山恵里さんのことも大切にしていた、ということですか」


「あたりまえです。恵里さん言っていました。陽人のおかげで毎日楽しいって」


「そんな彼女が亡くなったと知った日、どう思われましたか」


そういうと、由紀子は少し考えてから言った。


「・・・ショックでした。恵里さんは、家族のような存在だったので。一度に二人の家族を失ったようなものです。生きていく気力がなくなりました。陽人と恵里さんのことを思うと涙が出てきてしまいます」


「桧山さんは陽人さんが亡くなられた直後に殺害されましたが、桧山さんに変わった様子はなかったですか」


「さあ・・・私にはちっとも。でも、まるで死ぬことを予期していたかのように思えました」


「どういうことですか?」


「彼女、陽人が殺されたあとに言ったんです。『さようなら』と。もう、会えないかのような口ぶりで私に言いにきました」


「それは、陽人さんが亡くなられたからお母様には挨拶をするべきだと考えたわけではないのですか?」


飛鳥がそうきくと、由紀子は俯いていった。


「そうだったのかも知れません。けど、何かそれとは違う意味があったような気がしてならないんです。自分でもなぜそう思うのかはわかりませんけど・・・」


言われ、飛鳥はメモ帳に書き残した。


「由紀子さんに、何か伝えたいことがあったということでしょうか」


「それも、わかりません。なにか、彼女なりのSOSだったんじゃないかって、今でもふと思います」


「SOSだったとすれば、桧山さんは自分が殺されることを知っていた、つまり、犯人を知っていたのではないですか」


「そうなのかも知れません。私は何も」


由紀子はそう言って膝に置いていた拳を握り締めた。


「では由紀子さんは、犯人についてどう思われていますか」


飛鳥がその質問をしたとき、由紀子の目が微かに見開いたように見えた。

少しの間のあと、由紀子は飛鳥を見た。


「許せないです」


由紀子に目に、強い光が宿っていた。

しかし直後、彼女の瞳の中には何か黒いものが満ちていった。


「犯人が見つかったとしたら、どうしますか」


「・・・・殺してやりたいです」


由紀子はそういって飛鳥の目を見つめた。

彼女のこの発言が本当なのか嘘なのか、飛鳥にはわからなかった。

二人の間に流れる沈黙を、窓に当たる雨が打ち消した。


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