複雑・ファジー小説
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- ス ト ー カ ー の 恐 怖 を 。
- 日時: 2016/06/09 23:38
- 名前: 美咲 (ID: cdCu00PP)
はじめまして!!
ストーカーを題材に書きたいと思っています!
グロ描写・過激描写にご注意ください笑
コメントくれたら嬉しいです!
よろしくお願いします!
プロローグ >>1
#01【 或る夏のこと 】 3 → 26
#02【 狂気 】 27 →
#03【 服従 】
登場人物↓
*佐倉 和 さくら のどか
建築会社で働くごく普通の女性。
出会い系サイトに登録したことをキッカケに生活が変わっていって・・・。
*久住 真 くずみ まこと
カメラマンのアシスタント。
出会い系サイトで和と出会い・・・。
*深町翔太 ふかまち しょうた
和の同僚。
だんだん変わっていく和を心配するが・・・。
*大和飛鳥 やまと あすか
出版社の雑誌記者。
ある事件を追って和たちに近づく。
- Re: ス ト ー カ ー の 恐 怖 を 。 ( No.7 )
- 日時: 2014/10/25 19:00
- 名前: にゃる (ID: pD6zOaMa)
きになる!!
- Re: ス ト ー カ ー の 恐 怖 を 。 ( No.8 )
- 日時: 2014/10/30 18:00
- 名前: 美咲 (ID: cdCu00PP)
>>7 にゃる さん
コメントありがとうございます!
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
いつもよりも二重の幅を広げて、涙袋を綺麗に際ただせた。
アイラインを引いて、茶色でマスカラ。
眉毛も両方茶色で細めに書いて、無駄な毛はそる。
チークは薄いピンクで、唇はサクラ色に。
髪の毛は若干プリンになってたけど前の日に綺麗な茶色に染めた。
前髪を斜めに流して、下から10cmを綺麗に巻く。
ピアスは銀色とピンクのリボン型。
爪も綺麗に磨いて、薄いピンクのマニキュアを塗ってから白のレースを
書いてビーズを乗せる。
ネックレスは銀のネックレス。
花柄の襟がついた白の上に、黒のスカートがついたワンピース。
関係ないけどパンツとブラはピンクで白のレースがついた可愛いやつ。
靴は赤で大きなリボンがついたハイヒール。
久しぶりにこんなに気合を入れた。
彼氏に会うときでさえこんなに気合を入れたことはない。
あたしの胸は高鳴っていた。
ドキドキしているのが自分でもわかった。
今日は、真君と初めて会う日————。
どんな顔をしているのか、まったくわからない。
早く会いたいな。
あたしはドキドキしながら電車に乗り、6つほどの駅を越した。
改札を抜け、来たことのない街を見渡す。
駅の外にあるベンチに腰掛け、ドキドキしながら真君を待った。
待ち合わせの時刻は10時。
現在は9時50分。
ちょっと早かったかな。
あたしは一人そう思いながら携帯を画面をみつめ、髪の毛を整えた。
はやくこないかなって言う気持ちと共に、ドキドキしすぎてまだこない
でって言う気持ちがあふれてくる。
期待と不安がたくさん渦巻いてる中で、彼は現れた。
「のどか?」
後ろからあの声が聞こえた。
あたしはビクッとなってから、おそるおそるゆっくりと後ろを振り向いた。
あたしは目を見開いた。
彼、真君は声の通り、やっぱり格好良かった。
まるでどこかのアイドルみたいに。
「・・・っ真君?」
あたしがそう言うと、真君は微笑んで「うん」とうなずいた。
あたしの胸は今にも張り裂けそうなくらい高鳴った。
ドキドキがとまらない。
こんなに格好良いとは思わなかった。
隣にいるだけでドキドキする。
「和、やっぱり可愛いね」
真君はあたしを見て言った。
「そんなこと——」
あたしがそういって微笑むと、真君は微笑みながら「あるよ」と言った。
あたしはそんな笑顔を見て、必死に顔が赤くなるのをこらえた。
「行こっか」
真君はそういってあたしを見た。
「うん」
あたしはそう言って真君と一緒に歩き出した。
- Re: ス ト ー カ ー の 恐 怖 を 。 ( No.9 )
- 日時: 2015/02/15 21:46
- 名前: 美咲 (ID: cdCu00PP)
あたし今、こんなイケメンの隣歩いてていいのかな?
つりあってないように見えないかな?
——って、別に付き合ってないのに釣り合うも何もないよね。
街を歩きながら、あたしは一人思う。
「お腹すいたね。何か食べよっか」
真君はそういってあたしを見る。
「何がいい?」
あたしがいうと、「のどかが決めていいよ」と微笑んだ。
これだけでなんだか胸が締め付けられる。
高校生のときでも、こんなにトキメいたことなんてない。
やっぱり大人は違うな。
なんやかんやで、二人で喫茶店に入った。
とりあえずお互い、コーヒーを頼んだ。
「俺勇気出して良かった」
突然、真君が言った。
「え?」
あたしはそういって微笑む。
「俺、のどかに会いたいっていえて良かった。言わなかったら今日、のどかに会えてなかったと思うし」
真君そういうと照れくさそうにコーヒーをかき混ぜた。
あたし今、顔真っ赤だと思う。
「あたしも、会えて嬉しいよ」
あたしがそう言うと、真君は「本当に?なら良かった」と微笑んだ。
「そういえば真君、なんで出会い系サイトなんかに登録したの?そんな
にイケメンだったら、いつでも彼女なんか作れるんじゃないの?」
あたしがそういうと、真君は笑ってこたえる。
「悪ふざけ。友達と遊んでるときに遊び半分で登録した。それで誰か可愛い子にDM送ろってことになってさ。丁度のどかがいたんだよ」
わー、照れる。
ってか、やっぱりそうなんだ。
ガチで登録するわけないもんね、こんなに格好良かったら。
「てか、そういうのどかこそ何で?」
そういわれ、あたしは「あぁ」と呟いてからいう。
「みんな嫌いな上司が出会い系サイトやってて、騙してやろうよって、あたしが選ばれちゃったわけ」
あたしは笑い飛ばすように言った。
「あっはは、その上司さん相当嫌な人なんだね。やっぱり遊び半分か」
「そう」あたしはそういって微笑む。
「本当はすぐやめるつもりだったんだけどね、俺」
「ん?」
「でもさ、和と話してるうちに和と連絡取れなくなるの嫌だなって思ってきちゃってさ。最初は確かに遊び半分だったけど、今は本気だよ?俺」
その言葉をきいて、あたしは一気に体が熱くなった。
“本気”ってなに?
あたしに本気って、どういう意味?
あたしは真君に対して、どんな感情を抱いているの?
「あ、あたしも」
小さな声で呟いた。
「えっ?ごめん聞こえなかった」
真君が言った。
聞こえないことを願いながら言ったのに、聞こえて欲しいとも思っている。
「あたしも、本気」
今度はちゃんと聞こえるように、ゆっくりと呟いた。
それを聞いて、真君は一瞬止まってからすぐに微笑んだ。
なんのための笑みなのかわからないけど、あたしにとってそれはとびきり嬉しいものだということだけはわかった。
喫茶店を出た後、「次どこ行く?」とあたしが言った。
真君は「んー、どうしよっか?」と言いながらあたしの手を握った。
あたしの手に力が入った瞬間、またこの感覚だ。
胸の中に何か暖かいものが満ちていくこの感覚。
嬉しい感情と、恥ずかしさが頭を渦巻く。
あたしは握られた手で、真君の手を握り返した。
すると真君は一度あたしを見て、軽く笑った。
あたしも顔を見合わせて、二人で微笑む。
このとき初めて、出会い系サイトってこんなにいいものなの?と心の中で思った。
出会い系サイトに登録していなかったらきっと、こんな人には出会えなかっただろう。
楽しい時間はあっという間に過ぎた。
辺りはすっかり暗くなって、あたしたちを照らすのは小さな街灯とうっすらという月明かりだけになった。
握られた手はそのまま、あたしたちはゆっくりと歩く。
帰りたくない——そう思った。
まるで真君が好きな人かのように、あたしはたまに真君の横顔を見る。
ふと空を見上げると、夏の空には星がちりばめられていた。
「・・・きれい」
あたしがそう呟くと、真君は一度あたしを見てから自分も同じように空を見上げた。
「ほんとだ。本当綺麗だね」
真君が言った。
いくつもの星は小さく揺れ動き、あたしたちはじっとそれを見つめていた。
「・・・のどか」
沈黙の中で、名前を呼ばれた。
「ん?」
あたしが見上げていた視線を真君に戻したその瞬間———。
真君の唇があたしの唇と重なった。
あたしは一度大きく目を見開いたあと、すぐに目を閉じた。
何秒経っただろう?
あたしにとっては一瞬のように思えた時間も、きっと10秒くらいはあったと思う。
真君はゆっくりと唇を離した。
目を開けると、あたしのすぐ目の前に真君の顔があった。
見るだけで、ドキドキする。
真君はあたしを見つめ、あたしも動揺しながらも真君の目を見つめる。
少しの間見つめあったあと、真君が口を開いた。
「・・・俺、好きになっちゃった。和のこと」
そういわれて、あたしは何を言うわけでもなく真君を見つめていた。
言葉が出てこなかった。
———誰かを好きになるのって、こんなに簡単だったっけ?
出会って、話して、色々なことがあって初めて好きになる。
それが今までのあたしだった。
初めて会った人だよ?
けど、手を繋ぐのもキスをするのも、嫌じゃなかった。
というより、嬉しく思っている。
「・・・あたしも、真君が好き」
知らないうちに呟いていた。
どんな表情をしていたかなんてわからない。
でもそう言った次の瞬間に、あたしたちはまた唇を重ねていた。
- Re: ス ト ー カ ー の 恐 怖 を 。 ( No.10 )
- 日時: 2015/04/16 23:56
- 名前: 美咲 (ID: cdCu00PP)
一人になってからも、余韻は消えなかった。
会ったときの胸の高鳴り、手を握った時の力、キスをしたときの感触———。
あたしは、真君のことが好きなんだ。
きっと、心の底から惚れている。
どうしようもないくらいに好きで、出会い方なんてどうでもいい。
『のどかー今日楽しかった!ありがとね!』
帰ってからきたのはこういうLINEだった。
『あたしもすごく楽しかった!ありがとう!また遊ぼうねwww』
あたしはこう返した。
『うん!また行こう♪あと、急にキスしてごめんね(笑)』
『いいよwww気にしないで』
『ありがと。俺、これからは彼氏としてがんばるから!(笑)』
『うん!ありがとう♪』
あたしたちは今日、7月4日をもって付き合うことになった。
真君は今日からあたしの『彼氏』として、あたしは真君の『彼女』として、これから生きていく。
彼氏なんて2年ぶり——。
翔太と別れてから。
あたしは二年前まで翔太と付き合っていた。
デートもしたし、手も繋いだし、キスもしたし、セックスもした。
けど、何かが違ったんだ。
あたしと翔太にはトキメキがなかった。
何も考えずにデートをして、手を繋いで、キスをして、セックスをしていた。
その行為に胸が揺れ動くことなんてなかった。
もちろん最初はドキドキしたけど、なんだか当たり前になってきて、何も感じなくなった。
お互い仕事も忙しくなってきたし、このまま付き合っててもいいことがないって、あたしが別れを告げた。
お互い、別れることに抵抗はなかった。
別れても特に変化はなかった。
変わったことといえば、キスをしたりセックスをしたりしなくなったことだけ。
普通に食事くらいは行くし、たまに出かけたりもする。
仲の良い友達、って感じ。
二人きりでいて、キスしたいって思うことも、セックスしようって気にもならない。
友達以上恋人未満って、こういうことを言うのかな。
普通の友達よりは仲良くするし、同じベッドで寝たりもできる。
だけど付き合ってたときみたいに翔太があたしを抱きしめてくることもなければ、キスもしないしセックスする雰囲気にもならない。
あたしたちはもう別れてる——そう割り切ってみると、寂しくもなんともなかった。
前までは当たり前のようにキスをしたり、恋人らしいことしてた相手が目の前で寝ていても、何も思わない。
これって異常なのかな?
翔太に対する気持ちに”友達”以上の感情はない。
翔太もきっと、同じ。
- Re: ス ト ー カ ー の 恐 怖 を 。 ( No.11 )
- 日時: 2015/06/05 19:42
- 名前: 美咲 (ID: cdCu00PP)
翌日、いつも通りの時間に会社に行き、いつもと同じ席に座る。
いつもと違うのは、常にLINEのやりとりをしているということ。
相手が彼氏だということ。
彼氏とLINEなんてそれも2年ぶり。
久しぶりのこの感覚に、あたしの胸は踊っていた。
昼休み、あたしが屋上でお昼を食べていると、翔太が隣に来た。
「よっ」
翔太はそういってあたしの隣の椅子に座った。
「おう」
あたしは携帯から目を離さずに呟いた。
「どう?最近」
「えっ!?」
ぎょっとした。
真君のことかと思った。
「な、なんだよそんなにびっくりしちゃって。山口だよ。動きはある?」
「あ、あぁ。なにも」
あたしはそう言うとすっかり忘れかけていた山口とのDMの画面を表示して翔太に携帯を渡した。
翔太はそれを受け取り、ディスプレイを見つめる。
「つまんねーな」
翔太はそういって微笑みながら携帯を見る。
「ん・・・・お前、これ誰だよ?」
翔太はそういって、真君とのDMの画面を見せてきた。
あたしは目を見開き、「ちょっと!!」と言って急いで翔太から携帯を取り上げた。
「わ、悪い・・・」
びっくりして、翔太は不審な表情をしている。
焦りすぎて、怒鳴り口調になっちゃった。
「あ、ごめん」
あたしはそう言うと携帯をカバンにしまった。
「・・・お前その男、出会い系サイトのヤツだよな?」
「そうだけど。・・・DM来て、ただ返信してただけだから」
別にやましいことなんてない。
「まさかお前・・・・」
翔太が言いたいことはわかった。
——好きなのか?
そういわれる前に、あたしは立ち上がった。
「何!?別になんもないけど!翔太には関係ないでしょ!?」
今度は完全に怒鳴った。
なんかあたし、ムキになってる。
好きな人のこと、けなされたみたいで。
翔太はもちろん、びっくりした顔をしている。
「ご、ごめん・・・。けど、色々気をつけろよな。何かあったら、俺でよければいつでも聞くからさ」
翔太はそれだけ言うと立ち上がり、その場を後にした。
ちょっと、きつく言い過ぎたかな———。
でも、翔太に言われる筋合いなんてない。
あたしは間違っていない——絶対に。
けど、真君と付き合っていることを咄嗟に隠している自分がいた。
どこかでやましいと思っている。
真君を紹介するのが嫌なんじゃない。
出会い系サイトで知り合った人を紹介するのが嫌なんだ。
あたしたちは所詮、出会い系サイトなんかで知り合った痛いカップル。
そう思われるに違いない。
あたしはそれが嫌だった。
いつの間にか自分は、出会い系サイトをやっている人より上だとか、勝手なランクをつけていた。
けどやっぱり、そんな気持ちが消えることはなかった。
これからもその気持ちが消えることはなさそうに思えてならない。
悪いことをしている訳じゃないのになぜだか周りにばれるのを恐れてい
る。
ここまで自分のことをわかっているのに言い出せないのはなぜだろう?