複雑・ファジー小説
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- 愛と正義の交響曲(元わかりあうための闘い)
- 日時: 2014/10/03 21:08
- 名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)
第3話から、スクランブルエッグに改名しました(笑)
タイトルは狐さんのアイディアを参考にしました!
来てくださったお客様
Orfevre様 時計屋様
かぼちゃ様 さおりん様
腐葉土様 花梨様
夕陽様 みにょ様
狐様 もふもふ様
主要登場人物紹介>>43 サブキャラ紹介>>46
プロローグ>>12
第1話>>13 第10話>>22 第19話>>33
第2話>>14 第11話>>23 第20話>>44
第3話>>15 第12話>>24 第21話>>45
第4話>>16 第13話>>25 第22話>>47
第5話>>17 第14話>>26 第23話>>48
第6話>>18 第15話>>29 第24話>>51
第7話>>19 第16話>>30
第8話>>20 第17話>>31
第9話>>21 第18話>>32
- Re: 能力者物語 ( No.26 )
- 日時: 2014/09/23 21:22
- 名前: スクランブルエッグ (ID: EhAHi04g)
トリニティside
ついに来たか、この私の試合が。
廉道先生の試合が終わった瞬間、私は自分の対戦相手を鋭く睨んだ。
私の対戦相手である、白い髪に赤い瞳、白のつめえり服に首に青色のスカーフをしめて、白いキュロットに白いフィギュアスケート靴姿の美少年、軽井沢隼人くん。
彼は我々と同じ、スターレスリングジムの元同志だった。
だが、彼は卒業して以来、我らと袂を分かち、フレンチ=トーストくんにそそのかされて悪の道に入った。彼は善良ないい人間ではあるのだが、人を疑おうとしない純真な性格に付け込まれ、フレンチくんに利用されている。彼はその事に気づいてはいない。
そして自分の能力で、私たちの仲間を数多く殺めた。だが、真に悪いのは彼ではなく、彼をそそのかし、利用した挙句、少し彼のやり方に疑問を持ったと言うだけで、マインドコントロールまでかけたフレンチくんだ。
打倒フレンチくんは我が友カイザーに任せるとして、彼のマインドコントロールを解くのはこの私の役目。
己の命に代えても、彼の純真な心をこれ以上フレンチくんの好きなようにはさせない。
彼の清き心は必ず、わが愛剣ブレイブレードにかけて、必ず解放してみせる…!
☆
軽井沢side
黄金の甲冑と青いマントに身を包み、颯爽とステージに上がる男性、トリニティさん。
彼は、僕の殲滅対象のひとりだ。
僕とフレンチくんの理想を邪魔するものに、命はない。これが、僕と彼の出した結論。
完璧なる存在である僕らが、スターレスリングジムに代わって、世界を管理する。宇宙人である彼らが地球を管理するより、地球人である僕らの方が、ずっと親しみやすいだろうし、同じ人間だから、他の人間の気持ちもずっとわかる。
長年地球を見守り、管理してきた彼らの役目は、もう終わり。
これからは、僕たちがこの世界を管理して、今よりもっと素晴らしい世界にしてみせる。
「トリニティさん、雪と氷の世界へ、あなたをご案内してさしあげますよ。『白雪の天使』である、この僕がね」
「望むところだ、軽井沢くん。
私も『勇敢なる鳥人』として、きみを遥かなる大空の世界へ連れて行ってあげよう」
僕たちが空中で激しい火花を散らしたその時、試合開始のゴングが高らかに鳴り響いた。
- Re: 能力者物語 ( No.27 )
- 日時: 2014/09/22 17:34
- 名前: かぼちゃ (ID: JK5a7QPr)
かぼちゃです!とっても面白かったです!これからも頑張って下さい!楽しみにしてます!
- Re: 能力者物語 ( No.28 )
- 日時: 2014/09/22 19:03
- 名前: スクランブルエッグ (ID: EhAHi04g)
かぼちゃさんへ
本当にうれしいコメントありがとうございます。これからもがんばります!
- Re: 能力者物語 ( No.29 )
- 日時: 2014/09/23 21:24
- 名前: スクランブルエッグ (ID: EhAHi04g)
トリニティsid
彼は氷の剣を作り出し、私の愛剣と真っ向から勝負を挑む。
「軽井沢くん、きみはフレンチくんに操られているだけだ!」
「そんな事あるわけない。彼が嘘をつくとは考えられないんだもの」
何度もぶつかり合う、私と彼の剣。
しかし、暑さのためもあってか、彼の作り出した剣はすぐに溶けてしまい、その度に彼は新しい剣を出現させる。
彼は、雪や氷を自由自在に作り出す能力を持っていた。彼の基本戦法は能力を生かして氷のフィールドを生み出して、アイスリングでプロレス技を発動して倒すと言うパターンである事を、これまで彼の犠牲になった仲間の試合で拝見していた私は、彼がいつ氷で大理石のステージを覆うのかと、身構えていた。
「そろそろ、僕の能力の真骨頂を見せてあげる」
彼は床に手をかざし、ステージ全体を氷漬けにして、美しくも幻想的な氷のステージを出現させた。そして、ここからが、彼の履いているフィギュアスケート靴が本領を発揮する。
先ほどの3倍のスピードで急接近し、氷の剣で斬りかかる。それを私は自分の能力で青い翼を生やす事によって、空中へ逃げた。
「きみが雪と氷を支配するのなら、私は空を支配する!」
舞い落ちる羽を手裏剣のように彼に放つが、氷のシールドで全て防御されてしまう。
「スノウ=クラッシュ!」
彼は猛スピードかつ正確なコントロールで雪玉を作って炸裂させる。まるでマシンガンのように放たれるそれを食らった私は落下し始める。
だが、地面に激突する直前に体勢を立て直し、なんとか無事に着地した。
今のところ、勝負は一進一退。
だが、これはあくまで能力の勝負と言うだけの話。
彼の本当の恐ろしさは、能力などではなく、私の上を行くプロレスの華麗なる空中殺法にあるのだから。
すると彼はスケート靴を脱いで、プロレス用のブーツに履き替えた。
しかし、私がその一瞬の隙を逃すはずはなかった。
「ダイヤモンド=スラッシュ!」
剣でダイヤ型の斬撃を生み出し、超高速で敵にぶつける、ダイヤモンドスラッシュを発動した。これは数多の強敵を打ち破ってきた、私の最高にして最大の得意技だ。
けれど彼は、掌から吹雪を放って凍り付かせると、それを殴り、粉々に破壊してしまった。
やはり、スターレスリングジムの卒業生という称号は伊達ではない。
「ここからは、スター流で勝負しないかな」
彼はそう言って、氷で3本ロープを張り巡らせて、氷のリングを再現してしまった。
「…よかろう!」
私は剣を場外へ投げ捨て、捨て身の覚悟で彼と対峙する事を決意した。
- Re: 太陽天使隊 ( No.30 )
- 日時: 2014/09/24 09:08
- 名前: スクランブルエッグ (ID: CMSJHimU)
軽井沢side
彼はついに、僕の挑戦を受けた。
彼は自分の形見である剣を、ステージの外に投げ捨てた。そうまでして、彼は僕と決着をつけたいらしい。
でも一体なぜなんだ?
どうして彼は、そこまでして僕との闘いにこだわるのだろうか。
すると彼は、拳を振り上げ、真っ向から向かってきた。背後を狙う訳でもなく、フェイントを仕掛ける事もない、彼らしい愚直な拳。僕はそれを持ち前の回避によって、楽々と避ける。
しかし、彼は僕がいくらパンチを避けようとも、諦める様子を見せず、何度でも拳を撃ってくる。僕は当初、それを受け止めたり、軽く受け流していたが、彼のあまりの往生際の悪さに、ついにドロップキックを彼に命中させ、彼を軽く吹き飛ばしてしまった。並みの能力者なら、一撃で気絶してしまう僕のキックを受けて立ちあがれるとは、やはり太陽天使隊(アークエンジェルス)の一員である事だけはある。
太陽天使隊。それはスターレスリングジムを脱退したカイザーさんが作り上げた勢力で、愛と平和と人類のために闘う者たちで構成されている。しかしながら、僕らの抗争によって、多くのメンバーを失い、今のところ構成員は彼を含めてたった4人しかいない。
けれど、僕は少数精鋭だからと言って容赦はしない。邪魔をするものは完璧に倒す。
僕は彼の懐に入り込み、彼の右肩を担ぎ上げてジャンプ。そして彼の頭部を自分の両腕でロックし、彼の両足をクラッチして、そのまま高速で氷で覆われた大理石のリングへと落下した。
「アルプス大山脈落としーっ!」
僕の必殺技をまともに受けた彼は血を吐いてダウン。僕の勝利が決まった。
試合終了のゴングが鳴り終わった直後に彼はフラフラになりながらも立ちあがり、
「これだけは言っておくぞ、軽井沢くん…きみは今に知る事になるだろう、フレンチくんの爽やかな外見に隠された恐ろしい悪の心を…」
彼はそれだけ言うと、再び倒れ、今度は完全に気絶してしまった。
担架でスタジアムの隣にある医院に運ばれていく、彼の姿を見ていると、彼が先ほど発した「フレンチくんの恐ろしい悪の心」と言う言葉が気になって仕方がなかった。