複雑・ファジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

愛と正義の交響曲(元わかりあうための闘い)
日時: 2014/10/03 21:08
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

第3話から、スクランブルエッグに改名しました(笑)
タイトルは狐さんのアイディアを参考にしました!

来てくださったお客様
Orfevre様 時計屋様
かぼちゃ様 さおりん様
腐葉土様 花梨様
夕陽様 みにょ様
狐様 もふもふ様

主要登場人物紹介>>43 サブキャラ紹介>>46

プロローグ>>12
第1話>>13 第10話>>22 第19話>>33
第2話>>14 第11話>>23 第20話>>44
第3話>>15 第12話>>24 第21話>>45
第4話>>16 第13話>>25 第22話>>47
第5話>>17 第14話>>26 第23話>>48
第6話>>18 第15話>>29 第24話>>51
第7話>>19 第16話>>30
第8話>>20 第17話>>31
第9話>>21 第18話>>32

Re: 太陽天使隊 ( No.16 )
日時: 2014/09/23 21:01
名前: スクランブルエッグ (ID: EhAHi04g)

ベリーside

彼はあたしの度重なる攻撃に、ついに我を失った。
まるで獣のように吠えながら、何の戦略もなく、ただイノシシのように猪突猛進で向かってくるだけだ。
あたしは事前に彼の闘いぶりを、先の闘いでよく観察しているから、彼の戦法や癖などが手に取るようにわかる。
今の状態は、彼が精神的に追い詰められどうしようもなくなったときに発動する、通称戦闘狂モード。
最終予選で、あたしの相手をしたジャドウさんからこの情報は聞かされていた。

「奴はこのモードになると、大幅に戦闘能力を上昇させ、体の一部を破壊してくるカードを使用してくる。くれぐれも気をつけることですな…」

彼の言葉を思い出し、まるで獰猛な闘犬のように挑みかかってくる上条雄介に、彼がカードを展開するよりも早く、大鎌の斬撃を浴びせた。
ドサッと音がして、彼が地面に倒れ伏す。
彼はおなかから先ほどよりも激しい血を流し、完全失神していた。

「勝者、ベリー=クラウン!」

ステージの外で待機していたレフリーが、あたしの勝利を告げ、ステージに上がるとあたしの右腕を掴み、上へ高々と上げた。

これでまずは1勝目。
これで10億円にまた一歩近づいた。



愁二side

「勝者、ベリー=クラウン!」

マジかよ…

Aブロックの第1試合を観戦していた俺は、予想外の出来事に息を飲んだ。
あの女、あの上条雄介とかいうカード使いを倒しちまった。
しかもただ倒したわけじゃない。
敵の癖や戦闘方法を見抜いて、冷静に分析した上で圧倒して倒した。
これは恐らく、誰かの入れ知恵に違いない。
だが、仮にそうだったとしても、ただの一度も攻撃を食らわずに、一方的に下しちまうだなんて、彼女はあまりにも強すぎる。
勝ち名乗りを上げている、彼女の姿を見たとたん、一気に恐怖が募ってきた。
俺も他の参加者と同じく、賞金10億円と、何でも願いを叶えてくれると言う権利がほしい。
けれど、それと命を天秤にかけるのには、あまりにも無謀すぎる賭けだ。

棄権しようか。

そんな考えが頭をグルグルと回る。
しかし、ここで棄権しまえば、もしかすると人生1度きりの貴重なチャンスを不意にしてしまう事になる。
それは、あまりにもおしい。
念のため、俺の対戦相手が誰なのかという事を、電光掲示板で確認してみる事にした。
対戦相手は巳鍵非檻とかいう読み方が難しい名前の少女だ。見たところ、あまり強そうではない。
だが、油断は禁物だ。仮にも雄介は女に負けたのだから、油断はしないほうが賢明だろう。
そして、もう一度、改めてじっくりと敵の得物を観察する。奴は、小型の拳銃とナイフを武器として所持していた。
武器の内容は、大方俺と同じだということがわかった。これで、幾分か戦闘に対するイメージトレーニングができそうだ。早速目を瞑り、イメージトレーニングを開始する。
拳銃とナイフは、ゴーレムで防げば問題ない。
だが、問題がひとつ浮上した。
それは、奴の能力がまだわからないと言う事だ。
能力さえわかれば、その能力がどんなものかで俺の勝敗が決まるというのに…

ここまで、俺は7割ほど彼女に勝利すると踏んでいた。だが、彼女の未知の能力が分からない以上、残りの3割の確率が俺の勝利を阻害する。

クソッ、相手の能力さえわかれば安心できるのに…

闘うのがまた怖くなってきた。
けれど、その恐怖をつばと一緒にゴクリと飲み込む。
軽く息を整えて、冷静を取り戻し、俺は誰にも聞こえないほど小さな声でつぶやいた。

「俺も男だ…よし、やるか!」

俺はBブロックの白い大理石のステージに、ゆっくりと足を進めた。

Re: 太陽天使隊 ( No.17 )
日時: 2014/09/23 21:03
名前: スクランブルエッグ (ID: EhAHi04g)

愁二side

試合が始まるや否や、俺の手はブルブルと、緊張で手足が震えていた。
やっぱり、こんな大勢の観客の前で闘うと言うのは、初めてというだけあって相当なプレッシャーが襲い掛かってきた。
もし、このまま下手な試合をしてしまえば、ブーイングの嵐を受ける事になるのは、目に見えている。
そんな不安と緊張で固まっている俺とは対照的に、敵の方は1万人を超える大観衆を相手にしても、緊張するどころか、逆に俺に自己紹介までしてきやがった。

この女、見かけによらず肝が据わってやがる…

そう思った次の瞬間、彼女は腰にあるホルダーに手を伸ばした。
即座に、俺は次の彼女の行動を予想して、ゴーレムを生成する。
間一髪で間に合い、彼女の銃弾を無効化することができた。

今回のゴーレムは、リュックの中から取り出したあらかじめ持ち込んでおいた、砂で作った砂のゴーレムだ。
大理石のゴーレムを生成しようかとも考えたが、そんな事をしては、闘うリングがなくなってしまう。
それだけはごめんだ。
砂のゴーレムは、水や音、風の攻撃にはめっぽう弱いが、その代わり打撃や物理攻撃を砂の体で無効化するというたいそう便利な能力を兼ね備えている。
彼女はナイフで攻撃してくるが、当然、体が砂で構成されているゴーレムには、効果がない。
すると、彼女の青い目が、まるで夜のネコの瞳のようにピカッと怪しく光った。

彼女の目を見ていると、まるで大嫌いな妖怪やお化けと目の前で対峙しているような感覚に陥り、俺の背中は、一気に冷や汗びっしょりになってしまった。

「あたしの能力は、相手を見つめ、指示を出すことで、その相手の動きを制限させることができるんです。ゴーレム、そのまま動かないで!」

彼女は、自らが持つ、その半ば反則的とも言える能力について、丁寧に説明する余裕ぶりを見せつける。
この態度から、敵と俺の実力差がどれほどのものなのかは、一般の観客たちでも容易に想像がつくものである事は、言うまでもない事実だ。
どうする事もできないほどの恐怖のあまり、俺の脳裏に走馬灯が見えてきた。
彼女に殺される様子を想像し、それが現実に起こるのに恐ろしさを感じ、思わずぎゅっと両目を閉じた。



しばらくして目をあけると、そこには何も変わり映えしないゴーレムと、腰に手を当て立っている敵の姿があった。
けれど、ゴーレムの見かけには何の変化もないため、物は試しと取りあえず指示を出してみる。
すると、なんとゴーレムが動いた。
なぜ動く事ができたのだろうか。
俺は普段使わない頭を懸命に回転させ、答えを導き出す。

そうか、もしかすると、コイツの能力は生き物だけに効果を発揮して、ゴーレムみたいな人工物には効果を発揮できないんじゃ…

そう思案して、俺は棒立ちになったままの彼女を見つめる。
その顔は心なしか青ざめており、悔しそうに噛みしめた唇からは血が滴っている。
一体どれほど強く唇を噛みしめたら、血がでるのだろうか。ふと、そんな疑問が脳裏をよぎったが、今はそんな事を考えている場合ではない。
俺はこの場を最大のチャンスとばかりに、ゴーレムに大声で指示を与えた。

「いっけえ、ゴーレム!彼女にパンチをお見舞いするんだ!」

「きゃああああああ!」

彼女は、ゴーレムの巨大な砂の拳から繰り出されたパンチをまともに受け、甲高い叫び声えをあげた後、思いっきり吹き飛ばされて、気絶した。

「勝者、雲仙 愁二!」

その刹那、レフリーが試合の判定を下した。
自分でも信じられないことに、俺の勝利が決まったのだ。
多分、これは単に敵との相性が良かっただけなのだろう、つまりこれは、所謂運ゲーと言う奴だ。
だから、次はどうなるかわからない。
もしかすると、相性最悪の相手に当たって敗退する可能性だって考えられる。

けれど、俺はこの1勝で今までと違い、明らかに、自分に自信を持つことができた。

Re: 太陽天使隊 ( No.18 )
日時: 2014/09/23 21:04
名前: スクランブルエッグ (ID: EhAHi04g)

フレンチside

Aブロック第1試合はベリーさん、Bブロック第1試合は愁二さんが、見事勝利を収めました。
試合の様子を見る限りですと、彼らはまだまだ、真の実力を発揮していないように思えて仕方がありません。
恐らく、次の試合に向けて、力を温存させていたのでしょうか。そんな予測を立てていますと、いよいよAブロック第2試合—つまり、僕の番になりました。

僕の対戦相手は、あろうことか、「世界の帝王になりたい」とか、訳のわからないことを言っている、つやのある長い黒髪に濃紫の瞳に白い肌、中性的な声と黒い軍服に黒いマント黒い制帽という服装が特徴のルナティクスさんです。このまま、何も言葉を交わさずに試合をすると言うのは、ちょっと重々しい気がしましたので、彼に歩み寄って営業スマイルを向けながら、挨拶をします。

「ルナティクスさん、おはようございます」

彼は横目でチラッと僕を見て、

「何か用でもあるのかな?」
「僕はあなたの対戦相手ですから、一応ご挨拶しておこうかと思いまして。コレ、お近づきのしるしにあげます。どうぞ」

僕は彼の手に自分の対戦成績を渡した後ウィンクをひとつして、彼から距離を置きました。
さて、僕の対戦成績を見た彼は、一体どんなリアクションを引き起こしてくれるのでしょうか。



ルナティクスside

彼から渡された謎の紙を見た僕は、そこに書かれている内容に、思わず目が飛び出しそうなほど驚愕した。

『スターレスリングジム卒業生 フレンチ=トースト 対戦成績』

僕と対戦する事になっている、僕と同等と思われるほど中性的かつ可憐な容姿をした彼は、なんと、この大会の主催元である、スターレスリングジムの卒業生だったのだ!
そして、僕は名前の下に書いてある対戦成績を読んで寒気がした。
彼はスターレスリングジムの師匠クラスの全てと拳を交え、唯一会長であるスターさんに引き分けた以外は、全ての試合において全勝しているのだ。
目の前に広がるこの残酷な現実と、愛らしい笑みを浮かべる彼を何度も何度も交互に見つめるが、どうしても、彼がそこまでの実力者とは想像できないでいる僕がいた。
彼から貰った紙をビリビリに破いて、その場に投げ捨てる。

これが、僕の出した答え。

世界の帝王になるべくして生まれた男である、この僕が下等な能力者に負けるわけなどない。
自分にそう言い聞かせ、彼よりも先にステージに上がる。彼がどんな能力の使い手か、それは今はわからない。けれど、きっと大したことのない、僕の能力に比べれば遥かにに劣るものであるはずだ。
そう考えると、内からみなぎるように自信が湧いてきた。

「ステージに上がって来なよ、フレンチ=トーストくん」
「そうですね」

彼は腕を後ろに組んだかと思うと、トン!と軽く地面を蹴って、会場のドームに届きそうなほど上空高くに飛び上がり、そこからクルクルと何回も回転して、大理石のステージにスタッと華麗に着地した。
そのあまりに人間離れした動きに、観客は騒然として、声をあげた。けれど、僕はそうではなかった。なぜなら、彼の先ほどの動きは恐らく身体能力を上昇させる能力だと踏んでいたからだ。
だが、僕の予想は、彼の次の一言によって砕かれた。

「ちなみに、今の動きは能力によるものじゃありませんよ。人間、鍛えれば何でもできるって本当ですね」

今の動きが能力によるものではない…?

その驚愕の事実に戦慄した僕の額からは、冷や汗が流れ落ちた。

Re: 太陽天使隊 ( No.19 )
日時: 2014/09/23 20:41
名前: スクランブルエッグ (ID: EhAHi04g)

フレンチside

試合開始を告げるゴングが鳴り、僕と彼の試合が始まりました。
僕はまず、相手がどれほどの実力を持った選手なのか確かめるべく、わざと攻撃を仕掛けずに仁王立ちになりました。
それを見た彼は、薄笑いを浮かべながら、腰の鞘に納めてある日本刀を引き抜きました。普通の刀は銀色に光り輝くものですが、彼の刀はなぜだが、漆黒の色がしています。

「これが僕の愛刀。命を失うのが惜しかったら、さっさと棄権するんだね」

彼はそう言って、僕の返事も聞かずに急接近しますと、刀を真上に振り上げてきました。
僕は彼に斬られる数ミリ手前でそれを真剣白羽取りで受け止め、そのまま力を加えて、真っ二つにヘシ折ってしまいました。

「僕の愛刀、天魔業焔刃・神羅が…」

彼は折れた刀を手に、ほんの僅かな間、呆然と立ち尽くしていました。
ですが、彼は僕を鋭く睨みつけて、乱暴に刀を放り棄てますと、その拳を放ってきました。
慌てず騒がず、彼の唸りを上げて迫ってくる右ストレートを肘で弾き、空いた懐に左ストレートを返します。
これは、とあるボクシングの漫画で有名になった、ダブル=クロスカウンターです。
ただでさえ威力の強いカウンターパンチであるクロスカウンターの、更に倍の威力を誇るパンチですから、一般の人が食らってしまえば、間違いなく死に至っていた、この殺人パンチを受けても、彼は立ちあがってきました。
さすがは、予選を勝ち上がってきた能力者だけの事はあるようです。

「そろそろ、僕の能力のお披露目と行こうかな」

彼は拳に力を加え「はあぁ…」と覇気を発動し始めます。すると、彼の周りに青紫色のオーラが放たれました。

「今ので、僕の身体能力は格段に上昇した。きみなんか敵じゃないよ」

彼は先ほどの倍の速度で僕に接近し、足蹴りをお見舞いしますが、彼の足を捕まえ自分を軸にして回転することで、遠心力を生み出し、彼を放り投げます。
僕の手から離れた彼は、大理石の床に思い切り叩き付けられ、額から一筋の血を流します。

「世界の帝王である僕が、高貴な血を流した…どうやらきみは、余程僕に殺されたいらしいね」

彼は両掌から薄紫のエネルギー弾を僕目がけて放ちますが、寸前のところでそれをジャンプして回避した僕は、上空から彼に真空飛び膝蹴りを炸裂させます。
彼は鼻を負傷したらしく、ポタポタと鼻血を流しながら、眉間に皺を寄せて、先ほどまでの穏やかな顔とは一変した怒りの表情を向けます。

その形相は、不動さんとまではいきませんが、こういうものが苦手そうな人が見たら、きっと恐怖で震え上がってしまうんじゃないかな、と言った顔でした。
彼は鼻血を手の甲で拭って、僕に低い声で語りかけました。

「きみは、僕を怒らせるのが好きなようだね。そんなきみに敬意を表して、僕の最強必殺技で葬り去ってあげるよ!」

Re: 太陽天使隊 ( No.20 )
日時: 2014/09/23 20:44
名前: スクランブルエッグ (ID: EhAHi04g)

ルナティクスside

南国の美しく青い海を思わせる碧眼、真夏の太陽のように輝く、つややかで黄金色に光り波打つ金髪、まるで、真冬の一面白銀色に覆われた世界の思わせるほどの繊細な美しさを放つ、透き通るように白い肌、りんごのように赤い頬、桜の花びらのように優しくも儚いピンクの唇、人形のように細くしなやかなバランスの取れた手足を持っている、まるで妖精のように可憐な外見の美少年、フレンチ=トースト。

彼は天使のような笑顔で、僕に微笑みかける。
けれど、僕は彼が気に入らなかった。
中性的な外見という意味では、世界の帝王となるべき、この僕と共通していたからだ。

そして彼は、まるで、僕を歯牙にもかけていないかのような態度で軽くあしらっている。
その生意気な態度が、僕は気に食わなかった。
彼は、ついに僕の美しい顔を傷つけるというやってはならない事をしてしまい、僕の逆鱗に触れた。
あまり痛みを与えずに倒してやろうかと考えていたけれど、こうなってしまった以上、話は別だ。

最強の必殺技で、彼を地獄の底に叩き落として、立ち直れないほどの絶望を味わせてあげなけれなならない。僕は、先ほどよりも更に能力で身体能力を増加させると、咆哮を上げて敵に向かって行った。
彼に蹴りの乱撃を何発も浴びせ、血を吐き出させると、ゼロ距離からエネルギー波を撃った。

もうもうと白い煙が立ち込め、彼の姿が煙に隠れる。あれほどの至近距離で破壊力抜群の光線を受けたのだから、まともであるはずがない。
煙が晴れ、現れた光景はボロボロになって床に倒れ伏したフレンチの姿だった。

弱かった…

彼は能力を発動する間もなく、僕の必殺技を食らって倒れた。もはや、判定を聞くまでもない。
僕は彼に背を向けて、悠々とステージを去っていこうと歩き出す。

だが、その時、僕の背中に何かが乗っかった気がしたかと思うと、足をからめられ、両手をチキンウィングで絞り上げられてしまった。

「まさか…あれほど完璧に決まったはずの、僕の攻撃を受けても動く事ができるだなんて!」
「僕—これでも伊達に、スターレスリングジムを卒業していませんからね」

彼は鈴のような凛と澄んだ声で答えながらも、僕の四肢に力を込めていく。
謎の関節技から脱出しようと試みるものの、動けば動くほど、僕の足は開脚していき、足に激痛が走る。
さらに、その影響でますます体が前のめりになり、チキンウィングの威力が上がっていく。
一体、何なんだ、この技は?

「パロスペシャルです。この技が決まった時点であなたの負ける確率は99%、残りの1%はせめてもの情けです」
「偉そうな。僕が世界の帝王になるべき男だぞ、頭が高い!」
「残念ですが、ルナティクスさんは、世界の帝王にはなれません」

彼は優しくも、少し低い声で返した。

「なぜなら、1億年以上前から、世界を管理しているのは、僕たちスターレスリングジムのメンバーなのですから」
「な…っ!」

彼の言った僅かな言葉に僕は耳を疑った。
スターレスリングジムが、世界を管理している…!?

「すみません。僕とした事が、ちょっと余計な事を話してしまいましたね。今の話は話は忘れてください。それでは、そろそろ頃合いですし、試合の決着をつけるとしましょうか」

その刹那、僕の全身の関節が砕ける音がして、目の前が真っ暗になった。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。