複雑・ファジー小説

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【坂の街:更新】カタテマ【短編集】
日時: 2019/03/22 00:42
名前: R ◆0UYtC6THMk (ID: W7Can3CF)

どうも、初めましての方は初めましてRと申します。
今回は短編集に手を出してみました。
というのも只の現実逃避なだけなんですが。

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【お知らせ】
書き溜めはないので自分の調子で投稿スピードは異なります。
ご了承ください。

随分と久しぶりの活動になります。どうもこんにちは。
未完成の作品も多くあって申し訳ないのですが作者のやる気が維持しないのです(;・∀・)
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【作品一覧】
透明人間 >>1
星降る >>2
自由落下 ふりーふぉーる >>3
ウサギの田中君 >>4 >>14 >>18
天の声 >>5
リリアの目 >>11 >>12 >>13
カコノヒト>>16 >>17
客観的であり主観的見解 >>21
夜明けに沈む >>22 >>23
風の吹く街 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30
この世界 >>31
手と手とて >>32
ペットボトルロケット >>35
以下、めんどくさいので略

Re: 【リリアの目:更新】カタテマ【短編集】 ( No.14 )
日時: 2015/03/30 11:52
名前: R ◆0UYtC6THMk (ID: J9PmynZN)

続ウサギの田中君

「田中君……今日から新学期だよ」

「うん、もうそんな時期か」

「受験シーズンですよ」

「そうだねぇ」

田中君は高校三年生になってもまだウサギの被り物をしています。
なってもというか、被って学校にいる時点でおかしいんですけど。

「そうだねぇじゃないよ。何その頭?」

「何って、まだそんなこと言ってるのかい?どう見てもウサギさんじゃないか」

「いや、もうそのくだりいいから。田中君は進学する気も就職する気もないのかな?」

「んん、そうだなぁ。一応進学希望かな」

田中君はそのおかしい頭の中身の中身でどんな顔をしているんでしょう。
きっと間抜け面です。

「やっぱり田中君は馬鹿だ。真性の馬鹿だ」

「そういう君はどうするんだい?進学できるのかい?」

「質問がちょっとずれてるね。なんで進学が危うい前提なの」

この人蹴り飛ばしていいですかね。

「私は田中君と違って出来る子ですから。東大ですかね」

「へぇ、凄いね。君が東大なら僕はハーバードだ」

やっぱりこの人馬鹿だ。

Re: 【アンチ:更新】カタテマ【短編集】 ( No.16 )
日時: 2015/04/15 02:15
名前: R ◆0UYtC6THMk (ID: J9PmynZN)

カコノヒト


「私は過去から来た人間です」

開口一番彼はそう告げた。

確かに彼の格好は一昔前の雰囲気を匂わせていて周りの風景に溶け込んでないように思える。
いやいや、馬鹿を言ってはいけない、そんなことあるはずがない。

「あの、すみません。失礼ですがどこかでお会いした方でしょうか?」

きっと会ったことがないはずだ。
覚えている限り俺の知人にこんな電波な人はいない。

「私は過去から来たんですよ?会ったことあるはずがないです」

彼は逆に呆れたような顔をして言った。

「すいません、ちょっと急ぐので」

駄目だ、もうかまってられない。
俺は一言言うと踵を返して歩き出した。

Re: 【アンチ:更新】カタテマ【短編集】 ( No.17 )
日時: 2015/04/17 01:28
名前: R ◆0UYtC6THMk (ID: J9PmynZN)

高校も夏休みに入り部活にも入っていなかった俺は家で一日一日をダラダラと潰していた。
俺は高校は地元とは少し離れてたところに通っているので今はアパートで一人暮らしをしている。
強い日差しがアスファルトに反射し、大家さんの撒いた水が気化する。
TVから流れ出ていくニュースの情報によると日中の気温は40℃近くまで上がる日が続くらしい。
金銭的に余裕もなく冷房機器が扇風機だけの俺にとってはイライラする日が続きそうだ。
俺は、電気代の節約の為、夏のおすすめスイーツ特番を何の躊躇いもなく切るとそのままベッドに倒れ込んだ。
時間を潰すには寝るのが一番だ、という持論を実行しようとした。
しかし、この暑さに加え耳をつんざく様なセミたちの大コーラス、とても寝られたものではない。
俺は嫌々ながらいくつかの課題をリュックに詰めて図書館へと足を運ぶことにした。

俺は図書館での冷房完備された環境のためにそこのまで道のりという多大なリスクを受け入れた。

Re: 【カコノヒト:更新】カタテマ【短編集】 ( No.18 )
日時: 2015/05/21 01:15
名前: R ◆0UYtC6THMk (ID: J9PmynZN)

ウサギの田中君参

「田中君何そのお弁当。いや、お弁当というか」

代わり映えのしない屋上の景色。田中君の手元には違和感の塊。

「人参だよ。僕の主食は基本これだよ」

「いや、あんた昨日までコンビニパン貪ってたでしょ。別に何食べても田中君の勝手だけど、せめて人参切るくらいはしなよ。生を丸かじりはどうかと思います」

田中君はウサギの被り物の口に人参を突っ込むとカリカリと音を立てて囓った。
被り物をしてても大抵のものは食べれるそうだ。

「それじゃあただの野菜スティックじゃないか。お、その唐揚げ美味しそうだね」

「ウサギが鶏肉食べるんですか。食物連鎖、おい食物連鎖」

そんなホラーなウサギは嫌だ。少なくとも私は認めない。

「相変わらず連れないなぁ。雑食なウサギがいたっていいだろう」

「田中君はそもそも種が違うから。田中君は愛玩動物です。可愛がってあげよう」

「お、おう……。何か照れるね」

「ウサギのクセに一丁前に何言ってるの。そろそろ教室戻るね!あ、この唐揚げあげる!」

私はあえて振り返ることもせずその場を走り去った。

「あっ……変な子だなぁ」

顔が熱い。きっと春の陽気のせいだ。
そう自分に言い聞かせて、私は階段を駆け下りた。

Re: 【ウサギの田中君参:更新】カタテマ【短編集】 ( No.19 )
日時: 2015/05/21 00:53
名前: 橘ゆづ ◆1FiohFISAk (ID: FpNTyiBw)

嗚呼、不思議な感じが凄く美しいですね。こんばんは。
不可思議で摩訶不思議な話が大好きな私としては、凄く面白い小説です。
勝手ながら、同じ短編集を書いているものとして親近感を抱いてしまいました。
個人的には【自由落下】が好きです。ご清聴ありがとうございました、にグッと来ましたね。
これからも無理なく頑張ってください。では。


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