複雑・ファジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

悠久のILIZA
日時: 2015/05/20 21:23
名前: みすず ◆5k4Bd86fvo (ID: 5PvEL/lW)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?mode=view&no=10315

初めまして ! ご存じの方はこんにちは !
駄作者みすずが複ファに降り立ってしまった ! ?
今回は人工知能VS人類のお話です

attention
・ちょっと都市伝説を元にしている
・兎で頑張るけどたまにしばらく放置あり
・どちらかというとシリアス(コメライ4 : シリアス6)
・アンチ、チェンメ、パクリは通報致しますので悪しからず
・永久放置ダッシュ逃げあり(主にネタ切れが原因で)
・駄作者は厨二病

"コメントをクレたオ客サマ"
黒陽 様

Re: 悠久のILIZA ( No.20 )
日時: 2015/05/21 22:29
名前: みすず ◆5k4Bd86fvo (ID: 5PvEL/lW)

続き

<ストライク>の本部へ着いた一行。ジェシカはその入り口でピタリと足を止める。そして腕で両目を擦る
ごしごし。
さっきと光景が変わらない。もう一回両目を擦る
ごしごし。
光景がさっぱり変わらない。

「ハーちゃん。どーした ? 」
「ミレイア。思いっきり私を殴って」
「えーと、うん」

ヤル気満々のミレイアは暫く何をするか迷ってからグーパンチがジェシカの顔面に炸裂する
腰の入った殺人フックを予想していたとはいえまともに食らい、彼女は心の中で「えーっ ! ? 」と叫びながら揉んどりうって後ろに大の字で倒れ込む

「殴ったよー ? 」

清々したのか、ヤンキー宜しく両手でパンパンと汚れを払う真似をする。大の字に倒れたジェシカは痛そうに頬を押さえる
________『というか、絶対半分殴って楽しそうにしてるよね ! ? 』
そこでタイミング悪くライトとガイアが歩いてきた。ガイアは不思議そうな顔をしているがライトは明らかにこちらに冷徹な視線を送ってきている

「まさか、わざわざ殴られるMな思考だったとはな。ロリコンといいお前は精神科を今すぐ受診するべきだ」
「ち・が・う ! ! ! ロリコンじゃないし ! ただ、ここのフロアの光景が明らかに異常だから痛みで夢か確かめただけだよ ! ! ! ! 」

そこで、ライトがはじめてフロアに目を向ける。次の瞬間に目頭を押さえた
フロアには掲示板には輪飾りが吊るされ床にはクラッカーの跡だろうか、紙屑と紙紐が散乱している
ジト目でフロアを見回すジェシカにガイアが説明してくる

「<ストライク>の皆はお祭り好きだしね。昨日は確か『戦闘祭』だったかな。何時もの苦労を労うお祭り、朝まで騒がしかったから皆まだ寝てると思うよ
因みに月に一度、戦闘訓練って言う名目で皆に遊んだりするね」
「どんだけ、皆、遊び盛りなの ? まあ、『音楽祭』には賛成だけどね」

掲示板にはこれからのイベントの内容が記されていた
二週間後、音楽祭

続く

Re: 悠久のILIZA ( No.21 )
日時: 2015/05/22 21:54
名前: みすず ◆5k4Bd86fvo (ID: 5PvEL/lW)

続き

どうやら、装飾が施されていたのは一階のホールだけだったようだ。奥に進むにつれ装飾はなくなりTHE・病院の廊下と化していた
暫く歩いていくと練習場と名の付いた部屋が現れる。大きさは二十四畳ほど。フローリングに白塗りの壁という典型的な部屋だ
その内の一つ、練習場Ⅲと書いた札が付いた部屋から光と床を踏むタッダッという音が漏れていた
外から中を覗くと黄髪の少年が右腕から延びたワイヤーで的を攻撃しているという光景だった
ライトがドアを躊躇なく開けると、少年は驚いた様子で目を見開いたが、次には優男を連想させるようなにこやかな笑みを浮かべた

「おかえり、どうだったの仕事は ? 」

どうやら、ライト達と知り合いのようで気軽に話し掛けてきていた
緑色のコートに黒のワーキングパンツ。ロゴの入った赤いTシャツ。一見見ると黄色い髪は染めたもののようで所々黒い毛が混じっている
こちらに向けてくるブラウンの瞳は優しさを保っているが

________どうしてだろう、何か影を感じるんだ

そんなことを彼女が思っているとは露知らず少年は此方に話しかけてくる

「やあ、初めまして。もしかして、君がボクたちのチームの新しいメンバーかな ? 」
「ん ? 」
「そういえば、言ってなかったな」

<ストライク>は戦闘時に最低三人以上のチームを作るのだとか

「つまり、ライトとミレイアとガイアとこの少年で1チームなわけか」
「そういうこと。あとボクの名前はカルド・ローゲンスフィア。これからよろしくね」
「私は、ジェシカ ! こちらこそよろしくね、優男くん ! 」

続く



Re: 悠久のILIZA ( No.22 )
日時: 2015/05/23 21:59
名前: みすず ◆5k4Bd86fvo (ID: 5PvEL/lW)

続き

「そういえば、皆の武器ってちゃんと見てなかったな」

何故か成り行きでライト達のチームに配属されることになったジェシカ
後々確認したところ、<ストライク>の代表の人に決定を仰ぐそうなのだがもう一同がレイドに着く前に決定されていたそう
何故か、はめられた感が満載な話にムッとしたジェシカはライトにとても冷徹なジト目を送る
当のライトはすまし顔で背中に背負っていた剣を抜いた
それは刀身に青いラインのように液体が入っていた。刃が明かりに照らされ不気味にギラリと光る

「俺の武器は<キャタラクト・ブレイド>。確か、水圧を利用して鉄を切り裂く剣だ」

水は圧力によっては鉄をも真っ二つに切る。まあ、それぐらいはジェシカも雑学程度には知っている
そういえば、空き地での襲撃事件の際にAIを斬ったときに剣の先から水が滴っていたのを思い出す
しげしげと剣を眺める彼女の横でミレイアがはいはーいと手を上げる
よく見るとミレイアの両手には黒いバズーカがのっていた

「はーいはいはいはい、私が紹介するんだ ! 」

そう言ってミレイアは両手に持ったバズーカを構えて見せる

「これは、<爆発の大砲ブラスト・バズーカ>って言うんだよ。えっと、中には鉄が溶けるぐらいだから1000度はある爆弾が入ってるんだ。爆弾はブレンドによって効果が変わるし追尾弾もあったかな ? ハーちゃん、どうだっけ ? 」
「よりによって私に聞く ! ? 武器について聞いてるの私なのに私に聞く ! ? 」
「ま、いっか。じゃ、次ガイ兄ね」
「りょーかい」

そう言ってガイアはポケットから折り畳み傘ほどの赤いリレーのバトンのようなものを取り出す
やはり折り畳みなのかカシャッと音をたててガイアの身長、百六十後半ぐらいの長さに伸びた
尖端は十字架を思わせるようなレリーフと刃の形をしている

「僕の武器は<業火の槍ブレイズ・スピア>。普通の槍としても使えるし。後ろの穴からは火炎放射機が組み込まれていて炎も出せる」
「結構いろんな面で便利ね」
「じゃ、最後はボクだね」

そう言ってカルドは緑色のコートのポケットからガシャポンの入れ物のようなものを出す

「僕の武器は、 対AI用行動阻害手榴弾〈メイル・ブレイカー〉。 爆発させると中に閉じ込められた酸が飛び散って、AIの纏う装甲を腐食させてダメージを与えるんだ。 さらに爆発と同時に周囲に強力な電磁波を発生させて、 AIの持つ思考回路と言語中枢を一時的に麻痺させる効果もあるよ」
「ほおー、皆すごい武器を持っているね」

続き

Re: 悠久のILIZA ( No.23 )
日時: 2015/05/24 21:40
名前: みすず ◆5k4Bd86fvo (ID: 5PvEL/lW)

今頃ですが、皆のプロフィールです

作者作、キャラクター 一覧<ストライク>

名前〔ジェシカ・ハーモニー〕
性別〔女〕
年齢〔17〕
性格〔ハツラツ、前向き。音楽厨で突っ込み役〕
容姿〔オレンジ色の髪に金メッシュを上に団子に。茶色の目〕
服装〔シャツ(フリル&縱ボーダー。黄色で七分)に白いミニスカ。茶色のサンダル。頭に通信用のヘッドフォン型マ イク
   どうやら、後でミレイアと戦闘用の服を買いに行く様です〕
所属チーム〔ストライク〕
技〔まだ、秘密〕
過去〔世界史上最狂最悪の日に親を労働源に兄を人質としてAIに捕られる
   実は、それだけではない ? 〕
詳細〔地元でアイドル活動をしている。音楽大好き、好きな教科は音楽。嫌いな教科は世界史〕

名前〔ライト・ディスパー〕
性別〔男〕
年齢〔17〕
性格〔リーダー気質。ちょっと素っ気ない。クーデレ〕
容姿〔青いツンツンに紺眼。左の二の腕に紫〕
服装〔茶色いロングコートに青いシャツ。褐色のズボン。十字架のネックレス〕
所属チーム〔ストライク〕
技〔<キャタラクト・ブレイド>水圧を使い鉄をも切り裂く。〕
過去〔本編でやります〕
詳細〔頭は学年上位ランカー。好きな教科は無し。嫌いな教科は家庭科。仲間がやられると怒りを露にする。貧乏 癖〕

名前〔ミレイア・ヴァーニング〕
性別〔女〕
年齢〔18〕
性格〔強がり、天然〕
容姿〔ピンクの髪でショートカット。黒い目。紋章は右足首に赤〕
服装〔水色パーカーに白いシャツ。黒い半ズボン。赤い星の髪飾りで背中にバズーカを背負っている
   〕
所属チーム〔ストライク〕
技〔<爆発の大砲 ブラスト・バズーカ>。鉄をも溶かし高温の爆弾を大砲で飛ばす。ブレンドによって効果が変わっ たり追尾弾もある〕
過去〔本編で(ry〕
詳細〔炎翼の片割れと呼ばれる。ガイアの双子の妹。好きな教科は国語。嫌いな教科は理科。背が低いなどのコンプレックスを指摘されると強がる。背が低いくせにバストはいい〕

名前〔ガイア・ヴァーニング〕
性別〔男〕
年齢〔18〕
性格〔気さく、サバサバ系〕
容姿〔ちょっと赤めのピンクのツンツンヘアに黒目。紋章は左足首に赤〕
服装〔上半身の丈より短いクリームのジャケットに黒いシャツ。黒いズボン〕 所属チーム〔ストライク〕
技〔<業火の槍 ブレイズ・スピア> 火炎放射器と槍を組み合わせた武器〕
過去〔本編(ry〕
詳細〔炎翼の片割れ。ミレイアの双子の兄。好きな教科は歴史。嫌いな教科は家庭科と数学。ミレイアより少し背 が高い〕

※途中で出てくる紋章については本編で

Re: 悠久のILIZA ( No.24 )
日時: 2015/05/25 22:27
名前: みすず ◆5k4Bd86fvo (ID: 5PvEL/lW)

続き

「そういえば、私の武器って何だろう ? 」
「それは、あのピアノでしょ。どういう原理かは知らないけどAIのプログラム、思考回路に影響を及ぼすタイプの武器のようだしね」

ガイアはさも当然のように言う。ピアノを武器と言う時点で議論が必要だと思うのだが、そこは気にしたら負けだ
ピアノ、というよりは折り畳みのキーボードはジェシカが小さいときの誕生日に父から貰ったものだった
それは、昨日の夜に起こったAIによる公認の完全監視地域での襲撃事件の時だ
ジェシカの背後の木から飛び出したAIを金縛りに、機能停止にしたのだ
その他に盆踊りを踊ったりしたな_______
思い出し笑いをする彼女の横で壁に寄りかかったライトは溜め息を付く

「認めたくはないがかなりの高性能だ。使い方次第によってはAIにとっては最悪の武器になるかもな。まあ、<テクナロディ>で作ったものじゃないから、少しは検査が必要だろう……で、問題のピアノが見当たらないが ? 」
「ん ? あれ……どこやったっけ……」
「バカが」

青ざめて必死にうんうん唸りながら記憶の掘り返すジェシカ
確か、昨日はずっと持っていたはずだ。そういえば、AIに捕まったとき、解放してくれたライトが何かを呟いていた

『________これは、俺の責任でもあるからな』

「あ」
「何か、思い出したか」
「ねえねえライト」
「何だ」
「『俺の責任』ってどういうこと ? ほら、あの強襲事件の時言ってた……」
「………………………… ! ! ! 」

ライトは目を大きく見開いたかと思えば唇を噛んで俯いた。一方空気の読めないジェシカはようやくピアノを忘れた場所を思い出す
ミレイアと一緒に行くことになり二人で出ていくと練習場は重苦しい空気に包まれた
察したガイアがカルドと外に出ると瞬間、ライトは剣で的をすべて力任せに切り裂いた

「くそ、くそ、くそ、くそくそ ! ! ! 」

腹立たしさのままに怒りの赴くままに的を破壊する
そうでもしなければ、今すぐにでも後悔と苦痛に心が押し潰されそうだったから

    *

ピアノを忘れた場所は迎えの車の中だった。空は今すぐにでも雨が降りそうな曇天と化していた。自然と足が早くなる

「ライト、怒ってたのかなあ」
「多分、大丈夫……じゃないかもしれない」
「おい ! ! ! 」

空気が読めないふりと言うか本当に空気を読んでいなかったが今頃になってジェシカは後ろめたさを感じていた
ミレイアはあくまで大丈夫と言ってくれるが、その顔は少ししんみりとしていた

「ライくんの家はね、意外かもしれないけど前大統領の家なの 」
「はぁああああぁ ! ! ! ? 坊っちゃんだったの ! ? あれで ! ? 」
「うん、次男だったかな。でも、ライくんの家族はAIのクーデターの日………父親とライくん意外全員。母親も兄も妹も家政婦も全員、焼き殺されたの」
「……え ? 」
「こういう話を本人がいない時にするのもなんだけど......」
 
前大統領といったら結構AIの完成に力を入れていた人物の一人
あの後生き残った前大統領とライトをまた引き離されライトは暗く冷たい監獄のような場所で囚われの身となっていたそうだ
 
「でね、その場所が第十区画」
「つまり、AIが言ってた第十区画から逃げた子供ってライト達のことだったのね」
「うん、まあ。そういうことになるね。でも、まだ何人か第十区画に残っている子供がいるそうなんだ。だから、ライくん、責任感じてるみたい」
「お兄ちゃん......」
 
襲撃事件の時、AIは私が第十区画の子供の顔に似ていると言っていた
クーデターの日AIに連れ去られた兄
どこかに捕まっていることは分かっていた
つまり、ジェシカの兄はまだ第十区画に残っていて第十区画を襲撃すれば兄と会える可能性があるわけだ
ミレイアはそれを知ってか知らずか遠い目をして話出した
 
「私たちは......」
「ん?」
「人類保全機関<レイド>の皆は......皆......皆何かを抱えている
 過去の傷や、痛みや、苦しみや...... 私も......」
「え?」
 
ハッと顔を見た瞬間にはミレイアはいつも通りの笑顔を浮かべていた
 
「ううん、何でもないよ」
「............」
 
続く


Page:1 2 3 4 5 6 7