複雑・ファジー小説
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- 非日常達は日常に同居する
- 日時: 2017/01/31 17:29
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
どうもこんにちは翌檜です。
この度、イエスタデイ・ワンスモアのスピンオフとしてこの作品を書かせて頂きます。
と言うのも、イエスタデイ・ワンスモアに書いていた作品の長編としてこの小説を書く予定です。イエスタデイ・ワンスモアを読んでいない方も読んでくださる方も気楽に見て頂けると幸いです。
これまでの経緯はイエスタデイ・ワンスモアに掲載されていますがそれを見なくても分かる内容のはずです。
日常系なのですがまだまだ未熟ですので応援宜しくお願いします。
はい、この小説を書く目的も小説の技術を上げたい為ですので……。
何かといたらぬ点等ございますがご了承ください。
ではキャラクター紹介です。オリキャラを投稿してくれた提供者さんの名前も載せています。本当にありがとうございます。
主人公、谷口省吾(たにぐち しょうご)。
高校二年生。二年A組。性格は馬鹿だが多分憎めない。三度の飯より好奇心。と言う初期設定を持ちながら現在主人公なのにツッコミをしている。好奇心キャラは家出しました。軽音楽部。
ヒロインポジション。スネグーラチカ。siyarudenさん提供。
二年A組。わがままなおてんば娘でツンデレは性格。160cm 58㎏ 長い金髪を三つ編みで結んでいる
青と白の毛皮のロングコートに青い外套を羽織り青い帽子を被っている 手には手袋
黒いストッキングと青い毛皮のブーツを掃いている
氷に咲く華の妖精と言う異名がある。
細かい設定は内容の中で。
親友ポジション、サラマンデス。モンブラン博士さん提供。
二年A組。正々堂々とした武人肌で責任感が強い。人間を「私利私欲を肥やすことしか能のない連中」として蔑んでいる。
赤い竜が人型になったような外見をしており、蒼白の顔は美形の青年である。
黄金のかぎ爪と背中の蝙蝠のような巨大な翼がトレードマーク。
武断を纏いし竜と言う異名がある。
……こ、細かい設定は内容の中で。
マスコットポジション、フラワー。
二年A組。見た目はチューリップ。説明と説教が得意。おしべとめしべがあるので男にもなれるし女にもなれる。結構いじられキャラだがツッコミ担当。
動く花と言う異名がある。
内容を見れば全てが分かるので……。
他にも。
霊犀 由良祁(れいさい ゆらぎ)siyarudenさん提供
蓬莱延命呪詛呪像(ほうらいえんめいじゅそじゅぞう)霧風赤司さん提供
キルエル siyarudenさん提供
モスカ大使 霧風赤司さん提供
安藤対馬(あんどうつしま)雛毬さん提供
エミュ 亞狗兎さん提供
サーメルティ バラバラさん提供
随時更新します。また、随時更新の際文字数オーバーする恐れがある場合は別の記事に移します。
それではイエスタデイ・ワンスモア共々宜しくお願いします。
それでは本編です。
非日常達は日常に同居する。
第0話 非日常達の日常
学校のチャイムが鳴る。
此処は公立宇摩(うま)高等学校。
ごく普通の学校である。
そう、当たり前の日常が。
一人の青年は冷たい廊下を歩く。
「すっかり秋だな……」
彼の名前は谷口 省吾。普通の高校生である。まだピュアピュアである。
容易は茶髪でオールバック。性格が馬鹿なので残念な美形。
基本制服。ちなみに今は九月上旬で衣替え前の夏服着用。宇摩高校の男子の制服は紺色のブレザー。ネクタイは赤と黄色のシマシマ。学年区別は運動靴の色。今年は一年、青。二年、赤。三年、緑。一年上がる度にその色を買う必要はなくそのまま次の学年に上がる学生と同時に色も同時に上がる。
夏服は半袖のYシャツ。
女子の制服は夏服はセーラー服。リボンは赤と黄色のシマシマ。冬服は紺色のブレザー。どちらもスカートで緑と黒のチェック。
ただかなり女子から不評で制服を着ている女子は一部のみ。
谷口は教室を開ける。
「……」
教室の中は地獄絵図だった。
いや、特別恐ろしい事は無い。
音楽を聞いていたり雑談してたり勉強してたりまさしく日常。担任も怒っている訳でも無い。
すると担任が谷口を見る。
「おー、ギリギリだな」
ただ、目の前の光景にいたのは化け物だけだった。
この物語は未確認生命体と言う宇宙人、悪魔、天使、地底人、改造人間、サイボーグ、強化人間、架空動物、生物兵器、オカルト等。最近は吸血鬼や式神も転校してくるようになった宇摩高校未確認生命体クラス。普通科は隠れ蓑。人間からは誰にも見えないが確かに其処にいる。同じ高校で日常を過ごしている。
谷口は人間である。海外出張の親が入学手続きを間違えて普通科では無く未確認生命体クラスの入学に手続きしてしまい化け物の中に谷口が入ると言う奇妙な現象が起こる。
谷口は苦労しながらこの物語の為にレギュラーを決定。
それがフラワー、サラマンデス、スネグーラチカ。
サブキャラに霊犀 由良祁。年長者らしく冷静で飄々としているが他者を思いやる優しい所は結香と同じ。176cm 68㎏ B100 W58 H88
腰ぐらいの黒髪で紫の三白眼 ポニーテールにすると結香そっくりになる
そしてライバル組織。
この学校には未確認生命体を暴走させない様に校長直属の秘密結社ゴールデン再度と言う秘密にしたいのか分からないくらいの派手目な名前が配属されており、彼等もまた学生である。
メンバー紹介。
砂金良太(いさご りょうた)。神殺しの異名を持つ怪人。高校三年生。文字通り神を殺す事以外何も出来ない。
容易は人型の時は黒髪のショート。ちょっと髪がツンツンしてる。
怪人の時は魔王の様な風貌になる。
制服を着るのが嫌で髑髏や迷彩のTシャツを着ている。パンツは制服。
災害と審判が同居した天使。キルエル。天使。生徒会にも所属している。高校二年生。
158cm 56㎏ B92(G)W59 H86
金髪のミドルヘアに緑の瞳 白と黒のゴスロリ風のドレスに白のブーツを履いている
頭には天使の光輪 背中には天使の翼が生えている
死ノ呪詛、蓬莱延命呪詛呪像。
ゴールデンサンドのリーダー。戦闘力はチート揃いの未確認生命体の中でも強い。架空生物が好きで、ユニコーンや鳳凰、麒麟、フェニックス等を飼っている。
普段は温厚。と言うかほぼ仕事しない。意外とフレンドリー。威厳だけは一人前。
以下の主役級の三人がライバル。
学校はいつのまにか昼休みになっている。谷口とフラワーとサラマンデスとスネグーラチカは机を合わせて弁当を食べる。
谷口はクラッカーを鳴らす。
「と言う事で、イエスタデイ・ワンスモアからの引っ越し完了!」
「クラッカーのゴミが弁当に入る。止めろ」
「サラマンデス……もう少しテンション上げろよ!」
「.....煙臭い」
「……何でレギュラーがこんなにテンション低いんだ!俺だって結構無理してるんだよ!」
「まあまあダーリン落ち着きなさい。このフラワーが喜びを分かち合うわ。
ヒロインキャラと親友キャラが同居しているこの私が!」
「でも花だろ。黙ってろ。なるべく最初からグダグダは嫌だ」
「……え?」
サラマンデスはレーズンパンを食べる。
「谷口。そろそろそういう感じの止めて弁当食え。九月はテストがあるからな。準備しろよ」
「赤点のお前に言われたくないわ!赤点製造マシーン!」
「誰がそんな不名誉の異名を名乗るか。俺は武断を纏う竜だぞ」
「武断の意味知ってんのかよ!俺も知らないけど」
「知らないなら聞くな。まあ俺は知っている!武士関連だろ!」
スネグーラチカは冷凍みかんを食べる。
「下僕達。自販機で冷たいコーヒー買ってきて」
「急にパシるなよ……。ちょっと混沌としてるから話を一つにしよう。
とりあえず今後の物語の方針だ。
とにかく長編で必要なのは目的と何でも良いから自分達の組織を創る。この二点だ」
サラマンデスは語る。
「目的は俺は海賊のキングになるとか。七つの竜の玉を集めるとか。何かの大会に優勝とか大まかな目標が無いと駄目と言うのは分かる。それに向かって物語は進むからな」
フラワーは考える。
「そうね、私達はただの友達。組織じゃ無い。これだと目的以前にこいつ等何者?状態よ
とにかく私達を繋ぐ絆!的な箱が必要よ。
海賊とか敵を倒す為に集まった戦士とか変な部活とか」
谷口はコンビニ弁当(のり弁)を食べる。
「……学校の奴全員と友達になる」
「何そのダサい少年漫画的な設定。バカ....?それに貴方そんなアグレッシブ主人公じゃないでしょ」
「何だよ、アグレッシブ主人公って!イキイキ突っ込んでるだろ!」
フラワーはホワイトボードを用意しながら肥料を花の部分で食べる。口の役割は花の部分。
「はい、注目。
主人公には様々な種類がいます。最初はヘタレだけどラスボスあたりで強気になる成長型。アグレッシブで人を引き寄せる強い訳じゃないけど仲間の為に負けられない!って言う感じの王道型。ただ、こういうキャラは説教臭い。別名説教型。そして比較的主人公キャラじゃないけど実は凄い裏がある、もしくはあの伝説の組織のメンバーだった的な最強(憧れ)型。これも説教するね。てか、主人公説教好き過ぎじゃね?
そして谷口が所属している主人公キャラは地味型。うん……大体主人公ってこいつだっけ?って言われるパターン」
「……コメディならそれでいいと思いまーす」
「は?コメディで王道は主人公がボケてボケてボケまくるんだよ。容姿から設定からハチャメチャな感じで騒動を引き起こす。それで物語が完成するんだよ。
それが出来てないから目的だの組織だの考えてるんだよ!」
「……すみません」
「確かに問題は主人公が普通と言う事だな」
「全く、最初からこんな感じで良いのかよ。次回からは派手に行こうぞよ」
「ちょっとキャラ変えたんだけど.....行こうぞよって」
「うるさい!もう今回は終わり!皆様応援宜しくお願います。もう4千字になっちゃう……」
第0話 非日常達の日常 完
- Re: 非日常達は日常に同居する ( No.25 )
- 日時: 2017/02/27 20:26
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
第二十三話 本日のメニューは非日常風世紀末
谷口とフラワーとサラマンデスとスネグーラチカは喫茶店へ入る。
宇摩高校周辺情報。喫茶店、沈丁花。
マスターが経営する喫茶店。コーヒーと合うカレーが好評。裏メニューで餡密が頼める。
「で?何で喫茶店に?」
「交流会だ。なんだかんだ、そんなに互いの事知らないだろ?
それで俺が知り合いのマスターに頼んで貸し切りにした」
「....別に下僕達の事なんて興味無いわよ。
それより、何食べる?」
谷口は考える。
「此処はコーヒーと、カレーだよな?
でも、此処はあえて常連、通ぶって餡密?
正直、この店、俺、本当に常連だから。
地下室にサイボーグ改造室あるって知ってるんだから。
マスター、ヤクザの陸田組の組長って知ってるから。でもカタギには優しいんだよな。カタギには。
あーでも……此処は俺の好みのチャーハンか、オムライスか、さんまの塩焼き定食が……」
「良いから早く決めろよ!しかもメニューの種類多いな!和洋中全部揃ってる!レストランにした方が良いだろ!」
スネグーラチカは財布を見る。
「....ちょっと私より先に決めないでよ。お金の状況とか考えてるんだから」
「お嬢様キャラなのに随分庶民的な……」
「こういう所はしっかりしてるのよ。どう?私、結構凄いでしょ?」
「お、かつ丼安いよ」
「....後、カロリーも結構しっかり考えてるのよ。
そんな高いカロリーの食事なんて太るわ!
全く、考えてから言ってよ!
....まさか....谷口の陰謀?
谷口、貴方、この喫茶店のスパイ?
私を太らせようと....」
「何でだよ……」
「ほら、ちょっとマズそうな顔した!」
スネグーラチカはしばらく谷口に口を利かなくなる。
谷口はカレー、フラワーは餡密、スネグーラチカは冷麺、サラマンデスは小倉トーストを注文。
「小倉トースト……」
フラワーはドヤ顔をしながら食べる。
「俺……常連だから。常連しか頼めない裏メニューの餡密頼んだぜ?」
「それよりさ、フラワーって女性の部分出さないよね」
フラワーは性別が中性で男性にも女性にもなれる。ただ、最近は男性ばかり。
「ああ、それね。俺、冬は男性。夏は女性が多いって感じ。
まあ、意図的に変えられるけど。
ただ、いじられる時に女性だと私、変な性癖持ってると思われるの嫌だから。私、Sだし」
「そうなんだ……」
「そう、それに私、結構恥ずかしいのよね。花だから服とかの概念は無いんだけど全裸って思うと……」
「此処の喫茶店の情報レベルにどうでも良いな」
サラマンデスはコーヒーを飲む。
「お前達と話していると、俺の心がどんどん腐る。
初期はあんなに武人だったのに。
学校でギャルゲーはするし、オタクの羽柴の家に入り浸るわ……」
「全国の高校生はそれぐらいが普通なんだよ。サラマンデスも高校生なんだから別に腐ってる訳じゃないんだって。
その程度で腐ってたら全国の高校生皆、マイハートは生ゴミだぞ」
スネグーラチカは一言呟く。
「フン....ねぇ?謝るなら私と話しても....」
谷口はカレーを頬張る。
「コーヒーと合うカレー……絶品だな」
「....」
スネグーラチカはフラワーを罵る。
「と言うか、フラワーの設定って肥料しか食べないって設定でしょ!
どうして餡密食べてるのよ!」
「……」
フラワーは花の為、食事する必要はない。水と肥料があれば問題無し。
「ほら?言うだろ?花に餡密与えると花は元気になるって」
「言わないわよ!
一応、私、頭良いのよ?」
「嘘だっ!前のテストで赤点一個取ってたでしょうが!俺の方が頭良いから!未確認生命体全国模試6位だから!」
「どんな模試よ....」
サラマンデスと谷口は痛い素振りをする。
「赤点の話は禁句だったわね....」
「まだ追試やってんのかよ!もう11月だぞ!
明日から二日間社会科見学だぞ!」
「……俺はもう英語と言う名前の北斗○拳で死んでいるんだよ。人間が秘孔突かれた状態でどうやって英語学べって言うんだよ!フォアター!」
「....北斗○拳って何?」
三人は秘孔を突かれた様な衝撃が走る。
フラワーは呟く。
「……え?え?知らないの?世紀末のあれ……」
「....し、知ってるわよ!あれね!世紀末ね!」
すると、店の裏口から霊犀とビークイーンが現れる。
「あ、霊犀さんとビービークイーン○」
「踊るポンポコリ○は歌わないわ。それより、貴方達も此処の喫茶店に行くなんてセンス良いわね」
「遠回りに自分のセンス褒めてるよ……それより、キャラ変わってない?」
霊犀は笑う。
「此処の小説はあれじゃろ?
作者が考える女性キャラが少ないんじゃ」
「ああ、作者は男性だから性別が違うキャラが書きにくいって言っていたな」
「だからビークイーンに定期的にキャラを変えてもらう事にしたのじゃ。
これで、もっと出番が.....」
「出番とか言うなよ!」
「だって最近、マシロとか教祖、土田とか色んなサブキャラが出始めたんじゃ!
しかもオリキャラじゃぞ。これは出番を奪われるのは必然。もっとキャラ設定を練るのじゃ!」
「そ、そうか……そんなに此処で必死になっても……あんまり意味無いと思うぞ?」
「出番こそが全てじゃ!
出番が一番多い、作者に気に入られたキャラこそ此処の主役じゃ!」
「……そんなに作者が偉いのかよ!設定とか細かく書くのが面倒で短編しかやりたくないって言ってる作者だぞ!本当にもっと設定造り込んでくれよ!なんであんな雑なんだよ!」
「そんな事より、霊犀さん、注文しましょう」
「ビークイーン。お腹が空いたんじゃな?」
「違うわよ……!」
谷口は疲れる。
「もう食べ終わったか?あ、自分で食べた奴は自分でお金払ってね」
すると、スネグーラチカが氷漬けのカレーを見る。
「....このカレーシャバシャバして嫌い!」
カレーの中の氷は溶け、水とカレーが生み出す薄味ハーモニーを勝手に奏でていた。
「……何で頼んだんだよ!」
「私に話しかけないでスパイのくせに!」
「そういう問題じゃないだろ!」
マスターは呟く。
「……普通の客はいないのか……?」
第二十三話 本日のメニューは非日常風世紀末 完
- Re: 非日常達は日常に同居する ( No.26 )
- 日時: 2017/02/28 20:07
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
第二十四話 宇摩アンダーファクトリー
谷口とフラワーとサラマンデスとスネグーラチカは社会科見学をする為に大手スーパーに向かう。
宇摩周辺情報。エンドレス・スーパー。
エンドレスと言う会社が立ち上げた直系スーパー。コンビニのサンダーイレブンも子会社の一つ。エンドレスと言う会社は色々な事業で活躍をする最も設けている会社。何故、そんなスーパーが宇摩にあるのかは永遠の謎。
四人は其処で見学をする。うめえ棒を食べながら。
谷口はICカード味、フラワーは肥料味、サラマンデスはパンの耳味、スネグーラチカは氷味(うめえ棒の中に氷が入っておりアイス感覚で食べられるらしい)。
「……マズイな。相変わらず」
スーパーの店長は安藤 対馬。キャンプブームと共に借金を抱えながら河川敷で生活していたがスーパーの従業員として就職。必死に働き、わずか1カ月程で店長の座を手に入れる。
借金も70万に減っているが利子が重なり借金が増えもしないし減りもしないと言う状況。収入が増えた分、利子も増えている。
「其処の4人!何やってるんスか!お客さんに迷惑ッス!」
フラワーは客にナンパする。
「ねぇ?私の今日のパンツ何色だと思う?」
「其処、ナンパするなッス!と言うかノーパンじゃないか!」
「あら?私の股が……」
「良いから仕事をするッス!こっちはボランティアで君達を高校のプログラムに参加してるッスから」
「......私に指図するなんて......」
「と言うか見学だろうが。何で仕事やらなきゃダメなんだよ」
バイトはスネグーラチカの元へ行く。
「君、可愛いね。良かったら連絡して……ね?」
「......」
サラマンデスは呟く。
「下心丸出しのナンパだな。高校生に手を出すとは……」
「しかし……授業の代わりにこんな事するなんて……」
スネグーラチカは嘲笑う。
「美少女と言うのは認めるけど、私はそんなに軽い訳無いじゃない!
バッカじゃないの!」
スネグーラチカは怒りながら安藤を殴る。
「ま、また殴ったッスね!」
「バイトの教育しっかりしなさいよ!」
バイトは叫ぶ。
「この野郎!俺はあのアンダーファクトリー……」
バイトはバイトリーダーに止められる。
「駄目だよ。他の人の迷惑だ。ボクは暴力を許さない」
サラマンデスはバイトリーダーを見る。
「お前は……雲井 祭(くもい まつり)か?」
「久しぶりだね。サラマンデス」
「誰?」
「未確認生命体と人間が交流した地域、アンダーファクトリーと呼ばれた場所で育った雲井だ」
「アンダーファクトリー……」
宇摩周辺じゃないけど情報。アンダーファクトリー。
かつて大昔に、地下世界があった。元は政治家達が極秘に建てる予定の桃源郷だったが地下に住んでいた当時の未確認生命体、地底人の暗躍により中止になった。
地底人の特徴として全員奇妙なマスクを被り地下に埋められた洋服等を着てマグマの中で生活している。
桃源郷となる予定だった地下世界自体は残ってた為に地底人は不動産経営と働く場所を提供する事業を始め多くの未確認生命体を募った。その場所をアンダーファクトリーと呼ぶ。
その際に、未確認生命体と人間の家族が来た為、人間と未確認生命体の交流が始まる。
ただし、この経緯には多くの疑問があり未確認生命体と人間とは染色体の数や遺伝子、DNAが違う為、子孫を残す事が出来ない。
何故、家族と言う理念が其処にあったのか。
雲井もそこで生まれた。
だが、親はおらず孤児院で生活する。その孤児院にいたのがサラマンデス。ただ、サラマンデスは当時から何も変わっておらず、現在のままであった。つまり、当時より前から歳を取っていない。未確認生命体の場合、それが当たり前と言う生命体もいる。
ちなみに雲井には弟がおり3人でよく遊んでいた。
サラマンデスはその後、外の世界を見る為にアンダーファクトリーから出て、地上へ飛び立つ。
「急に設定が……ついてこれないんだけど」
雲井は笑う。
「つまり、ボクの親代わりって言えば良いかな」
「俺はそんなつもりはないがな……」
「それでアンダーファクトリーから雲井さんも出た訳なのね.....?」
「う、うん……」
バイトはその場を去る。安藤は疲れながら指示する。
「それじゃ、雲井はあれッスよ。適当に仕事させるッス。あ、うめえ棒は取り上げるッスよ」
「安藤......覚えてなさいよ」
「ひいいぃ!」
5人は控室に向かう。谷口は雲井を見る。
「しっかし、安藤さんも出世したな〜。あんな才能があったとは」
「でもすぐに調子に乗るわね....」
「そ、そうだね」
フラワーはにやける。
「雲井さん、もしかして安藤さんに嫉妬してるのかしら?あら、可愛い♪」
「お前はどういうキャラだよ……」
「そんな訳無いよ。ボクは彼を尊敬してるんだ」
「え?アレを?あれ......?元情報屋で迷惑ユーチューバーで元もんじゃ屋で一発屋でキャンプの達人で店長のあれを?」
すると、バイトがやってくる。
「雲井さん、コンビニにまた不如帰が!」
「えっ?」
「不如帰?」
「ああ、こっちの事。サラマンデス達はゆっくりしてて」
「不如帰ってあれだよな。ホトトギス団だよな」
「ああ。俺も正直、今の活動は知らない。羽柴とギャルゲー論議をするしか繋がりはもう無い。まあ、織田とは連絡が取れるが……」
「ギャルゲー好きを認めたわよ......」
「好きではない!」
「どっちなのよ......」
すると、西園寺が様子を見る。
「お前等、社会科見学って事忘れるなよ……って雲井!?」
「西園寺先生?」
西園寺と雲井は、雲井が高校生三年生の時に西園寺が担任だった仲。
「ああ、俺も住んでいた時期があった。
そう、工場がいっぱいあってよ。其処でよく子供が遊んでいるのを見かけたよ。
懐かしいな。あれ?名前ってファクトリー桃源郷だったっけ?」
「色々、思い出が混じってるぞ。確かに、桃源郷要素はありまくりだったが」
「そりゃ、ギャルゲーに逃げるよな。幼い頃から桃源郷の近くで遊んでたんだ。ろくな恋愛をして来なかっただろ」
「何だその偏見は!」
「あら、違うの?私は好きよ!」
「フラワーは何がしたいんだ?」
「ちょっと、新しいキャラでマンネリを脱却しようかと……」
「そういうのいらないから!」
西園寺は考える。
「……俺、馬のモノマネするよ。宇摩だけに」
西園寺は馬のモノマネをする。
「……先生」
「色々キャラ練ってきたんだけど、俺……」
「もう大丈夫ですので……」
サラマンデスは雲井に聞く。
「それで不如帰は何をしたんだ?」
「不如帰?ああ、不如帰桃源郷って名前だったな。あの地下世界」
「もう全然関係ない場所になってまっせ……」
「……」
雲井は考え込む。
雲井は弟の事を思い出す。
「あれ?名前なんだっけ?地下世界の名前。
桃源郷工場?
不如帰工場?
サラマンデス工場?」
「俺は量産型じゃないぞ」
スネグーラチカは氷漬けカレーを弁当に詰めて食べる。
「そう言えば、昼休みに入ったな。もうほぼ話をして終わっちゃった。仕事何にもしてないんだけど」
「.........」
「ん?どうした?」
「ツッコミなさいよ!どうしていつもは弁当の中は冷麺なのに今日は氷漬けのカレーなのよって!」
「いや、知らないんだけど……」
「げ、下僕なら私の弁当の中身くらいチェックしなさいよ!」
「……」
「もう、知らないんだから!バーカ!」
サラマンデスはフラワーに呟く。
「どう言う事だ?」
「昨日、喫茶店でスネグーラチカが勢いで絶交したでしょ?あれをまだ気にしてるだけ。谷口は忘れてるけど。つまり、会話のきっかけを創ろうと必死なのよ」
「成程……なんてギャルゲー展開なんだ」
雲井は突如悲しそうに呟く。
「不如帰はアンダーファクトリーを潰そうとしているんだ。
ボクはそれを止める為に……」
「……不如帰が?」
5人は衝撃を受ける。
「……」
雲井は願う。
「お願いだよ。不如帰を倒してくれ……ボク一人じゃ限界……」
西園寺は考える。
「お前等は其処にいろ。雲井もな。俺はちょっと……不如帰って連中と会いに行く。
奴等は今どこにいる」
「コ、コンビニ……」
サラマンデスは止める。
「先生。どうして不如帰に会いに?」
「お前も野暮な奴だな。お前等は社会科見学だろ、そこで暴力事件なんて……」
谷口は呟く。
「先生。教えてくれましたよね。
友達が困っている時は助ける。
友達が泣いている時も助ける。
友達がギャルゲーで彼女攻略出来ない時も助けるって……」
「お前が一番記憶力が悪いんだな……アンダー桃源郷より酷いぞ」
だが、雲井の表情は晴れなかった。
6人はコンビニの元へ向かう。
第二十四話 宇摩アンダーファクトリー 完
- Re: 非日常達は日常に同居する ( No.27 )
- 日時: 2017/03/01 18:45
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
第二十五話 地下世界の恋人達
コンビニの前では不如帰が雲井の仲間を殴り飛ばしていた。
織田はパワーファイターで一発一発の一撃が非常に重い。
また武器も多用し好きな武器は金属バット。
「行きつけのコンビニだったんだが……。
こうなった以上、後には引かない。
俺は……」
サラマンデスは織田を掴む。
「何をしてるんだ?織田」
「兄貴……」
「お前に兄貴と呼ばれる筋合いはない」
織田は雲井を見る。
「ど、どうして……雲井が」
サラマンデスは織田の首を持ってコンビニの窓ガラスに投げ飛ばす。
「壊しちゃ駄目だろっ!」
谷口達は焦る。
「俺の故郷を潰す奴は俺の武人の心に誓って成敗してやる」
羽柴は動揺する。
「違うんですって。サラマンデスさんの故郷がアンダーファクトリーって言うのは知ってるんですけど……」
雲井は羽柴を剣を斬る。
「雲井……やり過ぎだ」
徳川と明智は説得する。
「アンダーファクトリーは一つじゃないのよ。
もう一つ、本当のアンダーファクトリーがあるの」
西園寺は考える。
「でもそれは噂のはずだ。
確か、地下世界の恋人になった者達が行く本当のアンダーファクトリーがあるって言う噂のはずだ」
「地下世界の恋人......?」
雲井は徳川と明智も切り捨てる。
「切り捨てごめん……」
谷口は雲井を見る。
「雲井さん、貴方、なんでさっきから浮かない表情してるんですか?
まるで、俺達を騙してる様な……」
織田は谷口の足を掴む。
「痛い、痛い、ちょっとシリアスシーンでこういうの止めてって。何で、毎回カッコ付けようとすると邪魔が入るんだよ!」
「……西園寺さん、サラマンデスの兄貴。
貴方達がいたアンダーファクトリーは……地底人の人身売買する為の取引所でしか無かったんですよ。
そして噂で聞いたもう一つのアンダーファクトリーはその買い叩いた人間を奴隷の様に工場で使われているんだ」
「……!?」
谷口達の周りに地底人が地面から上がってくる。
「うわ、ヤベ—。今のこの状況、俺らゾンビと勘違いしてね?」
姿は白黒の仮面を被っており、服はそれぞれで人間と変わりない。
「あ、ども。ども。宇摩地域に生息する地底人代表の若干チャラ目の黒沢でーす」
「……」
「あ、兼エンドレス・スーパー取締役でもありまっせ。
よろしこしこ〜」
黒沢はホストの様な白スーツに身を包み谷口達を見る。
「......もっと威厳のある人が来ると思ってたんだけど」
「それより、黒沢が軽すぎて全然気にして無かったけど今って結構大ピンチじゃない?
ねえ?ダーリン。どうする?」
「え?え?」
雲井は黒沢の方へ行く。
「雲井?」
「ごめんね……」
「雲井ちゃん。良く出来たね。
これでアンダーファクトリーの従業員がまた増えたよ〜。
不如帰って言う組織も連れて一緒に死ぬまで働かせましょう」
「雲井。俺達を裏切ったのか?」
「……」
黒沢はサラマンデスに向かう。
「その通り。はい、此処から分からない人達の為に解説タイ〜ム!
我がエンドレス・スーパー宇摩店では毎年、学校の行事と言う名目で生徒に社会科見学をさせています。
其処で社会科見学に来た未確認生命体の生徒達を拉致してアンダーファクトリーに送っているんです〜!」
「そんな……学校がそれを黙ってる訳ないでしょ!」
「学校の地位がある職員に我々の同志がいたら?」
西園寺は呟く。
「宇摩高校の教頭、芥川は地底人だ。
いつも太陽を嫌い、地面の中にいるからほぼ見かける事は無いが」
「そう、芥川さんに頼んで貴方達の存在を消すんですよ〜」
サラマンデスは雲井を見る。
「なんでこんな事を……」
「それを知る必要はない。って言いたいんですが、言わないと話が見えないまま、永遠に地下で働く訳ですから。それは可哀想だ〜。
特別サービスです。
理由は、単に儲けたいだけです。
お金が欲しいと言う気持ちは我々にもありますよ。
その為なら何だってやる。
貴方達が住んでいた地下世界は一番最初こそ、凄く健全な世界でした。
それも金の為。まず、イメージを上げる為に治安が良いと宣伝する。そうすると未確認生命体が地下世界にやってくる。これで3割の住人が幸せそうに暮らします。まあこれは隠れ蓑で、残りの7割の住民は全て犯罪の裏取引に使う為に様々な組織が利用している取引所兼自宅だった訳です。
まあ、未確認生命体に犯罪なんて通用するのかと言う話ですが、人間に疑問を持たれないで不自然な犯罪をする為にはまず人間がいない場所を選ぶべきですからね。
ん?あれ?確か、人間の家族もいるのでは?
答えはYES。
でも、地下世界にいる人間は」
黒沢は雲井を見る。
「全員、奴隷として連れてこられた商売道具なんですよ〜」
サラマンデスは黒沢を殴る。
黒沢は起き上がり笑い始める。
「まあまあ……ククッ。落ち着いて。落ち着いて。
貴方達がいた孤児院は3割の善良な住民達です。
あ、言っておきますけど、雲井さんは自分の意思で我々の下で働いているんですよ」
サラマンデスは雲井を睨む。
「でもまさか、孤児院のメンバーと再会するとは思ってませんでしたね〜。
うるうる、感動するね〜。
そしてその構造に気付いた者達や抵抗する人間達は恋人と呼ばれ、真・アンダーファクトリーに連れて行かれるんだよ。
そう、永遠にアンダーファクトリーの傍にいれるんだ。
恋人も同然だよね」
谷口は黒沢を殴る。黒沢は谷口を殴り返す。
「何で俺だけ殴られるのっ!?」
フラワーは谷口をコンビニに押し付ける。
「今、ボケに対応出来る状況じゃないって!」
スネグーラチカは腕から氷を生み出す。
「何か面白そうな展開なんだけど......何、私のヒロイン感」
「そうでもない気が……」
谷口も立ち上がり、コンビニの自動ドアを通過しようとする。
「……俺達がお前等に屈すると思うか?……ん?あれ?自動ドア、反応してくれないんだけど!え?」
サラマンデスは織田達に謝る。
「すまないな。俺は何も知らずにお前達を疑ってしまった」
「……そんなのいらないですよ。兄貴、新しい契りを交わしましょう。
これでこの件は終わりです。後は、地底人を潰すだけだ」
雲井は剣を構える。
「サラマンデス。ボクは君がいなくなってから孤児院、弟を失ったんだ」
「……!?」
黒沢は笑う。
「治安が良いってイメージはそう簡単には崩れない。だから三割の住民の一割を恋人にした。理由は取引場所の増加だ。其処の対象にいてもいなくても同じ様な、親のいない都合の良い人間を匿う孤児院があってな。まあ、その人間達も奴隷になるのを恐れ、孤児院に違法で転がり込んだって言う名目もあって戦闘能力が高いサラマンデスが外に出た瞬間に厄介な奴がいない孤児院を襲い、関係者全員拉致した。
その中に雲井の弟がいたんだ。まあ、俺はその後ら辺に入ってきたからな。詳しくは知らない。んで、同時に雲井はウチの部下になった訳。経緯は知らないけど、敵に仲間になる事を悲願するなんて……そうとうな奴だね」
「俺のせいで……」
雲井は刀を握る。
「ボクは強くなる為に自分が失ったモノを数えるのは止めたんだ。
ボクはもう何も得ないし、失わない。
サラマンデス。ボクは今日、君を倒して全ての過去に決着を付ける!」
黒沢は飴を舐める。
「ちょっと説明し過ぎて喉痛い……」
サラマンデスは雲井を見る。
「そうか。辛かったな。だが、俺を倒しても過去を斬る事は出来ない。
お前はずっと地下世界と言う籠に今も抜け出せずにいるからな。
俺は地下世界を抜け出した理由をきょうだいに教えたな?」
「……」
雲井は過去を思い出す。
「俺はこの世界から抜け出す」
「……!?そ、そうなんだ」
サラマンデスは翼を広げる。
「お前達を守れる程に俺は強くなる。その為に俺は外に出て武者修行の旅に出る」
サラマンデスは地下世界を抜ける。
その直後、地底人が孤児院を襲う。
雲井の弟は目の前で殺される。
雲井は何度も泣き、何度も悔やみ、何度も怒り、何度も憎む。
そして雲井は変わった。
姿も口調も全て、弟の様な格好をする。生き残った孤児院の子供達は震える。
雲井は狂った。全ては復讐の為に。感情を捨て、自分の弟を殺した地底人の組織に単身乗り込み、仲間を志願。
それが認められ、地底人の部下に。ただ、半ば無茶な鉄砲玉として参加させられている為、地底人達は彼女を利用していたと考える。
しかし雲井は負けずに敵を斬り殺す。
「ボクはもう君に負けるつもりはないよ」
「俺も雲井に負けるつもりはない。
お前の強さは意地でしか無い。
本物の強さってのを見せてやる。
俺達はレッドポイントクルセイダーズ!
赤い絆で結ばれた者達だ!」
谷口は叫ぶ。
「其処でボケるんかい!」
「......赤点を赤い絆って......ってちょっと私はそのグループに入って無いでしょうね?もう赤点とか思い出すだけでイライラするわ」
「いやいや、此処にいる全員赤点よ♪
それよりやっぱコメディなのね……」
「……サラマンデスは頭悪かったからね」
「そんな事は無い!」
黒沢も入ろうとする。
「何か楽しそう!俺も入れて入れて」
「お前は駄目だ」
「ええっ?仲間外れ!?ちょっと敵キャラだけど、ギャグキャラなのよ〜俺。もっと遊ばせて〜な〜」
「ボクも君が嫌いだ。何か……生理的に無理だ」
「ええっ?何?味方からも!?
まあね?これまでの展開から言うと俺、極悪人よ。
でも俺、あんな非道な事に肩入れしてないんだから!
俺、非道な事を今、丁寧に解説してただけだから。スーパーの経営しか事実上してないから!
そんなに嫌わないで!
俺も混ぜて!てかレッドポイントクルセイダーズって何?」
「赤点十字軍。赤点製造マシーン、サラマンデス。赤点先生、フラワー。赤点キング、谷口。絶対零点、スネグーラチカ」
「サラマンデス。お前、全員の異名を考えてたのかよ!」
「私0点とか取って無いわ。何?陰謀?教育界の陰謀?」
「出た、陰謀説」
「黙りなさい!UFOもUMAも地底人もいるならそんな陰謀もあるわよ!」
第二十五話 地下世界の恋人達 完
- Re: 非日常達は日常に同居する ( No.28 )
- 日時: 2017/03/02 18:06
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
第二十六話 地下世界とか奴隷とか語りながらコンビニの前で喧嘩してる市。それが宇摩市。
スネグーラチカは構える。
「さあ、地底人を倒すのよ!下僕達!」
「スネグーラチカも倒すんだよ!」
「私がヒロインなのに?こんなに可愛いのに?行かないと死刑ね」
「ああ……行かないと本当に口聞いてもらえ無さそう……」
谷口は自分が殴られる事を悟り黒沢へ向かう。すると、雲井が谷口を殴る。
「あっ!ごめん!ボクを殴るのかと思ってたから……ボクは弱者には手を出さない主義なのに」
「痛いっ!」
黒沢は飴を噛み砕く。
「それじゃ〜。
谷口君。バイトをサボったんだからもっときつい仕事を提供してあげるよ〜。
地底人舐めんじゃねえぞ」
黒沢は谷口を蹴り飛ばす。フラワーと西園寺は動揺する。
「どうしよう!此処は悩殺作戦で行く?」
「貴方のどこに魅力を感じるのよ!全く......役立たずね」
「あれ?俺、忘れられてない?」
サラマンデスは身体のうろこで剣を創る。
「ボクとサラマンデスの剣の流派は同じ。まあ、流派と言うか道場が同じだった……君の攻撃は全て見切れる」
「それはお互い様だ」
「違う。言ったはず。ボクは強くなったと」
「意地で強くなるなら道場はいらない……」
サラマンデスは雲井と剣を交える。
黒沢は叫ぶ。
「お前は本当に未確認生命体か〜?弱すぎる」
「……平和主義者なんだよ。殺すぞ!」
「平和主義者がそんな乱暴な言葉使うのかよ……」
「弱者に優しい平和主義者なんだよ!」
「お前より弱者なんてアリくらいしかいないだろ!それくらい弱いくせに何信念持ってるんですかね〜」
黒沢は谷口を蹴る。
西園寺は頭を抱える。
「これ、暴力事件とかにならないよね?」
「......私達がアンダーファクトリーに行けば隠蔽されるよ」
「どっちに行っても大問題だな……こりゃ。芥川も黙っちゃいないって……」
サラマンデスは雲井とにらみ合う。
「……」
サラマンデスは雲井に居合斬りをする。
雲井は倒れる。
「峰打ちだ」
黒沢は谷口を殴り続けるが、谷口は倒れない。
「てめえ……」
「あー痛い。マジで痛い。もう倒れたいけど、フラワーとスネグーラチカと西園寺先生の目が気になって倒れられない!」
「は?」
谷口はコンビニの前に行く。
「西園寺先生。俺……」
「頑張れよ。俺はこいつ等を守るから」
「教師としてこの状況をどう思ってるんだよ!生徒が目の前で殴られてんだぞ!」
「ほら、行きなさい......!」
「……」
黒沢は谷口の頭をコンビニの自動ドアに叩きつける。自動ドアは開かない。
「ん?ハハハ!お前自動ドアに反応してないのか〜?
面白いな〜」
黒沢は自動ドアに近づいてまあまあ酷い事をしようとした時に自動ドアが黒沢に反応して開く。
谷口は黒沢の腕を持ち引っ張る。黒沢の指が床に叩きつけられ、指を突き指する。
「痛いっ!地味に痛いっ!うああああああ!!」
「俺の顔を見ても言えんのかよ!俺の顔、もう腫れまくりだよ!」
周りの地底人はサラマンデスが一掃する。黒沢も逃げる。
「これで終わりか……だが、結局アンダーファクトリーの事は何も分からなかったな。
地底人が金儲けの為に人間達や未確認生命体を拉致して何を制作しているのか」
雲井は目が覚める。
「ボクは……」
「お前は弟の霊に取り憑かれたんだよ」
「……」
「弟を安心させるような生き方をしろ。剣はこれから会うであろう誰かを守る為に剣を振るえ」
「分かったよ。サラマンデス」
第二十六話 地下世界とか奴隷とか語りながらコンビニの前で喧嘩してる市。それが宇摩市。 完
- Re: 非日常達は日常に同居する ( No.29 )
- 日時: 2017/03/04 18:01
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
第二十七話 馬鹿と相手に発言したら発言した方が馬鹿ってよく言われるが、天才と相手に発言したら発言した方が天才になると言う摩訶不思議な事が成り立つのかが気になる十二月の時。
宇摩高校教頭、地底人、芥川は西園寺に向かって叫ぶ。
「やってくれたな。このクソ鬼が!」
「……それはこっちの台詞ですよ。刺し違えてでも生徒は守る。お前と地獄巡りしてやんよ」
「12月に入ってすぐにこれ。舐めやがって!
まあ良い。一番大事なのは私の保身だ。
君をどうこうするつもりはない。
お互いに無かった事にしよう」
「……ああ。そうだな」
「だが……私以外の地底人がかなりご乱心でね。私でも抑えるのが難しい。
其処で、責任を取って欲しいんだよ。四人の生徒に」
「……そんな」
「今から四人の生徒にはアンダーファクトリーに一週間入って貰う。学校の方は私が権力を使い出席扱いにしておく」
「俺がやる……」
「貴方では役不足なんだよ。
四人の生徒が拒否をした場合は……私でもどうなるかは分からないな?
手始めにこの学校を乗っ取ろうか?
そうなったら体罰、セクハラ、それ以上の事が平然と行われるぞ。
全部私が隠蔽してやるからな」
「……は?何が、私でもどうなるかは分からない。だよ。
全部お前の従順な部下だろ」
「良いから呼べ」
西園寺は四人を呼ぶ。
四人はアンダーファクトリーの労働を許可する。
「ベットは?お風呂は?トイレも綺麗なんでしょうね!」
「ほっこりベーカリーと言う店のレーズンパンを毎日買いに行ってくれるか?」
「あ、餡密食べてぇ」
「そう言えば安藤さんってどうなったんだろ?スーパーの仕事、結局サボっちゃったけど」
「お前達……アンダーファクトリーの恐ろしさを知らないのか?」
「恐らく、貴方……教頭は一週間のうちに俺達を退学処分させる気だろ」
「……さあ?」
「しかも、俺達を殺そうとしてる……アンダーファクトリーで犯罪が見逃されるなら殺人だって出来るからな」
「察しが良くてイライラするな。
退学処分のショックで行方不明って事にしてやるから安心しろ。
良いんだぜ?アンダーファクトリーに行かなくても。
三年間支配されるだけで済むんだから」
「誰がお前等の提案に乗るかよ。
お前等、絶対潰してやるから待ってろ」
「出来るならやってみろ!このクソ共が!」
芥川は四人をアンダーファクトリーに運ぶ。
アンダーファクトリーはエンドレス・スーパーの地下にあった。
「スーパーの地下に?」
「誰にも地底人の土地の介入をさせない為にスーパーの取締役である黒沢が買い取った」
アンダーファクトリーが生産していた工場はモンスター。
世にも奇妙なモンスターをペットとして販売をする事で金儲けをしている。
「そして人気があるのが、ペットを殺し合いさせて金を賭けるデスマッチファイトだ」
「……」
四人が見た世界は化け物同士が殺し合う姿を見て喜ぶ未確認生命体の姿がいた。
「お前等はデスマッチファイトに一週間参加してもらう。それも、一日三回。直、死んでも自己責任。モンスター達の餌になって終わりだ」
芥川はその場を去る。
宇摩周辺情報。デスマッチファイトステージ。通称、闘技場。
地底人が経営している闘技場。莫大な儲けが出る。
モンスターは恐竜のままの姿の化け物がいれば、ゾンビの様な化け物もいる。
名前と異名を飼い主に付ける権利がある。
闘技場は大型スーパー程の広さ。雰囲気は近未来。
経営者はアルベルトと言う地底人。だが今は他の地域の地底人と情報交換の為不在。
四人は考える。
「なんか成り行きで来たんだけど、どうしよう!俺、弱いよ!」
「遺書を書いといた方が良いな」
「おい!シャレにならんぞ!主人公どうなるんだよ!」
「......フフ。ワクワクしてきたわ!こうなったらとことんボコボコに殴り飛ばしてやるわ!」
「ノリノリかよ!」
フラワーはある人物を見る。
「あれって……キルエルじゃないか。秘密結社ゴールデンサンドの」
キルエルは優雅にコーヒーを飲みながら戦いを見る。
「楽しいですね......化け物同士が無様に殴り会うのは♪」
谷口達はキルエルに向かう。
「......此処で会うなんて驚きですね」
「ハロウィーン以来か……」
「趣味悪いな……こんなのを見て楽しむとは」
「そうですかね?特にあれとか最高じゃないですか〜!」
キルエルはモンスターを見る。
モンスター、白狼。白い狼を擬人化した様な人型。狼のロゴが入ったパーカーとダボダボのパンツを履き、鉤爪を使って攻撃する。
事実上、ナンバーワンのモンスター。飼い主はエミュ。
「みゅみゅみゅ〜」
「エミュもいるのかよ!」
「それと他のメンバーや学校には内緒でお願いしますね♪
これバレるとほら、うるさいじゃないですか......」
四人はそれぞれで試合の準備をする。
「死にたくないんだが……」
「大丈夫。主人公補正で何とか生きれるから!」
「何だか緊張してきたわ〜!皆、頑張るわよ!」
「スネグーラチカはなんでノリノリなの?」
「……あの一番ヤバいの、動く花でしかない俺なんだけど……」
「……」
第二十七話 馬鹿と相手に発言したら発言した方が馬鹿ってよく言われるが、天才と相手に発言したら発言した方が天才になると言う摩訶不思議な事が成り立つのかが気になる十二月の時。