複雑・ファジー小説
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- 非日常達は日常に同居する
- 日時: 2017/01/31 17:29
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
どうもこんにちは翌檜です。
この度、イエスタデイ・ワンスモアのスピンオフとしてこの作品を書かせて頂きます。
と言うのも、イエスタデイ・ワンスモアに書いていた作品の長編としてこの小説を書く予定です。イエスタデイ・ワンスモアを読んでいない方も読んでくださる方も気楽に見て頂けると幸いです。
これまでの経緯はイエスタデイ・ワンスモアに掲載されていますがそれを見なくても分かる内容のはずです。
日常系なのですがまだまだ未熟ですので応援宜しくお願いします。
はい、この小説を書く目的も小説の技術を上げたい為ですので……。
何かといたらぬ点等ございますがご了承ください。
ではキャラクター紹介です。オリキャラを投稿してくれた提供者さんの名前も載せています。本当にありがとうございます。
主人公、谷口省吾(たにぐち しょうご)。
高校二年生。二年A組。性格は馬鹿だが多分憎めない。三度の飯より好奇心。と言う初期設定を持ちながら現在主人公なのにツッコミをしている。好奇心キャラは家出しました。軽音楽部。
ヒロインポジション。スネグーラチカ。siyarudenさん提供。
二年A組。わがままなおてんば娘でツンデレは性格。160cm 58㎏ 長い金髪を三つ編みで結んでいる
青と白の毛皮のロングコートに青い外套を羽織り青い帽子を被っている 手には手袋
黒いストッキングと青い毛皮のブーツを掃いている
氷に咲く華の妖精と言う異名がある。
細かい設定は内容の中で。
親友ポジション、サラマンデス。モンブラン博士さん提供。
二年A組。正々堂々とした武人肌で責任感が強い。人間を「私利私欲を肥やすことしか能のない連中」として蔑んでいる。
赤い竜が人型になったような外見をしており、蒼白の顔は美形の青年である。
黄金のかぎ爪と背中の蝙蝠のような巨大な翼がトレードマーク。
武断を纏いし竜と言う異名がある。
……こ、細かい設定は内容の中で。
マスコットポジション、フラワー。
二年A組。見た目はチューリップ。説明と説教が得意。おしべとめしべがあるので男にもなれるし女にもなれる。結構いじられキャラだがツッコミ担当。
動く花と言う異名がある。
内容を見れば全てが分かるので……。
他にも。
霊犀 由良祁(れいさい ゆらぎ)siyarudenさん提供
蓬莱延命呪詛呪像(ほうらいえんめいじゅそじゅぞう)霧風赤司さん提供
キルエル siyarudenさん提供
モスカ大使 霧風赤司さん提供
安藤対馬(あんどうつしま)雛毬さん提供
エミュ 亞狗兎さん提供
サーメルティ バラバラさん提供
随時更新します。また、随時更新の際文字数オーバーする恐れがある場合は別の記事に移します。
それではイエスタデイ・ワンスモア共々宜しくお願いします。
それでは本編です。
非日常達は日常に同居する。
第0話 非日常達の日常
学校のチャイムが鳴る。
此処は公立宇摩(うま)高等学校。
ごく普通の学校である。
そう、当たり前の日常が。
一人の青年は冷たい廊下を歩く。
「すっかり秋だな……」
彼の名前は谷口 省吾。普通の高校生である。まだピュアピュアである。
容易は茶髪でオールバック。性格が馬鹿なので残念な美形。
基本制服。ちなみに今は九月上旬で衣替え前の夏服着用。宇摩高校の男子の制服は紺色のブレザー。ネクタイは赤と黄色のシマシマ。学年区別は運動靴の色。今年は一年、青。二年、赤。三年、緑。一年上がる度にその色を買う必要はなくそのまま次の学年に上がる学生と同時に色も同時に上がる。
夏服は半袖のYシャツ。
女子の制服は夏服はセーラー服。リボンは赤と黄色のシマシマ。冬服は紺色のブレザー。どちらもスカートで緑と黒のチェック。
ただかなり女子から不評で制服を着ている女子は一部のみ。
谷口は教室を開ける。
「……」
教室の中は地獄絵図だった。
いや、特別恐ろしい事は無い。
音楽を聞いていたり雑談してたり勉強してたりまさしく日常。担任も怒っている訳でも無い。
すると担任が谷口を見る。
「おー、ギリギリだな」
ただ、目の前の光景にいたのは化け物だけだった。
この物語は未確認生命体と言う宇宙人、悪魔、天使、地底人、改造人間、サイボーグ、強化人間、架空動物、生物兵器、オカルト等。最近は吸血鬼や式神も転校してくるようになった宇摩高校未確認生命体クラス。普通科は隠れ蓑。人間からは誰にも見えないが確かに其処にいる。同じ高校で日常を過ごしている。
谷口は人間である。海外出張の親が入学手続きを間違えて普通科では無く未確認生命体クラスの入学に手続きしてしまい化け物の中に谷口が入ると言う奇妙な現象が起こる。
谷口は苦労しながらこの物語の為にレギュラーを決定。
それがフラワー、サラマンデス、スネグーラチカ。
サブキャラに霊犀 由良祁。年長者らしく冷静で飄々としているが他者を思いやる優しい所は結香と同じ。176cm 68㎏ B100 W58 H88
腰ぐらいの黒髪で紫の三白眼 ポニーテールにすると結香そっくりになる
そしてライバル組織。
この学校には未確認生命体を暴走させない様に校長直属の秘密結社ゴールデン再度と言う秘密にしたいのか分からないくらいの派手目な名前が配属されており、彼等もまた学生である。
メンバー紹介。
砂金良太(いさご りょうた)。神殺しの異名を持つ怪人。高校三年生。文字通り神を殺す事以外何も出来ない。
容易は人型の時は黒髪のショート。ちょっと髪がツンツンしてる。
怪人の時は魔王の様な風貌になる。
制服を着るのが嫌で髑髏や迷彩のTシャツを着ている。パンツは制服。
災害と審判が同居した天使。キルエル。天使。生徒会にも所属している。高校二年生。
158cm 56㎏ B92(G)W59 H86
金髪のミドルヘアに緑の瞳 白と黒のゴスロリ風のドレスに白のブーツを履いている
頭には天使の光輪 背中には天使の翼が生えている
死ノ呪詛、蓬莱延命呪詛呪像。
ゴールデンサンドのリーダー。戦闘力はチート揃いの未確認生命体の中でも強い。架空生物が好きで、ユニコーンや鳳凰、麒麟、フェニックス等を飼っている。
普段は温厚。と言うかほぼ仕事しない。意外とフレンドリー。威厳だけは一人前。
以下の主役級の三人がライバル。
学校はいつのまにか昼休みになっている。谷口とフラワーとサラマンデスとスネグーラチカは机を合わせて弁当を食べる。
谷口はクラッカーを鳴らす。
「と言う事で、イエスタデイ・ワンスモアからの引っ越し完了!」
「クラッカーのゴミが弁当に入る。止めろ」
「サラマンデス……もう少しテンション上げろよ!」
「.....煙臭い」
「……何でレギュラーがこんなにテンション低いんだ!俺だって結構無理してるんだよ!」
「まあまあダーリン落ち着きなさい。このフラワーが喜びを分かち合うわ。
ヒロインキャラと親友キャラが同居しているこの私が!」
「でも花だろ。黙ってろ。なるべく最初からグダグダは嫌だ」
「……え?」
サラマンデスはレーズンパンを食べる。
「谷口。そろそろそういう感じの止めて弁当食え。九月はテストがあるからな。準備しろよ」
「赤点のお前に言われたくないわ!赤点製造マシーン!」
「誰がそんな不名誉の異名を名乗るか。俺は武断を纏う竜だぞ」
「武断の意味知ってんのかよ!俺も知らないけど」
「知らないなら聞くな。まあ俺は知っている!武士関連だろ!」
スネグーラチカは冷凍みかんを食べる。
「下僕達。自販機で冷たいコーヒー買ってきて」
「急にパシるなよ……。ちょっと混沌としてるから話を一つにしよう。
とりあえず今後の物語の方針だ。
とにかく長編で必要なのは目的と何でも良いから自分達の組織を創る。この二点だ」
サラマンデスは語る。
「目的は俺は海賊のキングになるとか。七つの竜の玉を集めるとか。何かの大会に優勝とか大まかな目標が無いと駄目と言うのは分かる。それに向かって物語は進むからな」
フラワーは考える。
「そうね、私達はただの友達。組織じゃ無い。これだと目的以前にこいつ等何者?状態よ
とにかく私達を繋ぐ絆!的な箱が必要よ。
海賊とか敵を倒す為に集まった戦士とか変な部活とか」
谷口はコンビニ弁当(のり弁)を食べる。
「……学校の奴全員と友達になる」
「何そのダサい少年漫画的な設定。バカ....?それに貴方そんなアグレッシブ主人公じゃないでしょ」
「何だよ、アグレッシブ主人公って!イキイキ突っ込んでるだろ!」
フラワーはホワイトボードを用意しながら肥料を花の部分で食べる。口の役割は花の部分。
「はい、注目。
主人公には様々な種類がいます。最初はヘタレだけどラスボスあたりで強気になる成長型。アグレッシブで人を引き寄せる強い訳じゃないけど仲間の為に負けられない!って言う感じの王道型。ただ、こういうキャラは説教臭い。別名説教型。そして比較的主人公キャラじゃないけど実は凄い裏がある、もしくはあの伝説の組織のメンバーだった的な最強(憧れ)型。これも説教するね。てか、主人公説教好き過ぎじゃね?
そして谷口が所属している主人公キャラは地味型。うん……大体主人公ってこいつだっけ?って言われるパターン」
「……コメディならそれでいいと思いまーす」
「は?コメディで王道は主人公がボケてボケてボケまくるんだよ。容姿から設定からハチャメチャな感じで騒動を引き起こす。それで物語が完成するんだよ。
それが出来てないから目的だの組織だの考えてるんだよ!」
「……すみません」
「確かに問題は主人公が普通と言う事だな」
「全く、最初からこんな感じで良いのかよ。次回からは派手に行こうぞよ」
「ちょっとキャラ変えたんだけど.....行こうぞよって」
「うるさい!もう今回は終わり!皆様応援宜しくお願います。もう4千字になっちゃう……」
第0話 非日常達の日常 完
- Re: 非日常達は日常に同居する ( No.10 )
- 日時: 2017/02/11 18:58
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
第十一話 友達の船は脆い
霊犀由良祁は自分の動画がいまいち伸び悩む事にイラついていた。
「何じゃ?そんなに儂の動画つまらんのか?」
部員の平等院は軽音楽部のエミュと無料通話アプリで話す。
「由良祁さんがまたイラついている」
「みゅ〜……あれからスカウトも来てないみゅ」
「……」
すると、霊犀は誰かに電話をする。
「そうじゃ!......」
数日後、10月になった為、冬服に変わる。
「制服は嫌いじゃ」
「……女子は本当に制服着てこないのだな」
すると、一人の女性が部室に来る。
「おお!ナナシじゃな!久しぶりじゃ!」
「どうも……創造主の友達と言う事で……駆けつけてきました」
ナナシ。生物兵器として人工的に生み出された。しかしなんやかんやあり、創造主と言う名前の人物の部下に。
「……では、取引の娘を」
「そうじゃ!お主の創造主!時雨じゃ!」
時雨。未確認生命体。ナナシを部下にしレンタル娘と言うビジネスをしている。レンタル娘とはお金を払い一定時間の間、まるで娘の様に接する事が出来るレンタル彼女より圧倒的にエグいビジネス。
娘のタイプは二種類で、甘える少女タイプと過去を背負った少女タイプで別れている。
霊犀は時雨を利用し、動画の再生数を上げたいと考えており、時雨も宣伝のために頑張る予定だったのが時雨自体はそんなに乗り気では無い。
「と言う訳で創造主とは別の現在研修中の娘、プロトタイプを用意しました」
「......」
「……」
目の前にいたのは、ちょっと大きいリアルスズメバチ。
「……ど、どうも……蜂女……です。気楽にビークイーンって呼んでね?……後、喋るの嫌なのでもう……はい……お、お母……霊犀さん」
「彼女のタイプは両親を失い親戚をタライ回しにされた挙句、親戚から虐待を受け、また、気楽にお母さんって呼んでも良いのよって言われたけど信用しきれてない為、霊犀さんってつい言っちゃうくらいの心の閉じた娘タイプです」
「...」
霊犀はビークイーンを抱きしめる。
「大丈夫じゃ......大丈夫じゃ......」
「……え?受け入れるんですか?」
「この娘は儂が立派に育てるのじゃ!育てるのじゃ!」
「……は、はい。ではえ〜と、延長する場合は延長料金をちゃんと払って下さい」
ビークイーン。見た目は大きいスズメバチ。一応宇宙人。一応マスコットキャラ。一応重要サブキャラ。
「……マスコットキャラクターですので私は基本的にバチッ!っとしか話さないよ……」
「どう言う事じゃ?」
「バチッ!バッチ!バチ、バッチバッチバチ!」
「...千葉と言う言葉にしか聞こえないのじゃが?急にどうしたんじゃ?」
「マスコットキャラクターは自ら目立とうとはしません。では何が求められるのか。それは……癒しです。なので私は癒しを提供します。
バチ!バチバチバチ!バッチバ!」
「最後千葉って言ってるんじゃが......」
「そう自然に世界観に溶け込むのがマスコット。バッチ!」
「娘キャラは何処に行ったんじゃ?」
「……バチバチチバ!」
「.........声だけは可愛いんじゃが。全く変なサブキャラが出てきてしまったの〜」
一方、教室で谷口とスネグーラチカとサラマンデスとフラワーは語り合う。
「おい!俺ってレギュラーだろ!何で出番少ないんだよ!」
「それより俺は冬服が嫌いだ」
「知らんよ!」
谷口は眠り始める。
「....主人公がこんなんだからレギュラーがブレブレなのよ」
谷口は呟く。
「一番問題なのはマスコットキャラだよな。
もう……花がマスコットって……花がレギュラーって……」
「何だよ!良いだろ!」
「シュールの塊ね」
「萌えキャラの一つでも出てくれれば良いんだがな。俺は別に望んでいないぞ。この作品がより良くなる為にだな」
「何か、可愛い感じが足りないんだよ。何で花なんだよ」
「花も可愛いだろ!」
「いや、花動くとキモいだろ……。鼻水が勝手に動き出すレベルでキモいよ」
「そこまでかよ?え〜?俺は憎めない愛されキャラを目指してるんだけど」
「……」
すると、霊犀がビークイーンを連れて現れる。
「あ、霊犀!家の窓ガラス割ったんだから弁償しろよ!」
「それよりももうすぐ体育の日じゃ。季節感出す為に言っておいたぞ。
それより新たなマスコットキャラを儂は手に入れたんじゃ。
マスコット要素あり。娘要素あり。リアル要素あり。
これが儂の親友じゃ!」
「結局何なんだよ……」
霊犀はビークイーンを見せる。
「バチ!バババチ!バチッチッチ」
「……」
フラワーは動揺する。
「マスコットキャラは唯一無二の俺のポジションだと思ったのに!
しかもキャラ丸被りじゃないか!」
「マスコットキャラが喋るなんてタブーよバチッ」
「あれはマスコットキャラなのか?化け物にしか見えないぞ」
「....私虫嫌いなのよね」
「でも、まだアレの方が良い気が……」
「えっ?嘘だろ!俺達、友達だろ!あんなぽっと出の訳の分からないキャラに惑わされては駄目だー!」
フラワーは本当に危惧する。
「このままだとレギュラーを奪われる……!駄目だ!それは阻止しないと!」
霊犀は谷口に語る。
「この調子で儂の出番を増やすのじゃ!
のう?悪くない話じゃろ。
ほら、ビークイーンは声が可愛いんじゃ。耳元で囁かれたい台詞を何でも言ってくれるぞ!」
「……え?え〜?」
「過激なのも行けるぞ?興奮した時のボイスや女王蜂のSの時のボイスも用意出来るんじゃぞ。
悪くない話じゃろ。お主の耳の中を快楽の絶頂に......!」
フラワーは女性のボイスで止める。
「ダーリンに余計な事しないでよ!私だって声は可愛いって言われた事あるんだから!」
「私の方が可愛い……ですバチッ」
「声は可愛いんだけどな〜……。
花と蜂じゃん……」
サラマンデスは目を閉じる。
「まあ声が良いだけが全てでは無い……もう一度、ちょっと色っぽく言ってくれるとありがたいのだが」
「.....何これ?」
フラワーは叫ぶ。
「上等だ!今から、どっちがマスコットに相応しいか勝負しようじゃないか!」
「バチ!」
谷口は呟く。
「どうでも良いよ。てか、ビークイーンの方が愛着湧くよ。虫だけど花よりマシだ」
「……うるさーい!見てろよ!俺は……マスコットなんだ!」
霊犀はビークイーンに語る。
「今日はこの谷口好みのSの台詞をエロい感じに吐くのじゃ。そうすればあんな男共はイチコロじゃ!」
「バチッ!結構そのネタ引っ張るんですね……バッチ!」
すると、教科担当の千菊姫がやってくる。
「今日は教科書……え〜98ページもいっか、99ページもいっか、トイレの紙にでも使うのじゃ。妾は使わないがの。うん、今日は自習じゃ。
121ページまでやっておけばテストで40点は取れるじゃろ!」
千菊姫はそのまま去る。霊犀は千菊姫を睨む。
「キャラが被ってるんじゃが!」
「……いやまず授業で無くて良いのかよ。霊犀」
「谷口。人生で大切なのは授業では無い。サボる事じゃ。人生サボりも必要と言う事じゃ」
「駄目だろ!人生をサボったら授業どころの話じゃないよ!」
「ちょっとだけ、5年くらいニートしても問題無いじゃろ」
「何言ってんだよ!働けよ!サボるなよ!」
「冗談じゃ。良いから本編に戻るんじゃよ」
そしてフラワーとビークイーンは校庭に出る。
第十一話 友達の船は脆い 続
「え?どうなってるの?マスコット対決は?」
- Re: 非日常達は日常に同居する ( No.11 )
- 日時: 2017/02/13 17:20
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
第十一話 友情事変
前回の続き。
谷口のマスコットであるフラワーと霊犀が用意した新たなマスコットであるビークイーンは校庭でマスコットキャラ決定戦を開始する。
「バチッ!」
「……よし、それじゃ始めるぞ。勝負はそれぞれ三本勝負。勝ち数が多い方が勝利だ!」
霊犀はビークイーンと戯れる。
「娘であり親友であり癒しであるお主なら出来る!」
「バチチチ!バッチ!」
「そうじゃ、あんな花なんて雑草に足が生えた程度じゃ!」
フラワーは叫ぶ。
「貴方のビークイーンだって、ただの大きい蜂でしょ!せめてユニコーンとかの架空生物用意しなさいよ!蜂には負けない!」
谷口達はベンチで本を読む。
「おいお前達、我慢を知る1000の方法を読むべきだ。この状況も我慢出来る」
「1000も読む事に我慢出来ないわよ......」
「わざわざおとといから話続ける程の事かよ……」
フラワーは叫ぶ。
「友達だろうが!応援しろよ!
……レギュラーの危機なのに。もう良い。お前等なんか知るか!」
「たかがマスコットが戦うだけで何言ってるんだよ……」
「審判は中立的ポジションであるシーサー君にお願いしてます!」
ちなみにシーサーは違うクラスなので後にメチャクチャ担任に怒られる。また、愚場の怪我で捻挫になっている。
「なんくるないさ〜。それじゃ始めるさ〜まずは特技勝負さ〜」
フラワーは特技である落語を披露する。
「おい!お前さん!どうしてここにいるんだい!」
「えっ?貴方は誰ですか?」
「俺は鍋屋の門左衛門ってモンさ」
「ええっ?それじゃさっきの人は?」
「ああ、よくあるんだよ。さっきまで対応してた奴は暇つぶしに俺の名前を語って遊んでたのさ。でもあいつはバカだから俺の鍋屋の専門用語の意味も知らねえで知ったかしてるんだぜ?で?どうしてお前さんは鍋を頭にかぶったまま、扇子で舞いをしてるんだ?」
ビークイーンは特技である喜劇王の真似をする。
「……」
ビークイーンはサイレントで早送りしてるかのように動き出しバナナの皮を踏んで転ぶ。
「どちらもオリジナリティ溢れてるさ〜。落語もフラワーオリジナル、ビークイーンもストーリーはオリジナルさ〜。次は趣味対決さ〜」
フラワーは趣味である陸上部のストップウォッチで遊ぶ。
「ジャスト十秒!ジャストタイーム!」
ビークイーンは趣味である家作りをする。
「バチ!」
家と言っても蜂の巣である。
「良い勝負さ〜次は能力対決さ〜」
谷口達は茫然としていた。
「微妙……」
「特技と趣味のチョイスが地味過ぎたな」
「.....でもどっちもプロ程上手くはないけどそこそこね。別に気になる訳じゃないんだからね!......いや本当に気にならないわよ......正直」
「......どっちも未確認生命体要素を踏み躙ってるんじゃが。趣味も特技も人間にも出来る様な奴んじゃが」
「そういう問題じゃない。普通に人間が出来てもこれは地味だ」
フラワーとビークイーンは睨み合う。
「今の所は俺が勝ってるかな〜!」
「貴方が勝ってるのは言葉の数だけよバッチバッチコーイ!」
「何、マスコットキャラとして完成を遂げようとしてるんだよ!対して口癖がそんな面白くないのに派生させんなや!俺がマスコットキャラだ!」
「ルール説明するさ〜。二人がそれぞれ能力を使い審査員の心を掴んだら勝利さ〜。
簡単に言えばポケ○ンコンテスト最終審査さ〜。多分うろ覚えだけど」
フラワーは葉っぱをかじる。
「葉っぱ、かった〜!(このボケは、はっぱカッタ—と葉っぱをかじったら硬かったって言うダジャレ)」
ビークイーンは自分で造ったハチの巣に拳銃を向ける。
「ハチの巣をハチの巣にするぞ!(このボケはハチの巣を銃弾で穴だらけにしハチの巣見たいにしてやるぞと言う比喩表現をダジャレにしたもの)」
結果は引き分け。だが勝負はサドンデスPKに。
「何なんだよ……お前等勉強しろよ。今授業中だぞ。俺もだけど」
フラワーとビークイーンはクイズ対決をする。
「問題さ〜。
パズルはパズルでもゾウがいるパズルって何だ?三秒以内に答えるさ〜」
「アフリカの少数民族のパズル族って言う民族がゾウを信仰している!だから答えはアフリカ!」
「不正解さ〜」
「国名を答えないと駄目バチか?」
「そういう問題じゃないさ〜……」
その後、先生達がやって来てマスコットキャラ決定戦は中止。谷口、スネグーラチカ、サラマンデス、霊犀、シーサー、フラワーは反省文三枚、提出。ビークイーンはそのまま立ち去る。
フラワーは谷口達に向かう。
「お前達!俺達はどんな時でも一緒の親友だ。この戦いを通じて俺は友の大切さを得た!俺は君達を疑った……許してくれ……」
「何があったらこんな発言が出来るんだ?」
「どうやら良い話風にまとめようとしている算段ね....」
「そうだ、今日ほっこりベーカリーはパン半額なんだよ。俺、うぐいすパン食べたい」
「うぐいすパンって何だ?」
「知らないのか?」
「私は冷えたあんぱんが良いわ」
三人はその場を去る。フラワーは一人、ストップウォッチで遊ぶ。
「ジャストターイム……!ま、待ってくれよ!」
第十一話 友情事変 完
- Re: 非日常達は日常に同居する ( No.12 )
- 日時: 2017/02/13 19:02
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
第十二話 本物のブームはいずれ伝統になる
放課後、谷口は安藤対馬と言う経営者がいるもんじゃ屋に行く。
「安藤さん。お久しぶりです」
「ああ。こちらこそッス……」
安藤対馬。元情報屋。以前に谷口と行動した事がある。しかし谷口のせいで情報屋を辞める事に。人間。現在はもんじゃ屋を経営。
「商売どれくらいですか?」
「全然ッスよ。クマ丸って言う人気キャラクターを著作権ギリギリ攻めてクマ吉って言うマスコットで攻めてたッスけど……」
「味は美味しいんですけどね」
「両親がもんじゃ屋でいつもレシピとか見てたんで」
そこにフラワーがホワイトボードと共に現れる。
「え〜コメディに必要要素、実はまだあるんだ。いやこれはコメディに限らず、全ての作品に通じる。
そう、一発ギャグ、必殺技や決め台詞、名言、迷言によるブーム!
分かりやすいのはおそ○くんのイ○ミの○ェー。とか、ドラゴンボー○のか○か○波。仮面ライ○ーやウルト○マンの変身とか特撮もそうだな。だれもが一度はやってみたい動作と発音が重要。
名言だと、スラム○ンクの諦○たらそこで試合終了ですよ。とか。
これがキャラクターの代表、もしかしたら作品の看板になるかもしれない。
そしてうまく行けばブームは伝統になる。
つまり、元ネタ知らないけど、この名言は知ってると言う状態になれば伝統になる。
これが出来て初めて一人前の作品になると言っても過言ではない!」
「……でも大分難しい気が……」
「そう、狙い過ぎても読者からは寒いと判断されアウト。狙わな過ぎてもスルーされてアウト。
これはかなり難しい。別に正直、この作品には求めていない。ただそれに近いモノを創ろう。と言う訳で二人で考えてね」
フラワーはホワイトボードと共に去る。
安藤は思い詰める。
「無理ッスよ……ブームなんて創れる気しないッスよ」
「逆に、もんじゃ焼でブームは?」
「え?」
「こういう独特で美味しい食べ方があるんだよ。って言うのを安藤さんを媒介に発信出来ればブームになりますよ」
「本当ッスか!」
「名前も考えましょう。翌檜食いは……微妙ですね。作者の名前もう少しどうにかならなかったのかよ……」
「予定では、沢庵って言うのもあったらしいッスよ。後は葱や雨ッス。でも色々あって翌檜にしたらしいッスよ。でも絶対同じネームの人来そうッスね」
「……別に聞いてないんだけど……」
「すみませんッス……」
その後、安藤のもんじゃ屋はあっという間に閉店。安藤は仕事を失う。
安藤は谷口とスネグーラチカと宇摩川の河川敷で話す。
「今はタウンワークで仕事を探してるッス。いや、仕事はもう引っ越し屋のバイトが見つかったッスけど問題は……。
もんじゃ屋の損失による借金、500万が大問題ッス。利子でいっぱいいっぱいで……。今は野草と魚探しッスよ」
「.........キャンプ?」
「いやいや家はあるけど、借金取りが来るから此処にいるだけ。ホームレスじゃ無いッスよ!ホームレスでは無いッスよ!そう、キャンプッスね!
キャンプサイコーッス!……サイコーッス……」
「やっぱりキャンプは流行ってるのね....」
「……これはブームどころの話じゃないな……」
スネグーラチカは家に帰る。谷口は安藤を見る。
「何かあったら……あの、はい」
「……家はあるんだよ?家出だから。家出。家出は家があるから出来る事。だから俺に家はあるッス!」
翌日、放課後、谷口とサラマンデスは安藤の元へ行く。
「レーズンパンを分けてやろう」
「久々の御馳走ッス!」
「……バイト、クビになったのか?」
「しょうがないッスよ。借金取りがもう、仕事場に来てるッスもん。
今度はちょっと遠い仕事場探すッス」
「……」
安藤は電話してすぐに採用してくれる企業を探す。
「どこで間違ったッスかね……」
その後、安藤は不幸塗れになる。インフルエンザの時期じゃないのにインフルエンザになる。
「インフルエンザが流行る前にインフルエンザに発症するって……」
また、猫が流行った途端に猫アレルギーになる。そして河川敷に猫好きが集まるホームレス会と言う訳の分からない会が始まる。安藤は河川敷を出る。
そして、行け!坂上田村麻呂と言うアニメが本格的に大ヒット。流行りに乗り、安藤もクマ丸のきぐるみの仕事を積極的にしようとするが暗闇恐怖症になりきぐるみが着れなくなる。
「……流行りにとことん嫌われてるッス」
安藤はボロボロの家でスマホをいじる。
谷口は安藤の家のインターホンを押す。
「……大丈夫かな」
安藤はドアを開ける。安藤はやつれて、絶望していた。
「絶望したよ。流行りに逆らう事しか出来ない俺に絶望したッスよ」
「流行りに乗る必要はない気が……別に飽く迄も一つの提案として出しただけだからね?」
「成程ッスね。流行りを意識し過ぎたッス。普通に過ごせばいいッス!」
安藤はトラック等の大型車両の運転免許を取り、トラックの運転手になる。
長距離移動等かなり大変だしブラック企業の匂いしかしないが、働く事に充実はしていた。
「……疲れた……」
ただ、それはそれで不幸だった。
谷口は安藤とコンビニに停まるトラックの運転席と助手席で話す。
「仕事って何だ?無職って何だ?俺は何も分からなくなってきたッス。
どっちに行っても辛いッスよ」
そこに、ユーチューバーのモスカ大使が動画を撮りながらやってくる。
「どうも!モスカ大使です!いや〜10月は良い季節だよ。
あの私はあれですよ。10月と言えば……」
安藤はモスカ大使を睨む。
「……あんな自己満足動画が人気出てるんならもうこの国は終わりッスね。俺とあいつは何が違うッスか」
「……らしくないですよ。あんなの、ただの流行りなんですから」
「そうッスね……!」
その後、安藤は結局ブラック企業に耐えられず退職し、ボロボロの家で絶望する。
「……」
と思ったのもつかの間、スネグーラチカやイカナートがキャンプの出来事をツイッ○ーに上げた事によりキャンプブームが起こり、第一人者として安藤が有名になる。
彼はキャンプ研究家としてテレビにまで出演する。
「どうも!安藤ッス!え〜ユーチューバーもしてるんでチャンネル登録宜しくッス!」
谷口は家でテレビを見ながら叫ぶ。
「一番流行りに乗ってるのアンタじゃないかー!」
第十二話 本物のブームはいずれ伝統になる 完
- Re: 非日常達は日常に同居する ( No.13 )
- 日時: 2017/02/14 19:42
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
第十三話 非日常達の宴
霊犀は部室に誰かを連れこむ。外で平等院とビークイーンは待機する。
「...お主、この学校には手を出すんじゃない。分かったかの?」
「ふっ……人間に都合が悪い生命体は滅ぶべきだと思うがな」
霊犀を相手にしていたのは千石 松前(せんごく まさき)。人間で未確認生命体の撲滅を企む。現在就職活動中。
「まず、お主が仕事を見つけるのが先じゃ」
「黙れ。俺は未確認生命体を滅ぼす」
「まず、お主がニートと言う事実を消してから来るのじゃ。未確認生命体もニートに滅ぼされたく無かろう」
「黙れ。孫○空だってニートだろ。銀河一強いニートだろ。史上最強だろ。宇宙一の帝王も強者の細胞を合わせて創り上げた生物兵器はニートの立派な息子さんが殺したが魔人は最終的にニートが殺したろ」
「あれはあれで人気があるんじゃ。キャラクターが良いからの。お主は何じゃ?魅力ある悪役でも目指しているのかの〜?」
「別に誰からも好まれたいなんて思わないな。別に好まれた所で得なんて無いからな。
とにかく俺は人間代表として未確認生命体を撲滅する。その気持ちは変わらない」
千石は部室を去る。
「......人間代表がニートって......」
一方、西園寺はツノを磨きながら授業をする。
「おいおい、未那。ちゃんと教科書用意しとけよ」
「その体.......頂戴.........」
未那。長い黒髪に黒い瞳 服も何も着ておらず常に全裸であり黒い霧が体を覆い尽くしている
また黒い人形だったりゲル状のドロドロした物だったりと遭遇する度に姿が変わり安定しない
水子の霊
未確認生命体も良い生命体ばかりでは無い。危害を加える可能性もある。ただ、学校に通いたいと言う生命体は比較的良い生命体が多いが中には学問以外で学校に通っている目的不明の生徒もいる。また通いたいのに身体の性質上通えない生徒もいる。(例:身体から有害物質が出ている生命体等)
未那は自分の身体を探す為に学校に通っている。それ以外はどうでも良い。
未那を千石は見る。
「……フン」
「生まれたい......」
「分かるよ?気持ちは?でもさ、今は授業に集中してくれねえか?そんな自殺しそうな顔するの止めようぜ?」
「生まれ変わりたい.........」
「……授業中にそれ言われても返しが分からないって!谷口!何かバチコーンっと言ってやれ!なるべくナイーブにね。保護者にクレーム来るの怖いから!」
谷口は未那に駆け寄る。
「……死にたい……」
「生まれたい.........」
「死にたい」
「死に....生まれたい.........」
「あ、間違った……!」
西園寺は谷口に呟く。
「何言ってんだよ、一番駄目だろ!」
「こういう子には逆の事を言えば良いんだ。そうすれば脳が混乱して」
「なんでそうなるんだよ!実際何故かお前に釣られて間違ってたけど!あの子は幽霊なんだよ。脳なんか無いよ!」
スネグーラチカは谷口を座らせる。
「よし、次は私よ.........!」
「何でノリノリなんだよ!」
サラマンデスは考える。
「シリアスキャラがコメディに出るとは……。このギャップだけでレギュラーが取られるかもしれない。今こそもう一度キャラを削って……。おい!俺にボケをやらせろ!」
「私が一番最初に言ったのよ!」
フラワーは二人を止める。
「落ち着けよ!目的変わってるだろ!未那ちゃんの調子を上げる為に話すんだろ。ボケる為にやるなよ!って事で俺がやるんで……」
「お前はツッコミだろうが!」
「先生!俺もたまにはボケたいです!」
未那は呟く。
「身体......欲しい」
「って今は授業中だ。再開するぞ」
放課後、未那は谷口の元へ行く。
「身体欲しい.........身体欲しい」
「……いや、あの、え〜と……この後坂上田村麻呂のクマ丸が見たいんだけど」
スネグーラチカとサラマンデスとフラワーは軽蔑する。
「谷口って意外とクズよね」
「性格の悪さが滲み出てる」
「そうだ!そうだ!」
「それじゃお前等も手伝えよ!」
「俺はサディスクラブに行く予定がある」
「陸上部あるし。ほぼストップウォッチ測るだけだけど」
「......私は......何かあるのよ!」
未那は呟く。
「手伝ってくれる......?」
結局谷口達は未那の身体探しへ出る。
「身体って言ってもな……特徴は?」
「別に落し物探しとかじゃないわよ.........私に合う身体が欲しいの」
四人は身体を探す。
スネグーラチカは氷で出来た自分を持っていく。
「はい、氷とは言え私になれるのよ。素敵でしょ?」
「......」
未那は憑依する。
「動けないわ......」
「氷に入れるのね.........ちょっと衝撃的ね」
未那は無理して動こうとする。そして氷は倒れ粉々になる。
「無理だったみたいね。知ってたけど」
「氷の妖精である私の像が......知ってたなら憑依しないでよ」
「......何か、美少女とか何となくムカついてやった」
「何、その器物損害の犯行動機あるある」
第十三話 非日常達の宴 続
「あれ?急に?」
「作者も忙しいとはいえ雑過ぎるな……」
- Re: 非日常達は日常に同居する ( No.14 )
- 日時: 2017/02/15 18:06
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
第十三話 コープス・ロード〜死者は日常で宴をする〜
「……サブタイトル変わってる」
「ホラーゲームのタイトルみたいに書きたかったらしいな」
未那はサラマンデスの元へ行く。
「身体.........欲しい」
「これはどうだ。クマ丸とか言う訳の分からないキャラのきぐるみだ」
「誰がきぐるみを着たいと?」
「一応これも身体だ」
未那はクマ丸に憑依する。
「憑依するのか……?意外とノリノリだな」
未那は子供達の所へ行く。
「わーい!クマ丸だ!」
「.........貴方達、私と同じにさせてあげる。
永遠に彷徨って」
サラマンデスはクマ丸を殴り飛ばす。
「子供達の夢を奪うなよ」
子供達は泣きだしクマ丸の心配をする。クマ丸から未那が出現する。
「私は霊。痛く無い」
「……」
「ボケるのが悪いのよ。真面目にやって。私、意外とそういうの嫌いだから」
「いや見たまんまだが……」
「私は身体を探してるの。身体が欲しいのよ。私は母親に捨てられ身体を持った事が無いの。私は欲しい。身体が欲しい」
すると、秘密結社ゴールデンサンドが現れる。
「未那だな?この度は依頼して下さりありがとうございます。俺達は頑固な油汚れから世界を救済するまで未確認生命体の事なら何でもやります」
「砂金。谷口達がいるぞ」
「何?」
谷口と砂金は顔を合わせる。
「何で人間がいるんだ?」
「お前等こそなんでいるんだよ!主人公気取りか!え?俺より出番多いってどうなってるんだよ!」
「一気に喋るな。相変わらずうるさい奴だな。テレビ爆破事件以来か」
キルエルはスネグーラチカと絡む。
「お嬢様はこの仕事、危険だから止めた方が良いですよ♪
お嬢様には何も出来る訳無いんですから!」
「私を誰だと思っているの!
私は超優秀で......」
「知ってます?最近、未確認生命体を撲滅しようとする人間達がいるんですよ♪酷い愚か者達ですね〜!」
「......人間が?」
「お嬢様ごときが此処にいちゃ駄目ですよ♪」
蓬莱延命呪祖呪像はフラワーと語る。
「お前は家の庭にいたっけ?」
「あ、その節はお世話になりました。ええ、あれからスパイなんてしてませんのであしからず」
「そうか……最近、またダースベイ○—とお爺ちゃんが出現するんだが」
「それはまた別問題だろうが!なんで俺のスパイの話からダースベイ○—が出てくるんだよ!」
一方、千石はその様子を見る。
「宴の始まりだ……未確認生命体共。フハハハハ!」
スネグーラチカとキルエルは身体を探していると、安藤に遭う。
「あ、スネグーラチカ!一緒に写真撮ろうッス!
ツイッ○ーで上げるッスよ!そしたら有名人ッス!」
スネグーラチカは回し蹴りを安藤に喰らわせる。
「グへッ!」
「ナメないで。私は貴方と一緒に写真を撮る程仲良く無いわ」
「意外と短気なんですね!お嬢様の品格もあった物ではありません!」
「何?文句あるの?」
安藤はキルエルに向かう。
「一緒に写らないと女にモテるって事が証明出来ずにまたバカにされるッス。
あ、いや、別にやらしい意味は無いッスよ。単純に俺が良い様に見られたいだけッス。
だから協力……」
キルエルは安藤にストレートに殴る。
「うまい具合に潰れましたね♪鼻の形が素敵ですよ」
安藤は倒れる。
スネグーラチカは救急車を呼ぶ。
「恐ろしいわね......初対面で殴るなんて正気の沙汰じゃないわよ」
「痛い!痛い!公演キャンセルになっちゃうッス!うあーん!」
その後、安藤は鼻が潰れ、芸能活動を休んでいた時にわずか数週間のキャンプブームと共に再び落ちこぼれる。現在、借金は百万。彼の人生はまだまだ波乱。
未那は谷口と話す。
「どうして.....そんなに探してくれるの?」
「……断ったら、何か、駄目じゃん。何か」
「.........言い回し下手ね」
「こういうのって主人公だったら決めるんだろうな……」
未那は突如谷口に触れようとする。すると、蓬莱延命呪祖呪像が未那に叫ぶ。
「何をしている!」
未那は谷口を睨む。
「ごめんね。私、性格悪いから。
私の霧に触れると腐蝕するの。貴方達に探してもらって身体なんて見つかる訳無い。
だから頼んだのよ」
「ゴールデンサンドにか?」
「違うわ。彼等は仕事が遅いんだもの。もう待ちくたびれたわ。
だから、千石と取引をしたの。貴方達を....此処に呼び出す事で身体を貰えると。この事を話したのはせめての償いよ。そこまでの悪党じゃないからね」
未那は谷口からの返事を待つ。
「……」
「....?あれ?こういう時って説教タイムよ。
私に説教をして改心させないと」
「え、あ、え、え〜とあの、え」
千石は谷口の元に来る。
「……早く言えよ。殺されたいのか?」
「待ってよ!急に言われても思いつかないよ!こういうのって言い回し大事じゃん!そんなプレッシャーかけないでよ!
言葉のレパートリーとか、あれ、あの、言葉の表現とか大事じゃん!」
そして砂金が叫ぶ。
「未那。苦しいのはお前だけじゃない。未確認生命体も人は外れれば同じ外道よ」
「そう、こんな感じ。でも私は動揺しながら否定して逃げるのよ。そして千石と討論タイム。互いの意見をぶつけるのよ」
未那はその場を去る。砂金は未那を追う。
千石は谷口を睨む。
「人間と未確認生命体は違う。
しかしバカな幽霊よ。身体探しの為に同胞を差しだすとは。流石、未確認生命体」
「え〜と……ち、違う!あ、ああの……」
「お前からは人間の匂いがするな?お前……」
「お、俺は……あの、え、その」
谷口は叫びながらどこかへ行く。千石は笑う。
「さて、宴もそろそろお開きにするか……」
蓬莱延命呪祖呪像はボーっとしていたら電柱にぶつかって倒れていた。
「ぐあああああああ!!鼻折れた!血ドバドバ出てるんですけどー!」
谷口は蓬莱延命呪祖呪像を見る。
「あ、蓬莱延命呪祖呪像さん!」
「痛いー!痛いー!」
「あの、敵と対峙した時のカッコイイ対処法を教えて下さい。このままだと俺、主人公から外される!」
「見て分からないのかよ!俺、大怪我してるんだよ!何で怪我人相手にどうでも良い事を教えないと駄目なんだよ!そもそも俺知らないしね!カッコイイ対処法なんて!」
「何で明らかにシリアス回でそんな怪我負ってるんだよ!」
「どこがシリアス回なんだ……!」
その後、無事、砂金の説得もあり未那は改心。千石は逃亡する。
千石は宇摩を見て笑う。
「やっぱり撲滅しないと駄目だな。人間に危害を及ぼす生命体は狩る。それだけだ」
第十三話 コープス・ロード〜死者は日常で宴をする〜 完