複雑・ファジー小説

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非日常達は日常に同居する
日時: 2017/01/31 17:29
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

どうもこんにちは翌檜です。

この度、イエスタデイ・ワンスモアのスピンオフとしてこの作品を書かせて頂きます。

と言うのも、イエスタデイ・ワンスモアに書いていた作品の長編としてこの小説を書く予定です。イエスタデイ・ワンスモアを読んでいない方も読んでくださる方も気楽に見て頂けると幸いです。

これまでの経緯はイエスタデイ・ワンスモアに掲載されていますがそれを見なくても分かる内容のはずです。

日常系なのですがまだまだ未熟ですので応援宜しくお願いします。

はい、この小説を書く目的も小説の技術を上げたい為ですので……。

何かといたらぬ点等ございますがご了承ください。

ではキャラクター紹介です。オリキャラを投稿してくれた提供者さんの名前も載せています。本当にありがとうございます。



主人公、谷口省吾(たにぐち しょうご)。

高校二年生。二年A組。性格は馬鹿だが多分憎めない。三度の飯より好奇心。と言う初期設定を持ちながら現在主人公なのにツッコミをしている。好奇心キャラは家出しました。軽音楽部。

ヒロインポジション。スネグーラチカ。siyarudenさん提供。

二年A組。わがままなおてんば娘でツンデレは性格。160cm 58㎏ 長い金髪を三つ編みで結んでいる
青と白の毛皮のロングコートに青い外套を羽織り青い帽子を被っている 手には手袋
黒いストッキングと青い毛皮のブーツを掃いている

氷に咲く華の妖精と言う異名がある。

細かい設定は内容の中で。

親友ポジション、サラマンデス。モンブラン博士さん提供。

二年A組。正々堂々とした武人肌で責任感が強い。人間を「私利私欲を肥やすことしか能のない連中」として蔑んでいる。
赤い竜が人型になったような外見をしており、蒼白の顔は美形の青年である。
黄金のかぎ爪と背中の蝙蝠のような巨大な翼がトレードマーク。

武断を纏いし竜と言う異名がある。

……こ、細かい設定は内容の中で。

マスコットポジション、フラワー。

二年A組。見た目はチューリップ。説明と説教が得意。おしべとめしべがあるので男にもなれるし女にもなれる。結構いじられキャラだがツッコミ担当。

動く花と言う異名がある。

内容を見れば全てが分かるので……。

他にも。

霊犀 由良祁(れいさい ゆらぎ)siyarudenさん提供
蓬莱延命呪詛呪像(ほうらいえんめいじゅそじゅぞう)霧風赤司さん提供
キルエル siyarudenさん提供
モスカ大使 霧風赤司さん提供
安藤対馬(あんどうつしま)雛毬さん提供
エミュ         亞狗兎さん提供
サーメルティ      バラバラさん提供

随時更新します。また、随時更新の際文字数オーバーする恐れがある場合は別の記事に移します。

それではイエスタデイ・ワンスモア共々宜しくお願いします。

それでは本編です。

非日常達は日常に同居する。

第0話 非日常達の日常

学校のチャイムが鳴る。

此処は公立宇摩(うま)高等学校。

ごく普通の学校である。

そう、当たり前の日常が。

一人の青年は冷たい廊下を歩く。

「すっかり秋だな……」

彼の名前は谷口 省吾。普通の高校生である。まだピュアピュアである。

容易は茶髪でオールバック。性格が馬鹿なので残念な美形。

基本制服。ちなみに今は九月上旬で衣替え前の夏服着用。宇摩高校の男子の制服は紺色のブレザー。ネクタイは赤と黄色のシマシマ。学年区別は運動靴の色。今年は一年、青。二年、赤。三年、緑。一年上がる度にその色を買う必要はなくそのまま次の学年に上がる学生と同時に色も同時に上がる。

夏服は半袖のYシャツ。

女子の制服は夏服はセーラー服。リボンは赤と黄色のシマシマ。冬服は紺色のブレザー。どちらもスカートで緑と黒のチェック。

ただかなり女子から不評で制服を着ている女子は一部のみ。

谷口は教室を開ける。

「……」

教室の中は地獄絵図だった。

いや、特別恐ろしい事は無い。

音楽を聞いていたり雑談してたり勉強してたりまさしく日常。担任も怒っている訳でも無い。

すると担任が谷口を見る。

「おー、ギリギリだな」

ただ、目の前の光景にいたのは化け物だけだった。

この物語は未確認生命体と言う宇宙人、悪魔、天使、地底人、改造人間、サイボーグ、強化人間、架空動物、生物兵器、オカルト等。最近は吸血鬼や式神も転校してくるようになった宇摩高校未確認生命体クラス。普通科は隠れ蓑。人間からは誰にも見えないが確かに其処にいる。同じ高校で日常を過ごしている。

谷口は人間である。海外出張の親が入学手続きを間違えて普通科では無く未確認生命体クラスの入学に手続きしてしまい化け物の中に谷口が入ると言う奇妙な現象が起こる。

谷口は苦労しながらこの物語の為にレギュラーを決定。

それがフラワー、サラマンデス、スネグーラチカ。

サブキャラに霊犀 由良祁。年長者らしく冷静で飄々としているが他者を思いやる優しい所は結香と同じ。176cm 68㎏ B100 W58 H88

腰ぐらいの黒髪で紫の三白眼 ポニーテールにすると結香そっくりになる


そしてライバル組織。

この学校には未確認生命体を暴走させない様に校長直属の秘密結社ゴールデン再度と言う秘密にしたいのか分からないくらいの派手目な名前が配属されており、彼等もまた学生である。

メンバー紹介。

砂金良太(いさご りょうた)。神殺しの異名を持つ怪人。高校三年生。文字通り神を殺す事以外何も出来ない。

容易は人型の時は黒髪のショート。ちょっと髪がツンツンしてる。

怪人の時は魔王の様な風貌になる。

制服を着るのが嫌で髑髏や迷彩のTシャツを着ている。パンツは制服。

災害と審判が同居した天使。キルエル。天使。生徒会にも所属している。高校二年生。

158cm 56㎏ B92(G)W59 H86
金髪のミドルヘアに緑の瞳 白と黒のゴスロリ風のドレスに白のブーツを履いている
頭には天使の光輪 背中には天使の翼が生えている

死ノ呪詛しのじゅそう、蓬莱延命呪詛呪像。

ゴールデンサンドのリーダー。戦闘力はチート揃いの未確認生命体の中でも強い。架空生物が好きで、ユニコーンや鳳凰、麒麟、フェニックス等を飼っている。

普段は温厚。と言うかほぼ仕事しない。意外とフレンドリー。威厳だけは一人前。

以下の主役級の三人がライバル。

学校はいつのまにか昼休みになっている。谷口とフラワーとサラマンデスとスネグーラチカは机を合わせて弁当を食べる。

谷口はクラッカーを鳴らす。

「と言う事で、イエスタデイ・ワンスモアからの引っ越し完了!」

「クラッカーのゴミが弁当に入る。止めろ」

「サラマンデス……もう少しテンション上げろよ!」

「.....煙臭い」

「……何でレギュラーがこんなにテンション低いんだ!俺だって結構無理してるんだよ!」

「まあまあダーリン落ち着きなさい。このフラワーが喜びを分かち合うわ。

ヒロインキャラと親友キャラが同居しているこの私が!」

「でも花だろ。黙ってろ。なるべく最初からグダグダは嫌だ」

「……え?」

サラマンデスはレーズンパンを食べる。

「谷口。そろそろそういう感じの止めて弁当食え。九月はテストがあるからな。準備しろよ」

「赤点のお前に言われたくないわ!赤点製造マシーン!」

「誰がそんな不名誉の異名を名乗るか。俺は武断を纏う竜だぞ」

「武断の意味知ってんのかよ!俺も知らないけど」

「知らないなら聞くな。まあ俺は知っている!武士関連だろ!」

スネグーラチカは冷凍みかんを食べる。

「下僕達。自販機で冷たいコーヒー買ってきて」

「急にパシるなよ……。ちょっと混沌としてるから話を一つにしよう。

とりあえず今後の物語の方針だ。

とにかく長編で必要なのは目的と何でも良いから自分達の組織を創る。この二点だ」

サラマンデスは語る。

「目的は俺は海賊のキングになるとか。七つの竜の玉を集めるとか。何かの大会に優勝とか大まかな目標が無いと駄目と言うのは分かる。それに向かって物語は進むからな」

フラワーは考える。

「そうね、私達はただの友達。組織じゃ無い。これだと目的以前にこいつ等何者?状態よ

とにかく私達を繋ぐ絆!的な箱が必要よ。

海賊とか敵を倒す為に集まった戦士とか変な部活とか」

谷口はコンビニ弁当(のり弁)を食べる。

「……学校の奴全員と友達になる」

「何そのダサい少年漫画的な設定。バカ....?それに貴方そんなアグレッシブ主人公じゃないでしょ」

「何だよ、アグレッシブ主人公って!イキイキ突っ込んでるだろ!」

フラワーはホワイトボードを用意しながら肥料を花の部分で食べる。口の役割は花の部分。

「はい、注目。

主人公には様々な種類がいます。最初はヘタレだけどラスボスあたりで強気になる成長型。アグレッシブで人を引き寄せる強い訳じゃないけど仲間の為に負けられない!って言う感じの王道型。ただ、こういうキャラは説教臭い。別名説教型。そして比較的主人公キャラじゃないけど実は凄い裏がある、もしくはあの伝説の組織のメンバーだった的な最強(憧れ)型。これも説教するね。てか、主人公説教好き過ぎじゃね?

そして谷口が所属している主人公キャラは地味型。うん……大体主人公ってこいつだっけ?って言われるパターン」

「……コメディならそれでいいと思いまーす」

「は?コメディで王道は主人公がボケてボケてボケまくるんだよ。容姿から設定からハチャメチャな感じで騒動を引き起こす。それで物語が完成するんだよ。

それが出来てないから目的だの組織だの考えてるんだよ!」

「……すみません」

「確かに問題は主人公が普通と言う事だな」

「全く、最初からこんな感じで良いのかよ。次回からは派手に行こうぞよ」

「ちょっとキャラ変えたんだけど.....行こうぞよって」

「うるさい!もう今回は終わり!皆様応援宜しくお願います。もう4千字になっちゃう……」

第0話 非日常達の日常 完

Re: 非日常達は日常に同居する ( No.15 )
日時: 2017/02/15 20:23
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

第十四話 ウサギさんだって日曜出勤してればカメさんに営業で追い抜かれる事なんて無かったのに

谷口とエミュとサーメルティは軽音楽部の部室にいた。

「……出番少なすぎだみゅ」

「すみませんでした!だって、サブキャラ多いんだもん!いちいち、全員出す訳には行かないでしょ!ゴチャゴチャするのも駄目だし!」

サーメルティはビークイーンのフィギュアで遊ぶ。

「フィギュアなんてあるのか?」

「いや、ただのハチだよ!」

谷口はギターをピックで弾く。

「オッケー。楽譜頂戴」

エミュはベースを弾き、サーメルティはトランペットを吹く。

「色んな楽器があるんだな」

「音楽準備室だから当たり前みゅ!」

「ちなみに第一音楽室は合唱部、第二音楽室は吹奏楽部が使ってるよ!」

「もっと広い所でギター弾きたいな」

「出来るみゅよ」

「出来るの?」

「ただし、戦争よ」

「え……?」

「半年ごとに、くじ引きで吹奏楽部、合唱部、ダンス部、軽音楽部が第一音楽室、第二音楽室、音楽準備室、外に割り振られるの!」

「何それ……!」

「まあただでさえ未確認生命体クラスは教室とか少ないからね。そのくじ引きで戦争が起こるのよ」

「戦争……」

「そう、くじ引きを作成するのは未確認生命体生徒会。そこのキルエルって天使に賄賂を贈るとくじ引きで音楽室にしてくれるのよ」

「えっ〜……高校生で何やってるんだよ……!」

「でもそれはどの部活も同じみゅ。皆、大量の賄賂を送ってるみゅ。賄賂が少ないと外行きだみゅ。

ダンス部は賄賂を用意出来なくて外行きだみゅ。

さらに互いの領地を攻め込み、賄賂の略奪や、嫌がらせを行うみゅ。ただし楽器の破壊はタブーだみゅ。基本的に領地を守る防衛と領地を攻める制圧と賄賂。これを行うみゅ」

「……成程。治安悪すぎだろ……」

「いや、これがキルエルが賄賂を認める条件らしいよ!」

「キルエル……ゴールデンサンドの……」

三人は作戦会議の為、ファミレスへ寄る。

宇摩高校周辺マップ。ファミレス、フルーザー。奇抜な料理しか売っていないファミリー層を無視したファミレス。

「賄賂の中身は?」

「金みゅ」

「単純で良いが……厳しいな」

「どうすれば……って」

サーメルティは笑う。

「賄賂は今回は無し!」

「どうやって勝つんだ?」

「攻めるのよ♪そう、制圧よ!

とにかく、合唱部、吹奏楽部に精神的ダメージを与えるのよ!」

数日後、合唱部と吹奏楽部に悪い噂が広がる。

「成程、情報戦か!」

「ただ、油断は禁物みゅ。合唱部、部長、異名は潤わない夜にパワフルなメロディ歌手。ビーナ!」

ビーナ。合唱部部長。担当はアルト。見た目は清楚なメガネ美少女。正体は西洋妖怪のオオカミ女。

「後は吹奏楽部、部長。異名は流れる小川に緑の大地、曲は響き精霊に変わる。及川おいかわ!」

及川。吹奏楽部部長。担当は木琴。見た目はピンクのカマキリの様。

そして早速、合唱部が軽音楽部に襲撃する。

「貴方達ね。噂を流したのは」

「さあ?」

「勝負よ!私達が勝ったら、サーメルティを貰うわ!」

「みゅみゅみゅ!させないみゅ!」

領地がいらない場合、スカウトが出来る。

「サーメルティ。中学では吹奏楽部の天才と呼ばれた伝説の妖精。

貴方の異名は全ての音に愛された天才妖精。貴方の音を……!」

「え?嘘だろ?だって、霊犀とのコラボの時は……いや、凄く上手かったな……周りが下手すぎて全然気付かなかったけど」

「みゅみゅ……」

「サーメルティ。貴方がいればそれでいいの」

「ミュー!私も連れてけー!スカウトしろミュ!」

「……あ、大丈夫……邪魔だし……」

「……」

「大丈夫か?エミュ……」

「わ、私だってあるみゅ。異名。

音を愛し愛された天才獣人。だみゅ!」

「今考えた異名ですよね?」

「違うみゅ!

私だってその気になれば出来るみゅ!ふーんだ!良いのかなみゅ?こんな逸材放っても?」

「……いらない」

「……ミュ」

「さあ、勝負よ!サーメルティ!

私は貴方を制圧する!

勝負はこれ!」

ビーナはゲームを持ってくる。

「これはリズムゲー。太鼓のプロフェッショナル!

太鼓を叩いて点数が高い方が勝ちよ!曲はサーメルティが指定して良いわ」

「私はこれ得意だよ?

曲はアニメ、陰陽師シスターズの主題歌、陰陽師シスターズの『ウサギさんだって日曜出勤してればカメさんに営業で追い抜かれる事なんて無かったのに』

私はウサギよ」

「あら、なら負けちゃうわよ?」

「違う。日曜出勤して真面目に働けば私は勝つのよ!先手必勝ウサギ怠けなければ最強説!」

先行はサーメルティ。

陰陽師シスターズ。ライトノベルからのアニメ。新人絵師のンコダーイ星人が嘗て霊犀由良祁をモデルに霊犀結香を書いていた。現在は人気の絵師に変更。ンコダーイ星人は仕事を外される。ラノベの内容は陰陽師達が悪い幽霊と対峙する痛快コメディ。

また、歌手として声優が活動している。そのデビュー曲がウサギ(略)。

タイトルはポップながら歌の内容はブラック企業の辛さを歌っている。

サーメルティはゲームを始める。

「いくら頑張っても少し休めば、無意味なの〜。

死ぬか働くかを選ばれて〜。

辞めたくても手当が出ないんじゃ生活出来ない!

ウサギさんは死ぬ程頑張っても、休めばカメさんに負ける。

カメさんは24時間頑張らないとウサギさんに勝てない。

勝ち負けなんて関係ない。関係あるのは労働基準法〜」

サーメルティはフルコンボを叩きだす。

ビーナは嘲笑う。

「この程度か」

「何?」

ビーナはゲームを始める。

「ちょっと!何で鬼、になってるの!かんたん、にしてよ!あ、始まっちゃった!あれ?止める時どうするの?アーケードの方しかやってないから分からないんだけど!」

「……」

ビーナはそのまま立ち去る。

「何であのゲームで勝負しようとしたのかしら?」

「よしとにかく攻めよう!」

その後、作戦の甲斐あり、合唱部と吹奏楽部は評判を落とす。

そしてくじ引きの日。

第一音楽室。ダンス部。

第二音楽室。社交ダンス部。

音楽準備室。ストリートダンス部。

外。合唱部、吹奏楽部、軽音楽部。

「……」

ダンス部、部長は笑う。

「賄賂で、くじ引きでは無く部の造成をお願いしたのよ。ふっ」

第十四話 ウサギさんだって日曜出勤してればカメさんに営業で追い抜かれる事なんて無かったのに 完

Re: 非日常達は日常に同居する ( No.16 )
日時: 2017/02/16 19:12
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

第十五話 青春ごっこ

安藤は谷口と河川敷で釣りをする。安藤の鼻にはガーゼが貼ってある。

「……今やもう俺は一発屋ッス」

「数週間で……速すぎないか?もうすぐ11月にしろ……」

「もう11月ッスか?あ、て事はハロウィーンがあるッスね」

「何のコスプレしようかな?」

「ハロウィーンって最近出しゃばってきた行事ッスよね。前まで大人しそうだったのに」

「高校デビューでもしたんだろ!別に俺もそんなハロウィーンにノリノリじゃないし!ちょっとセクシーなコスプレで興奮しないし!どうせ、かぼちゃ業界の陰謀だろ!陰謀でハロウィーン人民搾取計画を行っているんだろ!俺はそんな計画なんかに乗るかよ!」

「誰もそこまで聞いて無いッスよ……高校生って青春謳歌してるッスか?」

「全然。授業についていくのが大変だし、休み時間はフラワー達と適当に話して終わり。恋愛なんて夢のまた夢」

「青春と言えば海でイチャイチャする事だと思うけど、前の学校はどうだったッスか?」

「安藤の青春の基準が分からないが……前の学校はクラスメイト全員で海で遊んでたな。女子の水着とかなるべく見ないようにしてカッコ付けてたな〜」

安藤は川の水を救い上げ谷口に浴びせる。

「な、何を!」

「イチャイチャするッス!」

「どうした!?」

「もう誰でも良いッス!俺に青春を謳歌させてくれッス!」

其処にスネグーラチカとサラマンデス、フラワーが現れる。

「人間は青春と言うモノに憧れるらしいな。

俺も図書委員の岩男からお勧めの恋愛小説を借りて来た。

しかも夏物だ。安藤に貸してやっても良いぞ」

「べ、別に恋愛なんて興味無いわよ.....それより谷口の家でゲームしたいんだけど」

「ゲームならギャルゲーで海イベントがある。それで青春を謳歌すれば良いんじゃないか?」

「サラマンデス……どうしてそんなに恋愛モノを知ってるんだよ。俺の知ってるサラマンデスはそんな軟弱なモノを持っていないぞ!」

「俺は別に好きな訳ではない。俺は飽く迄も話題作りの為に、あれだ。恋バナとかな?」

安藤は落ち込む。

「どっちにしろ、悲しくなるッス。

最近言い事無いッスね。

鼻潰れたし。ね?スネグーラチカさん」

「あれは私関係無いわよ!」

「でもな〜……」

「そ、そんな、私は、救急車呼んであげたじゃない」

安藤は四人を海に誘う。

「本当はスネグーラチカさんだけで良いんだけど、気まずいのは嫌だから海で一緒青春しようッス!」

フラワーは拒否する。

「俺は塩水が嫌いなんだよ」

スネグーラチカも拒否する。

「水着にはなりたくないわ!なんであんた達の為に水着にならないと....!と言うかそれ以前に寒いわよ......もう、格闘ゲームしたいんだけど。私の格闘技術で谷口をボコボコにするんだから!」

サラマンデスは許可する。

「俺は恋愛小説、1個だけの四季の名シーンである、夏美なつみがいなくなった治夫はるおを妄想し、泣きながら海で一人イチャイチャするシーンを妄想しよう」

「海まで来てどんな考え方してるんだよ!」

「海で泳ぐよりプールの方が俺は良いと思うぞ。海でしか出来ない事もある」

そして五人は海へ行く。

「誰もいないな……」

「谷口さん、そらそうでしょうよ。シーズンじゃないし」

「なら呼ぶなよ!」

サラマンデスは小説片手に妄想を膨らませる。

「キャラ変わり過ぎだろ……!」

スネグーラチカは呟く。

「適当にサザエとかアサリとって帰るのよ!海なんて興味無いわ!」

「潮干狩りじゃないんだけど……!」

フラワーは小さな浮き輪を持ちながら海に入る。

「冷たいっ!ああっ!冷たいっ!」

安藤は砂浜を掘り続ける。

「安藤さん!潮干狩りじゃないんだって!いくら掘ってもアサリは出てこないよ!」

「ウニを食べたいッス!」

「青春どこいったんだよ!」

すると、西園寺がたそがれていた。

「あ、先生」

「おいおい、学校以外で会いたく無いんだけど……」

「何で此処に?」

「疲れた時に、海を眺めると良いんだよ。教師は給料少ないからな……」

フラワーはスネグーラチカに呟く。

「海のイベントと言えば水着だろ?なんで誰も水着じゃないんだよ。お色気、セクシー、読者サービス。それが無いと物語として成立しないよ?」

「季節外れだからよ!10月にやる事じゃないわよ、全くもう....」

「せめて八月に行きたかったな〜。八月は谷口が転校してきた時期か」

「ハロウィーンしてクリスマスしてそしたら、もう正月か。

早いな」

安藤は呟く。

「全然、青春じゃ無い気が……」

「海行ったからってそんなキャッキャウフフみたいな事は無いんですね」

風が冷え込む。西園寺は海を後にする。

「そろそろ本格的に冬だから……海はまた来年行けよ……何で10月に……。まあ海に入ったのはフラワーだけか」

フラワーは震えながらタオルに包まれる。

「……やっぱ、悪ノリで海に行くのは駄目だ」

「……記念に何か買おうッス。このままだと寂しすぎるッス」

安藤は自腹で近くにあった年中無休の海の家、常夏とこなつでラムネと海の男と書かれた海の家の主人がモチーフのキャラクター、モッさんキーホルダーを買う。

「いるかよ!ラムネは良いけど、キーホルダーいるかよ!」

「500円したッス。五人分だから2500円ッス」

「.....べ、別に意外と可愛いだなんて思ってないんだからねっ!」

「このキーホルダーはサディスクラブの皆に見せてこよう。それに恋愛小説について俺はもっと名シーン再現をしたいと思う。

これは軟弱な事では無い。話題作りと人間の為を知る為だ!」

スネグーラチカは髪を触る。

「べとべとしてるんだけど.....!どうにかしてよ!」

「海特有の潮の香りと共に楽しめばいいんだよ!」

「な、何よ!もう....下僕のくせに」

そして五人は帰る。

谷口は海を眺める。

「……また来年、今度は夏休みに行きたいな。あいつ等と……」

第十五話 青春ごっこ 完

Re: 非日常達は日常に同居する ( No.17 )
日時: 2017/02/17 18:58
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

第十六話 学校の一不思議とハロウィーン(前半)

砂金は教室で一人、弁当を食べる。

「……何でトマト入ってるんだよ。母ちゃん何回言ったらトマト嫌いって分かってくれるんだよ……もっと唐揚げ増やせよ」

砂金は弁当を完食する。

「何で昼休みってこんなに長いんだよ……」

砂金は蓬莱延命呪祖呪像の元へ行く。

「おっ。早速溜まった依頼をやるぞ。

この学校の一不思議の調査らしい」

「……七不思議じゃないのか?」

「ハッキリ言えば、俺達のせいでこの学校は不思議しかないけど」

「そ、そりゃそうか……人間からすればな」

「ああ、ウチの学校にも幽霊や妖怪がうろちょろしてるからな。

だが、そんな不思議しか無い未確認生命体クラスでも一つだけ分からない事がある。

学校に一つだけ誰も知らない不思議がある……。

俺は正直、怖い!触れたくない!調査したくない!どうしよう!」

「幽霊なんてどこにでもいる。怖がる理由は無いだろ?」

「未知の生物は怖いんだよ……初対面で嫌われたらどうしよう〜?」

「どこの転校生だよ……」

「ああ、キルエルはもう調査を向かわせてあるが、学校の一不思議は通称、最初で最後の災いと呼ばれている。内容は宇摩高校の隠された地下室に行くと無条件で災いに襲われる。と言うモノだ。

飽く迄も噂だがこの噂は宇摩高校に未確認生命体が入学する前から起こっている都市伝説だ。

十分気を付けろよ」

「気を付ける……か。災いなんて俺達に起こる訳が無い」

「頼もしいな。それじゃ地下室を探そう」

「隠されている訳だからな……」

すると、キルエルが砂金の頭を床に叩きつける。同時、砂金は怪人の姿に変貌しキルエルに掴みかかる。

「……お前、何してるんだ?」

「......怪人姿が見たかっただけですよ♪フフフ、カッコイイですね。ほら、褒めたんですから離して下さい!あれ?それともこのまま掴みかかって私の苦しむ姿を見たいんですか?私としては貴方を掴んでボコボコにしたいんですけど......♪」

「……」

砂金は元に戻る。

「悪戯も大概にしろよ」

「それにしても随分は反応でしたね!もしかして災いにビビってるとか?」

「違う。そういうのは大丈夫なんだが……いや、お前に言う必要はないな」

砂金はビックリ系に大分弱い。

キルエルは笑う。

「それに私は悪戯をしてる訳じゃありません。殺しに来てるんです」

「もっと駄目だろうが。破門にするぞ」

「おい、二人共、それよりさ、俺、怖いから帰って良いか?」

「何でだよ、あんたそれでもリーダーか?」

すると、谷口、フラワー、スネグーラチカ、サラマンデスが砂金達の元に行く。

「谷口……何の用だ?」

「……お前こそ、何してるんだ?俺達は空き教室で遊ぶんだよ」

「暇人は良いな?」

「あ?」

「喧嘩は止めときなさい。

ほら、行くわよ」

フラワーは大量のクラッカーとお面、お菓子を持っていく。

「今日は遊ぶぞ〜。一応、今日ハロウィーンだから」

砂金は呟く。

「今日ハロウィーンか……こんな日こそ、恐ろしいのが出そうだな。別にどうでも良いが……」

そして谷口達は地下の扉を開ける。

砂金は呟く。

「あった……地下室」

「おい、俺はレーズンパンを食べたいんだ」

「あ、ごめん。でもプリンと炭酸あるから」

「ハロウィーンの仮装は夜で、谷口の家に集合ね......」

砂金は叫ぶ。

「ちょっと待て……何でお前等地下室知ってるんだよ。そして何で呪われたと思われる地下室でパーティするんだ……!」

「はあ?何言ってんだよ」

谷口は馬の覆面を被る。サラマンデスは仏。スネグーラチカは蜂。フラワーはクマ丸。フラワーは頭が不安定に揺れる。

「覆面って重いし、暑いし、息苦しい……」

「今日は楽しいハロウィーンパーティ!」

「うるせえんだよ。お前等、緊張感無くなるから消えろ。

地下室は我等、ゴールデンサンドが重大な依頼の為、使用する。

お前達は去れ。って言うか何で地下室知ってるんだよ」

地下室こそ、スネグーラチカが新たな部活の為押さえた部室。とは言え無断であり、新しい部活を創る事に失敗し、四人のたまり場になっていた。ちなみに、窓はちゃんとある。宇摩高校は高所にあり、通学路が登る坂道となっておりその坂道の影響で窓から光が入る。

「全くバカみたいに浮かれてますね!ああいうピエロみたいな人生は嫌ですね♪」

「良いから行くぞ。すまんな。今日だけ頼む」

谷口達はそのまま去る。

だが、諦めてはいない。

「折角のパーティが……」

「フン、正面突破して無理やりにでも地下室で遊ぶしかないな」

サラマンデスは地下室の扉を破り、四人はクラッカーを鳴らし遊び始める。

三人は茫然と見る。

「此処にいると災いが起こるんだから!何で来たのかなー?

と言うか素直に帰ってくれよ!気持ちは分かるけど、地下室にこだわる理由無いでしょ!他の所で遊べよ!」

「災い等、我が武人、サラマンデスの前では無意味だ!」

「仏の覆面被ってる奴が何言ってるんだよ!」

「谷口……いい加減にしろよ」

スネグーラチカは砂金を睨む。

「逆に私達を追い払えば災いが来るはずよ。

だって私達は今まで地下室で遊んでも災いは来なかった。つまり、災いは私の下僕......!逆らえば......」

谷口は止める。

「これ以上は……言っては……」

「何なんだよ。殴って吐かせるぞ。何だ?逆らったらどうなるんだよ。殴るぞ。ミンチにするぞ?」

蓬莱延命呪祖呪像は砂金を止める。スネグーラチカは蓬莱延命呪祖呪像を見る。

「と言うか式神なら災いをどうにかしたら良いじゃない?」

「え?え?」

「まさか......怖いなんて言わないでよ?臆病者?」

「違うから!違うし!」

「臆病者はどうでも良いんだよ!俺達はパーティするぞ!」

「何でそんな推測だけで悪口言うの?良くないよ!こういうのってイジメの原因とかになるよ!イジメ駄目、絶対!」

「彼は臆病者よ♪」

「何で言っちゃうの!確定しちゃったじゃん!俺、臆病者……駄目だよ。俺のイメージが……」

すると、キルエルが突如苦しみ出す。

「どうした?まさか災いが?」

「私は災いです。私を楽しませて下さい。

フラワーさん、クマ丸のモノマネを可愛くやってみて下さい」

「災いが何で無茶ぶりするんだよ!」

「ほら!良いからやれ!」

フラワーはクマ丸の覆面を被ったまま、モノマネをする。

「ぼ、僕、クマ丸だ……え〜と……ハハッ僕、クマ丸!(裏声)」

「うろ覚えなのかよ……いや、どうでも良いけど……!」

キルエルは考え込む。

「全然駄目じゃないですか。災いの予行練習だから良かったですけど本番はアウトですよ♪」

「キルエル、お前騙してたのか」

「反応楽しかったですよ。それにしても覆面にセンスのかけらもありませんね♪」

「俺の仏はサディスのおおらかな……」

「だからサディスって誰なんだよ……」

「私は理由がちゃんとしてるわ。そう、女王蜂よ!褒めても良いわよ......」

「俺の仏の方が深み面白さがあるな」

「何よ!下僕のくせに!」

「俺の馬だってこれはケンタウロスが……」

砂金は呟く。

「依頼の邪魔をするな。いい加減にしろ。消えろ」

その時、災いは起こる。夜に続く。

第十六話 学校の一不思議とハロウィーン(前半) 完

Re: 非日常達は日常に同居する ( No.18 )
日時: 2017/02/18 17:46
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

第十七話 アンラッキーデー(後篇)

すっかり辺りは夜になり、相変わらず、谷口、フラワー、スネグーラチカ、サラマンデスはパーティを行う。

「お前等もさ、キャラを忘れてパーティしようぜ!」

「……」

蓬莱延命呪祖呪像は怯える。

「この状況分かってるのかよ!ハロウィーンと学校の一不思議が重なってるんだぞ!言えば、13日の金曜日とくじ引きの大凶のダブルパンチだぞ!怖いだろ!」

「もう夜だ。普通なら帰る時間なんだぞ」

キルエルはパーティに混じる。

「何してんだよ……おい……」

「幽霊なんていないんですよ。人間が生み出した想像です♪はい、解決しました!女王様ゲームをします!

私が女王です!それでは......」

「待て待て待て……勝手に終わらせるなよ……!こうなったら蓬莱延命呪祖呪像さんだけでも」

蓬莱延命呪祖呪像もパーティに混じる。

「お前はリーダーだろ?リーダーが組織を乱すような行動取っちゃ駄目だって」

「正直、最初からパーティやりたかったんだよ。もう、学校の一不思議とかどうでも良い」

「……」

谷口は砂金を誘う。

「レッツ、パーティ」

「俺は一不思議を追う」

「え?え?空気読めないの?完全にパーティに参加する空気じゃん。てか、何一人で熱くなってるの?何でそんなにやる気満々なの?」

「は?……俺は別に依頼として仕事して来てるだけなんだけど」

キルエルは静かに笑う。

「......彼には仕事しか無いんですよ。仕事人間なんですよ。其処に触れちゃ駄目なんですよ♪」

「お前等、俺の事なめすぎだろ」

すると、災いが起こる。

災いは姿を見せる。

「学校の七不思議。

トイレの花子さんはトイレの中で泣きながら殺意を育てる。

ベートヴェンは絵画を飛び出し、見えない目で殺意だけを見る。

人体模型は自分の身体を知りたい。

首無し死体は体育館でゴールにダンク。

首吊り処刑は階段で。

殺人鬼は倉庫に暮らす。

この六つの七不思議を知った者だけがこの私、七つ目、最後の災いが相手しよう」

「な、何か勘違いしてるんだけど!」

「結果オーライだろ」

「お前だな?俺を倒して願いが叶えようと思ったバカは」

災いは谷口を指差し笑う。

「な、何か……勘違いしてません!?」

「け、結果、オーライだろ……」

「願いも知っているぞ。

お前が王のハーレム大国を創りたいんだろ?」

「えええ?全然違う!勘違いで済む話じゃないんだけど!」

サラマンデスは激怒する。

「男は一途であれ!」

フラワーは叫ぶ。

「ダーリンの馬鹿ァ!……フフ、何だよ、ハーレム大国って。中学生の夢かよ」

スネグーラチカは引く。

「......今日、谷口の家は行かない事にするわ!もう最低よ!バッカじゃないの!」

「俺何か悪い事した?災いがボケちゃってるのが駄目なんだよ!」

「黙れ、ハーレム野郎」

「……もう何なんだよ。俺は主人公だぞ。もっと良い扱いしても良く無い?」

災いは勘違いに気付く。

「ああ、ミスった。隣の砂金君だったね。ごめんごめん」

「何でだよ……」

蓬莱延命呪祖呪像は悲しむ。

「お前、ハーレムとか考えてたのか……?そんなに性欲強かったっけ?」

キルエルは笑う。

「あらあら......彼女に伝えておきますね?」

「……」

災いは大笑いする。

「ジョークだよ。ジョーク。災いだってジョークの一つは言うんだ。

まあ、そんな事より、戦わないのか?俺に勝てば何でも願いが叶う」

谷口達はその場を去る。

「あ、いや、もう帰るね。ハロウィーンで面倒事に巻き込みたくないから」

「本当に災いがいたわね。次来る時どうするの?」

「気にしなくていいだろ」

「ダーリン!ハーレム大国は造らないの?」

「ハーレムをノンフィクションでやる需要が無いだろ……」

「フィクションなら需要があるの?下僕......ちゃんと説明しなさいよ!」

「そうだ。このままだと付き合い考え直さないと行けなくなる」

蓬莱延命呪祖呪像は泣きながら怯える。

「もう帰ろうぜ……それかパーティしようぜ」

「パーティなら今からする所だ。災いを処刑してやる」

「砂金さん、やっぱりパーティしたかったんですか?素直じゃないんですね!」

結果的に災いは呆気無く倒れる。

「さあ、お前等の願いを言え」

「俺達、ゴールデンサンドを主人公とした物語を……」

第十七話 アンラッキーデー(後篇) 完

Re: 非日常達は日常に同居する ( No.19 )
日時: 2017/02/19 17:41
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

第十八話 名も無き部活

谷口とフラワーとスネグーラチカとサラマンデスは地下室でオンラインゲームをする。

「負けたら、虹色アフロで踊るんだからな。霊犀さんにアフロわざわざ借りたんだから絶対やれよ!」

「太鼓のプロフェッショナル。奥が深いゲームだな」

「ほら見てよ。私の実力を!」

「もう、11月か。年越しまで一ヶ月かよ!今年、早っ!」

「誰か私の太鼓テクニックを見なさいって!」

「見れる訳無いだろ。流れるドッ!とカン!を見続けなければ……」

「しかしこれがゲームセンターにアーケードとして置いてあるんだろ?

こんなの公共の場でやる奴は不良か、調子に乗った中学生か……」

「何て事言うんだ。ホトトギス団と結構遊んでいるぞ」

「だから不良じゃん」

「……そうか」

「ほら、私、プロフェッショナルかも!」

すると、地下室に誰かが来る。

「僕は一条アイス!宜しくね!」

一条アイス。クマ丸のぬいぐるみを持った10歳くらいの少年。一条家殺人事件の被害者であり幽霊。本人は死を理解していない。高校に通っているが勉強が出来ない為、サボりが多い。

「……ど、どうも。え?何か用で?」

「あの、部活に入りたい!」

「……ん?ん?」

「スネグーラチカさんが部長の部活に入りたい!」

スネグーラチカは思い出す。

「そう言えば、部活を創ってたわね......確か、人数が足りなくて部活の承認は......」

スネグーラチカは何かに気付く。

「でも......あれよ.....部活の広告を学校の掲示板に結構貼ってあるのを放置してたわね」

「はい!僕はそれを見て入部したくなったんだよ!」

「......」

スネグーラチカを除く三人はその場を去ろうとするがスネグーラチカが止める。

「ちょっと待ちなさい!下僕達!」

「これはスネグーラチカの問題だから!サ、サラダバー!」

「俺はサディスクラブがあって……」

「俺お腹痛いぜ!」

「花にお腹なんて無いでしょ!それに大分前に谷口がやってたボケよ......」

「良いんだよ!面倒事に巻き込まれるよりは!」

スネグーラチカは三人を引き戻す。

「何か騙したら罪悪感に苛まれそうな少年来たんだけど......どうしたら良い?」

「あれだ!もう嘘でもなんでも付くんだ!すぐに諦めてくれる!それに強行突破すれば問題無しだ。相手は普通の子供だし……」

一条は飛んでいた蠅を高速移動して潰す。そして呟く。

「このクマに何かしたら殺す!」

「どこが普通なのよ......それに殺すとか言ってるよ」

「大丈夫だ。餓鬼の頃なんて殺すなんて口癖だよ。口癖。……うん、口癖だって」

サラマンデスは冷や汗をかく。

「奴の殺気は異常だぞ」

「そんな事言うなよ〜。ビビるだろ〜」

フラワーは花のフリをして動かない。

「さっきから喋らないと思ったらこいつ……!」

一条はスネグーラチカを見る。

「それで僕は入れるの?

名も無き部活。すなわち、秘密結社ゴールデンサンドに」

「え?」

「すっごい勘違いしてるな……」

「僕は何十年も前、人間だった頃に、何者かに殺された。

それから幽霊になって、身体は少年だけど精神はおっさん。

僕は人間を恨んだよ。幽霊の方がまだ、楽しかった。

どっちも孤独だったけど死んでいた方が幸せだった。

けれど僕は人間に復讐をしたいと言う心はどうにも出来なかった。

だから秘密結社に入って人間を……。

僕は八月からの三か月間、ずっとあの広告の謎解きをしていた」

「謎解き?」

「そう、名前も活動も書いていないのに部活の紹介をしている。

僕はピーンと来て、秘密結社の案内と思った。

秘密結社のスカウトの為天才を集っていると。

僕は広告からヒントを見つけた。

そしてそのヒントを辿って三カ月、ようやく見つけた地下室!

ここが秘密結社!」

「……」

「どうするのよ!」

サラマンデスは叫ぶ。

「少年よ!よく此処まで来た!

だが、残念ながら此処は秘密結社では無い!」

「は?殺すぞ?嘘言うなよ!」

「安心しろ。あんな秘密結社はただの我々の隠れ蓑だ。いうなれば表面上で活動している下っ端だ。

本当の秘密結社は存在も消す。

我々は真・秘密結社、valley mouthだ」

「……流石と言うべきか。凄すぎる……」

「おい!何勝手な事言ってるんだよ!」

「これ以外に切り抜ける気がしない」

スネグーラチカは乗る。

「そう、私はリーダーのスネグーラチカ!表はただの美少女お嬢様高校生だけど裏は世界的に有名な組織のリーダー。彼等も表は下僕。裏も下僕よ」

谷口は呟く。

「た、ただ、あの、あれ、わ、我の、活動時間って言うか、その、え……」

フラワーは呆れながら呟く。

「つまりよ、私達の活動はよっぽど危険な事が無い限り、集まる事は無いの。今日はあれ。学校の一不思議が出現したから久々に集まったのよ。

だから集まる時に連絡するから。まあ、一年に一回くらいしか活動しないけどね!ね?」

四人は一条の説得に成功する。一条はその場を去る。

「何かあったら連絡下さい!」

「……」

四人はオンラインゲームをする。

「現実逃避をしよう」

第十八話 名も無き部活 完


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