複雑・ファジー小説
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- 非日常達は日常に同居する
- 日時: 2017/01/31 17:29
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
どうもこんにちは翌檜です。
この度、イエスタデイ・ワンスモアのスピンオフとしてこの作品を書かせて頂きます。
と言うのも、イエスタデイ・ワンスモアに書いていた作品の長編としてこの小説を書く予定です。イエスタデイ・ワンスモアを読んでいない方も読んでくださる方も気楽に見て頂けると幸いです。
これまでの経緯はイエスタデイ・ワンスモアに掲載されていますがそれを見なくても分かる内容のはずです。
日常系なのですがまだまだ未熟ですので応援宜しくお願いします。
はい、この小説を書く目的も小説の技術を上げたい為ですので……。
何かといたらぬ点等ございますがご了承ください。
ではキャラクター紹介です。オリキャラを投稿してくれた提供者さんの名前も載せています。本当にありがとうございます。
主人公、谷口省吾(たにぐち しょうご)。
高校二年生。二年A組。性格は馬鹿だが多分憎めない。三度の飯より好奇心。と言う初期設定を持ちながら現在主人公なのにツッコミをしている。好奇心キャラは家出しました。軽音楽部。
ヒロインポジション。スネグーラチカ。siyarudenさん提供。
二年A組。わがままなおてんば娘でツンデレは性格。160cm 58㎏ 長い金髪を三つ編みで結んでいる
青と白の毛皮のロングコートに青い外套を羽織り青い帽子を被っている 手には手袋
黒いストッキングと青い毛皮のブーツを掃いている
氷に咲く華の妖精と言う異名がある。
細かい設定は内容の中で。
親友ポジション、サラマンデス。モンブラン博士さん提供。
二年A組。正々堂々とした武人肌で責任感が強い。人間を「私利私欲を肥やすことしか能のない連中」として蔑んでいる。
赤い竜が人型になったような外見をしており、蒼白の顔は美形の青年である。
黄金のかぎ爪と背中の蝙蝠のような巨大な翼がトレードマーク。
武断を纏いし竜と言う異名がある。
……こ、細かい設定は内容の中で。
マスコットポジション、フラワー。
二年A組。見た目はチューリップ。説明と説教が得意。おしべとめしべがあるので男にもなれるし女にもなれる。結構いじられキャラだがツッコミ担当。
動く花と言う異名がある。
内容を見れば全てが分かるので……。
他にも。
霊犀 由良祁(れいさい ゆらぎ)siyarudenさん提供
蓬莱延命呪詛呪像(ほうらいえんめいじゅそじゅぞう)霧風赤司さん提供
キルエル siyarudenさん提供
モスカ大使 霧風赤司さん提供
安藤対馬(あんどうつしま)雛毬さん提供
エミュ 亞狗兎さん提供
サーメルティ バラバラさん提供
随時更新します。また、随時更新の際文字数オーバーする恐れがある場合は別の記事に移します。
それではイエスタデイ・ワンスモア共々宜しくお願いします。
それでは本編です。
非日常達は日常に同居する。
第0話 非日常達の日常
学校のチャイムが鳴る。
此処は公立宇摩(うま)高等学校。
ごく普通の学校である。
そう、当たり前の日常が。
一人の青年は冷たい廊下を歩く。
「すっかり秋だな……」
彼の名前は谷口 省吾。普通の高校生である。まだピュアピュアである。
容易は茶髪でオールバック。性格が馬鹿なので残念な美形。
基本制服。ちなみに今は九月上旬で衣替え前の夏服着用。宇摩高校の男子の制服は紺色のブレザー。ネクタイは赤と黄色のシマシマ。学年区別は運動靴の色。今年は一年、青。二年、赤。三年、緑。一年上がる度にその色を買う必要はなくそのまま次の学年に上がる学生と同時に色も同時に上がる。
夏服は半袖のYシャツ。
女子の制服は夏服はセーラー服。リボンは赤と黄色のシマシマ。冬服は紺色のブレザー。どちらもスカートで緑と黒のチェック。
ただかなり女子から不評で制服を着ている女子は一部のみ。
谷口は教室を開ける。
「……」
教室の中は地獄絵図だった。
いや、特別恐ろしい事は無い。
音楽を聞いていたり雑談してたり勉強してたりまさしく日常。担任も怒っている訳でも無い。
すると担任が谷口を見る。
「おー、ギリギリだな」
ただ、目の前の光景にいたのは化け物だけだった。
この物語は未確認生命体と言う宇宙人、悪魔、天使、地底人、改造人間、サイボーグ、強化人間、架空動物、生物兵器、オカルト等。最近は吸血鬼や式神も転校してくるようになった宇摩高校未確認生命体クラス。普通科は隠れ蓑。人間からは誰にも見えないが確かに其処にいる。同じ高校で日常を過ごしている。
谷口は人間である。海外出張の親が入学手続きを間違えて普通科では無く未確認生命体クラスの入学に手続きしてしまい化け物の中に谷口が入ると言う奇妙な現象が起こる。
谷口は苦労しながらこの物語の為にレギュラーを決定。
それがフラワー、サラマンデス、スネグーラチカ。
サブキャラに霊犀 由良祁。年長者らしく冷静で飄々としているが他者を思いやる優しい所は結香と同じ。176cm 68㎏ B100 W58 H88
腰ぐらいの黒髪で紫の三白眼 ポニーテールにすると結香そっくりになる
そしてライバル組織。
この学校には未確認生命体を暴走させない様に校長直属の秘密結社ゴールデン再度と言う秘密にしたいのか分からないくらいの派手目な名前が配属されており、彼等もまた学生である。
メンバー紹介。
砂金良太(いさご りょうた)。神殺しの異名を持つ怪人。高校三年生。文字通り神を殺す事以外何も出来ない。
容易は人型の時は黒髪のショート。ちょっと髪がツンツンしてる。
怪人の時は魔王の様な風貌になる。
制服を着るのが嫌で髑髏や迷彩のTシャツを着ている。パンツは制服。
災害と審判が同居した天使。キルエル。天使。生徒会にも所属している。高校二年生。
158cm 56㎏ B92(G)W59 H86
金髪のミドルヘアに緑の瞳 白と黒のゴスロリ風のドレスに白のブーツを履いている
頭には天使の光輪 背中には天使の翼が生えている
死ノ呪詛、蓬莱延命呪詛呪像。
ゴールデンサンドのリーダー。戦闘力はチート揃いの未確認生命体の中でも強い。架空生物が好きで、ユニコーンや鳳凰、麒麟、フェニックス等を飼っている。
普段は温厚。と言うかほぼ仕事しない。意外とフレンドリー。威厳だけは一人前。
以下の主役級の三人がライバル。
学校はいつのまにか昼休みになっている。谷口とフラワーとサラマンデスとスネグーラチカは机を合わせて弁当を食べる。
谷口はクラッカーを鳴らす。
「と言う事で、イエスタデイ・ワンスモアからの引っ越し完了!」
「クラッカーのゴミが弁当に入る。止めろ」
「サラマンデス……もう少しテンション上げろよ!」
「.....煙臭い」
「……何でレギュラーがこんなにテンション低いんだ!俺だって結構無理してるんだよ!」
「まあまあダーリン落ち着きなさい。このフラワーが喜びを分かち合うわ。
ヒロインキャラと親友キャラが同居しているこの私が!」
「でも花だろ。黙ってろ。なるべく最初からグダグダは嫌だ」
「……え?」
サラマンデスはレーズンパンを食べる。
「谷口。そろそろそういう感じの止めて弁当食え。九月はテストがあるからな。準備しろよ」
「赤点のお前に言われたくないわ!赤点製造マシーン!」
「誰がそんな不名誉の異名を名乗るか。俺は武断を纏う竜だぞ」
「武断の意味知ってんのかよ!俺も知らないけど」
「知らないなら聞くな。まあ俺は知っている!武士関連だろ!」
スネグーラチカは冷凍みかんを食べる。
「下僕達。自販機で冷たいコーヒー買ってきて」
「急にパシるなよ……。ちょっと混沌としてるから話を一つにしよう。
とりあえず今後の物語の方針だ。
とにかく長編で必要なのは目的と何でも良いから自分達の組織を創る。この二点だ」
サラマンデスは語る。
「目的は俺は海賊のキングになるとか。七つの竜の玉を集めるとか。何かの大会に優勝とか大まかな目標が無いと駄目と言うのは分かる。それに向かって物語は進むからな」
フラワーは考える。
「そうね、私達はただの友達。組織じゃ無い。これだと目的以前にこいつ等何者?状態よ
とにかく私達を繋ぐ絆!的な箱が必要よ。
海賊とか敵を倒す為に集まった戦士とか変な部活とか」
谷口はコンビニ弁当(のり弁)を食べる。
「……学校の奴全員と友達になる」
「何そのダサい少年漫画的な設定。バカ....?それに貴方そんなアグレッシブ主人公じゃないでしょ」
「何だよ、アグレッシブ主人公って!イキイキ突っ込んでるだろ!」
フラワーはホワイトボードを用意しながら肥料を花の部分で食べる。口の役割は花の部分。
「はい、注目。
主人公には様々な種類がいます。最初はヘタレだけどラスボスあたりで強気になる成長型。アグレッシブで人を引き寄せる強い訳じゃないけど仲間の為に負けられない!って言う感じの王道型。ただ、こういうキャラは説教臭い。別名説教型。そして比較的主人公キャラじゃないけど実は凄い裏がある、もしくはあの伝説の組織のメンバーだった的な最強(憧れ)型。これも説教するね。てか、主人公説教好き過ぎじゃね?
そして谷口が所属している主人公キャラは地味型。うん……大体主人公ってこいつだっけ?って言われるパターン」
「……コメディならそれでいいと思いまーす」
「は?コメディで王道は主人公がボケてボケてボケまくるんだよ。容姿から設定からハチャメチャな感じで騒動を引き起こす。それで物語が完成するんだよ。
それが出来てないから目的だの組織だの考えてるんだよ!」
「……すみません」
「確かに問題は主人公が普通と言う事だな」
「全く、最初からこんな感じで良いのかよ。次回からは派手に行こうぞよ」
「ちょっとキャラ変えたんだけど.....行こうぞよって」
「うるさい!もう今回は終わり!皆様応援宜しくお願います。もう4千字になっちゃう……」
第0話 非日常達の日常 完
- Re: 非日常達は日常に同居する ( No.5 )
- 日時: 2017/02/06 18:38
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
第五話 レッドポイントクルセイダーズ
フラワーと谷口とサラマンデスとスネグーラチカは空き教室へ入る。
フラワーはホワイトボードを持ち叫ぶ。
「明日はテスト!お前等気合い入れてけよ!」
「……」
「....」
「……」
「良いか、何の為に今まで俺達は放課後に遊ばなかったと思う。それは人生を懸けたテストの為だ。唯一の未確認生命体専門大学、九里戸大学宇摩キャンパスに入学する為だ!
其処に入れなかった未確認生命体は就職の道を選ぶが、まあ雇ってくれない。今の時代も未確認生命体は学力が求められる時代。受験戦争は既に始まっている!」
谷口は頭を抱える。
「設定忘れてたけど俺、人間じゃねーか!どうしよう、大学とか……」
「....大丈夫よ。金で入るから」
「俺は人類調査の為に登校している。大学に行く気はない」
「バカ野郎!赤点なんて一回でも取ったら……笑い事では無い。
お前等、これまでの成果。見せて貰おうじゃないか」
フラワーは教科書から出題される問題をプリントにして作成する。
「それじゃこれを10分で解け」
「……お前は大丈夫なのかよ!偉そうにベラベラしやがって!」
「俺は学年250体中、一ケタクラスだ。
ほらほら頑張ってダーリン♪」
「……何だよそれ……」
またフラワーには戦略があった。
時間は戻りフラワーとサラマンデスはトイレで用を足しながら話す。
トイレ。男女、性別無し、どちらでも可の四つに分かれている。ただしちゃんとした個室になっている為、不届き者がいても問題は一応無い。
また巨人用、小人用、人型用、さらに枝分かれして色々ある。その為非常に不便。
「一つこの小説に足りないモノがあるのよ」
「何だ?」
「ラブコメディよ♪」
「……?」
「スネグーラチカがヒロインなのに谷口とキュンキュンしてないでしょ?それだと折角ヒロインとして打ち出したのに意味無くなるじゃん!」
「知るか」
「でもどっちから攻めてどっちがあからさまに好意を持たせた方が良いのかしら?うーん……」
「とりあえず今回のテスト勉強できっかけくらいは創れば良いんじゃないか?」
「そうね!恋愛とか知らなそうなのに良くやったわ!あ、あれ?紙が無い!」
サラマンデスは考える。
「きっかけか……。
成程。
俺が恋愛を知らないのにどうしてこんな少女漫画の様な考えに至ったのかが分かったぞ」
「知らないわよ!紙ちょーだい!」
「トイレットペーパーの芯で良いだろ」
「私の尻は超デリケート!&茎くらいに小さいのよ。って何言わせてんのよバカ!そんなに私の尻の事を……」
サラマンデスはゲームをする。
「俺は羽柴に借りたギャルゲーをしていたからだ。
こんな軟弱なゲーム等に……。
いや駄目だ。飽く迄もサディスクラブの話題作りとして流行りのモノをやろうとするだけだ。ゲームに罪はない。それにちゃんと心情が創りこまれていて虜になりそうだな。
……いやいや、言って無いぞ。危ない……こんなゲームを認める所だった……」
「うるさいわね!紙取れよ!てか、学校でギャルゲーしてる地点でハマってるわよ!」
「ハマっていない!」
サラマンデスは水の入ったバケツをフラワーがいる個室に投げ込む。フラワーはビショビショになる。
「バカでしょ!紙……ええ?どこの不良なのよ!イジメ?イジメか?」
「俺は三次元でも恋愛一途だ!」
「何だよそれ!その為にバケツ投げる奴どこにいるんだよ!
ちょっと日光浴びて乾かしてから来るよ……」
「紙は大丈夫なのか?」
「あ?そうだった!……」
サラマンデスは紙を投げる。
「何でティッシュペーパー一枚なのよ!何かフワフワ降りてくるじゃない!」
「フーフーしてろ」
「何でなのよ!ってこのやりとり、なんか少女漫画っぽくない?
Sな不良とMな生徒会長的な?バケツを投げたのも私の困る姿が見たいから?」
「……」
「図星〜。んでんで……」
サラマンデスはその場を去る。
「あいつはマスコットキャラの花だぞ?マスコットとしての役割を満たしていない花の癖に何をバカな事を言っている!」
サラマンデスは空き教室に入ろうとする。すると、スネグーラチカと谷口が何かを話している。
「……きっかけか」
「そう言えば見た?クマ丸。可愛いよな」
「そ、そんなの知らないわよ!」
「え〜だって、お前のバッグについてるのクマ丸だよな?」
「この私がそんなの付ける訳無いわ」
「いやいや三度の飯より好奇心の俺には分かるぞ」
「何も....分かってないでしょ。もう」
サラマンデスは教室に入る。
「三度の飯より好奇心と言う異名なのか?谷口」
「聞いてたのかよ!なら早く開けろよ!」
「そうよ。下僕一人じゃつまらないわ」
「……俺、ツッコミだから。別につまらないのは当然だよ。ボケがいて成り立ってるんだから」
「貴方のポジションは大ボケバカキャラのはずよ?」
「知りませーん……。知りませーん……」
そして現代にいたる。
谷口省吾。最高単位、前の学校で高校一年生の一学期の時、美術5。絵がかなり下手だが、アートと勘違いされて最高単位を所得。だがその後単に下手だとバレ、その後は3。
最低単位、数学1・A 2.公式を間違えて覚えてしまい撃沈。その後、追試の嵐が待っていた。
サラマンデス。最高単位、体育5。ちなみに体育は運動する場所が無い為壁打ちテニスや壁打ち卓球、壁打ちスパイク、壁打ちシュート等しか出来ない。
最低単位、家庭科等1。教師との対立で大幅減点。追試もサボり単位所得ならず、だが留年ゾーンに入らずギリギリ進級。正直、今年はさらにヤバい。
スネグーラチカ。最高単位、化学5。気温関係に強い。
最低単位、音楽2。二年生からは音楽を所得してない為問題無い。歌は下手では無いが恥ずかしい為歌わない。教師も呆れてこの単位。
フラワー。最高単位、体育以外5。かなり頭が良い。はずなのだが生かされない。
最低単位、体育3。陸上部なのにシャトルラン23回でダウン。リバースも体育の時間で何度も行う。授業には出ている為3。
「気合い入った説明だけどどうでも良い情報だな……」
そしてプリントの答え合わせをする。
「……お前等……どう言う事だ!10点満点中
谷口とサラマンデスは0点。スネグーラチカは2点!え?スネグーラチカは頭良く無いと駄目でしょ?」
「やる気出ないのよ」
「今まで何やってるんだよ!明日テストだぞ!」
「私は一夜漬けで頑張ってるから」
「駄目だろ!まず二週間前から土台を創って一週間前には全部覚えた状態でいないと!」
「武士はペンでは無く刀を握るのだ!」
「お、俺、あれだよ。クマの世話。クマの世話してたから。うん、だから俺悪く無い!」
「そうだ。俺も羽柴とンコダーイ星人の用事で忙しかったんだ」
「わ、私も....え〜と、お、お父様の、あの.....」
「良い訳は聞きたくない!
勉強しろよ!
良いか?学園超能力漫画も学園ラブコメ少女漫画も学園ハーレム漫画も学園不良漫画は知らないけど。
勉強してるんだよ!
あ、こいつ等いつ勉強してんだよ。って思うかもしれないけど皆の知らない所で勉強してるんだよ!
学校は勉強する所!分かったか!」
谷口は眠りスネグーラチカはスマホをいじり、サラマンデスは刀を振るう。
「お前等も勉強しろ!」
そして翌日。学校の校門前にフラワーは立つ。其処に谷口が来る。
「谷口!勉強したんだろうな!」
「……深夜までやったよ。ゲーム」
「何でだよ!い、いや、これは全然勉強してないけどって言う奴に限って勉強してるってパターンだな!」
「テスト前のゲームって楽しいよな……」
「……無いか」
次にスネグーラチカがやってくる。
「スネグーラチカ!勉強したんだろうな!」
「話しかけないで....忘れそう」
「あ〜一夜漬けあるあるね。テストは余裕を持って挑みましょう」
最後にサラマンデスがやってくる。
「サラマンデス!勉強したんだろうな!」
「盗んだバイクで走り出したい気分だ」
「……中二の心の葛藤かよ」
「いややる気はある。そこは評価してくれ。でも俺の心の葛藤がそれを阻止してきて……」
「……もう良い。テスト始まるぞ」
そして一週間後、答案用紙が返される。
西園寺が答案を返す。
「谷口、サラマンデス。放課後追試な」
「もう宣言されちゃったよ!」
「俺に至ってはまだ答案用紙を返されていないのに」
「....余裕ね」
「ギリギリだろ」
「黙りなさい!」
「フラワー……」
フラワーの答案は0点だった。
「何で!?」
「答案の位置が一つずつズレてたんだ。お前も追試な」
フラワーは倒れる。
結局、谷口赤点3つ。サラマンデス8つ。スネグーラチカ1つ。フラワー2つ。谷口の机で四人は盛り上がる。
「流石赤点製造マシーンサラマンデス」
「黙れ!それよりフラワーがあんなに威張り散らしてこの様とはな」
「大学終わった……」
「どうやら答案の位置のミスを二回もしてたらしいわ。可哀想に」
谷口は呟く。
「これで共通点が出来たな」
「え?」
「俺達の組織はレッドポイントクルセイダーズ。
赤点十字軍だ」
サラマンデスとスネグーラチカとフラワーは谷口をボコボコにする。
「主人公の組織が赤点集団ってどう言う事だよ!」
「私はたまたま赤点になっただけよ!」
「俺は赤点製造マシーンでは無い!そして何で十字軍なんだ?」
「……これからも宜しくね」
第五話 レッドポイントクルセイダーズ 完
- Re: 非日常達は日常に同居する ( No.6 )
- 日時: 2017/02/07 20:25
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
第七話 嘘つきは詐欺師の始まり
谷口の担任の西園寺は面倒そうに授業を進める。
「お前等、テスト終わったからって油断するなよ。特に谷口」
「ちゃんと追試受けてるじゃないですか!」
「ちゃんとテスト前に勉強しろよ……。テスト後に必死にやるよりテスト前にやった方が良いだろ?」
「バカだから分かりませーん!」
「バカでもやるべき事はやれよ?もう一遍舐めた事したら反省文な」
「どうせ、単位2なら反省文なんて書く必要ないぜ」
「そうか、なら授業の答えを全部お前に当ててやる!」
「何だよ、その靴に画鋲を入れるって言う地味だけど精神的と身体的にきつい奴は」
「そして同時にお前がその画鋲を見ている瞬間に俺はこういってやるのさ。
お前、何で靴の匂い嗅いでるの?
恥ずかしいぞ〜!」
「……ま、負けた……。イジメのレベルが鬼じゃないか……」
「鬼の世界では日常茶飯事だぜ」
西園寺は授業を終え職員室に戻る。
すると女性が西園寺に話す。
「妾は千菊姫じゃ。古典担当じゃ」
「ああ、知ってますよ。どうしました?」
千菊姫。わがままで自己中 望みを叶える為には手段を選ばない 高飛車。
容姿は白い髪を緩くまとめている 朱色のパッチリした瞳 丈の長い着物を着用 白い猫耳と二本ある尻尾。
「知っているなら話は早い。お主が鬼だからこそ話があるのじゃ」
「……?」
千菊姫は西園寺と共に食堂へ行き食券を買いカレーとカレーを頼む。
「……話って?」
「この学校の普通科の一年生でスリをしている不届き者がいるんじゃ。
犯人の目星は付けているが、大事にしたくないからお主が叱ってくれないか。妾だとあまり効果が無いんじゃよ」
「不良って訳だな?んで、学校の名前に傷を付けない様に内密に解決しろと?
そんな仕事は秘密結社に頼めばいいじゃないか」
「言ったけど予約制で三年待ちなんじゃよ」
「もう入学した奴が卒業してるな、それ。一応不良が卒業するから解決になるけど。まあ引き受けるよ」
西園寺は放課後に犯人を呼び付ける。ちなみに教師は全員普通科と未確認生命体クラスを受け持つ未確認生命体。
「……ちょっと職員室に来い」
「……」
西園寺は犯人を職員室に連れ出し他の教員の椅子に座らせる。
「何でスリなんかした?」
「……さあ?知らないですよー?」
「お前……」
その様子を千菊姫はカメラで録画していた。
すると、犯人は西園寺に平手打ちをする。
「……」
西園寺は殴ろうとする。千菊姫は笑う。
これは全て千菊姫と犯人が仕掛けた詐欺である。この後、殴られた犯人は気絶し意識不明のフリをする。
そして千菊姫が体罰と脅し、金を取り続ける。
「鬼は短気……ふふふ……」
しかし西園寺は自分を殴り自分で気絶する。
「えええええええええっ!」
西園寺は病院へ運ばれる。
西園寺は目を覚ますとそこには谷口やクラスメイトがいた。
「.....何があったら自分で殴って気絶するのよ」
「……気高いな」
「入院費は自分で払ってね」
「……」
千菊姫は作戦が失敗して悔しがる。
「まだまだじゃ!」
だが、千菊姫は非常に焦り、作戦の質がどんどん落ちる。
「作戦2!マルチ商法!
西園寺先生。この真珠一緒に買うのじゃ……!ほら買え!」
「……真珠とか興味無いんで」
「作戦3!壺!
西園寺!壺買え!十万じゃ!」
「……え?な、何を言ってるんですか」
「作戦4!無料!
無料で何かするから!ね?」
「あ、はい……それじゃこのプリントを印刷して下さい」
「それはただの仕事じゃー!
作戦5!もう……屈辱だがねだる!
金を下さいなのじゃ!いっぱいお金欲しいんじゃ!
あれじゃ!妾の父のペットが不治の病&交通事故のバブルパンチじゃ!」
「……事情は聞かないぞ。
ほら、金」
「ほ、本当か!」
握りしめた金は温かく、愛があった。千菊姫は悪い事を辞めてまともに教師をする事に決めました。
「今まで妾はモンスターペアレントに押し潰されそうで辛かったけど……教師としての誇りを失っちゃ駄目なのじゃ!」
握りしめた金を見ると、10円だけ入っていた。
「へ?
……賽銭かっ!」
そして千菊姫は10円でうめえ棒、嘘つき味を食べる。
「嘘の味がするんじゃな。八月に発売された詐欺師味とは何が違うんじゃ?
なぬ?詐欺師味よりマイルドでコクがあって罪悪心が無いじゃと!これはお得じゃ!」
西園寺は呟く。
「……同僚を更生しないと駄目だなんてどんな学校だよ……」
第七話 嘘つきは詐欺師の始まり 完
- Re: 非日常達は日常に同居する ( No.7 )
- 日時: 2017/02/08 19:55
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
第八話 どうか私に恩返しを
霊犀由良祁は放課後、茶道部の部室でフラワーを生け花にする。
「ちょ……ちょっと!」
「大丈夫じゃ!それでもっと捩じるんじゃ!これをツイッ○ーに挙げれば人気者じゃ!」
平等院はカメラを向けてフラワーを撮る。
「……やっぱ、部活変えよう……」
一方、谷口は家で長袖のYシャツを用意する。
「そろそろ、冷えて来たな……もうすぐ10月だし。そうだ、コンビニで夕飯買おうか。今日はうどんだな。ネギたっぷりの」
谷口は家を出ると、そこにレインボーコウモリと言う架空生物のコウモリが倒れていました。
レインボーコウモリ。実在しない架空モンスター。虹色に擬態したコウモリで大きさは普通。色が目立ち過ぎて周りのコウモリや天敵に良く襲われる嫌われ者。また、排泄物も虹色でとぐろを巻くと見事。しかし何故排泄物まで虹色なのかは不明。主食は普通のコウモリと同じ。
「……」
「た、助けて〜。助けて〜」
「もう動物関連は嫌だ……またキャラ補正とか言われるの嫌だ……クマの時で懲りた……」
「助けないと吸血鬼呼んで血吸わせるぞ〜」
「吸血鬼を呼んで助けて貰えよ」
「……そんな事言わないで助けてよっ」
「何だよ、もう。夜行性の動物がこんな虹色に輝いてるのが悪いんだろ。天敵に襲われたか?」
「いや、自分の発光した翼にビックリしたら翼をねんざしたんだよ〜」
「……自業自得だろ!自分の身体の事も分からないのかよ!」
谷口はなんやかんやでコウモリに手当てをする。
「これで大丈夫だ」
「このご恩は忘れません」
「……」
「それでは……あ、今日の夜、何かあるかもしれませんね〜……では」
「……別に良いよ。恩返しなんて。いらないです」
「絶対に恩返ししますので……あ、障子的なモノ用意して頂けると幸いです」
「……いやいやいや……。それなら今して下さいよ。何で一旦帰るんですか」
「……いえいえいえ。後で。後で」
「いや、恩を返したいなら今返して下さいよ。何でわざわざ帰るんですか?」
「……」
「ね?でしょ。あの、言わせて頂くと絶対人間になって家に来ますよね?」
「……あ、あ、あの、ちゃんと来たらドア開けて下さいね?」
「ちょ、ちょっと!」
コウモリは飛び立つ。
「……厄介だな……」
谷口は夜になり一応和室に障子を用意する。
「今日はリビングで寝るか……面倒だな〜……」
するとインターホンが鳴り、谷口はドアを開ける。すると、虹色アフロの外国人がポーズを取って叫ぶ。
「どうか、一晩此処に入れてくれぃ〜!ふぅ〜!今夜はパーティナイト!」
「……」
谷口はドアを閉めようとするが虹色アフロはコウモリに変化し家の中に入る。
「あ、あ!今コウモリになった!流石にそれは無いよ!
だってあれじゃん!一応伏せるじゃん!
一晩泊めて下さいって言う建前じゃん。分かってたけど」
コウモリは虹色アフロに戻る。
「ふぅ〜!細かい事は気にするな〜!ポポポポ〜ン!」
「何だ?血を与えれば帰るのか?帰ってくれるのか?」
「ええ〜!マジかよ!帰らそうとしてるぜ!こいつ〜!マジかよ!」
そう言って虹色アフロはサングラスをかけ歌を歌いながら踊りだす。
「アカペラだからそんなにリズムに乗れてないし……。
そうだ、今から血のついてる生物を捕って来るから。
何にしようか……カラスはどうだ?」
「なんでそんなに帰らせたいんだぜ!てか、地味に怖い事しようとしてるぜ!って俺は人間以外の血は飲まないんだぜ!」
「カラスも人間も同じだろ。眼閉じて飲めば皆、トマトジュースだ!だからカラスの血飲んで帰れ!」
「トマトと血なんて色同じだけじゃね?なんでそんなに拒否るの?ヒヤー。
ちょっと狂気感じるぜ。ヒヤ—」
これは谷口の作戦で、自分が狂気的な人物を装う事で虹色アフロを追い出す作戦。
ただし谷口は狂気と言う言葉の意味をあまり分かってない。幸いなのはアフロも分かってない事。
谷口はサラマンデスから貰ったレーズンパンとネギたっぷりうどんを食べる。虹色アフロはレーズンパンのみを食べる。
「うどんは俺の分しか買って無いからな。後は障子の中に入って恩返しして帰れ!」
「冷たいぜ〜!もう、恩返しだぜ?人生で結構貴重だと思うぜ?
それをこんなに冷たくされたの悲しいよ〜。踊ろうぜ?
もうね、マジで貴重。なんつーの、一生やっていける程の親友と出会えたレベル?」
「……お、おう。確かに貴重かもしれないな。いや……」
「俺もさ、今までは他人の血を吸ってた愚か者だった。
この血はドロドロで不味いとか。
この血は健康的でフレッシュとか。
この血は低血圧じゃん。ちゃんと対策しろよ。とか。
でもそれを止めて恩返しをしようとしてる訳だよ。偉くない?」
「……何だよその恩返し制度。普通にボランティアすれば良いだろ。何で一回、怪我を負うんだよ」
すると、スネグーラチカとサラマンデスが家に来る。
「今日は何のゲームで遊ぶんだ?俺は別にギャルゲー等はするつもりないが……」
「....初めて来るけど、こんな家なのね。下僕らしいわ」
二人の目の前には虹色のアフロの虹色のスーツの虹色の靴下をはいた外国人がいた。
「今夜は寝かさないぜ!」
「いつでも来いと言ったお前の言葉を信じた俺がバカだったようだな。フラワーにも伝えておこう」
「こんなチャラついた奴とツルんでいたなんてね.....やっぱり互いに何も知らないわね。家に来るのは早かったわ....バーカバーカ!全く.....」
「ちょっと待ってよ!家に入って良いよ!遊ぼう!いつもサラマンデスは格闘ゲームやってるよな!スネグーラチカはゲームとかするの?しないなら、別に一緒に録画してた番組見たりとか」
二人は帰る。
「……帰れ!」
「……すみませんっした」
「……今のは無い。マジで無い。俺、バカで三度の飯より好奇心だけど今のは無い……本当に帰ってくれ」
「とりあえず、飯食べましょうか」
「……お前が言うなよ……!」
谷口は怒りながらパンを食べる。
「あ、そうだ。これをおきに知りたいんですけど、此処に来る前って何してたんですか?」
「……あ?」
「すみませんっした」
「何だよ急に……もう……後で、スマホで誤解解かないと。お前はもうあれだ。恩返しして帰れ!」
「はい!それじゃ障子閉めます!え〜決して開けないで下さい!」
虹色アフロは和室に入る。
「……言い過ぎたか……。わざわざ恩返しに来たのにちょっと冷たすぎたかな。
いや、だって、初めての……」
虹色アフロは障子から谷口を覗く。
「大体、そんな感じの主人公は重い過去があるんだぜ。
そして過去と向き合った時に……」
「おい!自分から開けちゃ駄目だろ!自分で約束破るなよ!」
すると、霊犀由良祁とフラワーとスネグーラチカとサラマンデスが谷口の家の窓を割って入る。
「えええええ……!」
「すまんの〜。居た!レインボーコウモリ。学名ヴェンゲイツバット!逃がさぬぞ!」
「……大人しく、成仏しなさい!」
「虹色アフロ。観念しろ」
「谷口を脅して籠城なんて...!」
「……成仏?籠城?」
虹色アフロは呟く。
「俺……実は助けてもらう前に死んでたんだ。翼のねんざのショックでショック死。でも信じられなくて……。
助けて欲しかったんだよ。俺。そしたら本当に助けてくれて……調子乗って……」
霊犀は妖怪駆除の依頼を受けていた。フラワーはついで。虹色アフロの情報提供が二人。
「俺、成仏するよ……迷惑かけてごめん」
「い、いや……」
「それより...谷口よ。どんな過去があったんじゃ?お姉さんが受け止めてやろうぞ」
「そうだな。少しだけ話すのがミソだぞ」
「そうね全部話すと、謎な感じが無くなるから......谷口に謎要素なんて元々無いけど」
「いやいや……正直に言うけど本当に何も無いよ。ただ、此処に来る前は友達いないんだよ。影が薄いって言われてさ。ずっと一人だったんだよ。
でも……此処に来てから、影が薄い普通の俺が……変われたんだよ。自分だけ普通だから」
ちなみに実際はそうでもなく、無口なイケメンとして名は知られていたが醸し出すオーラが凄かった為誰も近寄れなかった。影が薄いって言われていたのはこの状況が気に入らなかった男子が言った陰口。
コウモリは笑う。
「微妙っすね。もっと壮絶な過去があるのかと……」
「ええ?そこは、俺も変われるかな。とかカッコイイ台詞を言えよ!」
「つまらん。加工するのじゃ。例えば、父親が革命出来なかった伝説の革命家とか。そういうって主人公っぽいじゃろ!反逆とか...!」
「全く……主人公がこんなだから……」
「……すみませんっした」
「ほら父親が海賊とか!」
「スパイって言うのはどうじゃ!」
「戦闘種族サイ○人ってのは?」
「やはり……」
谷口は笑う。
「どうか俺に恩返しを……!」
「いらないだろ。友達なら」
「そうよ....」
「私は親友と恋人ポジションを両立する存在だから……」
「いじられマスコットが何言ってるんだよ!」
第八話 どうか私に恩返しを 完
- Re: 非日常達は日常に同居する ( No.8 )
- 日時: 2017/02/09 18:19
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
第九話 日常は無知で漂流がお好き
此処は第一公園前秘密結社ゴールデンサンド本拠地兼リーダーの家。砂金と蓬莱延命呪詛呪像とキルエルは会議をする。
「霊犀由良祁の件についてだ。人間は未確認生命体と接点を持ってはならない。よって霊犀の処分をしたいが、霊犀は拒否。退学を言い渡したいが普通科の影響を考え……」
蓬莱延命呪詛呪像とキルエルはポーカーをする。
「話聞けよ……おい。頭に熱湯コーヒーかけるぞ」
と言いながら砂金はコーヒーが入ったコーヒーカップを二人に投げつける。キルエルは翼で撃ち返し蓬莱延命呪詛呪像に当てる。
「翼が滑っちゃいました〜。ごめんなさい♪」
「せめて宣言した後に投げろよ!宣言しながらコーヒーカップ投げる奴がいるかよ!それに俺のリビングがコーヒーまみれに……!シミ付いちゃうよ」
「掃除するんで……キルエル、お前もだ」
「慈悲深い私は砂金さんに特別に掃除しまーす。全く、掃除しながら私のわがままボディを見るつもりなんですね?変態さんはこれだから困ります」
「お前は俺をどんな奴だと思ってるのか?」
キルエルは無邪気に光の矢を放ち、壁を破壊し始める。
「お掃除ってこんなに楽しいんですね!クソ砂金に嫌々言われてやったけどスッキリしますね!頑固な汚れも一掃です!」
「何してんだよ。お前……」
「あ、汚れがこんな所に.....」
キルエルは砂金に矢を向ける。
「私アーチェリー部のエースで生徒会の書記なんですよ。
ついでに美少女の私から見れば貴方なんて汚れなんですよ♪」
「……上等だ。俺は風呂で毎日一時間掛けて洗ってるんだ。ほら、汚れ見つけてみろよ。え?」
「ボケは良いから会議に戻るぞ」
「全くしょうもない返しをするなんて私のセンスが台無しですよ!」
「俺は真面目に言ってるんだ。お前が理不尽に俺を汚れと称したのが気に喰わないんだよ。全く……コーヒー飲んでくる。俺としては面白さより自然な感じが良いと思うんだが……」
「会議を再開する!
ってもう、良いや。え〜と、とりあえず掃除と修理をしてもう帰ってくれ。
はあ……」
砂金は壁の修理をする。
「んー、コンクリの割合はこれで良いか。後は埋め込めば……。
おい、キルエル。サボってコーラを飲むな。これはお前がやったんだぞ。筋は通さないと駄目だろ」
「砂金さんって厳しそうでちょっと甘いって言う中途半端な怪人ですよね〜。何か、ノらなそうでノリが良い人的な?あれ?意外と世間からの評価とか大事にする人的な?」
「評判か……。校長とかのそういう評価は少し低いな。まあ、仕事が溜まってるからなんだけど。確か、少し前のスリ事件も対応が遅れたしな。
やっぱ三人じゃ難しいか……」
「別に私はどうでも良いです。仕事って言うけど依頼なんて身勝手なモノばかりです。慈悲深い私なら全部破壊しつくして依頼者の過ちを正しますよ♪」
「ますます評判が下がるじゃないか。気を付けろよ……評判落とすと秘密結社の存在意義に申し出が出る」
「うるさいですね〜。評判評判と〜。どこの上司ですか。軽蔑しますよ?」
「別にそんなに言って無いぞ……むしろ俺は自分の道を突き進むロッカーだぞ。服装見てみろ。ドクロだぞ。評価を気にしないカッコイイロッカーだろ」
「それを言ってる地点で他人からの評価を意識してるんですよ♪他人からカッコイイって言われたいって見え見えですよ。え?もしかして....私からカッコイイとか言われたいんですか?好きなおにぎりの具がツナマヨ君のくせに?」
「どうでも良いし、ツナマヨ美味しいだろ……」
蓬莱延命呪詛呪像は叫ぶ。
「良いから修理しろよ!俺も仲間にいれろよ!仲良く喧嘩するなよ!ト○とジェ○ーかよ!俺はたまに出てくるブルドッ○かよ!」
「そんな奴いたか?」
蓬莱延命呪詛呪像はト○が悪だくみを考えるかの様に考える。
「確かに……評判が全てと言う訳じゃないが、校長から評判が良くなれば予算も上げてくれるかも」
「私達秘密結社は飽く迄も秘密だから予算も回しにくいんですよね。生徒会で予算を勝手に調整してるんですけど♪」
「職権乱用も良い所だな……」
「まあ良い。別に秘密結社が無くなっても未確認生命体が少しでも明るい明日が見える日が来ればそれで良い」
「……明るい明日って言うのは人間と過ごした後ですか。人間を滅ぼした後ですか」
「……どうなんだろうな。俺は……人間と分かり合えた後に明日を見たいがね」
「.....たかが高校の秘密結社にそんな大事出来る訳無いじゃないですか♪気楽に行きましょう♪」
キルエルは光の矢を壁に向かって抜く。
「また〜?俺の家壊れちゃうよ……!」
その後、砂金とキルエルは自分の家にそれぞれ帰る。
すると、宇摩高校の一人の普通科の生徒と二人の未確認生命体クラスの生徒が揉めていた。
普通科の生徒。名前は愚場仁(ぐば ひとし)。人間。分かりやすい不良のくせに皆勤賞だが弱い奴をイジメる為に学校に来ている。
未確認生命体。名前は岩男。身体がマグマで出来ており非常に暑い。図書委員。
もう一人は妖怪、シーサー。暑いのには耐性が付いている。気楽な性格。美化委員。
「おい、何だそのきぐるみ。コスプレ?キモッ。おい、金出せよ……!」
「止めて下さい……」
「それじゃおしおきで〜す。金吐きだすまで俺の友達を遊びましょう〜」
愚場はシーサーを蹴り飛ばす。
「これ犬?変なの被せるんだね?どんな趣味してるの?」
砂金は愚場を殴り飛ばす。
「……日常は無知で漂流がお好きな様で」
「何なんだよ!お前は一体!仲間呼んでボコボコにしてやる!」
「未確認生命体の明るい日常の為に。結果的に人間も明るくなるのかな?どうでも良いけど」
砂金はキルエルと蓬莱延命呪祖呪像を無料通話アプリで呼ぶ。
「……校長に愚場の処理を頼まないとな」
第九話 日常は無知で漂流がお好き 完
- Re: 非日常達は日常に同居する ( No.9 )
- 日時: 2017/02/10 19:17
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
第十話 貴方はキャンプの時に造る調子に乗った素人のカレーは好きですか
スネグーラチカは巨大な城の様な家で優雅に過ごす。
「もう10月なのね。今度は何をして下僕達を遊ぼうかしら。
でも、私の様なお嬢様には下僕の遊びがいまいち分からないわ。
もしかして虹色アフロが流行っているの?あり得ないわ.....」
すると同じ未確認生命体のメイド、イカナートがスネグーラチカの元へ行く。
イカナート。イエティの様なUMA。宇宙生物らしい。見た目はトナカイ。ただし詳細は不明。スネグーラチカの父親の車の運転手も兼用。
「ええ、それで下の者の生活を見たいと?」
「そうなの。少しでも話を特別に合わせてやろうと思ってね...別に話したい訳じゃないけど」
イカナートは微笑む。
「では……元下の者の話を聞いてくれると幸いです」
「......そうなの?それじゃ聞かせてくれる?」
イカナートは一人芝居をし始める。
「さてさてさて!今宵の話は未確認生命体の日常!
高校を通わない未確認生命体の当たり前とは何か!ご覧あれ!」
「何でそんなにノリノリなのよ...」
「どうも!私、イカナート!人間にバレると厄介だから普通に人間に擬態する女の子。そう、皆に人間じゃない事がバレると人間関係が滅茶苦茶になるからね!あ、好きな食べ物は山菜。嫌いな食べ物はきのこ。
え、何?どうして好きな食べ物は山菜かって?」
「誰も聞いてないわよ......」
「だって道端に落ちてるのよ!宝庫じゃない!」
イカナートは道端を草を食べる。
「ちょっと待って。私お嬢様だけど人間ってそんな感じだっけ?違う気がするわ」
「人間はそうなんです!」
「貴方が普段してる事じゃないの....?」
「前までそうでしたけど今は違います!
これは人間になると言う選択をした未確認生命体のリアルな生活です。多少はちょっと、人間の文化とズレがありますけど大したことないです!お嬢様も未確認生命体の生活を見て下さい!
そして……私はたまにキャンプに行きます」
「成程...イベントを見せてくれるのね」
「そう、キャンプはサイコー!」
「キャンプは私行った事無いわ。今の流行りはキャンプなのかしら」
「新鮮な魚を友達と捕れます!」
イカナートはクマと一緒に川の中に入り魚を素手で捕る。
「絶対違うわよ!人間がそんな原始的な事しないわよ!クマの共存してる訳無いわよ!何よこれ.........!」
「合ってますって!人間は魚捕り名人で、師匠がクマなんですって。でもキャンプの時はクマは参加させてもらえないんですけどね」
「....嘘よ。そんな仲間外れにされるの?可哀想じゃない。別にどうでも良いけど」
「そして人間は魚をえ〜と……燃やします。んで、燃やした後に……はい、火に付けて火と一緒に食べます!」
「.........別に人間を演じる事はないのよ。私は一般の未確認生命体の事が知りたいだけなんだけど...!」
「だ、だから、一般の未確認生命体は人間を演じるのが普通なんです!演じられない未確認生命体はいません!」
「絶対嘘よ。何でそんなに嘘をつくの?」
「これは絶対です!
嘘をつくなんてあり得ません!
私が嘘をつくなんて、貴方が赤点を取るくらいにあり得ません!」
「.....そ、そうね。私は天才だからね」
スネグーラチカは一教科テストで赤点を取ってしまい怒られたくないので成績を隠している。隠し場所はゲームソフトのケースの中。
「私は真実だけを見せています!演出はちょっとありますけど」
「演出?」
「はい、それじゃ行きます!
そして……え〜……そうだ!
キャンプでは儀式があります!
そう、キノコを食べながら3時間踊り続けるキャンプキノコと言う行事があります!そしてキノコを食べた後に花を食べながら5時間踊るキャンプファイアーと言う行事が続けて行われます!そうすると、人間は手からファイアーボールが撃てます!凄いです!でも、私はキノコが食べられないので出来ません!残念!」
「......」
「……」
「イカナート。私をナメているの?
純粋に貴方を信じた私がバカだったみたいね」
「……すみません」
スネグーラチカはその場を去る。
実はイカナートはトナカイ族の王族の娘。本当の世間知らず。その為、父である王から就職活動の一環としてメイドの仕事を命じる。スネグーラチカの父は喜んで承諾。
今回の行動もスネグーラチカの力になりたいと行動した結果。
「嘘はついちゃ駄目だけど、真実も言えない……」
スネグーラチカは外の第一公園で気分を落ち着かせていると、砂金がキャンプに向かう格好をしながら歩いていた。
「蓬莱延命呪祖呪像さんがキャンプが流行りだから行こうと言っていたがキャンプなんて初めてだぞ……キャンプが流行りなんて聞いた事が……」
遠くにはキルエルが光の矢を向けながら笑う。
「最近イライラしてたので、砂金を殺しちゃいます。お仕置きですよ。だから嘘の約束までして此処に誘き出したんです。それにしてもキャンプの格好するなんて意外とノリノリだったんですかね?私の嘘だとも気付かずに....キャンプなんて流行ってる訳無いじゃないですか。誰があんな虫だらけの場所に行くんですか。キャンプのカレーも素人が調子に乗って創ったまずいカレーですし。
あ、どうせならもっと遊んでからにしましょう。蓬莱延命呪祖呪像さんのメアドをハッキングしたんですから♪」
キルエルは殺意を込めて矢では無くメールを打つ。砂金はメールを見る。
「ちょっと遅れる。川の中で魚を素手で捕って待ってて」
砂金は第一公園の傍を流れる宇摩川と言う川に入り素手で川魚を捕り始める。スネグーラチカは動揺する。
「.....そんな」
「冷たいな……。だがキャンプとはこういうモノか人間はこういう苦行を行っているのか?魚を捕るなんてクマじゃないんだから……」
しかし砂金は全然捕まえられない。スネグーラチカは家に戻る。
「キャンプが....本当に」
イカナートはスネグーラチカを見て謝ろうとするがスネグーラチカが謝る。
「本当にごめんなさい。貴方は本当の事を喋っていたのね」
「……え?」
一方、砂金は川で魚を捕まえていた。
「……風邪引きそうだな。もう……あ〜……」
そこに、蓬莱延命呪祖呪像が現れる。
「何してんだ?」
「やっと来ましたか。ほら、一緒にやりましょう」
「……お前大丈夫か?」
しかし二人で川で遊び続ける。
「おお、魚を捕まえる時の達成感が凄い!人間はこんな事をしてるのか!でも俺の知ってる人間はそんな事しないぞ?」
「いやいや今、流行りらしいですよ。別に流行りに乗る訳じゃないけど……楽しいですね」
キルエルは呆れる。
「殺す価値も無いわね....流石、殺す以外に能が無い怪人と人間に敷かれる式神よ」
イカナートは砂金の行動に驚く。
「何この、コントみたいな出来事……」
「コントは知ってるのね....」
「私も学校に行けば……友達が出来るんですか?」
「下僕なら出来るわよ....!」
イカナートは微笑む。
第十話 貴方はキャンプの時に造る調子に乗った素人のカレーは好きですか 完