複雑・ファジー小説

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ガルちゃん修羅ハウス
日時: 2020/08/26 18:38
名前: 梶原明生 (ID: PvE9VyUX)

お騒がせご意見番女優、遠藤奈美子と、ヘタレアイドルリーダー佐士原理央が女性専用書き込み掲示板「ガルちゃん」のファンだと公表したためテレビディレクターの星野が閃いた。「番組企画でガルちゃん書き込みユーザーを集めてシェアハウスに住まわせて日常を放送すると言うのは。」かくして、旧知の女優、遠藤を中心に続々都内某所のハウスにガルちゃん民が集まるのだが・・・事態は予想だにしなかった展開に・・・様々癖のあるワケアリ女性が一度に集い、笑いあり、涙あり、バトルあり、珍事ありのドタバタ活劇を繰り広げる。

Re: ガルちゃん修羅ハウス ( No.15 )
日時: 2020/11/26 15:15
名前: 梶原明生 (ID: PvE9VyUX)

・・・立ち去る先に橋場の旦那の姿が。「あなた・・・」「あなたなんて言うの今時お前ぐらいだぜ。しかし派手にやってくれたな。命令違反じゃないか。俺達は警察じゃないんだぞ。」「いいでしょこれぐらい。もう現役じゃないんだし。それに小原を味方に付けた方が何かと便利だしね。」「わかった。今回のことは協力者獲得工作だったと貝原さんに伝えとく。あまり派手に動くなよ。俺達は本来存在しない存在なんだからな。」「わかってる。」それだけ言い残し、現場を後にした。翌日夜は再びガルちゃんで盛り上がる。酒井「皆さんお聞きになって。昨日の事件。橋場さんがたまたまお知り合いの小原さんのファンと窮地をお救いした件。」佐士原「聞きましたよビックリ。まさか橋場さんがね。伊達に筋トレマニアじゃないわ。」橋場「いやー、それほどでも。」遠藤「誉めてんじゃない。てかあんたのせいで昼間ドラマの撮影にマスコミが押し寄せて大変だったのよ。私関係ないのに根掘り葉掘り聞かれて。どうしてくれんの。」「仕方ないじゃない。それとも小原さんが犯罪に巻き込まれても良かったの。」遠藤「そうは言ってないけど。」葉山「で、でもうらやましい。そんなにファンに愛されるなんて。あ、ちなみにお相手の一般男性、猫カフェで小原さん助けたそうなんですが、何と彼、猫扱うの得意だったらしく、来月から猫カフェ店長になるそうですよ。結婚も誓い合ってるらしく、近く結婚発表するらしいです。ああ、私もあやかりたい。」橋場「ま、怪我の功名ってやつで許してよ。」そう書き込んだ矢先、玄関のチャイムが。遠藤である。「ちょっと珍しいですね遠藤さんが遥々わが部屋にお越しになるなんて。」嫌味っぽく言う橋場。しかしそれに怯むはずのない遠藤。「あんた、半ぐれ集団を一網打尽にしたそうね。一体何者。正直に答えて。」「ちょっと遠藤さんまで言うのそれ。だから、ただのガルちゃん民で、筋トレとキックエクササイズしてるだけの元主婦ってだけ。それだけよ。」「嘘。私の目を節穴だとでも思ってんの。只者でないことはわかってる。」「もういいですか。こんなことこんな玄関先ではなしててもらちあかないでしょ。それじゃガルちゃんで・・・」橋場はドアを閉めた。・・・次回「妊娠と子供」に続く。

Re: ガルちゃん修羅ハウス ( No.16 )
日時: 2020/12/01 16:15
名前: 梶原明生 (ID: PvE9VyUX)

「妊娠と子供」
・・・何事もなく2週間が過ぎ、無事に記念すべき番組第一弾が放送された。相も変わらずガルちゃんで不平不満をぶつける面々。映りが悪いだの、星野、青山が悪いだの、カメラマンがイケメンじゃないなどと理不尽な意見まで、ありとあらゆる罵詈雑言が溢れかえる。炎上必至とはこのことか。翌日、夜に再び住人が増えるので共有スペースのリビングに来いとの遠藤からのお達し。かくしてガルちゃん民は集まるのだが・・・「な、な、子連れ。聞いてないよ。」渡が驚愕する。「だから何。子連れはいけないなんて制約事項はなかったはずよね。」遠藤が相変わらず腕組みして威圧してくる。「こちら井上メイさん。そのお子さんの有希ちゃんと澄起亜君。その隣が高島美弥子さん。」それぞれ自己紹介がはじまったものの、橋場も皆も、くせ者だとすぐに気付いた。28歳の井上に限っては、小学低学年の有希ちゃんは別として幼稚園の澄起亜君は、そう書いて「スター」と読むし、まさにキラキラネーム親子にふさわしい雰囲気。美弥子に至っては、どこかで見た顔だ。今年38歳になる。「思い出した。あんた朝起放送の下ネタ女子アナだった高島アナ。」橋場が気が付いた。「よく御存じで。」「ええ、知ってますよ。下ネタ女王と陰口叩かれてたって有名ですからね。成り上りたいとか言って旦那そっちのけで上京したんでしょ。で、今何やってんすか。」苦笑いになる美弥子。「普通に主婦やってますよ。たまに文化教室開いて女子アナ時代の経験生かして話し方講座とか開いてますけどね。」「フーン、成り上がれなかったんだ。」苦笑いから引きつる目線に変わる美弥子佐士原が空気を読む。「ま、まあ自己紹介終わったんだし、いい加減お茶しません。」渡「賛成、私ブルボンのお菓子持ってきたんで。」先ほどの気まずい空気も一変した。「まぁ、低俗なお菓子ですこと。ねえ、小原さん。」「ま、まぁ確かにね。」「私なんかゴディバのチョコお持ちしましたのよ。」酒井が余計な横槍。「出た、医者嫁のマウント取り。」橋場が睨む。・・・続く。

Re: ガルちゃん修羅ハウス ( No.17 )
日時: 2020/12/08 15:29
名前: 梶原明生 (ID: PvE9VyUX)

・・・「何か仰ったかしら。」「いえ、医者嫁のバカげたマウントって言って・・・」「橋場さん。」佐士原が橋場を捕まえて耳打ちする。「やめてくださいよケンカは。訴えられたらどうするんですか。」「あんたはヘタレだね。さすがヘタレアイドル。」「そういう問題じゃ。」「いいじゃん。これがガルちゃん民でしょ。撮れ高があっていいんじゃない。」再びソファーに戻る橋場。その矢先に事件は起きた。「あんた計画的に避妊してたらしいね。バッカじゃないの。それで産みたくなったからできないから不妊治療って自業自得じゃん。」血相を変える美弥子。「あ、あなた初対面なのに何なの。そういうあなたのこと、一応知ってるわよ。あなた、元プロスキーヤーですって。その癖に、成績が伸び悩んでやけ酒に走り、デリヘル嬢になったそうね。日々のお金に困ったからって、そんな生き方。」「あんたみたいなお嬢さん育ちに何がわかるの。父親に捨てられて、母さんが女手ひとつで私達姉妹を育ててくれた。その恩返しにスキーの世界大会で優勝したのよ。あんたにできる。」険悪なムードに火を注いだのは酒井だった。「まぁ、そんなに声を荒げなくてもよろしいのでは。お里が知れますわよ。」「お里って何スカ。地域差別でしょ酒井さん。」言ってるまに澄起亜がゴディバのチョコを勝手に開けて食いまくる。「ま、なんて子でしょ、はしたない。まだあげてもいないうちからこんなに汚く食べるなんて。井上さん、あなた子供にどういう教育してるの。」酒井が突っかかると有希が罵詈雑言投げかける。「うっせーババア。引っ込んでろ。」「ま、なんて子なの親も親なら子も子ね。」酒井が憤慨していると、澄起亜と有希の手を取る橋場。「いい加減にしな。オバちゃんがゆるさないよ。」怖い形相に嘘泣きを見せる二人。「なにしてんのあんた。うちの子に。」「まだ泣く気。」嘘泣きが通用しないとわかって驚愕する二人。・・・続く。

Re: ガルちゃん修羅ハウス ( No.18 )
日時: 2020/12/14 16:17
名前: 梶原明生 (ID: PvE9VyUX)

・・・その場は井上が雑言をほざいて部屋に帰ってしまったことから、各部屋にガルちゃん民は帰っていった。そして早速トピが立つ。マイナス覚悟の「子供と妊娠について」のトピ。井上「さすが、子供も作らない臭荘のババアが住み着いてるだけあって醜悪だね。」酒井「ま、何てことを。言っときますが、私は違いますからね。立派に息子がいますから。」井上「あんたに聞いてないよ。とにかくここの連中はダメ。どいつもこいつも。」新山「ああん、それどういうことよ。あんた何しにここへきたのよ。」井上「それは、金になるからでしょ。男がだめだから芸能界に活路を開きたいからきただけ。それだけよ。」遠藤「ハぁーっ、そんなんで来た。思いのほか馬鹿じゃないの。芸能界なめんなよこら。」渡「そうそう、遠藤さんの言う通り。そんなに芸能界は甘くないってば。」井上「馬鹿みたいにマリリンモンローの物まねで一発当てただけの一発屋に言われたくないんだけど。」渡「あのね、不発のあんたが言えた義理か。」井上「ああ、ムカつく。春雄、バーベキュー大会やるよ。」佐士原「ハ~ッもう男連れ込んでるんですか。」井上「何よ、当たり前でしょ旦那なんだから。何か悪い。」そう書き込んでから、ガルちゃんを離れて有希やスターを加えて春雄とバーベキューを始める井上。しかも運悪く上の階は丁度酒井の部屋。「ちょっと何。騒がしいんだけど。」ベランダに出てみると、直下で肉の焼けるにおいに炭火の臭いやタバコの臭いまでお構いなし。「ちょっと、あなたたち、今何時だと思ってるの。」井上はワザと聞こえないふり。・・・続く。

Re: ガルちゃん修羅ハウス ( No.19 )
日時: 2020/12/20 16:40
名前: 梶原明生 (ID: PvE9VyUX)

・・・「カーッ、バーベキューのビールはやっぱ最高。」缶ビール片手に叫ぶ井上。ガル民が一斉にベランダに出てみる。そんなことお構いなしにバーベキューパーティは続いた。翌日仕事に出ようとしたら、張り紙と手紙の嵐。「は~ん、あいつららしいや。しょーもない。」彼女は全部破いてごみ箱に捨てた。昼間のガルちゃん民は流石に半数は仕事に出ている。旦那と別居だが、金は入れてもらえてる者とかなら四六時中時間に融通が利く。しかしそうでない者は仕事に出ている。勿論有希とスターは小学校と幼稚園だ。気怠いジャージ姿で出てきたのは井上だ。ゴミ出しのようだが、運悪く酒井と鉢合わせ。「またあんたか。」「あんたかはないわよ。いい、これ。今日と明日は燃えるゴミなの。燃えないゴミやペットボトルに缶を一緒ごちゃに捨ててどうするの。」「うっせーな。別にいいでしょ。前のマンションじゃそうしてたし。」「そういう問題じゃないわ。業者が持って行かなかったら皆が迷惑するのよ。自覚してちょうだい。」「ああ、なんであんたにそこまで言われなきゃなんないんだよ。」手を上げようとした瞬間、橋場が手首を掴んだ。「あんまりいいことじゃないんじゃないかな井上さん。分別していないことに変わりはないし。」橋場の行動に驚く酒井。「そ、そうよ。それにもし手を挙げてたら警察呼んでるところだったわ。青山さんに言うから。覚えてなさい。」少し怒り気味で去ってく酒井。「余計なことして何なのよあんた。」「「もういいから。それより私、余分にゴミ袋持ってるから、私と一緒に分別しましょ。それならいいんでしょ。」「ま、まあ、そういうことなら。」渋々承諾した井上は橋場先導で分別を始めた。「ね、これなら分別簡単でしょ。」「やる、よく思いつくね橋場さん。・・・いや、別にあんたに感心してるわけじゃないからね。」意地を張ってるのが見え見えな井上を笑う橋場。・・・続く


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