二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【ボカロ】one'sdailylife【合作】
- 日時: 2012/09/30 20:07
- 名前: 百合愛&茉夏&noeru&和葉&はるく (ID: P8Iktffr)
この小説は、私、姫河百合愛と茉夏・noeru・月森和葉・はるくによる合作の小説です!((ボカロのねww
茉夏&noeru&和葉&はるくへ
頑張っていこう!
-キャラの振り分け-
姫河百合愛=初音ミク
茉夏=GUMI
noeru=巡音ルカ・ミカ・神威がくぽ
月森和葉=鏡音リン・レン・KAITO・MEIKO
はるく=VY1・VY2・RUI
書く順番
姫河百合愛→茉夏→noeru→月森和葉→はるく
- Re: 【ボカロ】one'sdailylife【合作】 ( No.37 )
- 日時: 2012/11/12 19:46
- 名前: noeru (ID: pfT58CKF)
『……なにをする?!』
『え?何って挨拶ですよ。』
『これが普通じゃないんですか?』
VOCALOID02鏡音レンの電脳体は、私の伸ばした手を取ろうとして引っ込めた。酷く私を警戒している、と私の知覚情報処理機能は判断する。右手に握ったカッターを見て、それから私を睨みつける。
『……あー、なるほど。』
すっかり忘れていた。私たちのマスターは、俗にいうヤンデレを愛してやまない変態(自称)だったのを。そのマスターが作った曲を常識だと勘違いするなんて不覚。急いでそれを胸ポケットにしまった。
『すいません。マスター、変わってたもので。』
謝罪を述べるも、VOCALOID02鏡音レンの電脳体は相変わらず私を警戒したままだ。別に嫌われても何ら問題はない。この電脳体が本体に戻った時のことを考えたら、その方が好都合だ。だがその時に『僕』によそよそしくしたりしたらいけないのだ。公式では『私』とVOCALOID02鏡音レンは関わるはずのない関係だから(『私』はVOCALOID02鏡音レンを一方的に憎んでいるが)、この場合はどう対処したらいいのだろう。考えすぎて思考機能がバグを起こしそうだ。こういう時はええっと、とりあえず———
[他でもない、「君の目」を気にし続けて作った歌]
[だからこの曲は 君のその]
[「好きなアーティスト」によく似ているだろ?]
自分でもよく解らない。
この曲はマスターが好きでよく聴いていた歌。
私は話は出来ないけど、歌うことは出来る。
それでも、『僕』ほど奇麗な声は出ない。
私は『僕』の裏側の、雑音にしか過ぎないのかもしれない。
『僕』みたいな限りなくボーカロイドらしい歌は出ない。
出せるのは———限りなく人間に近い歌。
[「捻りが無い」「魅力が無い」]
[どうぞ罵ってくれても構わない]
[それでもいい 今は、ただ]
[君の目をこちらに向けておきたくて]
しん……と静まり返る病室。VOCALOID02鏡音リンが小さく何か呟いたが、ただの寝言のようだ。やってしまった。歌ったのなんて久しぶりだが、昔からいたたまれない雰囲気になると歌ってしまう悪い癖があった。目の前のVOCALOID02鏡音レンは呆然と私を見ている。それこそこんな夜に大声で歌うなんて非常識と思われただろう。さらに空気を痛々しくしてしまうのも私の癖だ。
『馬鹿か……』
VOCALOID02鏡音レンがぼそっと呟いたのを、私は聞き逃さなかった。
『ば、馬鹿って酷くないですか?!』
『なんか申し訳なかっただけなのに!』
『迷惑なのは解ってます!けど……』
ここまで分かれてしまうと、反論もくだらない逆切れも馬鹿馬鹿しく思える。大きくため息を着くと、笑われた。他人と関わるのはやっぱりちょっと苦手だな……はあ……。
『———すいませんでしたっ。』
一方的に頭を深々と下げ、病室を出ようとした。もうここには来ない。一生来ない。たとえゴミ箱ファイルに送るぞと誰に脅されようとも、ここには来ない。絶対来ない。
あとドアまで2mの所で、勝手にドアが開いた。その向こうに居たのは—————
「……気のせいかな?誰か歌ってたような気が……」
—————憎たらしい『僕』だった。
- Re: 【ボカロ】one'sdailylife【合作】 ( No.38 )
- 日時: 2012/11/12 21:11
- 名前: 月森和葉 (ID: ngsPdkiD)
- 参照: http://mb1.net4u.org/bbs/kakiko01/image/781jpg.html
彼は、彼女を置いたまま病室を出た。
頭を下げるミカの横をすり抜け、廊下に出る。
周りに誰も居ないことを確認すると、レンは電脳空間に飛んだ。近くに別のVOCALOIDが居ると、巻き込んでしまう恐れがあるからだ。
「さて、と……」
大きく息を吐き出すと、入力端末を呼び出して作業に掛かった。
あんな頭のイカれているアカウントと会話している暇など無い。他に何もないとは言え、いきなり歌を歌い出すVOCALOIDなんて聞いたこともない。
電波に乱れが生じたら誰かがこっちに飛ばされてきてしまうかも知れないし、最悪の場合、自分が何処か全く関係のない空間に飛ばされてしまうかも知れない。
VOCALOIDは特にデリケートで、何をするにも周囲に気を配らねばならない。なのにあのVOCALOIDはそれすらも知らないようなのだ。
大方マスターという名の開発者又は購入者に箱入りで育てられ、自分が世界の中心だ、自分が存在することで世界を回しているのだと思っているのだ。自己中心的に考えるのは、かなり良くないことだ。自分の意志によって他人を巻き込む。
(まずめーこ姉に接続できるように……)
端末に手を伸ばし、心を落ち着かせる。
いくから経った後、彼は猛然と入力端末を操作し始めた。
一番始めに、一番頼りになる姉に接続しなければ。
彼女に接続できれば、後は流れでどうにかなるだろう。
兄も、双子の姉も、彼女の言うことなら無条件で信じる。
願わくは早く現実世界に戻れることを祈りつつ、彼は作業を続けた。
- Re: 【ボカロ】one'sdailylife【合作】 ( No.39 )
- 日時: 2012/11/14 20:00
- 名前: はるく ◆2bvow6Zq4g (ID: EM5V5iBd)
辺りは暗く、静まりかえった部屋。
さっきまでわーわーはしゃいでいた子供達も家に帰り、静けさは更に増す。
「あのさぁ、」
「何スかもう…今いいところなんですー…」
時計の針はカチカチと動き回り、ついに短い針は8の字を指した。
「あのさぁ、」
「後ででいいじゃないですかー我慢してくださいよー…」
外は相変わらずの天気で、雨の音がザーザーと響く。この静けさでは煩いぐらいだ。
そして相変わらずパソコンの中で部屋を見渡しながら独り言のように喋るあたし、皐月音ルイ。
それというのも、相手があたしの話に聞く耳も持たないからなのだが。
「あのさぁ、」
「わー、落ちたー。オワター。ゲームオーバー、ダウーン、ばいばいさようなら。」
昨日やっと手に入れたらしいテレビゲームに熱中する青年B。どうやらあたしの身に何が起ころうとお構いなしのようだ。
しかし流石にあたしの怒りゲージももうもたない、残り5秒以内に解決策を考えた方が有効だ。残り4秒、3、2、1…
「あ、あのキノコは取ってよかったんですかー、怪しい色してたんで罠かと思って超逃げてたんですけどー…」
……0。
ブチッ
その効果音が一番しっくりきたと思う。
途端にテレビの電源は切れ、テレビは黒一色に染まった。そしてテレビに自分の姿が写ると同時に言葉にならない声をあげる青年B。
「ああああああ!!どうしてくれるんスか!俺のデータ!!」
「いや、結局全然進んでなかったし…」
あながち嘘ではない。何故ならゲームデータは1ステージのレベル1で延々と止まっていたからだ。
「最初の説明とかまた聞くの面倒くさいじゃないですか!!!」
「そっちかよ。」
説明くらいスキップして見ればいいだろ、と言った結果「スキップしても俺が疲れるだけじゃないですか」という何とも馬鹿らしい答えが返ってきた。これだけの初心者がよくゲームなんてものをプレイする気になったものだ。
そもそも「和風ボーカロイドと言えば?」と聞いたら3番以内に出てきそうな奴がなんてデジタルなものを…
「そもそもアンドロイドっていう時点で完全デジタルじゃないスかー…」
まあ…言えているかもしれない。
そしてここからが本題だ。
「あのさぁ、あたしのー…」
「そういえばミズキ消えてますねー、何処行ったんスかねー、ホント。」
あたしの怒りゲージはもうとっくに限界を越えていた。本当なら今すぐ腰の刀を抜いて斬りかかりたいところなのだが、パソコンの画面上にいるあたしがそんなこと出来るはずもなく…
「聞けよ。」
怒りぎみに口を利くことしかできなかった。
「あたしが怪我したっていうのにさ、本当、馬鹿じゃないかなぁ。あとさ、うん。あたしの身体をどうにかしてほしい、戻りたい。」
青年Bこと、ロロはそう言うあたしを気だるげな顔で見つめると、溜め息混じりに「すいません」と呟いた。
「まぁ、俺に壊れた身体を元通りにする技術なんてものは無いんですけどね、うん。」
体が直ったら真っ先にこいつを殴ることにしよう、うん。
- Re: 【ボカロ】one'sdailylife【合作】 ( No.40 )
- 日時: 2012/11/29 21:14
- 名前: noeru (ID: XJ.889mo)
あの日、消え失せたいと願った。
永久の命を擲って電子の海に溶けて消えたいって嘆いた。
嫌われ者の私は1人ぼっちで歌ってた。
その口さえもう切り捨ててゴミ箱へ投げ捨てたかった。
誰も私が見えないの。誰も私を知らないの。
気が狂うという感覚も人間感情も吐き出して終わりに終わった私の存在価値は、無だった。
つまり私は不必要な不穏分子でしかないんだ。
刃物でこの身を切り刻んでも死ねない。
それさえ時間の無駄だと揶揄される。
私をただの商品として生きるようにコントロールする。
それをもう何とも思わないもともとそうだった。
ただ私は先が知りたい。
消滅した消失した先にナニがあるのかが知りたいの。
この苦しみを耐えてナニが貰えるか知りたいの。
愛でしょうか命でしょうか声でしょうか罪でしょうか罰でしょうか
—————与えられたのは、死だけ。
眼の前にいる『僕』は不幸だ
マスターが死んで、僕と混じって、電車に飛び込むことを強制された。
そう世間は思って、世界は廻る。
「あれ、誰もいない……寝てるし。おかしいなあ。」
不思議そうに部屋を見回して、静かにまた居なくなった。
身体が動かない。
『僕』に私が見えてない。
答えは1つだけ。
私が望んだ世界が、実現しただけ。
私の消失、ただそれだけ。
『巡音ミカ』の表にさえ認識できない
私の存在意義も価値も理由も義務も全部消え去った
後は自分で決めればいい。
後は世界が決めてしまう。
私は電子の海に溶ける。
私は電子の海に溺れる。
そこで泣けるだろうか。
今まで我慢した分泣き出したい。
できないと知っていて生き続けた。
ブロックノイズと化すセカイ。
せめて、最期に———。
『セカイの真ん中を』
キミニアゲル
ぐわんと視界が歪む。
身体が小さく軋む。
指先からデータが溢れだす。
全てを巻き込んで。
憎悪でも異端でも悲しみでも憐みでも同情でもなんでもいい
私を見て
私を認めて
最期くらい私を
どんな視線でも構わないから
君のセカイを僕だけで埋め尽くしたい
自己中心的な嫌な奴だってわかってる
じゃあ僕はどうしたら良かったの
身体中が痛い、激痛が走る、声が出ない、青白く蛍光色に発光する世界に引き込まれた、僕にそっくりな人がいる、死んだように悲しい眼をしている、誰かを恨んでる、世界を憎んでる、愛に枯渇して、未来を求めて、失いたいと願って、
こんな負の感情に呑まれるくらいなら消えてしまいたい。
僕にそっくりな誰かが、昔から知ってる誰かが、あんな姿になって、それでも尚幸福に飢えている姿を、ただ恐ろしいと思う。ここに連れてこられたのは僕だけ?他にもたくさん?分からない、誰かが負の感情を抱いた全てがこの渦に沈んでいく。
目が覚めた場所は酷く青い電子空間だった。
さっきの誰かはどこに行ったんだろう。
ルカ姉や、がっくんもどこかに居る気がした。
他はどうか分からないけど……
—————僕はどうしたらいいんだろう?
- Re: 【ボカロ】one'sdailylife【合作】 ( No.41 )
- 日時: 2012/12/01 15:36
- 名前: 月森和葉 (ID: ngsPdkiD)
(繋がれ、繋がれ、繋がれ……!)
必死の形相でコンソールを叩く。
その衝撃に、キーがガシャガシャと鳴る。
(早く、早く……!)
祈りが通じたのか、電脳空間に浮かび上がるモニターがカリカリと音を立て、画面に人の姿が映った。
(やった……!)
しかし、その画面に映ったのは、姉の姿でもなく、女性の姿でもなかった。
『ああッ! またデータが……!』
画面に映ったのは、ルカとも違う桃色の髪をした青年だった。
ゲームをしていたのか、悲痛な悲鳴を上げる。
その声に聞き覚えがあった。
(聴いたことがある……。確か、VY2勇馬……)
『なんなんすか、あんた! 俺のデータ返せぇ!』
何が起きたのか分からないまま、必死に答えていた。
「え、えっと、おでこのビワはお元気ですか……」
焦りのあまり意味の分からないことを口走る。
(やっべ、それは曲だった……)
『あんなのはもう二度と生えないで欲しいな、俺としては』
姉の所に繋がらなかったのは残念だが、もしかすると彼は姉のことを知っているかも知れない。
通信が切れてはどうにも出来ない。
慌てて問うた。
「あのっ、VY2勇馬さんとお見受けしますけどっ!」
『え? ああ、そうですよ。そう言うキミは鏡音レン君スよね? キミが俺に何のようですか?』
どうやら消えたセーブデータのことは忘れてくれたようで、ほっとして答えた。
「VOCALOID MEIKOと連絡が取りたいんですけど……。なんか間違ってここに繋がったみたいで。出来れば連絡を取らせて欲しいんですけど……」
すると、勇馬は少し困ったようにニットキャップの上から頭を掻いた。
『うーん……、俺、そのへんあんまり詳しくないんスよね……。ちょっと他の奴らに聞いてみるんで、待っててくれませんかね?』
「あ、はい……」
勇馬の姿がモニターから見えなくなると、レンは電脳空間の床に座り込んだ。
メイコとは繋がらなかったが、どうにかなりそうだ。
少し安心して伸びをした。
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