二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- プリキュアラブ
- 日時: 2016/07/13 19:09
- 名前: モンブラン博士 (ID: EBP//tx7)
プリキュアが大好きな3人が恋愛&バトルの作品を合作します!
キャラ紹介
>>4>>5>>6
本編
>>7>>8>>9>>10>>11>>12>>13
>>14>>15>>16>>17>>18>>19>>20
>>21>>22>>23>>24>>25>>26>>27
- Re: プリキュアラブ ( No.20 )
- 日時: 2016/07/09 16:24
- 名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)
「はぁ?プリキュアが来た?」
昨日ウェスターから奪ったカオルちゃんのドーナツを齧っていた僕は、その報告に素っ頓狂な声をあげてしまった。
モランが粛清という名の殺戮により、今まで執事的なことをしていた中年兵士は死亡し、代わりに若い兵士が僕の元に来ていた。
「はいッ」
「それは何プリキュアだ?」
「ハピネスチャージプリキュアです」
フレッシュプリキュアだったら、僕が直々に相手をして、祈里との距離をもっと詰めるのだが、ハピネスチャージプリキュアは生憎興味すらない。
そういえば、と僕は先日のモランを思い出していた。
−−−
「やぁハル!君はハピネスチャージプリキュアというものを知っているかい?」
「いや、知らないけど・・・・・・どうしたの?そんなに興奮して」
「これを見てくれ!」
年甲斐もなく興奮した様子でモランが見せてきた写真は、黄色の髪の女が写っていた。
「それは?」
「キュアハニーと言って、ハピネスチャージプリキュアの一人で、とにかく可愛いんだよ!君にもその可愛さを分かって欲しくてね!」
「あぁ・・・・・・ごめん。僕そういうの興味ないから」
突然、モランが右手を僕の顔に向けて突き出してきたので、咄嗟に首を左に傾げる形でそれをかわす。
数瞬後、僕の背後で壁の一部が粉砕する音が聴こえた。・・・・・・衝撃波か。
「ハル・・・・・・たとえ同じ幹部の君でも、キュアハニーを馬鹿にするのは許さないよ?」
「いやいや、違うって。僕はそもそもプリキュア?とやらにはそこまで興味ないってだけ。別に、そのキュアハニーだって、そもそもよく知らないってだけで馬鹿にはしてないから」
「・・・・・・そうかっ!それならいいんだっ」
−−−
「あー・・・・・・もしかしてモランの仕業?」
「多分そうだと、思いますが・・・・・・」
モランはよく、自分の気に食わないことがあると癇癪を起こす癖があるのだ。
恐らく、前まで僕たちの周りのことをしていた中年兵士も、きっとモランにやられたのだろう。
とはいえ、僕としてはハピネスチャージプリキュアとの戦いであまり体力を使いたくないのだ。
「あの、ハル様?行かないの、ですか?」
「うーん・・・・・・ホラ、僕ってさぁ。まだちょっと旅の疲れが抜けてないというか、体力面がまだちょっと不安定なんだよね。昨日はフレッシュプリキュアのメンバーとちょっと戦ったし。だから、今日はちょっと休ませてもらうよ」
「え!?ちょっ・・・・・・」
「モランとミストがいればプリキュアの四人くらいは余裕だって。僕は幹部の中じゃ最年少だしさ〜」
僕がヒラヒラと手を振って部屋を出ると、背後から若い兵士の声がした。
うるさいなぁ、もう。そう思って廊下を歩いていた時だった。
「あぁ、ハル」
前から声がした。見ると、モランがいつになく上機嫌な様子で、僕の元まで来る。
大柄な彼が僕の目の前まで来ると、身長差のせいで結構見上げる形になる。
「やぁ、モラン。今日のプリキュアの襲撃の原因は、君だと考えて・・・・・・良いんだよね?」
「あぁ。もうすぐ私の愛しのキュアハニーが来てくれるんだっ」
「ふーん・・・・・・まぁ、せいぜい頑張ってね」
彼の横を通り過ぎて行こうとした時、肩をガッと掴まれた。
「おいおい・・・・・・どこに行くつもりだい?」
「別に、どこだって良いじゃない。まぁ、強いて言うなら、ちょっと愛しの女性の元にね」
「今はプリキュアが来ているんだよ?」
「僕がいなくても、君たちなら勝てるでしょ?」
僕は自分の肩を掴むモランの手を離させ、廊下を歩いていく。
もしもここも壊滅したら、その程度の力だったということ。
「もしそうなったら・・・・・・また何も守れずに終わるのか、か・・・・・・」
僕は誰にも聞こえない小さな声で、呟いた。
- Re: プリキュアラブ ( No.21 )
- 日時: 2016/07/09 18:40
- 名前: モンブラン博士 (ID: EBP//tx7)
「世界に広がるビックな愛!キュアラブリー!」
「天空に舞う青き風!キュアプリンセス!」
「大地に実る命の光!キュアハニー!」
「夜空にきらめく希望の星!キュアフォーチュン!」
「ハピネス注入!」
「幸せチャージ!」
「ハピネスチャージプリキュア!」
翌日の午前十時。
ハピネスの四人はそれぞれ名乗りを上げ、チームの決め台詞を口にして私の目の前に立ちはだかる。
「よく来たね、ハピネスチャージプリキュアの諸君。ついでに魔法つかいプリキュアの三人も呼んで来ればよかったのに」
私がとある宇宙人を真似たジョークを口にするとキュアラブリーはキッと鋭く睨んだ。
「ふざけないで!みんな、行くよ!」
四人ともやる気満々で向かってくる。ちなみに私は本拠地の前に大半の戦闘員(兵士)たちを配置していたのだがいとも簡単に浄化されて突破されてしまった。大きく戦力と雑用を失ったのだから、ハルが帰ってきたら何か文句を言われるかもしれんな。
ミストは自室で寝ているので実質ひとりで彼女らを相手にすることになるが……
「ラブリーパンチングパンチ!」
キュアラブリーはピンク色の巨大な光の拳を飛ばし、
「プリンセス弾丸マシンガン!」
プリンセスは得意技である拳から無数のエネルギー弾を発射。
そして気になるハニーは専用武器であるハニーバトンをリボンモードに変化させて、
「ハニーリボンスパイラル!」
リボンで私を拘束して動きを封じようと試みる。
そして最後のフォーチュンは、
「フォーチュンスターバースト!」
星型の光線を掌から炸裂させる。通常の戦闘員チョイアークなら一発で浄化されているし、サイアークでも直撃すればかなりのダメージを受けるであろう攻撃ではあるが避ける気はない。ならば受ける気はあるかというとそうでもない。
ではなぜ動かないのか、答えは簡単。部下が守ってくれるから。
一斉攻撃が命中する直前に彼は私とプリキュアの間に割って入ると光線技を無傷で耐え、ハニーのリボンの拘束を簡単に解除してしまった。
腰までかかる茶色い髪に猛禽類の如く殺気立った瞳に般若のような凶悪顔、そして一九八センチの長身に極限まで鍛え上げられた無駄のない筋肉質の半裸を晒し、明細色のズボンを着た青年こそ私が最も信頼している部下のひとり、不動仁王(ふどうにおう)だ。
彼はその上司である私でさえも恐ろしいほどの眼力でプリキュアたちを睨みつける。
当然ながらラブリーのそれとは比較にならない眼力故にプリンセスは恐怖のあまり身震いし涙を浮かべ、他の三人は警戒し間合いをとる。
何より恐ろしいのはただの威圧だけで彼女らの背後の扉を含めた入り口と、更に奥の部屋を完全に破壊し、外から中の光景が丸見えの状態にしてしまったことだろう。
いちおう彼は私の前に立って本来ならば表情は見えないのだが、そこは予め用意しておいたパノラマテレビの映像でカバーできる。
「よく聞くがいい、プリキュアのガキ共」
彼は獅子の雄叫びのような大音量の声で相対する四人の少女に言う。
「ハニー以外のプリキュアは俺が今すぐ殺(や)ってやる!」
そして彼が少し気合を入れてエネルギーを凝縮させた巨大な拳を見舞うと、その勢いでハニー以外の三人は吹き飛ばされ、ついでにアジトは半壊してしまった。かなり強固な素材で作られた建物であるはずなのに、それを破壊するとは信じられん。
よく見ると本拠地を取り囲んでいた森の木々がその衝撃波で次々に倒れていっている。
「……不動くん、念のために言っておくけれど……」
「俺が暴れると地球に莫大な被害が及ぶからな、場所を変えて闘って殺(や)る」
「そうしてくれるとありがたい」
正直、上司である私より明らかに素の戦闘力で勝ると感じるのは気のせいではないはずだ。
- Re: プリキュアラブ ( No.22 )
- 日時: 2016/07/09 19:07
- 名前: 霧風赤司 ◆5RRtZawAKg (ID: zGyV0OIp)
耳が痛くなるほどの爆発音で目が覚める。
ミストは昼寝をしていた・・・のだが、自室の3分の1が崩壊してしまったのだ。
怒りの矛先は、不動に向かなければならないのだが・・・・・・
「小娘風情がァ・・・・・!覚悟しろッ・・!」
と、剣を構えプリキュアに向けて飛び上がる。
ミストの持つ双剣「霧斬千万」は、様々な仕込みが施された剣。
その一つ、剣の持ち手後部から噴射されるジェット噴射で飛行を安定させ、空中で片方の剣を持ちかえる。
「失せろ。」
ラブリーを右手の剣で切り飛ばし、回った反動を利用し、左手の剣でプリンセスを切りつける。
そして、フォーチュンの顎を蹴りあげる。
「モラン。お前の愛すハニーにはあえて何もせん。そんな小娘、お前なら容易いだろう。」
と、また飛び上がり自室に戻る。
続
- Re: プリキュアラブ ( No.23 )
- 日時: 2016/07/09 20:23
- 名前: 春太郎 (ID: LN5K1jog)
僕は重大なミスを犯していた。
そう、部屋にドーナツを忘れていたのだ。
あれは中々美味しかったので、外で食べようと思っていたのだが、自室に忘れてしまっていたのだ。
しかし、さっきから爆発音がすごいな。全く。モランは一体どんな戦い方をしているんだ?
場合によっては後で文句を言わないとな・・・・・・。
「うわぁ・・・・・・派手にやられちゃってまぁ・・・・・・」
案の定と言うべきか、僕の部屋の壁は大破し、瓦礫が崩れている。
しかし、不幸中の幸い、被害はそれだけで、ドーナツはテーブルの上に置いてあったおかげで無事だった。
「はぁ・・・・・・良かった良かった」
僕はホッと一息つき、テーブルのところまで駆ける。
その時だった。
「きゃぁッ!」
どこからか飛んできたピンク色の塊がテーブルにぶち当たる。
それは、ハピネスチャージプリキュアのキュアラブリーだった。
「お・・・・・・お前ッ!」
僕は慌ててそのピンク少女をどかし、ドーナツの袋の中を確認する。
中に入っていたドーナツはバラバラで粉々になっていた。
「お・・・・・・ま・・・・・・」
僕のこめかみの辺りから、ブチッと派手な音がした。
「いったたた・・・・・・ハッ!早くいかないと、みんなが!」
「まぁ、待てよ」
僕はキュアラブリーの髪を掴んで立ち上がらせ、思い切り腹を蹴った。
「ガハッ」と息を吐き蹲りそうになるキュアラブリーをリングの力、サイコキネシスで浮かせ、地面に叩き付ける。
さらに、その上に壁の瓦礫の大きなものを浮かせ、奴の体を押しつぶすように落とした。
「グハッ・・・・・・ゲホッ・・・・・・まだ、仲間がいたなんて・・・・・・」
「お前には興味もないし、ここらへんにしといてやるよ。でもな?もしお前がまた僕の邪魔をするようなら・・・・・・ぶち殺す」
僕はそう言いつつ、ドーナツの袋を手に取り、キュアラブリーの頭にかけておく。
砂糖や、パン屑や、チョコの破片が髪に絡まり、嫌そうな顔をする。
そのまま袋もその辺りに捨て、僕は部屋を出た。
怒りが、溢れてくる。少しでも早く、祈里に会いたい。
そんな思いが、僕の歩をさらに早く進めた。
- Re: プリキュアラブ ( No.24 )
- 日時: 2016/07/10 09:39
- 名前: モンブラン博士 (ID: EBP//tx7)
「ハニーリボンスパイラル!」
「ハニースロー!」
「ハニースーパーソニックスパーク!」
私はキュアハニーの連続攻撃を食らってしまい、地面に倒れ伏す。
パンチを見舞おうにも瞬間移動で回避されてしまうし、衝撃波を放ってもバリアでガードされるし、サンバを踊らされて汗はかくしで散々だ。
やはり彼女は強い。正直言ってハピネスチャージプリキュアはハニーひとりでもいいと思えるぐらいに。
「ハニーテレポート!」
不動が闘っている異空間にワープすると、
「ハニーヒーリングリズム!」
ハニーバトンマラカスモードから発せられる音波で味方のダメージを全回復させる。
キュアラブリーは画面で確認できないため、まだハルの瓦礫から回復できないのであるが彼女が加わった三対一はさすがの不動でも分が悪い。
「……お前がモランが推すキュアハニーか、その実力拝見させてもらおうッ」
容赦なく彼女にパンチのラッシュを炸裂させるものの、それらを全て受け止められたかと思ったら、ついにあの技が発動した。
「命の光よ聖なる力へ!」
バトンをクルクルと回して「イェーイ!」とノリノリのハニー。
彼女たちが闘っているのは空中。街中に迷惑をかけてはならぬという不動なりの配慮だったのかもしれないが、それが裏目に出た。
案の定、成層圏から超巨大なクローバー型の隕石が真っ直ぐ彼を目がけて落下してくる。
「隕石など、俺の拳の前では無意味!」
自信満々で正拳を炸裂させるも、結局押し切られてしまう。
「命よ、天に還れ!」
可愛らしい声ながらも遠まわしに末恐ろしいことを言っているのではないかと疑いたくなる決め台詞と共に不動はあっさりと浄化されて消滅してしまった。
更に彼女は瓦礫に埋まったラブリーを救出して体力を回復させた上でこちらに戻ってきたのだからたまらない。
「まだ闘いたい? それとも降参?」
「……降参。私の負けだよ、今回もね」
こうしてハピネスチャージプリキュアは帰っていったが、敵である我々の本拠地を修復して(しかもラブリーが台無しにしたドーナツまでも元通りにする徹底ぶり)あげるあたりがなんとも彼女らしい。