二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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【完結】スマイルプリキュア〜この足で、未来まで〜
日時: 2016/12/31 23:26
名前: ひのり (ID: uLF5snsy)

さぁさぁ懲りないひのりんは今日もプリキュアのスレ建てちゃったよ!
はじめましてか何度目まして!
ホントに……何度目だ?w
プリキュアの二次創作上げるの何度目だよw
今回はスマイルプリキュアですね。フレッシュも完結してないのにね!
まぁ完結せずに放置した作品は数多くありますけどwww
これはそうならないと良いなぁ……(遠い目)
まぁ、楽しんで読んでもらえるように頑張ります。
それではよろしくお願いします。

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Re: スマイルプリキュア〜この足で、未来まで〜 ( No.24 )
日時: 2016/12/31 20:30
名前: ひのり (ID: uLF5snsy)

「修斗ッ!」

 あたしは駆けだした。
 スローモーションのように、倒れていく修斗。
 あたしは彼の体を抱き止め、その場に座り込む。

「修斗!しっかりして!修斗!」

 声を掛けるが、彼は苦しそうに呻くだけで、反応がない。
 体中をバッドエナジーの黒い靄が覆い、それは徐々に広がっているように感じる。

「修斗……ッ!」

 今、あたしが彼に出来ることはない。
 ひとまず、彼を優しくその場に横たえると、あたしは、一気にジョーカー達の元まで駆けた。

「ほう?無事でしたかぁ。バッドエナジーで貴方の動きを止めてしまえば、簡単に倒せると思ったのですが」

 巨大な化け物の姿をしたジョーカーは、そう言うと陰鬱な笑い声をあげた。
 あたしはそれに拳を握り締め、皆に目を向けた。

「皆……やろう!」

 あたしの言葉に、皆が頷いてくれた。
 そして、ロイヤルクロックを使い、ウルトラプリキュアへと変身する。
 プリンセスキャンドルを使い、一気にジョーカーに向かって突っ込む。
 ピエーロに通じた技だから、すぐに消せるハズ。
 そう思っていたが、あたしの想いに反し、バッドエナジーによってかき消されそうになる。

「なんて強さ……ッ!」
「で、も……まだ、まだやぁ!」

 サニーの言葉に、あたしたちはさらに力を込める。
 ここで諦めたら、修斗が助けられない。修斗に酷いことをしたこの男を倒すために、あたしは……———ッ!

「直球……勝負、だぁあッ!」

 数瞬後、目の前にあったバッドエナジーは消え、ジョーカーの体は消滅した。
 視界が晴れ、やけに清々しい気持ちになる。
 そこで、修斗のことが心配になった。

「修斗ッ!」

 変身を解くと、あたしはすぐに修斗の元に駆け寄った。
 彼は、病院服でその場に倒れていて、軽く調べてみても、特に外傷はなさそうだ。
 安らかな顔で眠っており、あたしは、ひとまずホッとした。

「良かったね。大丈夫そうで」

 その時、背後から声がしたので振り返ると、みゆきちゃん達が立っていた。

「皆……ッ!」
「しかし、ウチらの前でああやって堂々と告白できるとはなぁ。驚いてしもうたわ」

 あかねの言葉に、あたしは固まった。

「うんうん。大好き、だって〜!」
「なおは昔から、たまにすごく大胆になる時があるものね」

 赤面して興奮するやよいちゃんに、あくまでお淑やかに笑うれいか。
 ていうかれいか!そんな場面今まで無かったでしょ!多分!
 それに恥ずかしくなって、あたしは黙ってしまった。それに、皆が笑ったのが分かった。

Re: スマイルプリキュア〜この足で、未来まで〜 ( No.25 )
日時: 2016/12/31 21:43
名前: ひのり (ID: uLF5snsy)

「よいしょっと」

 背中に修斗を背負い、あたしはゆっくりと立ち上がった。
 同い年の男子ともなれば、やはり、それ相応の重さがあるのは当たり前。
 あたしは、足をしっかりと掴み、四人に体を向けた。

「今日は、本当にありがとう。皆がいなかったら、きっと、勝てなかった」
「そんなぁ。仲間なんだから当然だよ!」

 みゆきちゃんの言葉に、三人も頷いた。
 あたしはそれにもう一度頭を下げると、ゆっくりと病院に向かって歩きだした。
 救急車を呼べばいいのかもしれない。でも、なんとなく、背負っていきたい気分だった。

「……あれ、俺……」

 その時、耳元で声がした。どうやら、目を覚ましたらしい。
 彼は、自分の状況を確認すると、「うわっ」と声を出した。

「え、なお!?なんで、こんな……えぇ!?」
「ちょ、ちょっと暴れないでよ!落としちゃうでしょ!?アンタ背負うの、かなり大変だったんだからね!」

 上半身だけで暴れ始めた彼を大声で咎めると、彼は「……そうか」と言って、すぐに動きを止めた。
 話す度に、耳に息が吹きかかるので、少しくすぐったい。

「……ホント、情けねぇよ……女にこうやって、背負われるなんて」
「初対面の時は男呼ばわりだったのにねぇ」
「なっ!あれはしょうがないだろ!お前女らしくねぇしよぉ!」
「うるっさいなぁ!修斗こそ、こうやって女に背負われて、男らしくないし!」
「ぐぅッ……」

 数年間離れていたとは思えないくらいに、あたしたちは、気軽に言い合えた。
 彼は、少し間を置いたあとで、「……にしても」と続けた。

「お前、俺と離れている間に、ぷりきゅあとかやってたんだな」
「えーっと……まぁ、ね」
「ていうか、俺もかなりうろ覚えだけど、なんか名乗りやってたよな。勇気凛々、直球勝負、キュアマーチ……だっけ?」
「うん。カッコイイでしょ?」
「直球勝負って、昔の俺の口癖じゃないっけ」
「えっとぉ……」

 修斗の言葉に、あたしは、何と言えば良いのか分からなくなって、結局笑ってごまかした。
 それに彼は苦笑いし、「にしても」と続ける。

「お前って、かなり大胆だなぁ。周りに見ている人いるのに、堂々と大好きって」

 その言葉に、あたしは足を止めそうになった。
 それより先に、「今までここまで堂々とした告白初めてだよ」と、呆れた声が聴こえた。

「……ていうか、あたしがアンタを好きなの、知ってたの?」
「いや?あの時まで知らなかった」
「……そっか」

 どうしよう……。修斗には、他に好きな人がいるのに。
 あの時は勢いで告白しちゃったけど、今になると、撤回したくなる。
 それに、彼は「あぁ〜」と声を漏らした。


「それなら、さっさと告白してりゃ良かった」

 ……。
 ……。
 ……?

「あー、えっと、な……?

 俺も、お前のこと好きだ」

「……は?」

 間抜けな声が出た。
 いや、まって、ごめん。よく分からない。
 だって、修斗には、好きな人がいて……でも、あたしと修斗はライバルで、友達で、えっと……え?

「だぁから!俺が好きなのはお前!分かったか!?」
「……ええええええええええええッ!?」
「馬鹿ッ!」

 修斗の言葉に、あたしは口を開けて固まった。
 いやいや、なんっ……えぇ!?

「ハァ……お前、ホント馬鹿」
「だって、そんなこと気付けるわけないじゃん……。えぇぇ……」

 あたしがしばらく呆然としていると、彼はもう一度ため息をつき、あたしの後頭部に額を当てた。

「……だから、本当は俺が、お前を守りたい。お前を、背負って、歩きたい」

 その言葉に、あたしは一瞬、息が止まった。
 確かに、ジョーカーは倒したし、これがフィクションの世界なら、これでめでたしめでたしだ。
 でも、物語が、たとえここで終わりでも、彼は歩けないまま。
 ……そこまで考えて、あたしは、昼間の、とある会話を思い出した。

「待って!もしかしたら、修斗!歩けるかも!」
「……え?」
「実は、修斗のお母さんに今日会って、外国での手術が受けられるって!」
「マジかよ!?」

 修斗は、心から嬉しそうな声を出して、少し身を乗り出した。
 肩を掴むな馬鹿力!痛い!

「ホントホント!」
「うわぁ、本当かよ……やべぇ、すげぇ嬉しい。……でも、外国か」

 最後の小さな声に、あたしは「どうしたの?」と聞いてみる。

「また歩けるんだよ?走れるんだよ?外国くらい、大したことないでしょ」
「そりゃそうかもしれないけどさぁ……その……折角なおと再会できたのに、また離れ離れになるって考えると、切ないなぁって」

 修斗の言葉に、あたしは、つい吹き出してしまった。
 それに、修斗は「おい!?」と不満げな声を出した。

「俺は真面目に……」
「あははっ!ごめんごめん。ただ、アンタでも、切ないとかそういう感情あるんだなぁって……」

 そう言いつつ、あたしは修斗を背負い直し、「でもさ」と続ける。

「あたしだって、修斗とは離れたくないよ?でも、修斗がそれで歩けるようになるなら、嬉しい」
「……手術が終わってからもリハビリとかあるし、移動とかのことも考えると、もしかしたら永住する可能性だってあるかもしれないぞ?」
「だったら、あたしがそこに行くよ。いずれは、海外に家族旅行とか行きたかったしね」
「……会えるかも分からねぇだろ?音信不通になったりしたら」
「頑張って探すよ。それに、絶対あたし達は会えるよ。だって、こうしてまた、出会えたんだもん」

 あたしの言葉を受けた修斗は、「……そうだな」と小さく呟くように言った。

「よっしゃ!行ってやるよ海外に!そして、絶対にまた、歩けるようになって!お前に会う!」
「うん!あたしも待ってる!来なかったら、こっちから行ってやる!」

 そう言い合ってから、二人で笑い合った。
 病院は、もう、すぐそこに見えていた。

Re: スマイルプリキュア〜この足で、未来まで〜 ( No.26 )
日時: 2016/12/31 22:28
名前: ひのり (ID: uLF5snsy)

−−−10年後

「———……まっ、あれから会ってないんだけどねぇ」

 あたしの言葉に、泣き上戸に入った同僚は、泣きながら「切ないねぇ」と声を漏らしていた。
 ここは、居酒屋のとある一席。
 あれからあたしは、サッカーの推薦で入りたかった高校に入り、そのまま大学も入学。
 ギリギリの成績ではあったが、無事に卒業し、今では、大手企業で働いている。
 制服がスカートなので、それに合わせて髪も下ろしてみた。
 中学時代よりは、かなり女性らしくなった。まぁ、今のところ、女性らしくなったところで、見せたい相手がいるわけでもないけれど。

 そして、今は同僚の山口美穂と、一緒に酒を飲んでいるところだった。
 初恋の話になったので、あたしは、修斗との話を、流石にプリキュアのことは隠して、話した。

「にしても、その修斗とかいう男、かなり勿体ないことしたよねぇ。今のなおちゃん、超可愛いのに」

 居酒屋からの帰り道。
 フラフラした足取りで歩く、同僚は、赤い顔でそう言った。
 その言葉に、あたしは「あはは……」と苦笑いした。

「しょうがないよ。彼も今じゃ有名人。もう雲の向こうの人だからね」

 あたしはそう言いつつ、今日昼ご飯と一緒に買ったスポーツ雑誌を出した。
 その表紙には、サッカーユニフォームを身に纏った修斗が写っていた。

 修斗は、手術の後、一応日本には帰って来た。
 しかし、手術などでかなりの出費をしたのと、元々父親の仕事が、手術を受けている間に転勤になっていたことも相まって、親戚の家に一緒に暮らすことになったらしい。
 らしい、というのも、あたしは、雑誌の情報でしか知らない。

 それから、彼は入学した高校でサッカーを始めて、今ではワールドカップでも活躍するほどの、有名な選手になっていた。
 今では、日本で一之瀬修斗という名前を知らない人間はいないくらいに。

「まぁ、両想いになれたってだけでも十分じゃない?初恋なんて実らない方が普通だし。それに、なおちゃん綺麗だから、また新しい出会いくらいあるでしょう?」
「うーん……どうだろう」

 あたしはあれから、まともな恋愛はしていない。
 高校と大学はサッカー一筋って感じで過ごしてきたし、仕事も、馬鹿だから色々大変で、恋とか考える暇なかったもん。

「噂では、同じ部署の坂田君、なおちゃんのこと好きらしいよ〜?」
「えぇ〜……嘘だぁ」
「ホントホント!よくなおちゃんのことチラチラ見てるし、絶対好きだって」
「そうかなぁ……」
「うんうんっ!あっ、それじゃああたしこっちだから、また明日会社で!」

 そう言うと、美穂はフラフラと歩いて交差点の右側に曲がった。
 あんなフラフラで大丈夫かなぁ?まぁ、家もここから近いらしいし、多分大丈夫でしょう。
 それにしても、同部署の坂田君かぁ……。顔は可愛い系の童顔で、背も小柄な方だから、割と子リスみたいで可愛いよね。
 でも、あたしとしては、ああいうのよりも、修斗みたいな爽やか系の方が……。

「えぇっと……確かこの辺りだった気が……街すっかり変わってるから、分からないなぁ」

 前から歩いてきた青年に、あたしの足は止まる。
 見覚えのある顔に、つい、鞄からスポーツ雑誌を取り出した。

「……ん?あれ、君は……」

 彼もあたしに気付いたようで、足を止め、しばらくあたしの顔を見つめていた。
 あたしはその視線を受けつつも、スポーツ雑誌と彼の顔を見比べる。
 ……やっぱり、似てる。
 もしかして……。

「……あ、あの……」
「一之瀬修斗」

 彼は、そう言うと、あたしの手を取り、微笑んだ。

「それが、俺の名前。……緑川なお、だろ?」

 その言葉に、彼の顔がぼやけた。違う、あたしの目に、涙が潤んだんだ。

「……修斗!」

 あたしは、彼の体を抱きしめた。
 引き締まった体。身長は高くなって、声も、前会った時より低くなっている。
 あたしは、その体を強く抱きしめて、「会いたかった……」と、もう一度言った。

Re: スマイルプリキュア〜この足で、未来まで〜 ( No.27 )
日時: 2016/12/31 22:31
名前: ひのり (ID: uLF5snsy)

あとがき
かなり駆け足でしたが、なんとか年内に完結することができました!
読んでくれてありがとうございました!
すでに次回作のアイデアはあるので、是非、そちらもよろしくお願いします。
また別の作品で会いましょう!さようなら!

Re: 【完結】スマイルプリキュア〜この足で、未来まで〜 ( No.28 )
日時: 2017/04/11 18:03
名前: 広村伊智子 (ID: OGCNIThW)

良いですね!!
素敵です!!

やっぱ、ずっと書いてる人は、すごいです!!

ウチの作品
プリキュアオールスターズ!if物
も、よかったら、見てください!!


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