二次創作小説(新・総合)

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ダンガンロンパ〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜
日時: 2024/02/13 00:57
名前: 紅茶 (ID: 3OoKbooX)

はじめまして紅茶です

本作品はゲームダンガンロンパのオリジナル小説です。

この小説の舞台は希望ヶ峰学園ならぬ勝ち組ヶ丘学園です。
本作に原作のキャラクターを登場させるつもりはありませんが、紅茶の都合の勝手で出てくる可能性がありますがお許しください。

ストーリーに関してはまだまだわかりにくり部分があります(特に学級裁判です)。修正したら良い場所などコメントしてくださると嬉しいです。

ストーリー中に登場する落ち武者というキャラクターは原作で言うモノクマです。本作にモノクマが出てくることはありません。

小説は不定期更新です、遅くなったりすることはあると思います。どうかご理解ください。


episode1 士導瑠香編

登場人物紹介 >>2
prologue 〜旅立ち〜 >>1 >>7
chapter1 アンラッキーリフレイン >>8-17
chapter2 超高校級のドM伝説に栄光あれ! >>18-30
chapter3 精神暗転 >>31-41
chapter4 落ち武者式ソナタ第36楽章〜敗北 >>42-50 >>53-56
chapter5 負け組に咲く悲しみの花 >>57-68
chapter6 絆の旋律と負の不協和音の調べ >>69-78

番外編
一話>>80 二話>>81 三話>>82 四話 >>83


episode0 士導静流編

prologue 「ようこそ勝ち組ヶ丘学園」>>85-87 >>91-92
登場人物紹介 >>88-90
chapter1 ほうき星のように闇に消えて >>93-96 >>98-105 >>107-108
chapter2 負け組より生まれた漆黒の怨念 >>109-116 >>117-125
chapter3 人類史上最もロマンなのは絶対的絶望ではなく絶対的爆発 >>126-134 >>135-139
chapter4 絶望の深淵 >>140-154
chapter5 死と恋のバラード >>155-172
chapter6 「アダムが耕しイヴが紡いだ時誰が負け組だったか」 >>173-185

Re: ダンガンロンパ〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.166 )
日時: 2020/05/08 00:20
名前: 紅茶 ◆VvOwwpM9GA (ID: 6Q1uGoC5)

司翼
「ずっと黙ってると思ったらいきなりなんだ。現場に落ち武者に落ちてたんだぞ。関係ないわけがない!」

士導
「きっと落ち武者も事件に関係しているんだろうな。だけど、落ち武者を天井に固定するなんてできなかったはずだ」

捕鷹
「なぜそう言い切れる?死体だけだといつ逃げられるか分からないんだぞ」

士導
「落ち武者だからこそできなかったんだよ。前に落ち武者は俺に言ってたんだ。高いところが苦手な故にプラネタリウムを見ることができないってな」

司翼
「プラネタリウムは椅子に座って見ていれば壁や椅子が動いていたなんて感じなかったはずだ。高いところが苦手だとしても椅子に座ってしまえば関係ない」

士導
「それが関係あるんだよ。これも落ち武者が言ってたんだけどあのプラネタリウムを作った本人だからたとえ高さを感じなくてもプラネタリウムを見ることができないってな。つまり、落ち武者をプラネタリウムの構造を作ったトリックに利用するのは無理だったはずなんだ」

黒薔薇
「だが、確かに私はプラネタリウムを開けた時音を聞いたぞ。【落ち武者の落下音】と考えても何も不自然だえはないと思うけどな」



【落ち武者の落下音】 ← 『華狗也の証言』



士導
「俺はその音を聞いてないからこれは華狗也から聞いた話だけどプラネタリウムを開けた時謎の音がしたって言ってたけど、その音が2回も鳴ったなって聞いてないぞ。それか実際は2回鳴っていたのか?」

清水
「いいや。音が鳴ったのは確かに1回だったよ。そして落下音が1回しか鳴っていなかったのなら司翼君の推理は間違っていることになるよね」

士導
「落下音は1回だったんだぞ。司翼の推理では落ち武者を天井に固定した後プラネタリウムが逆さの状態で止めて置き扉を開けた瞬間に死体を固定した落ち武者が落ちてきたんだよな。だとしたら落ち武者が落ちた音と死体が落ちた音の両方が聞こえないと可笑しいはずだ!」

鍵村
「落ち武者と死体が同時に落ちたんだとしたら、と一瞬考えたがもしそうだとしたらもっと複雑な音になるはずだよな。でも私たちが聞いたのはドンっていう音だけだったな。それに私にはもう一つ気になっていることがある。それは司翼の推理は根本から間違っているかもしれないことだ」

司翼
「俺の推理が最初から間違っているだと…?それはどういうことだ」

鍵村
「お前の推理だと天岸は天井に吊るされていたことになっていた。ということは私たちがプラネタリウムに入った時椅子は動いていたことになるな。そこに【違和感】があるんだ。私たちは前提から間違っていたんじゃないかってな」



【違和感】 ← 『プラネタリウムの違和感』


士導
「俺も鍵村の意見に賛成だ。プラネタリウムに入った時椅子は普段の位置とは別の場所にあったのか?少なくとも俺が最初にプラネタリウムに入った時は何も可笑しなところはなかったぞ」

地近
「そう言われればそうだね。入った時に椅子が普段と違う位置にあったら気づくはずだもんね」

清水
「どうなの司翼君。ここまで根拠が出揃ってもまだ君の間違った推理を披露するかい?」

司翼
「…どうしてだ?…どうして士導を庇うんだ?そいつは内通者なんだぞ!そもそも俺たちに前に姿を見せなかった天岸の存在を知ることができたのは内通者である士導だけなんだぞ!」

捕鷹
「庇っているわけでない。ただお前の推理が間違っていただけだ」

黒薔薇
「だが、事件はふりだしに戻ったとも言えるな。少なくとも私たちが見た炎は致命傷ではない、落下死も違うとなればもはやいつ殺されたのかすら分からないな」

鍵村
「白骨死体として見つかっている以上少なくとも燃やされているのは確かだ。それが今日でないとするなら一体いつ燃やされたのか。そこから議論していくってのはどうだ?」

地近
「だとしても、今日に殺人が起こったからこそアリバイがないのは士導君だけってことになったわけでしょ。でも昨日以前ってそれこそみんなにアリバイがあるよ。人を殺す時間なんかあったかな?」

捕鷹
「アリバイがない時間を作れた人間が一人だけいる。それはまたもや士導、お前だ!」

士導
「今度は何だって言うんだよ。今日じゃなかったら俺たち全員にアリバイがあっただろ。何で俺だけアリバイがないんだよ」

捕鷹
「少し前に行動は二人以上でと決めた日があったはずだ。あの日食堂でそう決めた後私全員は朝から夕方までずっと資料室にいたんだ。その時士導はその場にいたか?いいやいなかった。士導の話では夕方まで寝てたみたいだが、それが嘘だったとしたら?」

鍵村
「アリバイがないのは朝から夕方まで。それだけ時間があれば犯行は十分可能だな」

士導
「待ってくれよ。犯行時間が夜かもしれないだろ。もし夜に殺されたのなら俺だけじゃない、全員にアリバイがない時間だ」

捕鷹
「犯行が夜に行われたとしても容疑者はお前ひとりに絞ることができるんだよ。犯行に使われたあるものがそれを証明してくれる」

士導
「あるものってなんだよ」

捕鷹
「犯人は天岸をどう殺したかはまだ分からないが結果的に燃やして白骨化させたんだったな。だとしたら炎が必要なわけだがライター程度の炎で人間が完全に燃え尽きるとは思えない。そこで犯人はあるものを使ったんだ。【プラネタリウムでも使われたあるもの】をな」



【プラネタリウムで使われたあるもの】 ← 『床にしかれていた油』



士導
「それって油のことか?」

捕鷹
「そうだ。プラネタリウムでの炎も床に油がしかれていた。だからこそあれだけ燃え盛ったんだ。犯人は殺人の時も同じ方法を利用したはずだ。だが、その方法を使おうとすると当然油を調達しなければならない。犯人はその油をどこで調達したんだと思うか?」

清水
「殺人用具の中にそれらしきものはなかったよね。だけど、僕と静流君で食堂の厨房で捜査していた時そこには油があったよ。そこ以外で油を入手できる場所も思いつかないし油は厨房から持ってきたと考えていいんじゃないかな」

捕鷹
「お前もそこに目をつけていたか。私も清水と同じ意見だ。犯行に使われた油は厨房から持ち出したものなはずだ」

士導
「でも食堂の厨房なら俺じゃなくても誰でも出入りできるんだぞ。油が入ってる棚さえ知っておけば油の入手にそんな時間もかからないはずだ」

捕鷹
「忘れたのか?この学園生活にはルールがあったはずだ。夜時間は食堂に入れないってルールがな。つまり、犯行自体が夜時間に行われていたとしても犯行に必要な油は厨房の中にあるから昼時間にしか取りに行くことができない。昼時間は私たち全員にアリバイがあるのに対し、お前だけその日の昼時間のアリバイがないんだ。私たちが資料室に移動した後お前は厨房から油を調達したんじゃないのか。その後呼びに行った時はあたかも寝ていたかのような振る舞いをしただけだったんじゃないのか?」

士導
「本当に違うんだ。あの日はただ本当に寝ていただけだったんだって」

清水
「うんまぁ捕鷹さんの話は大体わかったよ。でもまだ謎が残るね」

Re: ダンガンロンパ〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.167 )
日時: 2020/05/08 20:46
名前: 紅茶 ◆VvOwwpM9GA (ID: 6Q1uGoC5)

清水
「例えば静流君を呼びに行った時司翼は一人だったんだよね?だとしたら司翼君にもアリバイはないんじゃないの?」

司翼
「なんだそんなことか。確かに士導を呼んだ時は一人だったが、ちゃんと二人で部屋までは行ったぜ。なぁ地近?」

地近
「間違いないよ」

司翼
「さらに付け加えて言えば、士導と話している時も俺は地近がいることを確認していた。俺も地近も食堂に行ってたなんてありえないんだ。つまり、アリバイがないのは士導一人だけだ」

捕鷹
「士導がお前が犯人なんだろ?そして、お前が内通者なんだろ?勘で言っているわけではない。お前も校長室に入ったならわかってるはずだ。【学園長の名前】をな」



【学園長の名前】 ← 『学園長』



士導
「士導源。校長室のネームプレートにはそう書かれていたな」

捕鷹
「その士導源という人間。お前のどんな関係なんだ。兄なのか父なのか?」

士導
「わからない」

鍵村
「わからない?名前まで一緒なんだぞ。知らないわけがない」

士導
「知らないものは知らないんだよ。思い出そうとしても思い出せないんだよ!」

捕鷹
「覚えていないからこそお前が内通者ということに信憑性が出てくるんだ。士導源という人間はおそらくお前にとっても縁のある人間に違いない。だからこそ、士導は必ずその人間のことを知っていたはずだ。だが、覚えたまま学園生活に参加すれば黒幕のことを知ったまま参加することになる。そこで、士導源はあえて士導の記憶をなくしたんだ」

黒薔薇
「真の黒幕は学園長だったということか」

捕鷹
「黒幕と繋がっているわけだから天岸のことももちろん聞いたはずだ。それができるのは黒幕と血縁関係にある私たちの中に紛れ込んだ内通者、士導静流しかいない」

士導
「俺…俺が犯人?記憶がないだけで俺が内通者?そんなわけがない。俺が内通者としての記憶を失っていたとしても天岸を殺した記憶は俺の中にない」

司翼
「天岸の存在を知ることができたのは内通者だけだ。内通者以外は天岸の存在どころかこの学園内に18人目の存在がいることすら知らなかったんだからな」

士導
「…天岸の存在を知ることができたのは俺だけ?そんなはずはない。少なくも一人天岸のことを知ってた人物がいるはずだ」

司翼
「ここまで往生際が悪いとはな。そんな人物がいるわけがない」

士導
「それがいるんだよ。答えてくれ、お前は天岸のことを知っていたんじゃないのか?華狗也」

清水
「…」

地近
「清水君が天岸死恋を知っていたの!?」

清水
「僕が天岸を知っていた?それはちゃんと根拠があって言ってるんだよね?その根拠を聞かせてもらえるかな?」

士導
「さっき校長室でお前と捜査していた時のことだ。俺が天岸の資料を見つけた時のことだ。俺がお前にその資料を見せようとした時資料を見てもいないのに天岸の名を口にしたな」

清水
「そうだったっけ?僕は君の資料を見てから言ったと思うけど」

鍵村
「根拠というには弱いな。だが、清水が怪しいというのは私も同感だ。首謀者探しの時も始まりは清水の見たことのない人影を見たという一言からだったはずだ。この閉鎖空間の中私たちは学園内に私たち以外の人がいるなんて考えもしなかったが、あの時清水は既に天岸の存在を知っていたからこそ学園内にまだ人がいるなんてことが言えたんじゃないのか」

捕鷹
「それにさっきから士導を庇うような言動ばかりだが、士導が内通者ということも知っていたんじゃないのか?お前が黒幕と繋がっているなら士導を庇うのも天岸を知っていたのも全て辻褄が合うな」

清水
「褒められたことじゃないけどさ。僕ってそんなに疑われてたんだね。はははははははは、確かに君たちに隠してることはたくさんあるけどさ、僕が黒幕と繋がっている?それは悪い冗談だよ。だってそう思わせることこそが黒幕の思惑なんだからさ。この学級裁判だって僕や静流君を陥れるために開かれてるんだからさ」

鍵村
「私たちを惑わそうと嘘をついているのか?一応聞いておいてやる黒幕の思惑とやらを」

清水
「聞いてくれるんだね。黒幕と関係ある人間かもしれないのにさ。ま、信じるも信じないも君たち次第だけどさ信じてくれないとみんなここで死んでしまうからね。僕もまだ死ぬわけにはいかないからね。目的を達成するまでは僕は死ねないんだ。みんなには嫌でも信じてもらわないといけない。常識外れの話だけど信じる覚悟はあるかい?」

司翼
「信じるか信じないかは話を聞いてから考えることだ。聞く前から考えることではない。それよりもう前置きはいい。さっさと話せ」

清水
「あははは、正論だね。さて、話す機会を貰ったわけだけどどこから話そうかな」

地近
「じゃあまずは清水君が言ってた目的から話してくれる?」

清水
「僕の目的かぁ、一言で言うとある人物を導くことなんだ。でも、僕だけの目的じゃない。この学園生活自体がその人のためにあるんだ。その人が途中間違った道に進まないかを見張り、間違っていれば訂正してあげるのが僕の役目」

鍵村
「そんな話初めて聞いたぞ。それに、この学園生活の目的を知ってるなんて可笑しくないか?私たちはなんでここにいるか全員わかってないんだぞ」

清水
「だから、黒幕にとって僕は邪魔な存在なんだ」

捕鷹
「だからお前はそれをどこで知ったんだよ。黒幕と繋がっていた以外の答えでこの学園生活の目的を知っていることの証明ができるわけがない」

清水
「どこで知る?違うよ、知る必要なんてないよ。覚えていればいいんだよ」

捕鷹
「私たちは記憶を奪われているんだぞ!」

清水
「あるんだよ。みんなと違って記憶があるんだよ。だから、学園生活の目的も知ってるし、天岸死恋の存在も知っていた。記憶があるからこそ誰が黒幕かも知ってるんだよ」

司翼
「なっ!黒幕の正体!?いやそれ以前にお前だけが記憶を失っていないなんてそんな都合のいい話が本当にあるってのか?」

清水
「だから信じてもらわないと困るんだって言ったんだ。どれだけ都合がよくてもそれが真実ならば信じるしかない。実際君たちは信じてきたじゃないか。どれだけ理不尽で意味不明でも落ち武者の言うことを信じたからこそここまで生き残れたんだ。それとも落ち武者のことは信じれるけど、僕のことは信じることができないと?」

捕鷹
「お前の話は判断材料が少なすぎる。じゃあその黒幕の正体を言ってみろ」

清水
「あれ?まだ気づいてないの?校長室の書類とこれまでの僕の話を合わせれば答えは見えてくるはずだよ。【黒幕の正体】にね」



【黒幕の正体】 ← 『超高校級の負け組』



士導
「お前のいう黒幕の正体って超高校級の負け組のことなのか?」

清水
「わお一発で正解だよ。このコロシアイを仕組んだ黒幕、その正体は超高校級の負け組だよ。そういえば最初に超高校級の負け組ってワードを使ったのも僕だったよね。誰も知らない言葉を使ってたんだよ。そろそろ僕には記憶があるって信じてくれないかな」

司翼
「超高校級の負け組だと?そんなやつこの中にはいない。いるとすればまだ才能を明かしていない士導だけだ」

清水
「それは違うよ。超高校級の負け組というのは一人を指す言葉じゃないんだ。超高校級の負け組は世の中に溢れているんだよ。その中の何人かがこのコロシアイの中にいるんだ」

司翼
「だからそれが誰かを俺たちは聞いてるんだ!」

清水
「それを答える前に学級裁判を先に終わらせないとね。ほらまだ被害者が誰かもわかっていないしね」

黒薔薇
「被害者は誰かだと?それは天岸死恋で間違いないだろう」

地近
「それに今の話が本当だとしても学級裁判と何の関係があるの?犯人候補の士導君を庇う時間稼ぎにしか見えないよ」

鍵村
「そうだ。士導が犯人という私たちの結果を覆すことができるのか。そもそも被害者すら分からないって」

清水
「君たちの推理は先日士導が寝ていると嘘をついた時間に天岸を殺したんだよね。で、僕はそれが不可能だってことを示せばいいんだよね。それなら簡単だよ」





清水
「天岸は今も生きてるよ」

Re: ダンガンロンパ〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.168 )
日時: 2020/05/10 05:19
名前: 紅茶 ◆VvOwwpM9GA (ID: 6Q1uGoC5)

地近
「天岸が今も生きている??その根拠はどこにあるの?」

清水
「根拠なんかないよ。君たちが僕を信じるか信じないかのどっちかだよ。あ、そうそう僕が天岸が生きてるって言った理由はね。僕は昨日天岸に会ってるんだ。夜時間の日が変わったくらいの時かな?」

捕鷹
「さっきまでの話は本当かどうかわからないからこそお前を信じれることもできなくはないが、天岸が生きてるのは信じれるも何もありえないんだよ」

清水
「天岸が生きてることがあり得ない?どうして?」

捕鷹
「さっきの話を忘れたのか?今この学園にいるのは参加者である私たちだけだ。だから、あの死体は天岸ってことになったんだ。お前の話が本当ならあの死体は誰だって言うんだ?」

清水
「誰なんだろうねぇ?」

鍵村
「なんだその口振り。もう事件の真実に気づいてるかのようだな」

清水
「気づいてるも何も僕は天岸が生きていることを知ってたからね。推理するにあたっての情報が君たちとは違うんだ。この学級裁判の間でもちろん答えは出たよ」

司翼
「気づいてるのになぜ言わないんだよ。お前は疑われているんだぞ」

清水
「だからこそだよ。疑われているからこそ君たち自身で解決してほしいんだ。君たちが導き出した答えと僕の答えが一致すれば僕の疑いが晴れるってわけだよ」

司翼
「またお前の言ってることが正しい前提で考えるのか。そうやって俺たちを誘導しているようにも見えるが、俺たちだってそうだよなこの学級裁判を終わらせるには俺たち自身を信じるか清水を信じるかを選ばないといけないんだよな」

鍵村
「清水が言ってることが正しいとするならあの死体が誰なのかをはっきりさせないとな。落ち武者、お前に確認しておきたいことがある。何度も聞くが今学園にいるのは私たちだけで間違いないんだよな?」

落ち武者
「はい、間違いありません。ついでに死体として後から学園に運ばれたこともありません。そしてお前たち自身が殺しあった人間の死体もありません」

地近
「やっぱりその条件を満たすならあの死体は天岸で決まりだよ!」

清水
「そうかな?今の落ち武者の台詞をよく考えてみてよ。その条件に合う可能性が一つだけあるよ」

捕鷹
「条件にあう可能性?外部の人間の可能性はない。あいつらの死体を再利用したこともない。それでいて天岸以外の人間なんて本当にいるのか。話を聞けば聞くほど天岸以外の可能性が見当たらない」

士導
「…。…。…ん?死体の再利用?そうか、そうかわかったぞ」

捕鷹
「死体を再利用するにしたって再利用するものがないんだぞ」

士導
「いや可能性が一つだけある。歌土井の死体だよ」

鍵村
「歌土井の死体だと、だがあいつの死体は。そうか歌土井は落ち武者が見せしめのために殺されたんだったな。私たち自身が殺し合った死体に歌土井は確かに入っていないようにも見えるな」

司翼
「だとしてもだ。歌土井の死体をどこに隠しておいたんだよ。死体なんだからその辺に置いていたら腐るだけだぞ」

士導
「死体を保存しておける場所なら生物室があるじゃないか。あそこは室温が異常に低かったし、何より一番奥に一つだけ保管庫があったはずだ。あれは歌土井の死体を入れていたんじゃないか?」

捕鷹
「確かに歌土井の死体を使えば今回の状況を作れるな。それに犯人が死体をわざわざ燃やしたのにも疑問を抱いていたが歌土井の死体を使ったということを隠すためだったとも考えられるな」

司翼
「でもそれが正しかったとして誰に投票すればいいんだよ。歌土井を殺したのって落ち武者なんだろ」

清水
「大丈夫。考えがあるよ」

司翼
「あ?考えだと?」

清水
「まずはおめでとう。どうやら答えに辿り着いたみたいだね。そう今回の事件の被害者は天岸死恋ではなく、歌土井君だったんだ。そして、歌土井君を殺したのは僕らの誰でもない。犯人は落ち武者なんだ。だから投票は僕たち自身に入れればいい。全員が一票ずつ入ってる状態を作るんだ。ある意味全員クロって扱いかもしれないけど落ち武者を選べない以上それしか方法はない」

鍵村
「今までの話はあり得ない話ではないが、信じれる話でもない。私たちの命をお前に託して本当にいいのか?

地近
「士導君の件もあるし、全てを信じるには無理があるっていうか」

清水
「どちらにせよ。決断の時が来てるんだ。自分たちの希望を信じ切れる自信があるなら君たちの推理通りにすればいい。さぁ、落ち武者。投票タイムに移ってくれ」

落ち武者
「少々腑に落ちないこともありますが。いや腑に落ちないことばかりですが、ここでお前たちの希望が一体どれほどなのか確かめることもできますしいいでしょう。お前たちはお手元のスイッチでクロだと思う人に投票してください。さあて誰の希望が勝つのか。それとも絶望するのか。その正解なのか、不正解なのか!」

清水
「投票はもう済んだのかな?」

落ち武者
「全員の投票が終わりましたので結果発表をいたしましょう!」

清水
「あ、ちょっと待って欲しいんだ」

落ち武者
「なぜですか?もう投票は終わりました。変更は受け付けませんよ」

清水
「変更なんてとんでもない。まだ残ってるよ。事件の謎は」

落ち武者
「だからもう投票は終わりましたので、事件の謎が残っていようと関係ないのです。後はお前たちが選んだ人間がシロかクロかを発表するだけです」

清水
「じゃあこうしようよ。これから先は黒幕を見つけるための学級裁判ってことでどうかな?」

黒薔薇
「なぜ投票が終わってからそんなことを言いだすんだ」

清水
「投票が終わってからじゃないと黒幕が僕を殺しにかかってくると思ってさ。保険だよ」

司翼
「清水は黒幕の正体を知ってるんだよな。なぜ今なんだ。学級裁判は今までもあった。なぜ今回に限ってそれを明かすんだ。もっと前にしていれば犠牲だって少なくどころかなかったはずだぞ」

清水
「出会って間もない僕が黒幕の話をしたところで司翼は信じれるの?無理だよ。根拠がないもん」

捕鷹
「その言い方だと今はあるみたいだな。その根拠とやらが」

清水
「少なくとも今までよりかはね。じゃなかったらこんなこと言い出さないよ。てことでいいよね落ち武者」

落ち武者
「何を考えているのですか?君にそんな権限はありませんよ」

清水
「僕の質問にイエスかノーで答えるだけでいいんだよ。それ以外は求めていないし、必要ない」

落ち武者
「分かりました。認めましょう。これより学級裁判を再開します!!」

Re: ダンガンロンパ〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.169 )
日時: 2020/05/10 18:27
名前: 紅茶 ◆VvOwwpM9GA (ID: 6Q1uGoC5)

清水
「とは言ってももう投票は終わってるわけだからみんなが自分自身に投票している。つまり僕の推理が正しかったという前提で話を進めるね。まずは一つ目の事件の謎、それはあの音の正体だよ。答えから言うとあの音は落ち武者が倒れた音だったんだ」

鍵村
「落ち武者が倒れた音?それって現場にあったあの落ち武者のことだよな?」

清水
「そうだよ。僕と静流君であの音が何の音だったかを調べていたんだけど、落ち武者を倒した時に鳴った音が僕たちが聞いた音と一致したんだ」

地近
「だけどなんで落ち武者の音がしたの?」

清水
「落ち武者が現場の偽装工作をしていたからだよ。僕らにアリバイがある以上現場の偽装工作をできるのは落ち武者だけだからね。現場に白骨死体を置き、油を撒いた。最後に落下死に見せかけるよう自らが倒れたんだ」

捕鷹
「だが、その話がどうしたら黒幕につながるんだ?」

清水
「黒幕が【最後の仕上げ】を行ったんだ」



【最後の仕上げ】 ← 『プラネタリウムの炎』



士導
「それってプラネタリウムの炎のことだよな。今回の事件に関してあの炎の謎はまだはっきりしていないし、最後に行われた偽装工作と言ったらあの炎以外には考えられない」

司翼
「確かにあの炎は謎だな。結局発火の原因すら見つかっていない。おそらくは俺たちの目の前で死体を焼却することで死体は今白骨化したと思わせるためだったんだろうけど」

鍵村
「そこまでの偽装工作が全て落ち武者の仕業なのになぜ最後だけは黒幕なんだ?」

清水
「証拠を残さないようにするためだったんじゃないかな。落ち武者は目立ちすぎるからね。あの場で落ち武者自身が火を放っていれば僕たちはもっと早く事件を解決していたはずだよ。全て落ち武者の仕業ってことで片づけられるからね。でも、黒幕が火を放ったからこそこの謎は解けないままでいたんだよ」

鍵村
「で、それをやった人間は私たちの中にいると?あの場にいる人間にしかできないことだ。士導は外れるな。残ったのは私、清水、黒薔薇、地近、司翼、捕鷹の6人。火を放てるとしたらこの中の誰かのはずだ」

清水
「ここでは発火に利用したのをライターとして話を進めるけど、黒幕は火を放った後、ライターをどうしたんだろうね」

捕鷹
「火元を分からなくするためにどこかに隠したんだろうな。そして、私たちは見事にそれを見つけることができなかった」

清水
「見つけられなくて当然だよ」

捕鷹
「どういう意味だ?」

清水
「黒幕も最初は隠そうとしたはずだよ。だけど、捜査時間中だったから適当な場所に隠しても僕らの誰かが見つけてしまうかもしれない。そう思った黒幕は学級裁判の直前に隠そうとしたんだ。裁判場に一番近い部屋。そう、食堂だよ。黒幕は最後に食堂に訪れてそこにライターを隠そうとしたんだ。だけど誤算があった。学級裁判の直前の時間。食堂には僕と静流君が油の調査をしていたんだ。そして、食堂に来たことを僕たちに見られた黒幕は僕たちを呼びに来たなんて言い訳をして食堂から出たから隠せなかったんだよ。つまり、ライターは今も黒幕自身が持っているはずなんだ」

捕鷹
「黒幕自身がまだ持っているだと…?どうりで見つからなかったわけだ。で、それは誰なんだ」

士導
「おい華狗也、食堂に来ていた人物って」

清水
「まぁお楽しみは後においといてまずは今回の事件の流れを振り返ろうか。そして、終わらせる!」



-------------------------------------------------------------------------------------



           クライマックス推理!!




act1
事件は一週間以上前に遡る。落ち武者が僕らにギガントハンマーを配った日のことだ。落ち武者は僕らにギガントハンマーの威力を説明する時、その見せしめとして歌土井君を殺したんだ。僕らは衝撃のあまりその場に立ち尽くし、落ち武者の説明を坦々と聞いた後自分もそうなってしまわないうちに自らの部屋に戻ったんだ。だけど、その時僕らの中の一人だけはその出来事に笑っていたんだ。それが黒幕だよ。

act2
歌土井君を殺した後、その死体をある場所に運んだんだけど、それはきっと黒幕も手伝ったはずだ。骨だけの死体と違いまだ肉体がついてるんだ。それに運ぶ途中で血痕が残ったりしたら全てが台無しだからね。そうして黒幕は落ち武者と協力してある場所。生物室まで運んだんだよ。あそこは超低温の空間になっていたから死体を腐らさずに保存しておくことができたはずだし、死体をいれた保管庫だって中は冷蔵庫になっていたはずだ。そして、時が来るまで歌土井君の死体はそこで保存されることになったんだ。

act3
僕らが死体を発見するまでの間に落ち武者は歌土井君の死体を白骨化させたんだよ。そのままの状態で使ってしまえば事件の被害者が誰なのかすぐにわかってしまうからだ。だから、死体を焼却し、白骨死体にすることで誰の骨なのかをわからなくしたんだ。

act4
事件当日。静流君のアリバイがない時間を狙い落ち武者はプラネタリウムに骨を置き、油を敷いた。そして後は僕らがプラネタリウムに来るのをじっと待っていたんだ。そして、僕らがプラネタリウムに入った時、落ち武者は自ら倒れて音を鳴らしたんだ。被害者が落下死したと見せかけるためにね。だけどそれで終わりじゃなかった。最後の仕上げとして、現場に火を放ったんだ。たった今白骨化したと見せかけるためと被害者は天岸だったと誤認させるためにだ。

act5
火を放った犯人。そいつは落ち武者が油を撒くことを知っていた。だからこそあらかじめライターを携帯していたんだよ。プラネタリウムで火を放った後、それを学級裁判が始まる直前に隠すことでその証拠を隠滅しようとしたんだ。そいつは隠す場所に裁判場に一番近い食堂を選んだ。だけど、そこで誤算があった。食堂には僕と静流君がいたんだ。火を放った犯人は隠すこと諦めそれを自分で持ったまま学級裁判に臨むことにしたんだ。



清水
「そして、そのプラネタリウムに火を放った人物。つまり、コロシアイ学園生活の黒幕。それは君だ。黒薔薇琴音!!」



            クライマックス推理 終了!!


--------------------------------------------------------------------------------

清水
「そうだよね?黒薔薇さん。君は今もライターを隠し持っている。違うと言うならポケットの中身を全て出してくれないか?」

司翼
「黒薔薇が黒幕だって?本当なのか黒薔薇。お前は今もライターを持っているのか??」

捕鷹
「黒薔薇答えてくれ。清水の言っていることが本当に正しいのか」

黒薔薇
「ふっ、ふふ。ははははははははははははははははははははは。面白い!面白いぞ!清水お前には散々困らされたがそれもここまでのようだな」

鍵村
「なんだコイツ…。急にどうしたんだよ」

清水
「やっと本当の君と話せるんだね。僕は嬉しいよ」

黒薔薇
「私は嬉しくともなんともないがな。お前が私の存在を知っていたことも記憶が残っていたことも予想外で驚いたが、もう遅い!本当は私が直々にお前を殺してやりたかったがもうそれもかなわぬ夢。お前こそいつまで演技を続けるきだ。偽りの存在め」

清水
「偽りの存在…。なんだ君も気づいたんだね。僕の正体に」

黒薔薇
「いつまでもお前ごときに遊ばれる私ではない。それにお前はお前自身の最後を知らないだろう。お楽しみはまだ残ってるんだよ!それに、お前はあの人ではない。お前ではあの人になれないんだ!」

士導
「話を勝手に進めるな。どういうことなんだよ!黒薔薇が本当に黒幕だったってことでいいのか?」

黒薔薇
「ええ。ライターだってここにあるわけだしな。全て私の仕組んだことだったんだよ!清水の存在は私の計画を狂わせたがそれも誤差の範囲だ。私は対応力に長けているんだ。今回の投票だって結局お前たちは自分を信じずに清水のことを信じ、自分自身に投票したんだ。はぁーくっだらねぇ。答えを誤ったお前たちの絶望した顔が見たかったのによ。だけど流石は私。対応策を用意してあるんだよ!」

清水
「今回の学級裁判。僕を殺すつもりだったんだでしょ?内通者の静流君、黒幕の僕っていう構図を作り上げてさ。みんなを間違った正解にたどり着けようとしたんでしょ」

黒薔薇
「そうだよねぇ。そうだったはずなんだけどねぇ。殺せなかったものは仕方ない。切り替えて次こそ最後の勝負ってな。つーわけで次の学級裁判はお前たちと私の最終決戦だ。まだ明かされていない謎を全て明かしたらお前たちの勝ちだ。そうすればこの学園から出て行っていい。だけど、できなければ全員処刑だ!リミットは私が待つことに飽きるまでだ!」

司翼
「勝手に話をすすめんじゃねぇ!」

黒薔薇
「これ以上続けても全てを知っているのは私だけなんだから一生私がしゃべり続けないといけないわけでしょ?何でもかんでも待ってればいいってもんじゃねぇだろ!お前ら自身で探せってつってんだよ。ではこれにて閉廷!」



              学 級 裁 判 閉廷!!

Re: ダンガンロンパ〜ようこそ勝ち組ヶ丘学園〜 ( No.170 )
日時: 2020/05/17 00:37
名前: 紅茶 ◆VvOwwpM9GA (ID: 6Q1uGoC5)

俺たちを苦しめていた黒幕の正体は黒薔薇だった。俺たちがずっと探していた黒幕はいつだって俺たちのすぐそばにいた。その事実をまだ受け止めることができなかった。それにも関わらず黒薔薇は俺たちを待たず次々と話を進める。もはや俺たちのことなど眼中にないかのようだ。いや正確には一人だけは話を理解している。
「僕ら自身で探すとは言ってもさ。君はまだ僕たちに隠している部屋もあるよね?僕たちに知り得ない情報があるなんて不公平じゃないかな」
「心配には及ばない。もう全ての部屋の鍵のロックを外しておいた。もうこれで全ての部屋を捜査することができる」
「その最終決戦に勝てば俺たちは本当に外に出られるんだよな。その言葉に嘘ないんだよな」
「さぁ?ただこれだけは忘れないで欲しいな。お前たちは敵の領地にいるんだよ。全てが思い通りに進むとは思わないことでね」
発言ごとにキャラが変わっていることも本来ならば言及していただろう。俺たちにもうそんな気力は残されていなかった。まずは頭の中を整理したい。黒幕の正体とか最終決戦とか話が急展開すぎる。というか黒薔薇は認めてるみたいだけど華狗也はなぜそれを知っていたんだ。記憶が残っていたからなんて言ってたけど、一人だけ記憶が残っているなんてやっぱり可笑しい。華狗也も十分に怪しいよな。そんなこと考えていたらパンク寸前の頭が本当にパンクしてしまう。
「さて僕たちは戻ろうか。最終決戦まで時間がないみたいだしね」
「ちょっと待ちな。お前ら忘れているわけじゃないだろうな。学級裁判後のお楽しみのことをな」
裁判場を後にしようと俺たちが黒薔薇に背を向けたところだった。黒薔薇の視線が裁判場のモニターの画面を方を向いていた。
「学級裁判後と言えば毎度おなじみのおしおきタイムだろうが!何おしおきタイムを差し置いて出ていこうとしてんだよ!」
「犯人は落ち武者だったんだ。誰も処刑されないはずだよ。もし君が落ち武者を操作していたとなると処刑は君自身ことになると思うけど」
「はっはっはっはっはははは」
黒薔薇は今までに見せたことのない高笑いをしながら俺たちの方をギロリと睨む。それは絶望と絶望の混沌した眼差し。希望なんて一切ない真っ黒に染まった瞳だった。
「言ったはずですよ。もうお前に遊ばれることなんてないと。確かに私が黒幕と明かすところまでは良かったわ。で、その後はどうするんだ?お前が言いたくないなら私から言うわね。この後天岸さんに合わせて自分が黒幕でないことを証明する予定だったよね?でも残念。清水君と天岸さんが繋がっていることなんてもう分かっていたの。
そうでしょ?だって天岸は勝ち組からのスパイだったんだからな」
「それで?天岸がスパイだと知っていたとして、僕がこれからしようとしていることを暴露してどうしようっていうんだい?」
黒薔薇はモニターの指さした。さっきまで何もなかったモニターに突然電源が入り、その画面の中央に一人の女の子がロープで拘束されていた。俺たちの誰でもない誰か。その正体は華狗也の反応見て察することができた。ここまで黒薔薇の話にも動揺しなかった華狗也の体が明らかに震えている。
「あの画面に映っているのが天岸死恋…?」
「その通り!私も最初は天岸がスパイではないか?と疑問を抱きました。だから私は試したのです。天岸に人殺しができれば本当の負け組だと。そしてその結果彼女は歌土井君を殺したのです。落ち武者越しとは言え人殺しは人殺しです。この学園のルールはクロだと指摘されればおしおきだったはずです。歌土井君を殺した彼女がおしおきされることは何も可笑しくはありません」
「待てよ。そうさせたのはお前だろ。天岸が殺される理由なんてないはずだ」
「士導君言ったはずですよ。ここは敵の領地であることを忘れてはいけないってね。それに希望ばかりじゃ面白くないじゃない?希望と絶望は表裏一体。どちらかが欠けたらもう一方はそれ以上輝くことができない。お前たちの希望のためにあえてここで絶望を与えるんです。そしてその後でお前たちに芽生えた希望を全て絶望に変えるんです。あぁ、それはさぞ美しいでしょうね。光が一切映り込まない絶望だけの漆黒の瞳。あれを見るために絶望を求め続けてるんです。そして思い出してほしい」
「清水君」
天岸が映されたモニターを見てからずっと硬直していた華狗也がようやく顔を上げた。
「おっとダメダメ。おしおきタイム前に喋っちゃ。受刑者に待つのは死だけだよ。さて待つのも飽きてきたしそろそろ始めますか。それじゃあ張り切っていきましょう!おしおきターイム!」
「天岸。後は僕に任せてくれ。僕らの希望はこんなところでは決して摘まれたりしない。君の死を決して無駄にしたりしないから!」


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