二次創作小説(新・総合)

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逃走中2~三角形の空想世界~【完結】
日時: 2022/01/15 22:55
名前: 綾木 ◆sLmy/eUNds (ID: ANX68i3k)

舞台は、とある遊園地。

ある日、仲良し姉妹のアネットとイモルトは、2人でこの遊園地に遊びに来ていた。この辺りでは有数の規模を誇るこの遊園地である事件が起こる。この日、この遊園地の中に建っているとあるいわくつきの館に棲みつく幽霊が目覚めてしまい、アネットに襲い掛かったのだ。
そして、このアネットに憑りついた幽霊の引き起こす行動が、ゲームの行方を左右する!

今回ゲームに挑むのは、18人の逃走者たち。数々のミッションをこなしながら100分間逃げ切り、賞金120万円を獲得する者は現れるのか!


<逃走者一覧>
小豆梓(変態王子と笑わない猫。)
天草シノ(生徒会役員共)
アリス・カータレット(きんいろモザイク)
五十嵐双葉(先輩がうざい後輩の話)
恵庭椎(スーパーカブ)
太田(田中くんはいつもけだるげ)
大宮忍(きんいろモザイク)
折部やすな(キルミーベイベー)
ソーニャ(キルミーベイベー)
田中(田中くんはいつもけだるげ)
津田タカトシ(生徒会役員共)
豊川姫乃(やくならマグカップも)
夏川くいな(ひなこのーと)
ベルゼブブ(ベルゼブブ嬢のお気に召すまま。)
ミュリン(ベルゼブブ嬢のお気に召すまま。)
百木るん(Aチャンネル)
森野真理(恋する小惑星)
横寺陽人(変態王子と笑わない猫。)
(五十音順)

Re: 逃走中2~三角形の空想世界~ ( No.70 )
日時: 2022/01/08 22:55
名前: 綾木 ◆sLmy/eUNds (ID: ANX68i3k)

ハンター
「・・・」タッタッタッ






ソーニャ
「チッ・・・まさかあの中にハンターがいたとは・・・」


隠れる場所を探していたソーニャに、ハンターが襲い掛かる!






ハンター
「・・・」タッタッタッ






ソーニャ
「ハァ、ハァ・・・」


圧倒的なスピードでハンターから逃げるソーニャ・・・!






ハンター
「・・・」タッタッタッ






ソーニャ
「チッ・・・しつこい奴だ・・・!」










ハンター
「・・・」タッタッタッ









[SEARCHING]




ハンター
「・・・?」


再び、ハンターを振り切った!






ソーニャ
「ハァ・・・実に面倒な奴だ、下手したらやすな以上だ」


至近距離からハンターを振り切ることに成功したソーニャ・・・




ソーニャ
「・・・いや、拳で対抗できない以上、間違いなくハンターの方が厄介だな」


あのやすな以上のタチの悪さを誇るのが、ハンターである・・・!




ソーニャ
「無論、やろうと思えばハンターなど一ひねりなんだがな」


そのようなことをしたあかつきには、強制失格も免れない・・・!










太田
「おかしいな・・・確かこの辺だったはずなんだが」


魔法使いを探しに戻る太田
しかし、魔法使いはすでに椎とともに館へ向かっているため、元の場所にはいない・・・!




太田
「アイツに電話してみるか・・・何か分かるかもしれない」


直前までともに行動していた椎に電話をかけるようだ・・・!




プルルルル プルルルル


魔法使い
「・・・おい、何か鳴ってないか?」



「電話・・・太田さんからです!」



「はい、もしもし?」



太田
「おい、魔法使いの場所分かるか?」




「魔法使いですか?安心してください!私、今一緒にいます!」



太田
「そうか!じゃあ、俺もそっちに――」




「太田さん、ここは私に任せてください!」



太田
「え?でも、いいのか?」




「さっきみたいに人が集まると見つかりやすくなってしまいますから!」



太田
「それはそうだが・・・しかし・・・」




「大丈夫です。私、絶対にクリアしてみせます!」



太田
「そういうことなら・・・分かった、頼んだぞ」




「はい!」ピッ






太田
「とは言ったものの、やはり一人では心もとないな・・・やっぱり追いかけよう」


一度は任せたものの、不安を感じた太田も椎の元へ向かうようだ・・・!







「絶対に間に合わせてみせます!行きますよ~!」


魔法使い
「おい!ちょっと待ってくれ!」


一人で魔法使いを館に連れていく恵庭椎
果たして、時間内にクリアすることはできるのか!?






12:30
1,050,000円
残り4人
小豆梓/恵庭椎/太田/ソーニャ

Re: 逃走中2~三角形の空想世界~ ( No.71 )
日時: 2022/01/08 23:55
名前: 綾木 ◆sLmy/eUNds (ID: ANX68i3k)


「時間がないんです!急いでください!」


魔法使い
「分かっている!まったく・・・とんだ無茶を言う奴だな」


魔法使いとともに移動する恵庭椎
残り10分までに館の扉を開放できなければ、中にある賞金リセット装置が作動し、それまでの賞金が無に帰してしまう!




ハンター
「・・・」


エリア内には4体のハンター
当然ながら、彼らに確保されれば即ゲームから脱落、賞金はゼロだ・・・!








太田
「俺らは・・・確かあっちの方に向かってたんだったよな」


魔法使いとともに行動する椎の後を追う太田・・・




太田
「急ぐぞ!万が一のことがあったら取り返しのつかないことになってしまうからな」


ミッションを確実にクリアするため、全力疾走で椎を追いかける・・・!










~牢獄~


ベルゼブブ
「あれは・・・誰でしょうか?」


ミュリン
「あっ・・・津田、会長が戻って来たぞ」


津田
「会長、お疲れさまでした」


シノ
「すまない津田、私としたことが・・・この重要な局面で捕まってしまうとは」


モンロー
「ミッション、どんな感じだったの?」


シノ
「館まであと少しのところでハンターに追われてな・・・恵庭か太田がすぐに戻っていてくれればいいんだが」


るん
「大丈夫!椎ちゃんなら絶対にやってくれるよ!」


田中
「・・・太田も・・・きっと・・・」


くいな
「捕まってしまったものは仕方ありません。後は残りの人たちを信じましょう!」


アリス
「そうです、会長が謝ることなんてありません!」


シノ
「そうだな・・・ここはアイツらを信じるしかないな」


しの
「ここからは全力で応援です!」


シノ
「ときに津田、津田を確保したハンターはSだったか?それともMだったか?」


津田
「えっ、急に何?」










小豆梓
「あと2分・・・そろそろね・・・」


ミッション失敗に備え、自首用電話の近くで待機していた小豆梓・・・




小豆梓
「今の時点でもう100万円貯まってるし・・・これでも十分だわ」


ミッションが終了する残り10分まで、あとわずかだ・・・!










ソーニャ
「もう時間がない・・・これは本当にマズいかもしれん」


ミッションの残り時間を確認したソーニャ・・・




ソーニャ
「待てよ・・・自首しても賞金リセットになってもアイツにバカにされるなら、自首した方がよかったんじゃ・・・」


この緊急事態に直面し、自首をしなかったことへの後悔が芽生え始める・・・






ソーニャ
「・・・あれは・・・?」

















「全力で走ってください!館はもうすぐそこですから!」


魔法使い
「これが今の全力だ!これ以上は無理だ!」


その近くに、館へ向かう椎と魔法使い・・・






ソーニャ
「何だ、館ってこっちの方だったのか」



「ソーニャさん!館はあの角を曲がればすぐです!」


ソーニャ
「そうか・・・じゃあ、私があっちの様子を見てくる。そいつを早く連れてこい」



「本当ですか!?助かります!」


残り時間の少なさに焦りを感じたソーニャも、ハンターの監視役としてミッションの手助けをするようだ・・・!










イモルト《演:関野ロコ(おちこぼれフルーツタルト)》
「ダメだ・・・このままじゃ、アネットが・・・!」


従業員1《演:前原仁菜(おちこぼれフルーツタルト)》
「大丈夫。きっと、もうすぐさっきのお姉さんが魔法使いを連れてきてくれるから」


従業員2《演:貫井はゆ(おちこぼれフルーツタルト)》
「その人さえいれば、幽霊なんて敵じゃないよ!」



残り10分までに館に入り、中の賞金リセット装置のレバーを操作しなければ、それまでの賞金が全て水の泡となってしまう!










太田
「あと1分半か・・・アイツは今どの辺にいるんだろうか・・・?」


椎の後を追い続ける太田・・・




太田
「・・・!マズい!」









ハンター
「・・・」


その先にハンターを見つけ、思うように動けない・・・!






太田
「これではとても動けんな・・・ここまで来ると、もうアイツに任せるしかなさそうだ」


最後までミッションへの参加を試みた太田
ハンターを目撃し、ここで運命を椎にゆだねた・・・!










~牢獄~


やすな
「もうすぐあと1分だ!」


双葉
「これって、失敗したら賞金がリセットされちゃうんでしょ?ピンチじゃん!」


姫乃
「もう時間ないよ・・・大丈夫かな・・・?」











「ソーニャさん!どうですか~?」


ソーニャ
「こっちは大丈夫だ!急いで行け!」



「分かりました!ありがとうございます!」


魔法使い
「この先にあるんだな?」



「はい!急ぎますよ!」


館へ向け走り続ける椎と魔法使い・・・




魔法使い
「ハァ、ハァ・・・」



「お願いです・・・間に合ってください・・・!」


手前の曲がり角に差し掛かり、館は目と鼻の先だ!






MISSION3
終了まで1分






小豆梓
「もうあと1分ね・・・自首するわ!」


自首用電話の近くで待機していた小豆梓
残り1分を切ったところで、ついに自首の準備を始めるようだ・・・!




小豆梓
「えっと・・・電話番号は・・・?」











「ここです!」


魔法使い
「ここか・・・」


魔法使いが、ついに館の前にやって来た!






魔法使い
「なるほど・・・確かに固く閉められている。でも、安心しろ。私なら何とかなる」


ソーニャ
「何か開ける呪文を唱えるのか?」



「お願いします!もう本当に時間がありません!」


魔法使い
「分かった!」


ソーニャ
「・・・」



「・・・」






MISSION3
終了まで30秒






魔法使い
「開け、ゴマーーー!!!」






ギィィィィィ!!!







「あ・・・開きました!開きましたよ!」


魔法使い
「まぁ、こんなものだな」


ソーニャ
「随分とベタな呪文だったな」



「・・・って、こうしてはいられません!早くレバーを降ろさないと!」


館に入り、賞金リセット装置に向かう椎とソーニャ・・・





「えっと・・・これですね!」






[TIME REMAINING 0:20]


ソーニャ
「ここにレバーがあるぞ」



「じゃあ、降ろしますよ!せーのっ!」


ガチャン!






[TIME REMAINING 0:17]



[TIME REMAINING 0:16]










[POWER OFF]






MISSION3 クリア







「あっ・・・電源が落ちました!これでいいんですよね?」


ソーニャ
「あぁ・・・どうやら間に合ったようだな」



「よかった・・・よかったです~~~!!!」






ピリリリリ ピリリリリ



~牢獄~


津田
「【MISSION3クリア 恵庭椎の活躍により賞金リセット装置のレバーが降ろされた 逃走成功時の賞金は120万円】!」


全員
「「おぉーーー!!!」」


しの
「ミッションクリアです!やりましたね!」


るん
「やったー!さすが椎ちゃん!」


シノ
「恵庭か・・・なかなかやるじゃないか」


津田
「そうですね・・・会長の分をしっかりカバーしたファインプレーだと思います」


シノ
「ああ見えて案外根性のある奴なんだな・・・あぁ、表情と根性のギャップで発情してしまいそうだ」


津田
「それ意味分かんない」










小豆梓
「えっ!?ホントに今発信ボタン押すところだったんだけど!?」


自首用電話から電話をかける直前にミッションクリアの通知を受けた小豆梓・・・




小豆梓
「危なかった~・・・!直前まで待っておいて正解だったわ・・・!」


ミッション終了ギリギリまで粘った作戦が、吉と出た・・・!




小豆梓
「それじゃあ、またここに隠れておくわね」


先ほどまで待機していた物陰に身を潜め、今度は逃走成功を目指す・・・!




太田
「あと4人か・・・」


MISSION3終了時点で残る逃走者は4人




ハンター
「・・・」


対するハンターは同数の4体
果たして、最後まで逃げ切り賞金120万円を獲得する者は、現れるのか!?






10:00
1,080,000円
残り4人
小豆梓/恵庭椎/太田/ソーニャ

Re: 逃走中2~三角形の空想世界~ ( No.72 )
日時: 2022/01/09 21:13
名前: konakun. ◆JmugMwQdvQ (ID: ffS4xNiM)

やーやーどうもkonakunですー。
後でコメントするわって宣言してから1週間以上も待たせてすいませんね← これもゲーム作r(×>ヮ<)<ゲフンゲフンレポートとかが忙しくて中々読めてなかったせいなのですよぅ。
幽霊退治に向けて魔法使いの場所を突き止めた!けど観覧車の1番上って一体どうやって助ければいいんだ!?…辺りでコメントしようとしたはずがいつの間にかミッション終了していたと。← 会長が電話をかけるつもりが架空請求来たのが個人的に好きなシーンでございます。
賞金リセットも無事回避ということであとは10分逃げて120万手に入れるだけというステップになりましたねぇ、身体能力高めの人からそうでない人まで、ここまで来たもんですから肉体的にも精神的にも消耗が心配なところですが果たして…!?
そんでは、次回もお待ちしておりますー。コメント送ってない間も応援してたんでそこはご理解をっ!←
(×>ヮ<)ノシ

Re: 逃走中2~三角形の空想世界~ ( No.73 )
日時: 2022/01/10 22:55
名前: 綾木 ◆sLmy/eUNds (ID: ANX68i3k)

konakun.先生

毎度コメントありがとうございます。いつでも大歓迎なので、タイミングについては気にしなくて大丈夫ですよ~。むしろ申し訳なく思うべきは応募させていただいたにも関わらず先生の新作にまだコメントできていない私の方な気が・・・とりあえず、この作品を完結させたらそちらに伺おうと思っています。

最後のミッションはどうも内容がふわふわしたまま本編やドラマを進めてしまったせいで個人的には少し微妙な内容となってしまいました。当初は魔法使い探しをするだけのミッションの予定だったのですが、復活ゲームが終わったあたりで「あれ?これ、遊園地要素なくね?」となって、申し訳程度の遊園地要素として観覧車を絡ませることとなりました。

細かいところまで目を通して読んでいただいているようで、ありがたい限りです。私としては、できるだけそれぞれのキャラに特有の個性をさりげないところで拾っていく努力をしていたので、そこに言及していただけるのはこちらとしても嬉しい限りです。
それにしても会長に関しては今回だけでネタが尽きてしまった感じがしないでもないですね・・・。次回以降出演させたときが非常に心配です。改めて氏家先生の引き出しの多さを思い知らされました。

そして最終ミッションが無事クリアに終わったところで残り時間は10分となり、あとは逃げ切るかどうかの勝負となります。残っているのは復活者2人を含む4人となっていますが、果たして逃げ切る者は現れるのか・・・?

あと数回で決着となります。最後まで見届けていただけると幸いです。

Re: 逃走中2~三角形の空想世界~ ( No.74 )
日時: 2022/01/10 23:55
名前: 綾木 ◆sLmy/eUNds (ID: ANX68i3k)

~~~



幽霊《演:緑へも(おちこぼれフルーツタルト)》
「フフフ・・・そろそろですね!」


遊園地では、幽霊が霊力を放出し続けていた・・・




幽霊
「最後は・・・どうしましょうか?どうせ最後なら派手に終わらせたいですよね!」


霊力を使い果たすため、最後の仕上げに向かったのは・・・








幽霊
「あっ、観覧車!これなんかいいじゃないですか!クライマックスにふさわしいですね!」


この遊園地の目玉である観覧車だ・・・!




幽霊
「フフフ・・・少し心苦しいですが、これを吹き飛ばせばちょうどいいかもしれませんね!」


???
「そうはさせるか!」


幽霊
「・・・?何でしょう?」


幽霊の背後にやって来たのは・・・












従業員1《演:前原仁菜(おちこぼれフルーツタルト)》
「ハァ、ハァ・・・やっと見つけた・・・!」


従業員2《演:貫井はゆ(おちこぼれフルーツタルト)》
「ダメだよ!そのまま人間になろうとするなんて!」


イモルト《演:関野ロコ(おちこぼれフルーツタルト)》
「お前、いい加減にアネットを返せ!」


館からの脱出を果たした3人だ・・・!




幽霊
「な・・・何で貴方たちがここに!?私があの館に閉じ込めておいたはず――」


魔法使い《演:筒隠つくし(変態王子と笑わない猫。)》
「私が扉を開けたんだ」


幽霊
「貴方は・・・魔法使い・・・!」


魔法使い
「まさか、本当に封印が解かれていたとはな・・・」


イモルト
「あの身体に幽霊憑りついているんだ!頼む、何とかしてくれ!」


魔法使い
「分かっている。さぁ幽霊、大人しくあの館に戻ってもらおうか」


幽霊
「フフフ・・・面白いですね。それでは、貴方の始末を最後の仕上げとしましょう!それなら、あの立派な観覧車を吹き飛ばさずに済みますしね!」


幽霊と魔法使い、決闘が始まった・・・!






幽霊
「・・・」




魔法使い
「・・・」












幽霊
「私は貴方を排除して、人間になります!えいっ!」ヒュン


魔法使い
「・・・甘い!」


幽霊
「・・・っ!?どこに――」


魔法使い
「ここだ!」


幽霊
「うっ、上ですか!?」


魔法使い
「はぁっ!」


幽霊
「あぁっ!」バタッ




従業員2
「すごい!魔法って、実物は初めて見たかも!」


従業員1
「こ、これが魔法使い・・・」




幽霊
「フフフ・・・なかなかやるじゃないですか・・・」


魔法使い
「手間はかけたくないんだ。一気に畳みかけるぞ!」


幽霊
「な・・・何ですか・・・?」


魔法使い
「これで引き離す!喰らえ、エクスプリュージョン!」


幽霊
「・・・っ!」




バーン!!!








従業員2
「お・・・おぉ・・・!」


従業員1
「眩しい・・・何も見えないよ・・・!」


イモルト
「一体、何がどうなっているんだ!?」




魔法使い
「くっ・・・!!!」


幽霊
「フフフ・・・あなたにこのまま押し切れますか?」


魔法使い
「随分と悠長だな・・・その余裕が本物かどうか、確かめようじゃないか!」


幽霊
「知ってますか?このままあなたの魔法を受け止めているだけでも、私の霊力は順調に消費されているんですよ?」


魔法使い
「何の話だ、それが・・・はっ、そうか!」


幽霊
「お気づきになられたようですね・・・そうです。私が霊力を使い果たしたとき、ここにいるのは幽霊の私ではありません。新しく人間として生まれ変わった私なんです!」


魔法使い
「それは・・・つまり・・・」


幽霊
「貴方がこのまま魔法の力で私を引きはがそうとするものなら、残念ながらそれは叶いません。なぜなら、私から全ての霊力が放出されたとき、私はこの身体そのものになっているのですから!」


魔法使い
「何てことだ・・・それでは意味がないではないか・・・!」


幽霊
「霊力の消費を恐れて貴方がこの攻撃の手を緩めようものなら、今度は私のターンが待っていますよ!さぁ、どうしますか?」




従業員2
「え・・・何、どういうこと?」


従業員1
「要するに、幽霊の目的は霊力を出し切ることだから、どう転んでもあっちの思い通りってことだね・・・」


イモルト
「なんだよそれ・・・それじゃあどうしようもないじゃないか・・・!」




魔法使い
「攻撃してもしなくても霊力のカウントダウンは止まらないというわけか・・・くっ、一体どうすれば・・・!」


幽霊
「フフフ・・・ん?えっ、あれ・・・?」


魔法使い
「・・・?何だ・・・?」


幽霊
「おかしいです・・・急に力が・・・!」






???
「姉さん、こんなところにいたんですね」


魔法使い
「・・・!?その声は・・・!」


幽霊
「こっ、今度は誰ですか!?」






謎の少女《演:筒隠月子(変態王子と笑わない猫。)》
「いつまでたっても来ないので様子を見に来たんですが・・・まさか幽霊と戦っていただなんて」


魔法使い
「おぉ!助かるぞ、妹よ!」




従業員2
「えっ・・・あれ、誰・・・?」


従業員1
「確か、あの魔法使いの妹だって・・・」




幽霊
「くっ・・・一体何のつもりですか!?私を離してください!」


魔法使い・妹
「確かに姉さんの魔法は力強くて、素晴らしいと思います。ですが、それだけではどうにもならない場合があります。今回だってそうです。私の停止魔法がなければ、さすがの姉さんもどうしようもなかったはずです」


魔法使い
「すまない・・・どうしてもお前を巻き込みたくなくてな・・・」


魔法使い・妹
「前にもそんなことを言っていましたね・・・はぁ、戦うときは2人でないと無謀だと何度言ったら分かるんですか」


魔法使い
「そうだな・・・よし!お前が来たからにはもう敵なしだ、一気に片付けるぞ!」


幽霊
「くっ・・・こうなったら、無理やりにでも・・・!」




バーン!!!




魔法使い・妹
「・・・っ!姉さん、私がこのまま押さえつけていますから、早く魔法を・・・!」


魔法使い
「よ・・・よし、分かった!」






従業員2
「なるほど!妹が押さえつけて姉がとどめを刺す黄金パターンだね!」


従業員1
「よくわからないけど・・・頑張れ~!」






幽霊
「こ・・・ここまで来て、この身体を手放すわけには・・・!」


魔法使い
「寝ぼけたことを言うな。そもそもその身体はお前のものじゃないはずだ。さぁ、大人しく眠っていてもらおうか!」


幽霊
「・・・っ!!!」


魔法使い
「我が煌耀の放出をもって、黒き世界を覆さん!エクスプリュージョン!」


幽霊
「そ・・・そんな・・・うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」






























魔法使い・妹
「・・・」


魔法使い
「ハァ、ハァ・・・!」




従業員1
「・・・?」


従業員2
「や・・・やった・・・?」


イモルト
「お・・・おい、どうなったんだよ!?」




魔法使い・妹
「とりあえず、幽霊は引きはがせたみたいです」


従業員1
「ほ、本当?」


従業員2
「それじゃあ――」


魔法使い
「ただ・・・あいつがどうなったかは――」




アネット
「」




イモルト
「あ・・・アネット!」


従業員1
「だ、大丈夫かな・・・?」


従業員2
「大丈夫だよ!もう悪い霊は追い払ったんだから!」




アネット
「」


イモルト
「アネット、起きろ!私だぞ!」


アネット
「・・・ん・・・?」


従業員1
「・・・!」


従業員2
「起きた!」


イモルト
「あ・・・アネット!」


アネット
「あれ・・・イモルトさん・・・?」


イモルト
「よかった・・・目を覚ましたんだな!」


アネット
「ここは・・・?私は一体・・・」


従業員2
「幽霊が憑りついて、その身体で好き勝手やってたんだよ」


アネット
「え・・・幽霊・・・?」


イモルト
「でも、もう大丈夫だ!悪い霊は追い払ったぞ!」


従業員1
「イモルトちゃん、あなたに憑りついた幽霊を追い払おうと一生懸命頑張ってたんだよ」


アネット
「そ・・・そうだったんですか・・・イモルトさん・・・!」


イモルト
「わ、私は何も・・・この人たちが全部――」


従業員2
「逆だよ逆!私たちなんて、イモルトちゃんの情報がなかったら何もできなかったわけだし」


従業員1
「本当に、イモルトちゃんはお姉さんのことをよく見ているんだね」


イモルト
「そ・・・そんなこと――///」


アネット
「イモルトさん、助けてくれてありがとうございます!」


イモルト
「あ・・・アネット・・・」


アネット
「でも、こんな迷惑かけてばかりの姉ですみません・・・私――」


イモルト
「何言ってるんだよ」


アネット
「・・・?」


イモルト
「困ったときに助け合うのは当たり前だ。なんたって、私たちは姉妹なんだからな」


アネット
「イモルトさん・・・!」


イモルト
「だから・・・また何かあったら、遠慮なく私を頼ってくれ。私はいつでもアネットの味方だ」


アネット
「イモルトさん・・・ありがとうございます!大好きです!」ギュッ


イモルト
「お・・・おい!急に飛びつくな、離せ!」




従業員2
「まったく・・・どっちが姉でどっちが妹なんだか・・・」


従業員1
「でも、お姉さんが無事で本当によかった!」






魔法使い
「本当に、姉妹という関係はこの上なく美しいものだな」


魔法使い・妹
「そうですね」


魔法使い
「・・・って、何を他人事のように見ているんだ!私たちだって、れっきとした姉妹のはずだぞ!」


魔法使い・妹
「はい、それは分かっていますが」


魔法使い
「というわけで妹よ、お前も私の胸に――」


魔法使い・妹
「飛び込みません。それより姉さん、私たちの任務はまだ終わっていないはずですよ?」


魔法使い
「・・・はっ、そうだった!あの霊はどこに・・・?」


魔法使い・妹
「まだ近くにいるはずです。探しに行きましょう」


魔法使い
「あぁ、そうだな!」


こうして、ひとまずアネットの無事は確保され、幽霊による悪行も終わりを迎えることとなった・・・!






数カ月後――






アネット
「さぁ、今度は何に乗りましょうか?」


イモルト
「落ち着け・・・まだ時間はあるぞ」


アネット・イモルトの姉妹は再び同じ遊園地に足を運んでいた・・・!




イモルト
「あれ・・・?」


アネット
「・・・?イモルトさん?」


イモルト
「ここって、あの時の館だよな・・・?」


アネット
「はっ・・・確かに、位置的にそうですね!でも、あの時ほどの不気味さは感じませんね・・・」


イモルト
「客も沢山いるみたいだぞ・・・一体どうなっているんだ・・・?」


アネットが幽霊に襲われた現場である館は、当時とは異なり沢山の客で賑わいを取り戻していた・・・!




従業員1
「あっ、あの時の!」


従業員2
「久しぶり!来てくれたんだね!」


アネット
「あっ・・・あの時はお世話になりました!」


イモルト
「ここ・・・どうしたんだ?確か、あの時は立ち入り禁止になってたはず――」


従業員1
「実はここ、少し前にお化け屋敷として復活したんだよ!」


アネット
「お化け屋敷・・・?」


従業員2
「何て言ったって、うちには強力な助っ人がいるからね!」


イモルト
「助っ人・・・?」


幽霊
「私のこと、呼びましたか~?」


アネット
「ひゃあっ!?」


イモルト
「お前・・・あの時の!」


従業員2
「あっ、こんなところで何してるの?出てきちゃダメだよ~」


アネット
「・・・え・・・幽霊・・・?本物・・・?」


イモルト
「どういうことだ?コイツ、アネットに憑りついていた幽霊だぞ!」


アネット
「え・・・そうなんですか・・・?」


幽霊
「イモルトさんの言う通りです、あの時は大変失礼いたしました」


イモルト
「『失礼しました』じゃねぇ!お前、自分が何したか分かって――」


アネット
「イモルトさん、落ち着いてください!」


イモルト
「アネット・・・コイツは・・・!」


幽霊
「安心してください。私はあなたの――いや、もう誰の身体に乗り移る気もありませんから!」


イモルト
「何だ、観念したのか・・・?」


幽霊
「あなたたちの楽しそうな姿を見てたら、もう憑りつく気なんて失せますよ・・・結局のところ、身体を乗っ取ったところで私は本当のお姉さんにはなれないみたいです」


イモルト
「何を当たり前のことを・・・」


従業員1
「でも、本当にあの時のことは反省しているみたいだから、許してあげて?」


従業員2
「私たちも、こうして『本物の幽霊の潜むお化け屋敷』としてこの遊園地を盛り上げていけているわけだし!」


アネット
「でも・・・ここって、前に行方不明事件があったんですよね?」


イモルト
「そうだ!それは大丈夫なのか?もし同じことがあったら――」


幽霊
「あぁ!その噂の子、実は私です!」


イモルト
「え・・・何だって?」


幽霊
「数年前に私、生身の人間としてここに遊びに来たんですが・・・そうしたらなんと!」


アネット
「なんと・・・?」


幽霊
「気づいたら私、幽霊になっていました~!」


アネット
「え・・・」


イモルト
「何だその軽いノリは・・・お前、今だいぶすごいこと言ってたぞ」


幽霊
「細かいことは本当に覚えていないんですが・・・でも、行方不明になったお騒がせな子はこの私で間違いありません。それからしばらく誰にも気づかれないまま、いつの間にかこの館に閉じ込められていて・・・」


アネット
「そうだったんですか・・・それはさぞかし寂しかったですよね・・・」


幽霊
「でも、今は大丈夫です!無理やり外に出たり、身体を乗っ取ったりしなくても、毎日こうしてたくさんのお客さんが遊びに来てくれますから!もう寂しくありません!」


従業員1
「私たち、あの後幽霊と話をしたんだよね」


従業員2
「結局のところ、無理やり封印させるよりこうして使ってあげる方がお互いにとっていいことが分かったんだ!」


幽霊
「そういうことです。あの事件の張本人である私がいるからには、もう同じようなことは絶対に起こさせません!ですから、これからも安心して遊びに来てください!」


イモルト
「だが・・・そう言われてもだな・・・」


アネット
「絶対来ます!何だかとても面白そうですし、この幽霊さんも悪い方じゃなさそうですし!」


イモルト
「アネット・・・?まぁ、アネットがいいなら――」


アネット
「決めました!イモルトさん、今からここに入りましょう!」


イモルト
「アネット!?私は別に――」


従業員2
「ちょうどよかった!今ならすぐ入れるよ~」


従業員1
「『本物の幽霊が潜むお化け屋敷』、楽しんでね~」


アネット
「ほら!早くしないと置いていきますよ~」


イモルト
「お・・・おい!待て!」


数か月後に幽霊を雇う形で復活した館
この遊園地の人気は今、急上昇中である・・・!


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