私はいつか、人になる。 作者/春奈 ◆xrF6h.BHgQ

第三話「日々」



―夏ちゃんはこれから夏休みかぁ―

夏ちゃんは夏休みで毎日が楽しいです。

「ナデシコさ~ん。お水です~!」

夏ちゃんはじょうろにお水を入れて撒いてくれました

―あ、やったぁ、お水!暑かったからなぁ―

「ん。暑そうだから背の高い植木鉢おいとこう」

そう言うと夏ちゃんはがんばって植木鉢を運んで

来てくれました。

―ありがと~夏ちゃん!―

しかしナデシコの自分の声は聞こえない事を思い出し

悲しくなりました・・・

―あぁきこえればいいのになぁ―

花の自分の言葉が人に通じないことは分かり切った事

けれど、夏ちゃんと話をしたいという気持ちは

変わりません。

―あぁ。人になりたい!人になって夏ちゃんと

しゃべりたい!私はいつか、人になる!―

それが今の一番の願いでした・・・