私はいつか、人になる。 作者/春奈 ◆xrF6h.BHgQ

第六話「別れ」
夏休みも残り少しになりました。
つい最近の事でした。ピィが突然やって来て、
「夏休み終わったら、お別れかもね。」
と言ったのです。
―なぜ?―
「鳥の長老様にいわれてんの。1ヶ月以上同じ所に
居ないこと。人にえさをもらうのはなるべく避ける
事。ってね。ま、あたしも悲しいけど。」
―なんでえさもらっちゃ駄目なの?―
「動物の世界なんて弱肉強食なのよ。
人にとって牛や鳥は食べ物でしょう?
いつねらわれるかも分からない。そんな世界で、
私たちは生きているのよ。」
と言って悲しそうに笑いました。
「だから、私はいろんなとこを旅するの。
世界中で飢えに苦しみ、死んでいく人をたくさん見た
私たちみんなそんな事と隣り合わせに生きてるの」
―でも・・・・・・―
「さぁそんな悲しそうにしないで。
みんないつかは生まれ変われるのだから・・・。
世界はつながっているのよ。私もまたここに来るかも
しれないしね!」
元気そうな顔をしているけれどピィも悲しいはずです
―泣きそうなかおしてる人が何いってるの!
世 界 は つ な が っ て い る
のだから―
「そうね。もう夏休み終わりまで待たずに出発するわ
元気でね。」
―うん・・・―

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