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*65*
「んっ……」
うっすらと目を開けた。
だが、真っ暗で、声は聞こえるが男の姿は見えない。
「どうするんだよ、これから」
「やるしかねーだろ」
「ははっ、情けねぇなぁ。 こいつらの中に、高校生いるんだぜ?」
「お前、そんなこと思ってねーだろ。 お前の教え子がいるってのによ」
「ははっ、別にどうでもいいさ。 こいつらは要らねーし」
この声……赤坂と、寿樹さんだった。
ーーどうして?なんで?何があったの?
私としたことが、酷く混乱してしまった。さっきまではパーティー会場にして、社長さんと話していた。のに……今は、こんな暗い所にいる。しかも、相手が見えない状態で、恐ろしい会話が聞こえる。
何人もを殺してきた私。今から何があるか大体予想はついていた。私は……殺される。きっと、助からない。
だけど、私の体は幸いにも自由だった。男二人は何をおもったか、縛っていないのだ。でも、逃げられない。暗くて、出口も見つからないから。
とりあえず、逃げることはせず、そこら辺に手を伸ばす。すると、もう一人、私と同じ状態の人がいることがわかった。なぜなら、相手の手に私の手が当たったからだ。
「あなた、だれ?」
こそっと小さな声で聞いてみる。男二人は、声の大きさからして、あまり近くにはいないことがわかっていたから、きっと小さな声ならばれない。
「…………」
返答は、返ってこなかった。どうしたのだろう、まだ気絶しているのだろうか。すると、私は異変に気づく。相手の手は、なにかで濡れていたのだ。手を限界まで顔に近づけ、匂いを確認した。少しの鉄の匂い……これは、血だ。
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