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マジカルスイーツショップ【完結!】
作者: モンブラン博士  (総ページ数: 198ページ)
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僕はウラヌスの胸板に、フロイさんの得意技で傷をつけます。

「おのれ…王李少年。この俺の体に傷をつけるとは!こうなったら、一撃で仕留めてやる!」

彼は僕を掴み放り投げ、掌から冷凍光線を発射し、氷山を作り上げます。

ですが、この動きは先ほどの試合で既に予測済み。

僕は両手で炎の弾を放ち、氷山を溶かします。

そしてそのまま、猛烈な回転を体にかけ、巨大隕石となって彼に落下していきます。

「『炎烈撃烈隕石制覇拳』!」

この日のためにとっておいた僕の新必殺技を彼に炸裂させます。

「こんな偽の隕石など破壊してくれる!」

「はあああああああああああああああっ!」

僕は回転のスピードをどんどん上げていきます。

すると、彼の手に摩擦で上がった炎が引火し、それに驚いた彼の押し返す力が弱まりました。

その隙をついて、僕は彼の懐に入り込み、彼の体を貫きます。

「…俺が信じられるのは…己の刀のみ…それ以外は、何も信用できぬ〜ッ!」

彼は断末魔と共に倒れ、動かなくなりました。

カンカンカンカンカン!

これで僕たちスター=レスリングジムの2勝目が決まりました。

すると、もはや動けるはずのないはずのウラヌスが立ち上がってきました。

「て…敵ながら天晴だぜ、王李少年。さあ…師匠の敵を討て…」

彼は僕にジャドウさんの剣を僕に渡し、口を開きます。

ですが、僕は剣を受け取り、鞘に納めました。

「『試合が終われば、憎しみも終わる』。これは、僕の師匠の言葉です。僕は殺し合いのためにあなたと闘ったのではなく、あくまで師匠を倒した敵と闘い、それを超えたかった。それだけです。あなたはもう、僕の敵ではない。星へ帰ってください」

すると、彼の姿が元に戻り、穏やかな顔で、僕に笑いかけました。

「…俺は、今まで誰も、自分の仲間でさえも信用できなかった…
だが、あんたの決して試合を諦めず、勝利を信じ闘い続けるその姿に、負けたよ。これからは、あんたら地球の人間たちの可能性を信じてみることにするぜ…」

それだけ言うと、彼は粒子になって、大空へ吸い込まれるように消えていきました。

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