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作者: モンブラン博士 (総ページ数: 198ページ)
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*140*
試合開始のゴングが鳴り、私と彼女はリング中央で力比べを始めた。
こうして力比べをするのは何年振りだろうか。実に懐かしい。
「あんたは確かスター=レスリングジムの会長よね?」
「ああ、そうだよ。私が1番強くてえらいのだよ」
「じゃあ、つまり、あんたを倒せばあんたたちは全敗したも同然ってわけね?」
「そういうことになるね。でも、きみに倒せるかなー?」
「あったりまえじゃない。私を舐めないで!」
すると彼女は腕に力を込め、私の体をのけ反らせた。
うーむ。実にすばらしい握力だ。
「なにいってんの、当然じゃない。私の握力は、銀河太陽系8神の中で1番なんだから!」
私はそんな彼女に巴投げをかけて投げ飛ばし、口を開く。
「それはすごいことだよ。何かに1番になれるというのは、本当に名誉なことだから、自分ですごいと思っていたほうがいいだろうね。ところで、きみは何か趣味とかあるのかな?」
彼女は少しいたずらっぽい子猫のような笑みを浮かべ、
「ゲーセン通いよ。地球のゲーセンは最高!」
ゲーセン。それは、ゲームセンターの略。
私はゲームセンターにはほとんど行ったことがないから、正直何が面白いのかさっぱりわからない。
「でしょうね。あんたは時代錯誤な絵画とか音楽とかを好みそうな格好しているもの」
彼女は私の服のセンスにケチをつけた。
自分ではかなり似合っていると思っていただけに残念だ。
ファッションに関しては、女の子のほうが詳しいから、これからは私の直弟子のメープルちゃん、フロイちゃん、フォルテちゃんに聞いてみよう。
みんなには内緒なのだが、私はかわいい女の子が大好きなのだよ。
意外かもしれないけど、男の娘や美少年よりもボク少女やお嬢様のほうが、私の中ではランクが上なんだよ。
自分では無意識なのだが、私はもしかするとロリコンでショタコンなのかもしれない。
これがばれたら、カイザーくんたちにまた何か言われるかもしれない。
読者のみんなは。彼らに黙っておいてほしい。
今のところ私の好きな弟子のランキングのベストスリーは、全員女の子なんだよ(ちなみに4位は星野くんで、5位がハニーくん。
カイザーくんたちは別枠。彼らは大人だからね)。
「ふーん。あんたそうやって口に出しているから、もう周りにばれちゃっているわよ」
彼女の発言で私はハッと我に返った。
こうなっては仕方がない。
侘びのしるしに、私の芸術的プロレスを彼女に体験してもらおう!
今回登場したカインはヒナさんのオリキャラを元に創作しました。ご応募ありがとうございました。