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作者: モンブラン博士 (総ページ数: 198ページ)
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*190*
彼女は再びドロップキックを敵に放つ。
それを受けた彼は明らかにわざとオーバーにのけ反り、海王星神とタッチした。
「やっと俺の出番か。待ちくたびれたぜ!」
彼は白装束を吹き飛ばし、姿を現した。
翼のように広がりつつ逆立った独特の茶色の髪を持ち、額から影が差し、不気味に輝く金色の瞳が特徴の海王星神、シャドウレイはその姿を現すと、いきなりラリアートで彼女を強襲した。
「きゃあっ!」
彼女はその威力に思わず尻餅をつく。
「情けねぇ。これでも元同志か。火星神の名が聞いて呆れるぜ」
彼はヘラヘラ笑いながらも、その瞳は底知れぬ残虐性を帯びている。
「前のアシュランとかいう野郎は弱すぎて話にならなかったが、今度は俺たちの元同志が相手だ。遊びがいがあるってもんだぜーッ!」
彼は立ち上がってきた彼女をジャンピング=ネックブリーカーで押し倒すと、そのままエルボーを数発浴びせる。
「ハハハハハ!弱い奴だ。これでも神かよ!」
彼は彼女の体を数回蹴飛ばし、私目がけて彼女を投げつけた。
しかし、これが彼女の狙いだった。
素早く私に片手を伸ばし、タッチすると、放り投げられた勢いを利用して、リング下まで下がると、青コーナーで油断していたセラロの足を掴んで引きずり倒すと、そのまま場外乱闘へと持ち込んだ。
私はそれを確認すると、リングへあがり、敵のお株を奪う先制攻撃を仕掛けた。
「ぐうっ…やるなカイザー、味な真似を覚えたな?」
「声が変わっていないようだが、相変わらず、お前はオーバーボディによる変身は苦手なようだな、シャドウレイ。いや、ネプチューンよ!」
「ばれたらしょうがねえ。おい、セラロ!俺はお前より先に正体を明かしてやるぜ!」
味方の返事も聞かず、彼は内側から豪快にオーバーボディを粉砕した。
「ご名答だぜ、カイザー!俺は神話にも語られし、海王星神ネプチューン様だーッ!」
オーバーボディの中から現れたのは、青い長髪、深い青の瞳、深い青の首飾りにルビーの入った腕輪。190センチのバランスのよい体格に、引き締まった体つきの何千年ぶりかに見た、懐かしい元同志の姿だった。
「俺をこの姿にさせたということは、それなりの覚悟はできているんだろうな?」
「当たり前だ、ネプチューン!今こそ、太陽と海の対決に、決着をつけるときだ!」
「望むところだ、カイザー!」
私たちは同時にタックルで激突した瞬間、その死闘の幕が開かれた。
※今回登場したシャドウレイは、レイRさんのオリキャラを元に創作しました。ご応募ありがとうございました。彼の仲間思いの性格もきっちり書きたいと思います!