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作者: モンブラン博士 (総ページ数: 198ページ)
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王李くんの逆転勝利でようやく2勝目をあげることができました。
これで対戦成績は2勝3敗。
天王星神ウラヌスと冥王星神ラルスは敗北し、自分の星に帰りましたので、残る銀河太陽系の神は6人です。
「オーッホッホッホ!」
そのとき、オーロラビジョンの自由の女神前リングが拡大され、クロノスのアップの顔が写し出されました。
「あなた方は、たかがウラヌスとラルスを倒したぐらいで喜んでいるのですか?それでは、嬉しさでいっぱいのあなたたちに、嬉しいお知らせ。実は、彼らは我々の中で最弱なのです!」
そ、そんな、ジャドウさんを倒し、王李くんを圧倒したウラヌスが最弱とは…今だ正体さえ見せていない他の銀河太陽系8神の実力は、彼らより遥かに強いというのでしょうか。
喜びから一転、強い絶望感に襲われる僕たちの前に、スターさんが現れました。
「やあやあ、諸君!がんばっているようだね!」
彼はいつものように快活な笑みを浮かべ、僕の隣に座りました。
「そうそう、ジャドウくんが死んでしまったようだね。彼は本当に頼りになるいい弟子だった。それだけに、悲しいものだよ」
声だけ聞くと悲しくて胸が潰れてしまいそう、と言った感じですが、彼の顔は言葉と違い、そうなると思ったと言いたげな、達観した表情を浮かべています。
「実はこれは、ジャドウくんが私にあらかじめ教えてくれていたことだけれど、彼は先ほどの試合で、自分が負けることを、得意のトランプ占いで占って、知っていたのだよ。そして王李くんが自分の倒せなかった相手を倒すこともね」
「えっ?」
僕が疑問符を口にすると、彼は一枚の封筒を僕に手渡しました。
「これを開けて、中に入っている手紙を声に出して、読みたまえ」
僕はなんのことだかよくわかりませんでしたが、封筒を開けてみると、2枚の紙が入っていました。
差出人は…
「ジャドウさんからです!これはもしかして、彼の遺言書…」
「まあ、なんでもいいから、読みあげてみたまえ」
僕は大きく息を吸い込むと、彼の口調を真似て、手紙を読み始めました。