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マジカルスイーツショップ【完結!】
作者: モンブラン博士  (総ページ数: 198ページ)
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*36*

目を開けると、誰かがチェイダーさんの拳を受け止めていた。

「……お主、女の子に暴力はいけないでござる」

「川村くん!」

いつの間にか、あたしとチェイダーさんの間に川村くんが割って入っていた。

「言っていたでござるよ。お主らがピンチのときは、いつでも拙者がかけつけると!」

カッコよく登場したのはいいけれど、一体どこから入ってきたんだろう。

「そんなことはどうでもよいことでござろう。
今はこやつを倒すことが先でござる」

「いい度胸だ小僧。表へ出ろ。漢らしく正々堂々勝負をしようじゃないか」

「望むところでござる」



と言うわけで、あたしたちは外に出て、お店の広い広い庭で決闘が行われることになった。

このヘンリーさんたちのお店は西洋風の洋館で、庭も相当な広さがある。

だから決闘をするスペースはある。しかもいつの間にか椅子も3つ用意されている。

あたしはクロワッサンくんの隣の席(ちょうど真ん中にあたる)に座り、戦う気満々な二人に一言。

「ってダメだよ、ふたりとも!決闘だなんて物騒だし…」

「…そうだね。それにしても、うどん美味しい」

突然の声に左の席を見てみると知らない男の子がいつの間にか座ってうどんを食べていた。

顔は美形…というレベルを通り越して完全に女の子だ。

茶色のポニーテールが風に揺れて、可愛らしい。

「きみ、クロワッサンくんとキャラ被っているね」

「…似ているようで少し違う。それが僕」

「決闘を見ながら、うどん食べて美味しい?」

「…どこで食べてもうどんは美味しいよ。
…食べ終わったら、次は僕があのおじさんと戦ってあげる。
…その代わり…」

その代わり?

もしかして、これは「俺の彼女になれ」的発言が飛び出すに違いない。
そう予想し、身構える。

「…うどんおごって。もう完食しちゃったから」

「……」

あまりに安っぽい要求に言葉が出ない。

っていうか、そもそもこの子、誰?

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