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＊紹介文／目次＊

1

雨が、降っていた。
土砂降りの雨だった。
細い一筋の流れが、坂を下って行く。
その流れは、少しずつ、本当に少しずつ、太くなっていって。

騒めきが、聞こえる。

「あれ…なん…だ？」

雨音で声が消されてしまう。

ーあの流れは何か、だって？

知る訳、無いじゃないか。領らないよ。

そう、知らないんだ…。

・・・・・・・・・・・・・・・

雨の中、座ったままで。
口を、動かした。
けど、声など出なくて。出せなくて。
…でも。
その声は、
届かなくて良い。
自分への、戒めだから。

10～ 20～ 30～ 40～ 50～ 60～

＊5＊


2ー5
「え」

可愛い微笑みと共に、言葉の爆弾落とす所が彼女の恐い所だ。微笑みに騙されると、容赦無く爆弾を仕掛けられて焼け死ぬ。
私を殺す気か、この娘は。何か彼女の恨みでも買っただろうか。…もしかして、私が馬鹿すぎて阿呆を極めているから？
いやいや、そんな事はこの10年間容認してくれていたはずだ。今更恨まれても………。

「…………。」

これ以上真琴に何か言っても無駄だろう。10年間一緒にいると、直感で分かる。
だから、彼女は親友を精一杯睨めつけた。自分に今できるのは、これだけ。悲しいけど。うん。

ともかくこうして舞は、色々と複雑な状態でレストランへと向かったのだった。

汝……グリンピースよ。
いつかお前らを、この地球上から根絶してやる。
私がバイトをするようになった元凶だからね。一生この恨みを忘れるものか。