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*1*
第一章
「ねぇ、スネリー、本当にここに妖怪がいるの?」
大きく変化したもっけの背に乗ったルナは、スネリに質問した。
「ええ、いるはずよ。でも、・・・妖怪のにおい・・なのかしら。
少し、違うような気も・・」
スネリは言葉を濁した。
この町に来て3ヶ月がたった。
スネリの鼻が妖怪のにおいをとらえ、この町に降り立ったが、
妖怪が襲ってくる気配は少しもしない。
そのとき。
ぐぅうううううううううううっ
ルナのお腹が盛大になった。
「うー、スネリ、お腹すいちゃったぁ・・一旦降りて、なにか
食べたいよー」
ルナは情けない声を上げる。
「そうね、もうずっと飛んでいるし・・・もっけ、近くに何か食べられ
そうな所はない?」
「そうだなー、おっ、あそこなんていいんじゃないか?」
もっけはそう言い、人目の無いところに降りた。
「!!やきそば!・・・パンのにおい!」
ルナはそう言うと、物凄い勢いでそのにおいのもとへ走っていった。
「ちょっルナ!」
「アレがいつもの運動オンチルナには、どー見てもみえねぇよなぁー」
確かに、と、スネリもうなづき、二人はルナの後を追った。
今までずっと黙っていた、ルナの双子の弟、タイも
そんなルナをみて、ふっ と、笑ったのだった。
「っ痛・・!」
サーヤの首筋に、電流が駆け抜けたような痛みが走った。
サーヤのマテリアルは、破魔のマテリアル。
悪魔の存在を感じることができる。
そのサーヤの言葉を聞き、マテリアルたちは周りを見回した。
すると、一匹のチョウが、男の人に近寄っていった。
おまけに、悪魔の証拠でもある、灰色の靄が、そのチョウの周りを
囲んでいた。
「あのチョウが悪魔だよ!」
「光よ 悪を討つ鋭き矢となれ!」
レイヤは、光の矢でチョウを追い詰める。
チョウはひらひらと飛び、レイヤの攻撃をかわしてしまう。
「ここは私が!」
そう言い、サーヤは破魔の笛を取り出した。
♪ー・・・・・♪・・・・〜
美しい破魔の旋律が、悪魔の耳(?)
にも届き、それまでひらひらとレイヤの攻撃をかわしていた
悪魔も、次第に動きが鈍っていき、最後には動くことさえできなくなっていた。
「地よ、敵を捕らえる腕となれ!」
徹平の力で作りだされた土の腕により、チョウの悪魔はつぶされ、
霧散していった。
「ふー、疲れたぜー」
徹平が言った。
「徹平さんはとどめを刺しただけでしょう。がんばったのは紗綾さんと
レイヤくんです」
「あは・・志穂ちゃん、徹平さんもがんばったんだし、怒らないであげて?」
「別に、これくらい、すごくもなんともない。」
志穂はいつもどおり、徹平に毒舌を吐き、
サーヤもいつもどおり、志穂をたしなめる。
レイヤもいつもどおり、クールな表情をくずさなかった。
「はぁ・・。しょうがないですね。この時間だと、近くにパン屋さんの
車が来ていると思います。」
そういい、サーヤたちは、ルナたちもいる、
パン屋の車へと歩いていった。