完結小説図書館
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~ 110~ 120~ 130~ 140~ 150~ 160~ 170~ 180~ 190~ 200~ 210~ 220~ 230~ 240~ 250~ 260~ 270~ 280~ 290~ 300~ 310~ 320~ 330~ 340~ 350~ 360~ 370~ 380~ 390~ 400~ 410~ 420~ 430~ 440~
*322*
「な・・・!悪魔!?」
伊吹が、驚愕の声を漏らす。
「そのようですね・・・」
圭吾も、目を見張っている。
すると、店の前で立っていた二人は、そのドアを開け、中に入ってきた。
「ふぅん、ここねぇ・・・・王子と王女たちが居るトコ♪」
ビアンヌは、余裕の笑みを見せながら、店内を見回す。
「・・・・悪魔・・・・・?」
伊吹が、ぼそりと圭吾に耳打ちする。
「おそらくは、そうです。でも、僕たちには今、何の力もない訳ですし・・・・」
「でも、元マテリアルだってことには変わりないだろ!・・・・!危ない!」
伊吹が話している間に、メイラが、片手を伊吹たちに突き出してきた。
「何をこそこそ話しているの?せっかく王女たちが居ない間に来たって言うのに」
凍りつくようなその眼。
真っ暗な闇に見えて・・・・。
そのときだった。
カラン!!
と、大きな音を立てて、サーヤ達がウィンドミルに飛び込んできたのは。
「紗綾!?」
「紗綾ちゃん!」
マテリアルと、ルナたちは、伊吹と圭吾の前に盾になるように立った。
「今、妖界から戻ってきたんです。帰ってきたら、ここから力を感じて・・・・・」
サーヤは、目の前に立つ悪魔二人に驚きながら、言った。
「伊吹さんたちは、下がっていてください」
と、志穂。
「無闇に逃げても、どうせ周りに下級のヤローらが居るんだ。
外に出ないほうがいいと思う」
これは陸。
伊吹たちは、この状況で、パニックにならない現マテリアル達の冷静さに、感嘆せざるを得なかった。
そして、言われたとおりに、出来るだけ後ろに下がる。
「あら〜?王子達、戻ってきちゃったの?なぁんだぁ、つまんない」
「本当ね。まぁいいわ、魔梨たちとはもう一度戦っておきたかったもの。”目覚めた”王女ともね」
メイラたちは、やはり笑みを見せながら、マテリアル達に言った。
「お前たちと悠長に話している気はない。さっさと消えてもらう!」
魔梨のその声で、戦いが始まった。
幸い、今は人通りの少ない時間。もともとこの店のあるとおりは、この時間帯、人通りが少ないのだが。
「光よ、悪を貫く鋭き矢となれ!」
「闇よ、無限となりて、光を飲み込め!」
魔梨とレイヤが、攻撃を始める。
が、さすがは上級悪魔と魔王の妹なだけある。
二人は攻撃をモノともせず、ふっとかわして見せた。
「ダメか・・・・」
レイヤは舌打ちをする。
「ビアンヌ一人でも結構キツイのに・・・・よりによってメイラまで来るとか、反則だろー!!」
徹平が、一人で騒いでいる間に、サーヤは考えた。
(あの技を使う? でも、効果がなかったら・・・・?
かなり体力を消耗するし・・・・・やったこともないし・・・・)
その技は、アーティファクトを使う、破魔の聖女のみが出来る、おそらくこの世で最強の技。
「ダメでも・・・・やってみせる!」
サーヤは、歯を食いしばり、一歩前に進み出た。
+++