完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

フェアリーテイル ―雪国の氷―  完結
作者: ハヤチ  (総ページ数: 65ページ)
関連タグ: FAIRYTAIL グレイ・フルバスター 二次創作 微グロ 
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~

*15*

柚々華s

ありがとうございます^^
駄文ですが…見てくださって幸いです^^

三話「仲間の為に」


時は残酷だ。
振りむかえらず進むと時は進まず、少し後ろをみれば、急激に進む。

「あと5日…なのか…。」

未だに喧騒の止まないギルド。
それすら懐かしく思えるのは、終わりを自覚しているからか。
自嘲気味に笑みを浮かべ、ネックレスを掴む。

「おーい、グレイー。」

ふよふよ飛んてきたハッピーは一枚の紙を抱えてきた。
ハッピーによると、マスターの対策が書いてあるとのこと。
ひらりとめくる。

『今日、お前は一時このギルドを出なくてはいかん。
 ワシもこのことを苦しむが、お前の為だ。
 お前を狙うものどもは、きっとギルドを襲撃する。
 それまでにお前はイスバンに眠るといわれる神、『メモリー』
 をよみがえらせにいけ。
 その神は邪神だが、代償を払えばきっとお前の願いが叶う。
 無事を祈ろう。

    
              マカロフ』

その内容は単純で、重くて、切なくて。
しばらくギルドに居られないことはとても辛かった。


もしかしたら、戻れない。

そんな恐怖もあって、自然に体が震える。
すると、誰かが肩に手を回してきた。

「大丈夫だって、そんな心配そうな顔するな。」
「私たちがついて行こう。」
「いつもグレイは誰かのために戦ってくれたでしょ?それと同じよ!」
「おいらも忘れないでよね!!!」

そのとき、一つの言葉が胸に落ちた。


一人じゃないよ。

確かこの言葉は、母が死ぬ間際に言った言葉。
気高く、優しい母が涙を流して言った言葉。

「わり、…迷惑、かけるかもな。」

そう言うと、ルーシィはニコリと可愛らしい笑顔に変わる。

「もう!仲間でしょ?」

その言葉だけで十分なのに、とても暖かくなった。
剣のネックレスが揺れる。
死ぬ間際の父から貰った物だ。
確か父は、この剣に願いを託すと言っていた。
なんの願いかは、知らないが。

こうして、男女四人と猫一匹の旅が始まった。


三話・終


二章・終  >>NEXT・三章『旅1』

14 < 15 > 16