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*2*
「あんたら、うるさーい!」
余りの騒音に耐え切れず、ルーシィは叫んだ。
そのとき。
「今帰った。」
凛々しい声、揺れる緋色の髪
彼女…エルザ・スカーレットは周りを見わたして、
固まっているナツとグレイの方へ歩を進める。
―怒られる!
そう思っていた二人だが、怒りの拳はこない。
クエストの紙だけが、机に置かれた。
「このクエスト…私だけでは退屈そうでな。
久しぶりに仲間で行こうと思うんだ。」
「うぉっしゃあああああ!!燃えてきたああああ!!」
久しぶりの依頼に、ナツは大喜びする。
グレイは無視して、依頼内容を聞いた。
「どんな内容だ?」
「ああ…【氷晶の崖にある百合を摘む】…だそうだ。」
グレイは、ふと自分の故郷イスバンの子守唄を思い出す。
―百合の華よ 冷たき氷に 身を隠し
冷たくとも 咲き続けよ…
「それなんの唄?」
「へ?……あっ…!」
しまった、とグレイは思った。
自分は無意識に子守唄を歌っていたらしい。
「いや、…何でもなんだ…。」
「?ふーん…。」
―何処か―
「…そろそろ、開花する…」
暗い闇の中、5人の男女が座っていた。
「あと少しで、私たちの夢がかなうね!」
赤毛の女は喜ぶ。
それにつられて、皆笑い出した。
「そうだな。 まっていろ ―氷の滅龍魔導士よ…。」
そうやってにやける男のそばにあるラクリマには
ギルドで騒ぐ、グレイだった。
一話・終
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