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フェアリーテイル ―雪国の氷―  完結
作者: ハヤチ  (総ページ数: 65ページ)
関連タグ: FAIRYTAIL グレイ・フルバスター 二次創作 微グロ 
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四章『旅2』


一話「意志」



「…ナツ、何の真似だ。」

グレイの声に色が戻る。
それは、怒りの色だ。
だが、逆に怒り狂ってるのはナツの方だ。

「自分の命、粗末にしてんじゃねえ!!」
「…!!しょうがねえんだよ!」

遂にグレイが叫ぶ。
ナツは少し、笑みを取り戻したようだ。

「…お前は生きたくねえのかよ。」

ナツの静かな言葉にグレイは言葉を飲み込む。
その様子を見て、ナツの声は低くなった。

「お前は、これで終わりたいのか?」
「…しょうがねえよ、俺の命なんて」


ナツがグレイの胸倉をつかむ。
グレイはいきなりの事に驚き、息が止まる。

「俺の命なんて、とか言うんじゃねえ。俺はお前の本当の意志を聞いてるんだよ。」

グレイは悲しそうな顔になる。
そして、遂に叫んだ。
自分の、本音を。






「決まってるよ…。      死にたくねぇに決まってんだろ!!」

その言葉にナツも、捕らえられているルーシィも、ハッピーもエルザも笑顔になる。

次の瞬間、ルーシィが男の腕に噛み付いた。

「ぐ!!!」

男の手が緩まった瞬間、ナツの拳が燃える。

「火竜の…          鉄拳!!!!」

男は高く、高く吹き飛ばされる。
その光景をグレイは唖然と眺めていた。


「…立てるか?」
「たりめーだ。怪我はねぇんだから。」

ナツの手を無視して、グレイは立ち上がる。
だが、すぐにふらついた。

「あっ………………!!!」
「おっと!んだよ、ヨロヨロじゃねぇか。」

どうしてだとナツが悩む姿を見ていたルーシィは「あ」とひらめく。

「グレイ、ギルドで何回滅龍魔法つかった?」
「…一日一回。」

コレで確定したとルーシィはため息をつく。

「…それ、魔力不足でしょ?」

ナツとグレイが顔を見合わせる。
そして。

「…お前のせいだクソ炎ぉぉぉぉぉぉぉおお!!」
「あ?喧嘩に乗るお前だろぉがああああああ!!」

いつもの殴り合いの喧嘩が始まる。
呆れ顔、いや、少し嬉しそうな顔をしたルーシィは静かに言った。

「こういうのって簡単に変わらないのねー。」
「あい!」

しばらくコレが続きますようにと、ルーシィは青い空に願った。

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