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*38*
柚々華s
読了感謝いたします^^
いや、自分でも「グレイかわいそうな・・・」とか思います・・・。
柚々華さんもがんばってください^^
六章『運命だから』
五話「俺は」
今、マグノリアは襲撃されている。
何者かなど分かりやしない、辺りが爆発しているのだ。
奇跡的に死者はいない。だが、建物が崩れる前に住民を避難させた。
「ウェンディ、怪我人の治療をお願い!!」
ミラジェーンが叫ぶ。
ウェンディはたまに休憩をとりながら、治癒魔法で怪我を治していた。
「でも、一体誰がこんな…。」
ジュビアが目を据わらせた。
もしかしたら以前、予知していたことが今起きたのかもしれない。
座っていたリサーナが立つ。
「私、ナツ達を追ってくる!!」
「ちょ、ちょっとリサーナ!」
突然の発言に、皆は驚きを隠せなかった。
カナがリサーナの肩をつかむ。
だが、リサーナはカナの手を掴んで下に下げた。
「私は、ここでノンビリできない!」
リサーナがギルドの扉にむかう。
扉を開け、走ろうとした瞬間、何かに弾き飛ばされた。
すると、ガラスのようなものが散らばる。
「きゃあっ!!」
「コレ…… 氷?」
パキィンッと音がする。
リサーナが飛ばされたときに、割れたものは氷だった。
「………。」
「グレイ!!?」
グレイは優しく、儚く微笑んだ。
そして、そっと首のネックレスを外す。
「悪ぃーな、皆。俺は、お前等に危害を加える気はない。」
「え……………!!?」
グレイは着物をはだけさせた。
肘まで着物をおとす。
グレイの首には、足にあるはずだった痕がある。
気のせいか、その痕は龍に見えた。
「…俺は、今ここで…、ギルドを、辞める…っ。」
その声は苦しげで、単純で。
泣きそうで、吐きそうで。
皆はグレイを見つめている。
マカロフがグレイに近づいた。
「お前がいまさらそんなことを言うとはのぉ…。何があったのか言うてみぃ。」
優しい声に、グレイはきつく目を瞑った。
この声を聞いていると、溶かされそうだったから。
震える声を必死に抑えて、言葉をつむぐ。
「俺とっ、いると不幸になる、しっ、俺は迷惑をかけたくないっ…。」
マカロフは優しい目で、グレイに歩み寄る。
瞬間、男―ルドがグレイを奪った。
「まだ、ギルドマークのこってやんの。」
「!貴様がナツ達が話しておった!!」
ルドはにこやかに微笑むと、グレイの胸を押さえつける。
すると、マークは消えた。
「あっ……。」
「後悔、してないでしょ?」
グレイは俯いたが、小さく頷いた。