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フェアリーテイル ―雪国の氷―  完結
作者: ハヤチ  (総ページ数: 65ページ)
関連タグ: FAIRYTAIL グレイ・フルバスター 二次創作 微グロ 
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二話「忘れない」


「はぁ…。」

男女判別不明の人間、ガーレは外に居た。
崖っぷちのところで月を眺めているのだ。

「……何も、思い出せない。」

ガーレは哀しい人間だった。
記憶を忘れているのだ。
すべて、すべての記憶を。

ただし、一つの単語は耳に張り付いている。

「グレイ…か…。」

ガーレは目を瞑る。
記憶を探るが、やはり何も思い出せない。
グレイという単語が頭に残っているのだ。

「儀式を成功させると、お前は死ぬ…のか…?」

ガーレは思わず手を握り締める。
おかしい、自分はこの道を選んだはずだ。
今まで震えもしなかった手が、今ここで震えている。

「…やはり、駄目だ。」

ガーレは映像ラクリマを見る。
そこに映るのはナツ達だ。

「彼らなら、この作戦を…阻止できるかもしれない。」

そんな淡い期待を抱き、ガーレはナツ達の所へと向かった。


―マグノリア・妖精の尻尾―


「…どうして、こんなことになったんだろうね…。」

静かにミラジェーンが呟く。
皆の顔は欝気味だった。
マカロフは静かにうなり、顔を上げた。

「ナツを信じねばのぉ。なぁに、アイツならグレイを殴ってでも連れて帰るじゃろ。」

その言葉に、皆は顔を上げる。

「そう、ですね。グレイ様も弱い精神を持ち合わせていません!」
「ああ、ナツの鉄拳喰らえば目ぇ覚ますだろ!!」
「ルーシィが、大変そうだな!」
「エルザが両成敗してくれるよな!」


それがあの最強チームだ!

全員の声がそろう。
何時の間にか、全員の顔は笑顔だった。



「…グレイ、大丈夫?ぶっつづけで、魔導四輪なんて疲れるだろ?」
「平、気だ。」

今、グレイは魔導四輪を2時間動かしている。
汗の量も徐々に増えてきていた。

「…あ、ガーレ。」
「え…?」

グレイが顔を上げる。
すると、いきなり目を見開いて魔導四輪をとめた。

「うおっとっ…。」
「!!ル、ルド?」

ガーレの目が見開かれる。
裏切った事がバレたのかと、ガーレは不安になった。
グレイが口を開く。


「レイガ!!!!」



ガーレ、それは偽名の物語。

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