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*47*
「さぁ、グレイ!!歌いなさい?」
「……っ。」
グレイは小さく震える。
その様子をナツは見逃さなかった。
「グレイ、あの山での事思い出せ。」
「え…っ。」
「いったろ?本音、言えってさ。」
心がずきりとした。
今、ナツは真剣にこちらを見ている。
なのに。
(俺は、この様はなんだ。)
目を逸らして、過去を見なくて。
終いには、仲間を裏切った。
「……だよ。」
「大きな声で。」
「……だって。」
「もっと、大きな声だ!」
その瞬間、グレイの何かがプツン、と切れた。
「あんな史上最悪な子守唄、誰が歌うってんだぁぁあ!!」
瞬間、ナツ以外は怯む。
ナツはニコリと満面の笑顔になった。
「まだ言いたい事あるだろ!言っちまえ!!」
「ああ、言ってやんよ!!」
グレイは大声のまま、悪態をベラベラ喋りだす。
心なしか、その表情は笑顔だった。
「これでいいか、馬鹿ナツがああ!!」
「っ馬鹿とはなんだああああああああああああああああ!!」
あの頃の喧嘩に戻った。
ルーシィは涙を滲ませ、星霊を呼び出す。
ただし、近くにあった水場に『鍵を入れて』。
「開け、宝瓶宮の扉、アクエリアス!!!」
鐘の音が鳴る。
星霊の出る合図だ。
「アクエリアス…ここら一帯、全部やっちゃってー!!」
『言われなくてもやってやらぁぁぁぁ!!』
これで、快勝のはずだった。
ギルが怪しげに微笑む。
「…えいっ。」
『!!』
アクエリアスは、ルーシィの鍵に戻ってしまった。
「えっ!?」
「私の魔法、貴方には有利だね。」
ギルは笑いながらルーシィに近づく。
そして、ルーシィを思い切り蹴った。
「うあんっ!!」
「私の魔法、『リリース』はね?所有系魔法…星霊魔導士とかの魔法を
取り消せる。」
ギルはルーシィを蹴りながら説明をする。
「ルーシィ!」
エルザがルーシィの下へ走る。
そのとき、エーガが指を振った。
「っ!?ぐ、ぅああ…!」
「私の魔法は、『拘束魔法』!辺りの物で、拘束ができるの!」
エルザの両腕が締め付けられる。
ギリギリと、音が鳴った。
ナツとグレイは、ルドと戦っていた。
ただ、グレイは戦いづらそうだ。
「…っ、!うあああ!!」
「グレイ!あっ!…うああ!」
理由は明確だ。
今までで、精神ダメージ、肉体のダメージが今ぶり返したのだ。
「これで、いいんだ…。これでグレイは力が目覚める。」
ルドは、クスリと見えないように笑った。
三話・終
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