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七章『これが俺達だ!!』
一話「やっと会えた」
「くっそ!」
「は、ぁ…っ、はぁ、うああ!!」
疲れきったグレイの腹付近に爆発が起こった。
ルドの魔法だろうか、とナツはルドを見る。
「僕は、無機質から魔法を生み出せる。限られてるけどね。」
「は!?」
「つまり、僕は何も無い所から水とか創れるの。」
すると、ルドはナツに向けて手を向ける。
瞬間、ナツを水が襲った。
「!!が、ぁああ!!」
ナツは水に閉じ込められた状態になる。
すると、集団の走る音が聞こえた。
「!!みんな!?」
ルーシィが倒れている状態で、ギルドの全員を見上げる。
グレイは目を逸らした。
「大丈夫か!?」
「グレイ様!!助けに来ました!」
「ナツ、加勢するぜ!」
「エルザ!大丈夫!?」
「ルーシィー!無事かー!?」
「ハッピーが踏まれてる!」
ザワザワと皆の声が聞こえる。
ハッピーはミラジェーンが抱えていた。
「チッ…。あんたらの相手は、この部下達だから!!」
大勢の部下が、全員を襲う。
全員は怯む事無く、立ち向かった。
「グレイ…。」
「レイガ…!」
嬉々の混じった声で、グレイはレイガを見る。
レイガは、少し笑いふらついた。
その様子をグレイは唖然と見るしか出来ない。
「すま、ない…、魔法陣を、消し、て、おいた…。」
「え、お前…まさか!」
ルドが目を見開く。
レイガはクスリと笑みをこぼした。
「…龍は、俺の命を代償に…魔法陣を消してくれるらし、い…。」
「!!」
グレイは驚き、レイガの頬を叩く。
レイガの肩は上下し、息もし辛そうだ。
「お前は死んじゃあいけない!!今までの罪は、死んで償えるか!!」
「グレ、イ…。」
「死んだら、駄目だ!生きろ!生きて、皆の分まで生きろよ!」
「……っ。」
「魔法陣が消える前なら、まだ出来るはずだ!そうだろ!?」
グレイは息を大きくはく。
確か、これはグレイの癖だ。
何かを歌うとき、グレイは大きく息をはく。
つまり―
「!!?やめろ!」
ナツが大きく叫ぶ。
グレイは止まらない。
「百合の華よ 冷たき氷に 身を隠し
冷たくとも 咲け続けよ
小百合の声 小さく揺れ 華は咲く!!」
瞬間、荒々しい叫びが屋敷に響いた。