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*62*
「…………。」
帰り道は、皆が無言だった。
正しくは、グレイ以外の皆はグレイを励ます言葉を考えている。
すると、アタシの時に通ったギャルが同じ道を歩く。
「この前さぁ、親友にね?罪なすりつけてやったの!」
「え〜!?すごんですけどですけどー!」
「だってあんな奴親友じゃねぇしー!」
「だよねー!」
「だから、今あいつ監獄のなか!すごくね?」
「すごいんですけどー!」
「お見舞いいったら…死んでたりしてー!」
「なにそれー!うけるー!」
「「きゃはははははははははは!!」」
その内容はとてもひどかった。
空気読みなさいよ!って思ったわ。
グレイが顔を俯かせる。
まぁ…
「お前等またか!空気読め馬鹿!!」
「はぁっ?知らないしー、何アイツー。前もあったよねー?」
「きーもーいー、ストーカーなんですけどー!」
ナツが言ってくれたんだけど。
だけどグレイは俯いたまま。
「やめろ。」
って制止の言葉をかけた。
ナツはアタフタしてる。
「…昔からだよ、俺はいつも大切な何かを失くすんだ。」
「…。」
エルザは黙ってその言葉を聞いてる。
「それに、何だか哀しく、ない…。淋しいのに、哀しくない…。」
それは、何でだろう。
私も前はそうだったんだ。
「涙だって、でてこない…。俺って、薄情だから」
「ちげーぞ。」
グレイの言葉の途中に、ナツが言う。
驚いたのか、グレイは目を見開いてた。
「涙がでねぇのは、すごく哀しかったからだと俺は思うぞ。」
「…ん、サンキューな。俺はホント大丈夫だから…。」
そうして、全員帰路につく。
グレイ以外は、また集合した。
「よし!グレイの家いくぞ。」
「ああ。」
「…いいのかしら。」
グレイの家につくと、リオンが立ってた。
そして、ゆるゆると首をふる。
「今は家に入らないでくれないか?」
「う〜…。」
ナツは納得がいかないみたい。
せっかく来たから、かな?
「…家に、おいてあったんだ。」
「何をですか?」
「レイガがグレイの部屋に週に一回、手紙を贈っていたんだ。」
一年間で約48通でしょ?
それが七年間って、すごく多いじゃない!
「グレイの誕生日には、プレゼントが置いてあった。」
つまり、グレイの帰りを待ち続けて、この手紙やプレゼントを贈ったのね。
「本当、アイツは周りの友人に恵まれているな。」
そういってリオンはそこを去る。
アタシ達は外から叫んだ。
「グレイー!依頼いってくるぞー!」
「待っていろ、土産に角でも持っていこう。」
「オイラは魚もってくるよ!」
「楽しみにしててねー!」
しばらくすると、嗚咽が残ってるグレイの声が聞こえる。
「俺も、行く!」
七年間は、長い。
だからアタシ達は、それを取り戻すんだ。
after story『七年後・ルーシィ視点』・終
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