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フェアリーテイル ―雪国の氷―  完結
作者: ハヤチ  (総ページ数: 65ページ)
関連タグ: FAIRYTAIL グレイ・フルバスター 二次創作 微グロ 
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「…………。」

帰り道は、皆が無言だった。
正しくは、グレイ以外の皆はグレイを励ます言葉を考えている。
すると、アタシの時に通ったギャルが同じ道を歩く。

「この前さぁ、親友にね?罪なすりつけてやったの!」
「え〜!?すごんですけどですけどー!」
「だってあんな奴親友じゃねぇしー!」
「だよねー!」
「だから、今あいつ監獄のなか!すごくね?」
「すごいんですけどー!」
「お見舞いいったら…死んでたりしてー!」
「なにそれー!うけるー!」
「「きゃはははははははははは!!」」

その内容はとてもひどかった。
空気読みなさいよ!って思ったわ。
グレイが顔を俯かせる。
まぁ…


「お前等またか!空気読め馬鹿!!」
「はぁっ?知らないしー、何アイツー。前もあったよねー?」
「きーもーいー、ストーカーなんですけどー!」

ナツが言ってくれたんだけど。
だけどグレイは俯いたまま。

「やめろ。」

って制止の言葉をかけた。
ナツはアタフタしてる。

「…昔からだよ、俺はいつも大切な何かを失くすんだ。」
「…。」

エルザは黙ってその言葉を聞いてる。

「それに、何だか哀しく、ない…。淋しいのに、哀しくない…。」

それは、何でだろう。
私も前はそうだったんだ。

「涙だって、でてこない…。俺って、薄情だから」
「ちげーぞ。」

グレイの言葉の途中に、ナツが言う。
驚いたのか、グレイは目を見開いてた。

「涙がでねぇのは、すごく哀しかったからだと俺は思うぞ。」
「…ん、サンキューな。俺はホント大丈夫だから…。」

そうして、全員帰路につく。
グレイ以外は、また集合した。

「よし!グレイの家いくぞ。」
「ああ。」
「…いいのかしら。」


グレイの家につくと、リオンが立ってた。
そして、ゆるゆると首をふる。

「今は家に入らないでくれないか?」
「う〜…。」

ナツは納得がいかないみたい。
せっかく来たから、かな?

「…家に、おいてあったんだ。」
「何をですか?」
「レイガがグレイの部屋に週に一回、手紙を贈っていたんだ。」

一年間で約48通でしょ?
それが七年間って、すごく多いじゃない!

「グレイの誕生日には、プレゼントが置いてあった。」

つまり、グレイの帰りを待ち続けて、この手紙やプレゼントを贈ったのね。

「本当、アイツは周りの友人に恵まれているな。」

そういってリオンはそこを去る。
アタシ達は外から叫んだ。

「グレイー!依頼いってくるぞー!」
「待っていろ、土産に角でも持っていこう。」
「オイラは魚もってくるよ!」
「楽しみにしててねー!」

しばらくすると、嗚咽が残ってるグレイの声が聞こえる。


「俺も、行く!」

七年間は、長い。
だからアタシ達は、それを取り戻すんだ。


after story『七年後・ルーシィ視点』・終

NEXT >>after story『七年後・裏』

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