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*9*
二章『疑い・詮索・隠密』
一話「少しずつ変わる」
次の日、約束どおりナツとグレイは戦う事になった。
中にはどちらが勝つか賭ける者もいる。
「若干グレイに賭けてる人多いわね…。」
ルーシィはため息をつく。
どうしてそう簡単に金を賭けられるのだろう。
「そうねぇ。よくやったけど今はなんだか勿体無くなっちゃったわ。」
「そうですね…ってミラさん!?私の心でも読めるんですか!?」
「ううん?」
つくづく凄い人だなと思い、ナツとグレイの方を向く。
今から始まるらしい。
結果。
「氷古龍の太刀!!」
グレイの氷の太刀でナツが一撃KO。
皆が歓声をあげた。
ルーシィは疑問に思う。
「?ねぇグレイ、その技って氷の造型と似てない?」
「ああ、これは古龍の魔力纏ってるから違うぞ、魔力的には、な。」
やっぱ造型のほうがいいけど。
グレイはそう言ってナツの方へ歩を進めた。
「もっかい、やるか?」
「おお!!!」
だが、エルザが前に出た。
「グレイ、次の勝負は造型魔法にしろ。」
「へ?」
「油断するな、敵はすぐそこにいるかもしれん。…それに。」
エルザは真剣な声から少し声をやわらかくして、ナツを見た。
「ナツは、グレイのあの魔法に勝てん。」
「んだとおおおお!?勝てるに決まってるだろーがぁ!!」
「だが、今のグレイはギルダーツを倒せないかどうかもわからんが。」
さすがにそれは過大評価しすぎだろ、と周りがざわつく。
だがエルザはそれに、と言葉を続けた。
「さっき、グレイの技を見たとき。半分造型魔法が入っていた。
…グレイ、先ほどで何割の力だった?」
いきなり問われて、グレイは慌てる。
だが、エルザから若干目を背けて、言った。
「…4割。」
その瞬間、ギルドが静かになった。
ナツが一撃KOしたのに、6割の力はだしていないことに。
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