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*8*
〜次の日〜
「おいルフィ〜。帰ろうぜ〜?こんな島オレやだよぉ〜。」
「なーに言ってんだ今更!もっと楽しめばいいだろ。」
「楽しむにも楽しめねぇよ!!」
ウソップは、ますます張り切るルフィにしがみついてなんとか帰ろうと説得するが、ルフィは止まらない。
そこに、管理人が来た。
「あら。管理人さんじゃない。」
ナミがうざったく言う。
「これはこれは皆様。ごゆっくりお休みになられましたでしょうか。」
「ごゆっくりお休みになれた!?バカにしないでよ!ここ、船の幽霊が居るんでしょ!?
ゆっくりなんて休めないわよ!」
「そ、そんな。幽霊だなんて。居るはずありません。」
ナミがキレているが、管理人はキッパリと「居ない」と否定。
すると、こんどはロビンが聞いた。
「本当に?じゃあ、街のみなさんが隠したがっているしっぽは何なのかしら。何か関係がありそうだけど。」
「あっ、いえ・・・。」
管理人も少しあたふたしている。・・・やはり、グリヴィ島としっぽには関係がありそうだ。
「飽くまで、オレたちの推測なんだが・・・。ここの島の奴らは全員、
船の幽霊なんじゃないか?」
「・・・・・・。」
管理人はサンジのそばに早足で行くと、しわがれた声を絞り出すように言った。
「お気づきになってしまいましたか。」
「ひ、ひぇ?」
ウソップはルフィにくっついていたが、管理人がすぐそばに来た為、自慢の逃げ足ですぐさま逃げた。
「・・・・一つ、訂正しますと、幽霊というよりは、『化身』といったほうが合っているでしょう。
もう乗れなくなった船、使われなくなった船、ゴーストシップなど、様々な船の化身が、なぜかこのグリヴィ島に集まってくるのです。」
「つつつつつつつまり!!オオオオバケじゃないんだな!?」
ウソップがビミョーな位置から怯えながら話す。そこにルフィが、
「なんだよぉ。オバケじゃねぇのかぁ〜。つまんねぇ。」
という。
「オバケも化身も一緒じゃねぇのか?」
フランキーが言うが、ロビンが否定した。
「化身はオバケと違って人型をしているの。そして大きな違いは、触れるということ。オバケは触れないし、
見えもしないでしょ?」
「なんだ。やっぱり違うじゃねーか。」
ルフィがブーイングを起こす。
「・・・ん?待てよ?それだったら・・・。」
「どした?ウソップ。」
チョッパーが不思議そうに聞く。
「じゃあ・・。もしかしたら・・・。メリーも、ここにいるんじゃねぇのか…?」
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「「!?」」
一味全員が険しい表情をするが、ブルックだけきょとんとした顔(かは分からないが、そういう事にしておこう)をした。
「メリーって・・。ライオンちゃんの前の船ですか?」
「あぁ、ブルックが仲間になる前だったっか。メリーがいっちまったのは。」
ゾロにとっては珍しい、寂しげな表情だ。すると、ルフィがブルックにつめより、仲間を紹介するぞといった。
「オレたちの・・、大切な仲間!オレたちをグランドラインまで運んでくれたんだ!」
「オレの友達の、カヤってヤツがくれたんだぜ!」
ウソップはやっと物陰から出てきて、さっきまでビクビクしていたのがウソのように自慢げになり、
はーっはっはっと笑いながら、長い鼻をもっと長くしていた。
そんなウソップを無視してメリーとの思い出にひたっている一味に、管理人は何か気づいたかのような身振りをし、恐る恐る一味に話しかけた。
「あのう・・。その、皆様が『メリー』と呼んでいらっしゃる船・・いや、船の化身は・・」
「「「「「「「えぇええぇぇぇぇ!!?メリーがココにいるぅ!?」」」」」」
一味は管理人の視界を埋め尽くすような勢いで問い詰め、
管理人はただでさえ腰が曲がっているというのに、もう少しでグキっと
音を立てて曲がりそうだった。
それでもなお一味は管理人を問い詰める。
「メリーがいるって本当かぁ!?うっっはー!早くあいてぇなぁ!!」
「まじかよ・・。レディの姿だといいなあ////」
ルフィはますますテンションが上がって、サンジはよからぬことを妄想している。
「私も、早く会ってみたいです。一度挨拶をしないと。」
「そうか。ブルックはまだあったことねぇのか。スーパーな船だったんだぜ!メリーは!」
「私たちを乗せて行ってくれたこと、お礼を言わなきゃね。」
「そうね!どっかの誰かさんのせいでボロッボロだったもの。」
そういってナミはちらっとゾロのほうを見る。それに気づいたゾロは、
「んぁ?・・・まぁでも、化身になってたとはな。」
と話を逸らす。
「メリー!早く会いてぇなぁ!」
あちこちで一味の声が飛び交う。どれも、早くメリーに会いたい一心だった。
ウソップは拳を握りしめ、心の中でつぶやいた。
(メリー、早く会いてぇなぁ。・・・・オレたちの冒険、いっぱい話してやるからな!!メリー!!!)