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*19*
「え、なんで真人君知ってるの!?」
驚いたような雛の顔。
女はみんな、直ぐに驚いた顔をする。不思議だ。
俺は、あまり驚いたりしないのに。
「雪から聞いた」
俺は、短く言い、目を逸らす。
逸らした先には、曇天の空。
今にも雨が降りそうな黒い雲が浮かんでいる。
(この頃、天気が悪い日々が続いているな)
俺はそう思っていた。
雛は、雪に向かって「もー、なんで話しちゃうかなぁー」と赤面しながらいっていた。
「えー、だって……」
雪が口ごもる。
俺も言い難かった。
幼馴染に、お前の恋人いなくなりました、とかさ。
俺は、絶対に言えない。
「まー、いーだろ。 そーいやさ、 これ知ってるか?」
どうにか話をそらそうと、俺はスマートフォンを取り出した。
「あ、知ってる! 私もやってるよ」
そういうと、雛は赤いスマートフォンを取り出した。
赤い色は、雛の好みとはあまり合わない気がしたが、そんなことは深く考えはしなかった。「あれ?」くらいだ。
「そうか。 フレンド、ならねぇ?」
「あ、いーよー!」
それで、俺らはフレンド登録した。
あいつの名前は「ヒヨコちゃん」だった。
一瞬、「おちょくってんのか!」と怒りそうになったが、我慢した。
(名前は、自由だからな)
そう思いながら、雛のデータをみる。
ランクは……40。 俺よりも30上だった。
俺は、ゲームをダウンロードしてから四日くらいしているが、ランクはなかなか上がらなかった。
まー のランクはどんどん上がるんだけどな。
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