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*4*
第一話 <スマートフォン>
俺は、赤崎 真人。丸菜高校一年生。平凡極まりない男子だ。
毎日、アンニュイな日々を過ごせるのは、ある意味平凡な俺の特権だろう。
しかし、ある日、俺は突然スマートフォンをもらった。
母と父からのプレゼントだった。
なんでかはわからない。 突然貰ったのだ。
それは、昨日の夜の話だった。
「真人ー、 今日はいいものをあげるわよ!」
その日の母はなぜか異常な程に上機嫌だった。
しかし、成績もいつも通り普通に85点だった。特別に褒められることもない。表彰されるようなこともなかった。
俺は首をかしげながら、母の前に立つ。
「なに? 母さん」
「じゃじゃーん!」
無駄に大きな声で効果音を発した後、母が取り出したのは、今話題になっている「スマートフォン」だった。
「え、なんで?」
嬉しいのは嬉しいが、なぜもらうのか分からなければ、素直に喜べはしない。
「なんでもなにも、 父さんが買えっていったのよ。 だから、プレゼントよっ」
俺に、スマートフォンの入った箱を押し付けてくる。
なんなんだよ、俺の両親。意味わかんねぇ。
とりあえず、落としたら多分大変なことになるから、箱を 受け取り、机の上で箱を開けた。
母は、俺の隣で感想でも待っているのかにこにこしていた。
箱の中に入っていたのは……黒いスマートフォン。
かっこ良かった。そこまでは良かったのだが、俺は疑問に思ったことがあり、母に聞いた。
「なぁ、これなに?」
なんと、スマートフォンの背中の部分に赤い字で「MAKOTO」と書かれてあったのだ。
「あぁ、それね。 父さんがわざわざ特注してくれたのよ」
意味わからねぇ! てか、別に、特注しなくていいんだけど? 恥ずかしくて、こんなスマートフォン、学校に持っていけないし。
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