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その日僕に落ちた神様は人生を喰いました〜完〜
作者: にゃは  (総ページ数: 69ページ)
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*32*

黒く輝く暗夜に光の柱がぶつかる。
颯磨の放った一撃は想像以上の威力だった。
天は交わすことをあきらめ防御に出た。
「天照」の力による「三柱神」を展開し、そして競り合いに出た。




風圧と、地面の砂が勢いよく舞い視界を遮る。

「天!…………」
風圧で吹き飛ばされた銀音は天に声をかける。

「流石ですね、これだけでは足りませんか?」
颯磨の余裕の警告と共に、砂が勢いよく吹き飛ぶ。
視界が良好になった先には、天と黒い巨大な物体があった。

「ぐっ…あっ!!」
なんとか押さえている状況だ。
天の放つ光のオーラが大きくなって巨大な物体を止めている。
「月落としを止めるなんてね」
笑いながら満更の微笑みを見せる。読んでいたのか。


「……こんにゃろ…シヴァソウル!!」
黄金の光が言葉と共に消えて、赤きオーラが放たれる。
シヴァの力に変換したようだ。
「砕けろぉ!!!!!」
巨大な物体はみるみる砕けていった。


「驚いたよ…ここまでとはね」
颯磨の驚きの顔と共に強敵との戦闘が楽しいみたいだ。
「シヴァの力が使えっていったんだよ」
「神と会話したのかい?」
「バカがこの場合命令だろ」
天の言葉にカチンッときたのか言い返してきた。



「フフッ…格下なのですか?バカらしい」
また、天もカチンッときたのか言い返した。
「はぁ?自分の弱さを認める、それが強さだろ?バカ野郎」
「うるさい人ですね、混沌バカ」
「混乱はしてねぇぞ、心底バカが」
口に喧嘩になったてるのを、銀音はじっと見ていて、クスッと笑いながら、「これはパクりなのでは?」と感じていた。



「俺が戦うのはもう飽きたな」
颯磨の言葉に天は疑問をもった。

「俺が」といったのはどういうことだ?
他にも仲間がいるのか?

「任せるよ、禰竅(ディアナ)」
目の前が光だし、光の中から一人の女が現れた。
「師、及びですか?」
言葉と共に現れた女は中年ぐらいで大人って感じの女だった。黒くツヤツヤロングの髪の毛が目に写る。


「ディアナってお前……」
天にはすぐに理解できた。今、こいつは「神」を召喚した。
「ホロウギルムと同じか………それ以上か…」
俺には出来ない。その言葉が天を覆う。
魅咲には近づけていないことを。


「師、私は何を?」
禰竅が颯磨に目的をきく。
「あの人を倒してくれるかな?」
そういって地面に座りだした。
「わかりました」


「ちっ!銀音!手伝え!!」
「う、……うん!!」
銀音が天に駆け寄る。その瞬間、禰竅が動いた。
一瞬で天の後ろに回る。まるで瞬間移動だ。
「破壊の電子(エレクトーンブレイク)!」
赤いオーラにビリビリとした音が流れだし、天を纏う。
それを見た禰竅は素早く後方へ下がる。

「う…逃がさない」
銀音の大地の力が禰竅の足場を崩す。
「!!」
体勢を崩した禰竅に天が突っ込む。瞬時に「天照」を発動。どうやら一撃にかけるみたいだ。
「くらえ!天照!!輝天覡……「修羅」」
この前放った「輝天覡」より遥かに強く輝き放つ。


「甘いですね…」
輝天覡は物理技だ。間合いに入らないと発動する意味がない。

「現実と空想、あなたはどちらがいいですか?」
「なっ!遠い!?」
輝天覡の攻撃範囲より遥か遠くに禰竅がいた。
何をしたのかわからないが天は咄嗟に、地面を殴った。
爆発音が鳴り響き、爆風と風圧に包まれた。




「禰竅!払え」
颯磨の指示を受け、煙を払う。が、そこに天と銀音の姿はなかった。



「逃げたか…」
颯磨はがっかりせず、むしろ笑っていた。

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