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作者: にゃは (総ページ数: 69ページ)
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*34*
狭い路地の戦いはすでに路地自体が形をなくしていた。
力と力のぶつかり合いが続いている。
「ふぅ…強敵との戦闘は楽しいですね!!」
颯磨の生き生きとするような声が耳に入る。
「あはは、奇遇だね♪私も今は楽しいよ」
それに合わせるかのようにローズが言う。
俺は楽しくねぇ…意味のない戦いなんて辛いだけだ。
「ローズ、けりつけようぜ」
「どーやって?あの子強いよ」
天は驚く発言をし始めた。
「名前を呼ぶ」
「…………!!」
ローズの顔がまるで化け物と戦闘する目付きに変わる。
銀音は相変わらずポケェとしてる、そんななか颯磨だけは感じとったのか、別人の目になる。
「遠慮はいらねぇ、俺が止めてやるからよ」
ローズはしばし考える。それから忠告をし始めた。
「止めれなかったら、天は……皆は死ぬよ?」
「止めるから…絶対に!!」
それを聞いたローズはニコッと笑いながらVサインを見せてくる。
「行くぞ…蕀(いばら)!」
ローズは言霊の協力な力だ。ゆえに制御も難しく。1つ間違えれば、全てが終わりに向かう。
そのため自らの力を「言霊」で封印したのだ。
解除の方法は「名前を呼ぶこと」…
「ぐはっ!!」
颯磨が勢いよく、地面に叩きつけられ、そのまま地面を引き面れながら壁に激突した。
出来事は一瞬。仕掛けたのはローズ………「蕀」だった。
「流石だな…」
天は動いていない。動けないのだ。名前を呼んだあと「言霊」により、「止まれ」と命じられていた。
「ははっ!いい!いいねぇ!!最高だよ!!」
禰竅が蕀に突っ込む…が、「言霊」により動きが止まった。
「はぁはぁ…やっぱ制御が難しいね」
蕀は完全にフルパワー状態。以前なら暴走しているだろう。それほど蕀も強くなったのだ。
「禰竅!!もどれ、そして出てこい!!」
言葉通りに、禰竅は一瞬で消えて、一瞬で戻ってきた。
「なる……ほどね、やるじゃない…」
もはや言葉を使うにも精一杯。
「少し休憩するかな?」
「減らず口が……「黙れ」」
「…………!!」
颯磨の口が開かない。
「師、私が守ります」
禰竅が前に出るが、言霊により「戻れ」と命じられ、消えてしまった。
完全に意表をつかれた颯磨はなすすべがない。
「死のうか…フフッ…」
「ストップだ、蕀…」
拳が1発蕀の溝内を直撃する。
放ったのは言霊を破壊した天だった。
「全く……こうなるの読んでたのかよ、言霊を弱くかけやがって…」
颯磨がいない、どうやら逃げたらしい。
「銀音!学校までローズを運ぶぞ」
「う………わかった!」
お疲れさんだ…蕀